2008年05月27日

3つの真実 ~ 野口嘉則 + ジャカランダの花


オグ・マンディーノのようだ・・・

書籍情報

3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”
野口嘉則
ビジネス社
売り上げランキング: 12


本のひらめき

物語は、人の心に不思議なケミストリーを起こさせてくれる。以前、ぼくは、オグ・マンディーノという人の描く物語に心を、そして魂を揺さぶられ、深い感動を味わったことがある。

日本人には、きっとこんなことはできないかもな・・・なんて・・・一人よがりに思ったりしていた。

そして、今、この本を読んで、それはあきらかに間違いだった・・・と思う。

本書のすばらしい物語は、オグ・マンディーノの本で味わったそれと同じくらい(それ以上?)深いものだったから。

「鏡の法則」を読まれた日本人は100万人以上。そのミリオンセラーから2年を経て、ふたたび野口さんが紡ぎだした物語は、とても深く、そして愛に満ちている。(僕が、愛に満ちているなんていうとおかしいけれど、本書を読めば、その意味がわかる)

本書にちりばめられているエピソードや考え方、もののとらえ方は、いつかどこかで聞いたような、あるいは本で読んだことがあるような・・・そいういうものがあるかもしれない。しかし、あー知ってるその話・・で終わらせない臨場感がこの本のすごいところ。
多くの思想家や哲学者、伝道師たちが積み上げてきた叡智ををひとつの物語として描き出した本書は、読む人の心にさりげなくよりそってくれる。そして、深く静かなケミストリーを起こさせてくれる。

物語はこんな感じ・・・

 就職して3年、主人公の僕(矢口)は、偶然みつけた「成功法則」にそって
 目標をたて、それをありありとイメージし、プラス思考でがんがん走った。
 その結果、それなりの成功を納めることになる。いまや企業研修の会社を経
 営する<ミスター目標達成>なのだ。
 しかし、あるときそれがもろくも崩れおちる時がやってきた。
 何が成功法則だ・・・と落ち込む矢口。
 さらに家庭でも問題発生。うつになりかけた妻、学校にいけなくなった子供。
 いったい何が成功なのか・・・人生の成功とは何か・・・
 そんなどん底状態の矢口に不思議なことが起きる・・・。

といったストーリー。このあとは、本書を読んでのお楽しみってことで。

自分のまわりにいる大切な人にプレゼントしたい本だねぇ。
超オススメ!の一冊。


僕の思いつき

矢口が物語の中でみつける3つの真実。(僕のために)メモしておこう。
(あ、読む前にそれ知っても、大丈夫。本書は、はるかに素晴らしい物語力で、読者に心のケミストリーを起こさせてくれるから)


 第一の真実: 人間は肉体を超えた存在であり、宇宙の偉大な力とつながっ
        ている。その本質は愛。
    (自分の存在を無条件に認めてくれる人が、近くにいたら、その人は
     宇宙の力と自分をつなぐチャンネルになっている人だね、きっと)

 第二の真実: 人生は自分の心を映し出す鏡。(2つの鏡の法則)
        心の底で認めたものが実現化する+心の波長と同類の出来事
        が引き寄せられる

 第三の真実: (悪い)感情は感じれば解放される。
        感情はそのまま感じ、思考を変えていく。
        怒り、ねたみ、憎しみなどの攻撃的な感情は二次的感情、
        その以前にある不安、惨め、怖れ、さびしさ・・などの
        一次的感情を感じること。

特に3つめの真実は、よい示唆をもらえる。以前、ジェイカレッジに登壇いただいたメンタルトレーニングの林恭弘さんも、二次的感情のお話をされていた。

会社で、家庭で、お店で、攻撃的な二次的な感情をもってしまったら、思いだしてみよう。



オススメ度

★★★★★+導かれて

読んで欲しい方

・魂に響く物語が読みたい方
・自分の人生をみつめたい方
・宇宙の真実を感じたい方

Posted by webook at 11:53 | Comments (0) | TrackBack

2008年05月25日

日本でいちばん大切にしたい会社 ~ 坂本光司 + 田舎バンザイMosoの種

 思わず涙。こんな会社で働きたい。

書籍情報

日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司
あさ出版
売り上げランキング: 1832

本のひらめき

世の中には、不思議な会社がいくつもある。一部上場とか、フォーチュン誌にのるようなビッグネームではない。おそらく初めて名前を聞くような地方の小さな中小企業だったりする。だから、世の中面白い。

三島市にある従業員80人のある企業には入社希望の若者が年間1万人もやってくる。
(南富士産業) http://www.mfsg.co.jp/profile/rinen.htm

お客様が世界中から殺到する島根県の片田舎にある義肢、装具の会社がある。
(中村ブレイス) http://www.nakamura-brace.co.jp/index.html

社員50人、そのうち70%が障害をもった方達で、50年も毎年採用を続けているチョークメーカーの会社もある
(日本理化学工業)http://www.rikagaku.co.jp/

「企業は社員の幸せを通じて社会に貢献すること」という理念で地域を含め多くの人たちに愛されている寒天の会社は、けっこう有名。
(伊奈食品工業)http://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/profile/gaiyo.html

地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営をつらぬいている北海道のお菓子屋さん。
(柳月)http://www.ryugetsu.co.jp/

素晴らしい会社がこんなにもいっぱいあったことに、改めて驚く。

著者は、これまで6000社を超える企業を調査してきた。その中で、人が感動の涙を流すような企業が本書では紹介されている。涙なしには読めない本だと思う。

特に、日本理化学工業のお話は、50年の歴史の重みに育まれた素敵な感動がなんともいえず素晴らしく・・・。

本書の生まれも、すばらしい。著者の講演会で、日本理化学工業の話をきき、感動したあさ出版の佐藤社長が、「この話を一人でも多くの人に伝えるのが出版社の使命・・」と、出版の要請を電話でされたという。

さまざまな感動と人の縁が織りなした素敵な本。人にすすめずにはおれない感動が、ここに、ある。


僕の思いつき

冒頭に、会社経営とは5人に対する使命と責任を果たすためにある・・・という話が登場する。5人とは・・・

 1.社員とその家族
 2.外注先、下請け企業の社員
 3.顧客
 4.地域社会
 5.株主

順番も大事である。多くの企業は、株主が第一の経営をしている。せざるをえない・・といってもいいかもしれない。堂々と、社員とその家族が一番ですといえる経営者はエライ。

本書に登場する会社は、いずれも上記の5人を大事にしている会社である。そしてその順番もほぼ、上記の順番。

日本でいちばん大切にしたい・・・という意味は、そこにある。

いろいろ考えさせられる本である。



オススメ度

★★★★★+いい会社に

読んで欲しい方

・何のための仕事か考えたい方
・会社の存在意義を見直したい方
・仕事の価値を感じたい方

Posted by webook at 11:50 | Comments (0) | TrackBack

2008年05月19日

効率が10倍アップする新・知的生産術 ~ 勝間和代 + 立川志の吉さん  

   自分をグーグル化する方法

書籍情報

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
勝間 和代
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 151


本のひらめき

なんだか凄い方である。大学2年(19歳)で公認会計士に合格、24歳で中
小企業診断士に1回で合格、TOEICを3年で420点から3年で900点
にアップ、21歳で子どもを出産し3人の子育てをしながらシステムコンサル
タント、証券トレーダー、経営コンサルタントなどをこなしてきた、スーパー
ウーマンの方である.

いやぁー参りました・・である。
次に思うことは、どうしたらそんなことができるか?・・・である。

本書は、その秘訣とノウハウが具体的に書かれている。

 Gmailを情報の貯金箱として使う方法、
 フレームワークを使って情報をうまく料理する方法
 フォトリーディング、マインドマップなどの情報処理方法
 情報発信することが、よりよい情報をうけとれること
 身になる読書の方法など

たくさんの具体的方法が紹介される。

著者がもっとも力を入れているメッセージは、「お金よりも情報が重要な時代
ですよ!」っていうことだ。それを情報主義時代と呼んでいる。それは、どん
な時代かというと・・・

 情報を持っていない人から、情報を持っている人へ
 お金が流れる仕組みの時代

ということらしい。情報が大事・・といわれるより、肌感覚でわかるねー。

私たちは、情報洪水にあうほど情報の海に流されている・・・と思っているけ
れど、実際はそうでもないらしい。たしかに情報はGoogleで検索すれば
腐るほど出てくるけれど、私たちはそれにおぼれているわけじゃい。情報はそ
こにあるが、自分の中にあふれるほどあるわけでもない。価値ある情報を手に
するにはどうしたらいいのか・・・。著者は、いくつかの方法を提示している。

 テーマをもつこと。
 情報の発信者になること。(Give5乗の法則)
 フレームワークをもつこと。
 自分の価値を出せないところはバッサリ捨てる。
 本代をケチらない。
 
など、なるほど!の考え方がいっぱいある。

いくつかあるヒントの中から、気に入ったものを取り込んでみてはいかがだろ
うか・・・。


僕の思いつき

本書には、たくさんのチップスが紹介されている。読むとなるほど!と納得や
目からうろこの体験もできる。しかし、実は、その先の「行動する」かどうか
が、ほんとうの勝負どころ。

著者が最後に紹介するのは、成果の法則

 成果=知識x行動x定着率

というもの。知識とは、たくさんの方法を得て新しいことを学んだこと。行動
は、その学びの中から行動に着手した割合。そして定着率は、着手したものの
うち習慣として残った割合。というわけだ。

ちょっとした、小さな差(習慣)も、5年10年とたつととんでもない違いに
なる。ひとつでも試して、習慣にまでもっていきたいものだ。

本書には、たくさんのおすすめ本、おすすめソフト、そして英語の Audio Book
が登場する。最後にまとめてあるのもうれしいね。

自分のおすすめモノを、まとめておく。
いつか、ここぞというときにそれを誰かにあげる。(Give5乗の法則)

そんなこともいいね。レストラン、グッズ、本、サイト・・・なんでもいいか
ら、そういうのをまとめておこう。



オススメ度

★★★★★+知的エリート

読んで欲しい方

・情報発信をしてみたい方
・情報を活用したい方
・情報の質をたかめたい方

Posted by webook at 10:29 | Comments (0) | TrackBack

2008年05月12日

気づいた人はうまくいく! ~ 阪本啓一 + YouTube デビュー

気づく楽しみがいっぱい・・・


書籍情報

気づいた人はうまくいく!―ビジネス・チャンスの見つけ方57
阪本 啓一
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 39398


本のひらめき

またまた折り目いっぱい、線引きいっぱいの本と遭遇。阪本啓一さんの最新刊である。本書は、アメリカの日本語情報誌「ライトハウス」に寄稿していたコラムが本になったもの。

コラムといっても阪本さんのこと、毎回、面白い視点でものごとを捉え、なるほどぉーという気づきを与えてくれる。本書は、そのベスト57が選りすぐられている。いわば、気づき力レッスン講座というわけだ。

いくつか書き留めておきたいトピックスがあった。

まずは、広島のもみじ饅頭の老舗、藤い屋。保存料を一切使わず、おいしさにこだわっていることに加え、物語をつけて売っている。物語をつけて、というのが「ネタ目」のつけどころ。阪本さんいわく「カタチのあるものはカタチのないもので売る。カタチのないものはカタチのあるもので売る」のがコツとか。

島根県益田市(人口5万人の小さな地方都市)に、ユニークな自動車学校があるという。年間6000人もの卒業生をコンスタントに出し、全国各地から教習生がくるという不思議な教習学校である。
 http://www.menkyo-toru.net/school/07105/
 http://www.masuda-ds.com/
ここの面白いところは、卒業生が変わる、成長するところだ。運転の技術だけではなく、心も磨ける楽しいしかけがいっぱいなのが素敵だ。

未来は“予測”からは生まれません。“実行”と“自分を信じきる勇気”が創り出すものです・・・・という阪本さんの言葉は、多いに僕たちを勇気づけてくれる。

阪本さんが日ごろから主張しているのは、戦略、囲い込み、勝ち組といった20世紀型のビジネススタイルではない。もっと、深く、そして楽しい思想がある。JOYWOWという会社(現会長)は、まさにその集積地。WINWINではなくJOYJOYでいこうというもの。そしてその先には感動(WOW)がある。なんだか素敵だ。

「経営者は、自社におけるJOY含有率を由一の経営指標にしてください。」というフレーズが、僕にはとっても響いた。読んだ人に一番きづいてほしいメッセージかもね。

思想を感じさせるマーケター、それが阪本さん。
またジェイカレッジに来てほしいなー。


僕の思いつき

阪本さんは、2003年からほぼ毎日ブログ(日記)を書き続けてきたという。書く練習は、学生のころから30年以上も続けてきたといか。撮る練習、書く練習の蓄積は、お金では買えない。

その中で醸成された「気付く力」こそが、コンサルタント阪本啓一さんの知的資産といってもいいだろう。

ただ書くのではない、そこにはネタ目(ものごとをネタとしてとらえようとする姿勢)、理由を考える思考実験、現場を確認して確かめる探究心・・そういうものがあったのだ。

本書にあるさまざまな事象や会社、製品の背後にある思いや思想をも見通すような洞察力は、こうして磨かれたんですなぁー。

続ける力は、気づく力も高めるということだね。

ブログを書いてる人は(僕も含め)、阪本さんの目線を参考にしたい。



オススメ度

★★★★★+ネタ目

読んで欲しい方

・世の中のためにビジネスを考えたい方
・面白い会社にしたい方
・とんがる企画を考えたい方

Posted by webook at 10:32 | Comments (0) | TrackBack

2008年05月05日

続ける力 ~ 伊藤真 + SNS型英語学習サイト iKnow

それは、私たちに内包されている素晴らしい力なのです。


書籍情報


続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書 い 4-1)
伊藤 真
幻冬舎
売り上げランキング: 110


本のひらめき

続ける関連の本がいくつか出版されている。昔から「継続は力なり」と言われ、続けることの大切さはいつの時代も変わらないテーマであるらしい。逆にいえば、続けることはなかなか大変だ・・・ということでもある。

著者は、東大法学部を出て弁護士となり、司法試験の受験指導を27年にもわたって続けてきた方である。司法試験ときいただけで、腰がひけてしまうが、世の中にはこの最難関の試験に挑む人がたくさんいる。合格までの平均受験回数は5,6回とか。年一回の試験だから数年の年月がいるわけである。

さてこの最難関の試験の合格不合格を分ける決定的な能力・・・それは、記憶力でも忍耐力でも集中力でもなく・・・「続ける力」だ、と著者はいう。そうは言っても・・・と言いたくなるが、本書を読めばナルホドと納得がいく。

法律も語学もスポーツもダイエットも・・・この「続ける力」が重要だというのは共通らしい。それは僕らも直感的に「うん!」と言える世界がある。

どうしたら続けられるか・・・その技術を知りたい。

なんでも「わかっちゃいるけどやめてしまう」原因は、「つらく苦しいこと」があること以上に「退屈で単純なこと」があるからだ。

本書には、ゴールから発想しよう、ゆっくり急げ、他人と比べても意味がない遅れは取り戻すのではなくリセットする、講義のあと、家に帰って復習する前に、その場で5分でもいいからノートを見直す、成功も失敗も等価値である、などなどたくさんのヒントがある。

しかし、最も大切なのは

  新しく始めることを、毎日の歯磨きのように自然なこととして
  受け入れられるようにすることが最もおおきなポイントである。

というところ。なるほど!である。
習慣にするには、攻略したり、克服したりするものではなく、自分の仲間にひきいれちゃうくらいのすこし脱力系の姿勢のほうがいいという。ふむふむ。

本書は、著者の経験に基づいたいろんなヒントは、なるほどがいっぱい。

そして、後半。司法の世界にどっぷりつかった著者は、憲法の思想の中で、個人の尊重、個人の尊厳の価値を世の中に広めようとしている。

続けることは力、続けることは人生、そして続けることは命・・・そんな著者の思想の部分が、本書から素敵な香りを感じるところではないだろうか。

ジェイカレッジにお招きしなければ・・・。

GW後半にお勧めの一冊。


僕の思いつき

本書の最後に、17年もの歳月を費やし司法試験に合格した主婦の方の物語が登場する。伊藤塾の教え子さんのおひとりだ。

マザー・テレサの本を読んで感動し、自分は弁護士になって弱い人のために働きたい・・・その思いが17年の続ける力の源だった。
子育て、家庭・・いろんなハンディの中で、続けてきた結果、50歳ちょっと前に素敵な一歩を踏み出したのである。なんて素敵なお話。

17年を司法試験の勉強に・・・人生のムダ使い・・という人もいるかもしれない。でも、マザーテレサのように生きたいと願い、コツコツと勉強を続けてきたこの方のことを「スピート」や「効率」というモノサシではかれるだろうか・・・・。

そう問いかける著者の言葉に、僕たちは大切なものを再発見する。

 なんとかハックスなど、効率、スピードの世界と
 コツコツ続ける世界と

僕たちはどちらも意識しながら、人生を楽しく、そして螺旋階段を上るように生きてまいりましょう。



オススメ度

★★★★★+歯磨きのように

読んで欲しい方

・自分の夢を実現したい方
・最近ちょっとくじけそうな方
・生きる力を感じたい方

Posted by webook at 13:05 | Comments (0) | TrackBack

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