2008年07月28日

ゆるみ力 ~ 阪本啓一 + ゆるむひと時

今、ここ、私・・・そしてこの一冊。

書籍情報

ゆるみ力 (日経プレミアシリーズ)
阪本 啓一
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 34711


本のひらめき

ゆるむ、とは、一見よくないことのような印象をうけるかもしれないが、決し
て、そういう意味ではない。体の力が抜けているが統一された調和の世界、そ
れが「ゆるむ」という意味である。

本書は、心をゆるめ、今、ここ(Here&Now)を楽しく生きる人生哲学
の本だ。とっても心がゆるゆるして心地よい。

この本を読むと、あらゆることを「受け入れる」ゆるみの魅力が感じられる。
この本を読むと、人間関係の問題が、ギフトに思えてくる。
この本を読むと、人生、回り道も楽しいと思える。
この本を読むと、どんなトラブルも何かの気付きの機会に見えてくる。
この本を読むと、過去をすべて肯定できるような気がしてくる。
この本を読むと、いやなヤツも許せるような気分になる。
この本を読むと、風の香りや雨の匂いがうれしくなる。

そう、心が“ゆるゆる”してくるのだ。

阪本さんの赤裸々な生い立ちも含め、本書は、阪本さんの人生哲学が、そうね
、ゆるゆるしながらいっぱい詰まっている。

もし、あなたが人生の問題、仕事のトラブル、健康の悩みをもっているのなら
本書は、ゆるりと効くいいクスリになるだろう。

温泉めぐりよろしく、本書の構成は、かけ湯、一の湯(人間関係に効く)、二
の湯(トラブルに効く)、三の湯(プロジェクトに効く)など、温泉につかる
ような感じになっていて、読みやすく、かつ、深い味わいがある。

人に勧めたい本が、また一冊増えた。今、ここ、私・・・そしてこの本。


僕の思いつき

このごろ僕は思う。いろんなトラブル、問題、思い通りにいかないこと、そう
いうことを受け入れられるようになったなぁと・・・。僕もちょっと成長して
きたなぁと・・・。

年を重ねてそうなったのかもしれない。いろんな本や人から影響を受けてそう
なったのかもしれない。あせることはない、いま&ここが、一番よいタイミン
グなのだろう。

頑張ってつくった企画をなかなか上司が理解してくれないなら、それは、もっ
と企画を洗練しよう・・という応援メッセージだし、トラブルに遭遇したら(
僕なんかつい先日、スピード違反でつかまっちゃった:汗)それは、何かのメ
ッセージだと思えば、気持ちを腐らさせなくてもよくなる。

 人生にショートカットはない。回り道だから、味がある。
 人生の未来に、どんな回り道があるのか、それもわからない。
 だからこそ
 NOW&HERE、
 今ここで生きることが人生の光源になるのだと、
 強く思う。

こんな阪本さんの言葉に、ぼくはこころがゆるんだのだった。
阪本さん、ありがとうございます。


オススメ度

★★★★★+ゆるゆる

読んで欲しい方

・人間関係に悩みのある方
・人生つまんないと思った方
・温泉でも行きたいなと思った方

Posted by webook at 10:30 | Comments (0) | TrackBack

2008年07月14日

有価証券報告書を使った決算書速読術 ~ 望月/花房 + 1秒&数字力

数字の裏のストーリーを読む。

書籍情報

有価証券報告書を使った 決算書速読術
望月 実 花房 幸範
阪急コミュニケーションズ
売り上げランキング: 338

本のひらめき

大前研一さんは、ビジネスマンに必要なスキルは、英語、IT、会計の3つだ
と言っていた。3つの言葉の定義は、人によって異なるかもしれないが、これ
らの必要性については誰もが納得するものだと思う。

本書は、そのうちの会計について、「有価証券報告書」とうネタを使ってビジ
ネスの実際を捕まえようという本だ。

公認会計士の田中靖浩さんが言っているように、多くのビジネスマンや経営者
にとって必要な会計知識は、会計の数字の作り方ではなく、「読み方」のほう
だ。本書では、読み方のネタとして有価証券報告書を使う。それを読み倒して
みようという発想がユニークだ。普段、有価証券報告書をじっくり眺める機会
はそうないかもしれないし、またあったとしてもワクワクどきどきしながら読
むような代物ではない。

本書では、吉本興業、ミクシィ、スターバックスなどの実際の有価証券報告書
を使って、その勘どころを抑える工夫がされていて、とても面白く読める。

決算書の数字は、ひとつの会社の一年間だけの数字を見ただけでは、あまり多
くの情報が得られない。そこで、「時系列分析(複数年の動きをみる)」と「
他社比較(ライバル会社との比較)」がキモだという。
そういえば、山田真哉さんの「女子大生会計士」でもそんなシーンが登場して
いたなー。

著者のお二人も、現場で使える決算書の読み方を、有価証券報告書でトレーニ
ングしたという。その方法が本書で紹介されている。

実際の報告書を使いながら、スターバックスとドトールの事業展開の違いを考
察したり、吉本興業の事業内容を分析したり・・・なかなか楽しい。

本書には、読者プレゼントがあり、PDFファイル「有価証券報告書の未来」と、
著者インタビュー(音声)がついてくる。これ、かなりのお得感あり!


僕の思いつき

本書を読んで思ったことは、類似の企業を比較すると面白い(スタバとドトー
ルのように)ということだ。

そのネタとなる数字や事業の紹介が、詳しく書かれているのが有価証券報告書
だから、そういう目線で見るときにはとても面白い材料となる。

もう一つ、あとがきにあったように、予備知識をもって何かに臨むと、その体
験がぐんと面白く深くなる、ということだ。

あとがきから引用してみよう。

 情報というのは、より現実を深く理解するための道具として価値があると
 思います。たとえば、吉本興業という会社がどういう会社かについて、知り
 たいとします。予備知識がない状態では、「ルミネtheよしもと」でライブ
 を見ても、「楽しいな!」だけで終わってしまいます。
 一方、有価証券報告書を読んでから、「ルミネtheよしもと」でライブを見る
 と「吉本興業は、番組制作、キャラクターグッズ、不動産の賃貸で儲けて
 いるのか。するとライブ自体は、儲けよりもタレントの良さを伝えたり、
 お客さんの顧客満足をあげることが一番の目的なのかもしれないな」などと
 奥行きのある見方ができるようになります。

確かに、予備知識は経験をより深いものにしてくれる。

比較分析、予備知識。

これから行動するときは、ちょっとキーワードにしてみたい。



オススメ度

★★★★★+数字の裏の物語

読んで欲しい方

・経営的な立場で会計を理解したい方
・できるビジネスパーソンの方(笑)
・有価証券報告書を面白いと感じたい方

Posted by webook at 14:31 | Comments (0) | TrackBack

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