2016年10月18日

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 〜 永井 孝尚

マーケティングが楽しく学べる

書籍情報

この本のツボは?

ベストセラー「さあ、星を売ろう!」の作者、永井孝尚さんの最新刊です。 先日お会いしたら、全国から講演依頼がいっぱいで、かなりお忙しいご様子。 企業のコンサルもしておられて多望な毎日のようです。 IBMでマーケティングや人材育成に尽力された後、独立し、独自の活動で 企業や組織の活性化やビジネス興隆のためのサポートをされている方です。

今回は、マーケティングのエッセンスを、身近な事例を参照しながら解き明
かすとても読み易い本です。

女性の財布はなぜ太いのか?
ベンツを買った人は、なぜまたベンツのCMが気になるのか?
行列のできるレストランはなぜ赤字なのか?

など、卑近な事例と、そういえばどうしてだろう?という疑問から、マーケ
ティングのツボを押さえて展開します。楽しく勉強できるのが嬉しい。

さて、目に留まったのはこんな内容です:

▽バリュープロポジション

 最近、腕時計をしてない人をみかける。僕もここ数年、時計はやめました。
 スマホで十分だからです。かつて,正確な時を知らせるという機能で時代を
 リードしたクオーツやデジタルの時計は、もはやコモディティ化して、その
 提供価値をほかのものに奪われている。
 にもかかわらず、案外、町には時計のコマーシャルがいっぱい・・・そこに
 バリュープロポジションを考えるヒントがあったようです。
 
 腕時計業界は、お客さんが金を出す「理由」を新しく創造することで、スマホ
 や携帯ではまねできないものを創りだそうとしている。
 ジョギング専用ウオッチは、「体力を強化する」という価値を
 登山専用ウオッチは、「安全に登山する」という価値を
 創造している。

 バリュープロポジションを因数分解すると(笑)
 = お客様の望むもの x 他社が提供していないもの x 自分が提供できるもの
ということですね。

 バリュープロポジションやブルーオーシャン戦略を考えるためには、徹底して
 お客さんの立場で考える必要があります。


▽コスト戦略

 コストと価格は、まったく別物である。
 一言でいうと「コストは事実、価格は戦略」なのである。

 重要なのは、価格は戦略次第でいかようにも変えられるのだ。
 安値で売るのも戦略だし、逆に高値で売るのも戦略だ。
 価格戦略は、ビジネス戦略そのものだ。

 とても共感できる考え方で、僕もストリートアカデミーなどで、ちょっと遊び
 ながら勉強させていただいている。多くお人は、価格戦略で、ビビっていると
 思う。

その他、「なぜ、セブンの近くにセブンがあるのか?」から、チャンネル戦略、
ランチェスター戦略などを考えたり、
「人は、ベンツを買った後、なぜベンツの広告を見てしまうのか」から顧客と
ブランド戦略を学んだり・・・とにかく、とっても楽しく学べる本なのです。

物語とは違い、今回の本は、大学のマーケティング人気講座を聞くような感じ
で読める内容です。とっても、おすすめ!


おすすめ度は?

   ★★★★★+なるほど!

知りたい?

   ・マーケティングを学びたい方
   ・ものの売り方のヒントが欲しい方
   ・商売をはじめた方


■■今日のおまけ:( 言葉の因数分解7)

「言葉の因数分解」というひらめきをもとに言葉を見直しています。
 今回は、その7。今回は、電車でおもいつきの巻。

 その7(電車でGO)
  バカ=KY+余計なひと言+正直+可愛い
  親切=迷い+勇気+感謝+時々ドボン
  依頼=(相手の都合+相手の力量)x思いやり
  矛盾=定時退社+これ明日まで
  物語=難敵+弱虫+苦境+矛盾+解決ゾロリ

 その6 (テスト講座の作品から)
  食事= 食べる+しゃべる+かたづける
  食事= 自宅1+コンビニ2+居酒屋4
  飲み会=なぐさめ+はげまし+根回し+ぐだぐだ
  コミュニケーション=話すx100+聞くx3(10年前)
           =聞くx100+話すx3(いま)
  コミュニケーション=顔色+声色+言葉色
  など、その方のお人柄や経験などがにじみ出るとても楽しい作品が
  いっぱいでした。次回は、10/22
https://www.street-academy.com/myclass/14503


 過去の傑作
  電車 = 如何に座るか + いかに譲るか
  お土産 = お礼 + 金額/下心
  コンビニ = なんでも + いつでも
  自販機 = どこでも + いつでも
  ファミレス = 家族で + ふたりで + ひとりで
  出張 = 領収書+報告書+お土産   (座布団2枚!)
  謝罪 = 0.2(実利)+0.8(誠意)
  出番 = チャンス+根拠なき自信
  絵本 = 子どもが大人になる準備+大人が子どもに戻れる時
  真実=事実+解釈
  傲慢=自己中+高圧的
  夫婦=Short歓喜+Long我慢

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  日時: 2016/10/22(土) 10:00-11:30
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2016年10月13日

「良い質問」をする技術 〜 粟津恭一郎 

質問は、他人事を自分事に変換する

書籍情報

「良い質問」をする技術
粟津 恭一郎
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 2,039

この本のツボは?

たぶん、この本は私にとって、今年一番のヒットだと思います。
様々な場所で使える技術がいっぱい、ひらめきがいっぱいの本だからです。

コーチングで大事なことは、ひとことでいえば・・・なんでしょうか?

それは、「質問」です。更に言えば、「よい質問」。

本書は、その質問の意味と価値と方法を気づかせてくれる素敵な本です。
コーチAの粟津さんが書き下ろした良い質問の教科書です。

身の回りでよく耳にする次のような問いの言葉・・・

 ・どうして、こんなことができなかったんだ?
 ・なんで、宿題やってないのよ〜
 ・なぜ、君は同じ事を繰り返すのか?

いずれも、質問のような外見でありながら、その実、中身は叱責、責め、咎める
気持ちが充満していますね。
言われた方は、瞬時に心のシャッターをおろします。たとえそれがまっとうな
内容であっても。

本書でいう「良い質問」とは何でしょうか。それは、問われた方が、思わず
答えたくなる、新しい気づきを与えてくれる質問であると、定義しています。

理解することと、気づくことは、何が違うでしょうか。ほとんど同じなのです
が、ちょっとだけ違うのは、分かった後、自発的行動に繋がるかどうかという
点です。一方的な教育や指導は、理解にはつながるものの、自発的行動につな
がらないことも多いでしょう。分かってるけどやらない・・っていうあれです。
気づきは、それに比べ、次のステップに行きやすい。わずか1ミリほどの差で
すが、そこが大きな分かれ目です。
良い質問とは、その1ミリを分ける問いといえましょう。

もう一つ、指示と質問の違いも解説されています。
  xxxをしなさい。という高圧的な指示と、
  xxxにするにはどうしらたいいと思う?という問い。

同じ事をしむけているのに
前者は心の中に穴に籠りたくなる壁を、
後者は、穴から出たくなる気持ちを誘起します。

著者の粟津さんは、この違いを「質問は、人と人との関係を対等にする」と
表現します。なるほど、そうですね。

もうひとつ大事なポイントがあります。それは「質問には、思わずその事に
ついて考えてしまう」という強い力があるということです。
誰かから言われた、ちょっとした問い。
自ら心に浮かんだ、ちいさな問い。
それらが、心の中に内在化し、次なるステージへの架け橋となるということ
なのです。素敵な一文をメモしておきましょう。

 質問には「そもそも人の心を強く捉え」「指示・命令よりも心の中に
 すっと入り」「ひらめきと自発的行動を促す」といった性質があります。


粟津さんは、質問を4つに分けています。軽い質問、重い質問、良い質問、
そして悪い質問。マトリクスで、横軸が気づきの大小、縦軸が答え易さと
すると分かり易いでしょう。

軽い質問は、相手との関係をよくする質問で、聞かれて嬉しい、答えて楽し
くなるものです。雑談時の質問ともいえます。「最近、テニスやってる?」
とか「アップルウオッチを着けた感じはどうですか?」とか。

悪い質問は、「なんでそんな事聞くの?」というもの。相手の状況や心情に
配慮しない無遠慮なものは悪い質問になります。プライベートにあまりに立
ち入る質問などはこれにあたります。「なんで結婚しないの?」なんて、よ
けいなお世話です。「なんで宿題やってないの?」なんてのも、やる気を削
ぐ質問です。そもそも、否定形で聞いているところからNGですね。

重い質問は、質問された人が答えたくないけど、深い気づきを与えてくれる
ものです。例えば、「今まで人には言えなかったけれど、改めてみたいこと
はありますか?」「やめたいと思いながらつい続けてしまっていることは何
ですか?」など。

そして、良い質問は、その事を聞かれて、おおきな気づきと自発的な行動へ
のきっかけになるものです。例えば「もし、あなたと○○さんが逆の立場だっ
たらどうえしょうか?」「営業目的は、なんおためにあるのでしょうか?」
など。本質にさりげなく近づく新しい視点の質問がいいですね。

ここで、あなたへの良い質問!(笑)

 今まで、人に言われた質問で、あなたに大きな気づきを与えたものは
 どんなことですか?

 今まで、あなたに会えてよかったといってくれる人はいますか?

 今まで、あなたが恩人と感じる人はどなたですか?

いきなり重い質問や良い質問をぶつけても、相手は構えてしまいますから
はじめは、軽くて心地よい質問を投げ合うのがよいでしょう。

ランチタイム、楽しい会話があると思いますが、時に誰かの一人舞台に
なってしまうことはありませんか? ほんとは、みんな話したいのに。
時折、この人いつ息をしてるの?と思うくらい間を入れないで話しをし
続ける人がいますが、そういう方は、ちょっと人の気持ちを考えると
いいですね。

そんなとき、軽い質問で、みんなが話せる雰囲気をつくるランチトーク
のファシリテーターをやるといいですね。(微妙な間合いがいりますが)

良い質問は、答える人の心を開き、思わぬ深いトークを引き出します。
本書を読んで、よい質問の持つ素晴らしい価値と効果を感じて欲しいと
思います。

おかげさまで、僕は、とてもいい気づきをいただき、そして、次の行動
を起こす事になりました。粟津さまさまです。w

とっても、おすすめ!

おすすめ度は?

   ★★★★★+思わず答えたくなる

知りたい?

   ・職場のコミュニケーションを良くしたい方
   ・本質に迫る対話をしたい方
   ・良い質問のヒントを得たい方


■■今日のおまけ:( 私の前世は鷹? )

 私の前世は、ブタかイヌだったかというお話をしましたが、さらにその前には
 鳶か鷹だったかもしれません。
 なぜなら、上の方から俯瞰してものごとを見るのが好きなのです。
 で、大枠がみえて絵もかけるのですが、細かい事をじっくり進めるのが大の苦手。
 飽きっぽいというか、忍耐力がないというか。
 手も足も口も出したいけど、上でくるくる回るだけ・・・
 もどかしいったらありゃしない。
 時々、人間にもどるとつい手を出して、じゃ、僕がやります!なんて言っちゃう
 もんだから、よけいにいそがしくなったりする。
 でも、ま〜それが楽しいからいいですね。やらされて忙しい事ほど嫌なことは
 ありませんが、自分でやりたいことをやって忙しいのは、楽しさのみ。

 そこどけそこどけ めんどうならば おれがやるから くちだすな
                     出典:(小林いっちゃ)ここんちく集

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2016年10月11日

奇跡の人間育成 〜 松尾一也

人は死ぬまで成長できる・・・


書籍情報



この本のツボは?

著者の松尾さんにはじめてお会いしたのは、伝ちゃんのイベントだったでしょ
うか。なんて爽やかで素敵な方!というのが第一印象。以来、いろんなところ
でお世話になってきました。800人を超える講師陣を擁し、一貫して人間力
を磨くことに注力してこられた松尾さん。その道のりで出会った人やご自身の
体験などをもとに、私達がいかにして人間力を高めて行けるのか、人材育成に
関わっていけるのかのヒントを満載した本が、これです。

本書は、松尾さんそのもの・・・といってもいいのでしょう。

読後には、たくさんの折り返しができ、線がいっぱい引かれているのですが、
とくに印象深いところをメモしておきましょう。

レバレッジはキケン
  マネジメントでは、経営者は「レバレッジ」を追求することが必要な場面
  もありますが、人間育成においては「レバレッジ」は禁物。
  小さな労力で、最大の報酬が欲しい・・と思っているうちは大成しない。
  10アウトプットするには、1000以上インプットしないと、いい成果
  は発揮できない。日頃の仕込みが重要です。

健康は富みに勝る
  You are what you ate. (あなたは、あなたが食べた物でできている)
  無意識に口にしている食べ物や飲み物が、食品添加物、農薬、白砂糖づけで
  あれば、その影響は避けられず、もっと自分の食生活に関心を持つ事が、今
  の時代、とても大切です。

試練を大事にする人・粗末にする人
  作家・遠藤周作さんの言葉を紹介します。
 「人生に無駄なことはない。不遇、失敗、浪人・・・これら全ての中に宝物が
  埋まっていた。」つまり、試練は、その人の人生を覚醒させるものなのです。
  
支援型リーダーシップ(あぁ〜この言葉好きだな〜)
  真のリーダーシップの三原則
   1)メンバーのいいところを見つけて、集める力を発揮する
   2)メンバーの幸せ、成功を実現させる力を発揮する
   3)明るい解決策を提供し続ける力を発揮する
  これによって、何か変わるかというと「組織を動かす」から「組織が自然に
  動く」というモードに変わります。(うんうん)

いい出来事はいい出逢いから
  誰とであって、どんなドラマが生まれるか・・その集積が人生とも言えます。
  人生というものは「出逢いが全て」と言っても過言ではありません。
  あらゆる出来事は「人」からもたらされるのです。
  (そして、運は人が運んでくるのですね〜)

我が敬愛する松尾校長の新著は、はじめにを読んだだけで、もうウットリしてきます。
  品格、マナーは人生を左右する・・・
  実がなる人の共通点は、笑顔がいい・・・
  支援型リーダーシップを体現する人・・
など、爽やかな文章が心にしっとりしみ入ります。

そして、最後の大畑誠也さんの「高校生最後の授業」という講演の紹介は涙
なしには読めません。松尾校長もこれまでに最も印象深い講演だったと述懐
しておられます。

大畑校長先生がお話されている様子を想像するだけで、涙がこぼれてきます。
大畑さんが校長として、渾身の願いをこめて語るその言葉は、生徒も親も魂
をふるわせて受け止めるのです。

ここにその全文を転記したいほど、私も心を震わせて読ませていただきました。

ぜひ、本書を手に取ってご覧下さい。この部分だけ本屋でこっそり読むのも
いいでしょう。
たぶん、涙のあとに本書を手にしてレジに並ぶことになります。w

たくさんの人に読んで欲しい大切な一冊と出逢うことができました。

おすすめ度は?

   ★★★★★+人間力

知りたい?

   ・人材育成に関わってる方
   ・組織を元気にしたい方
   ・これからの方


■■今日のおまけ:( 言葉の因数分解6 )

「言葉の因数分解」というひらめきをもとに言葉を見直しています。
 今回は、その6。今回は、先日開催された「言葉の因数分解講座」で
 参加者のみなさんからでた素敵な作品をご紹介しましょう。

 その6
  食事= 生きる + 選択
  食事= 食べる+ しゃべる + かたづける
  食事= 自宅1+ コンビニ2 + 居酒屋4
  飲み会= 先人のアドバイス ー 金 ー 時
  飲み会=楽 + 仲間 ー グチ
  飲み会=なぐさめ + はげまし + 根回し + ぐだぐだ
  コミュニケーション=話すx100+聞くx3(10年前)
           =聞くx100+話すx3(いま)
  コミュニケーション=顔色+声色+言葉色
  コミュニケーション=衝突+応答
  など、その方のお人柄や経験などがにじみ出るとても楽しい作品が
  いっぱいでした。次回は、10/22
https://www.street-academy.com/myclass/14503


 その5
  電車 = 如何に座るか + いかに譲るか
  お土産 = お礼 + 金額/下心

 その4
  コンビニ = なんでも + いつでも
  ファミレス = 家族で + ふたりで + ひとりで
   ( ファミレスの因数分解が、なんだか哀愁です。)

 その3(読者の方からもいただきました)(抜粋)
  出張 = 領収書+報告書+お土産   (座布団2枚!)
  筋トレ = (心+体)x 習慣

 その2(抜粋)
  ファン = 顧客 ー クレーマー
  謝罪 = 0.2(実利)+0.8(誠意)
  経営資源 = 志+アイデア+努力+感謝
  出番 = チャンス+根拠なき自信
  絵本 = 子どもが大人になる準備+大人が子どもに戻れる時
  
 その1(抜粋)
  真実=事実+解釈
  傲慢=自己中+高圧的
  夫婦=Short歓喜+Long我慢

 ★ 楽しい因数分解、募集中~  : webook@yahoo.co.jp まで

 ★ 仕事と人生を楽しくする「言葉の因数分解」講座 + Webook クーポン
   第二回テスト講座:

  日時: 2016/10/22(土) 10:00-11:30
  場所: 都内か暮れ家(参加者にお知らせ)
  会費: 2000円( 東京で二番めに美味しい担々麺ランチを後で・・)
  内容: 本の紹介、因数分解、ワーク&クイズ、集合写真
  詳細: https://www.street-academy.com/myclass/14503

  第一回目の好評をうけまして、図に乗って二回目を企画しました。
  次回もお楽しみに。
  もしかすると本になるかも~ 

  なお、今、ストリートアカデミーに登録すると1000円の
  クーポンがもらえます。これは利用したほうがいいかも。
    → http://bit.ly/webookPRESENT

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Posted by webook at 21:28 | Comments (0) | TrackBack

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