2011年03月26日

枠からはみ出す仕事術 ~ 美崎栄一郎 + 社会起業大学

 枠や制約があるからこそ面白い!マネしてトクしてハミだそう!

書籍情報

枠からはみ出す仕事術
美崎 栄一郎
サンマーク出版
売り上げランキング: 2859

この本のツボは?

某大手メーカーの社員でもあり、ビジネス作家でもあり・・・大活躍の美崎さ
んが、ご自身の働き方から見い出した「仕事を面白くする26のスイッチ」。
それはまさに「枠をはみ出す」仕事のやり方だった。

僕も、どちらかといえば会社の中で“ちょっとはみ出し族”だったので、痛く
共感するところがある。

会社勤めをしていれば、早く自分の裁量で面白く楽しく仕事をしたいと思うの
は、誰しも同じ。しかし、いくら早く出世したところで、様々な制約はいつま
でも付きまとう。仕事を面白くするのは、もっと違う視点が必要だ。

美崎さんは、それを「枠からはみ出す仕事術」として、少しづつ編み出してき
た。そのエッセンスが本書である。

だたし、枠からはみ出すといっても奇抜なことをするということではない、と
美崎さんはいう。

 「絵を描くためにカンバスがいるように、枠も必要。会社のルールや制約
  があるからこそ、その中で価値や工夫が生まれる。会社という枠を上手
  に使い、自分の仕事を広げていく方法がある。」

本書に紹介されている26のスイッチは、とても共感できるものであり、マネ
してやってみたいものばかりだ。いくつか例を紹介しておこう。

*雑用とは、自分に100%決定権のある仕事!
  コピー取り、お弁当の買い出し、イベントの日程調整・・など、よくある
  様々な雑用は、まさにはみ出すチャンス。どんな仕事も、自分で決定権が
  ある仕事は、工夫と楽しみの宝庫なのだ。

*会社で学んだことは、世の中で役立つスキル!
  私たちが日々身につけている能力は、本当はどんな場所でも通用する。だ
  から、会社という小さな枠にとらわれていてはもったいない、と美崎さん
  はいう。(強く共感)
  それが何か、自分なりに整理したり、プレゼン資料を作ったり、講演資料
  を作ってみるのもいいね。枠を飛び出す出番が必ずやってくる。
  (その準備の過程もまた、はみ出しの練習になる)

*頼まれた仕事は、自分を成長させる宿題!
  会社に依存しない自分でいたい、自分を成長させてくれる仕事を選べる人
  になりたい・・・美崎さんもそう決意しという。しかし、逆に、仕事を選
  ばなくなったともいう。なぜか。どんな仕事にも自分を成長させてくれる
  芽があることを知ったからだ。頼まれ仕事は、イエス! なのだ。
  佐藤伝さんや今野誠一さんも言っている・・・
 「頼まれたときは、試されている時」だと。

などなど、楽しく枠からはみ出す仕事術がいっぱいある。

しばらく前に、Facebook上で、「ちょっとはみ出し倶楽部」っていう
のを作った。 → http://on.fb.me/hamidashiCLUB
ぜひ、美崎さんには、名誉会長になっていただきたい!♪

枠からはみ出したい人、はみ出している人、お勧め!の一冊。

おすすめ度は?

   ★★★★★+枠からチョット

知りたい?

   ・つまらない会議をワクワクする方法?
   ・痛恨のミスを生かす方法?
   ・アクション書評? 真似してみよう。


■■今日のおまけ:( 田坂広志さん社会起業大学名誉学長就任! )

 先日、社会起業大学主催で、田坂さんが名誉学長に就任された記念講演が
 あり、行ってきました。つるちゃんと並んでお話を聞きました。

 社会起業大学は、「社会起業家を育成する」ビジネススクールです。
  http://socialvalue.jp/about/index.html 
 田中勇一さん http://socialvalue.jp/about/about4.html の深い志と
 中村 大作学長の熱い想いで創設されたもの。

 田坂さんがこの社会起業大学の名誉会長に就任された意味は、社会起業大学
 が、ソフィア・バンク( http://www.sophiabank.co.jp/ )のミッションと
 も共鳴して新しい社会を創造する一つのベースになる存在である・・という
 ことなのでしょう。

 田坂さんのお話は、「いま、あなたに何ができるのか-すべての人が社会
 に貢献できる生き方・働き方 -」と題して、東北大震災を目の前にした
 私たちに、いま何をなすべきか、深い示唆を与えられる内容でした。

 集まった300人の方と深い共感を感じることができたことに感謝です。
  http://socialvalue.jp/special_tasaka/

 このお話を聞き、ひきこもっていた自分が動き出す契機になりました。

  すべての出来事の中に、大切な意味があり、そこに共感と感謝を抱き、
  目の前の仕事を見つめる。その仕事に使命感を抱き、高き志を重ね
  心をこめて取り組むこと・・・・それが、私たちがいま為すべきこと。
  この国の新たな再生がまさに始まった今、この度の大震災を日本国民
  全員が共有する原体験として、深く心に刻み、どんな仕事であれ、
  社会企業家としての歩みを進めていこう・・

 そんなメッセージを私は受け取りました。ともにがんばりましょう。
 

■■虹色の本棚:( バトンの訂正 + 始まってるよ! )

 知らない間にそっと始った、虹色の本棚。
 皆さんからのおすすめ本をつないでいくプロジェクトです。
 真之助→たけみつさん→おやじむしさん→高橋ナコさん→勝俣さん→??
 100人つながったら、電子書籍にしたいですね!

 僕のところにも回ってこないかなーって言う方は、こちらにリストアップ
 してくださいね。自分の心の枠をちょっとはみ出してみてね!
 → http://kokucheese.com/event/index/9109/

Posted by webook at 15:35 | Comments (0) | TrackBack

2011年03月14日

講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本 ~ 大谷由里子 + 地震お見舞い

この本、講演映像DVD付きで、めちゃお得でおます!

書籍情報

DVD付 講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本
大谷 由里子
中経出版
売り上げランキング: 11772


この本のツボは?

縁塾の大谷さんは、吉本興行で横山やすしさんのマネジャーだった方。人に
は厳しく自分には超あまかったという横山やすしのお世話をしただけあって、
様々な経験をされたという。そんな中で学んだことを生かしながら、人を活か
す講師をつくる志援塾を主宰している。

本書は、そんな大谷さんの講師道の要諦、台本づくりについて書かれたもの。

落語にも漫才にもドラマにもCMにも必ず台本がある。アドリブに見えるコン
トでもしっかりとした台本がある。吉本興行時代から台本は当たり前だった著
者は、はじめて講演を頼まれたとき、当然のように台本を作ったという。一字
一句かなりきっちりとしたものだったらしい。

講師の台本は、演劇などとちがって細かい「セリフを固める」ものではなく、
「考えをまとめる」ものとしての位置づけだという。

台本を作る理由は、「フレない」「伝わる」講演をするためであり、時間配分
ができ、臨機応変にアドリブ対応ができる、反省できるなどの効果がある。

具体的には、

 1)志シートを作る(志、目的、伝えたいメッセージなど)
 2)話のネタになる体験を書きだす(自分年表、魔法の質問、成功失敗仕事
   人のマトリクスで分類)
      → 今日の講演は面白かった につながるネタ
 3)自分のもつスキル・知識を書きだす(発見ネタ、人のネタ、数字・・)
      → 今日の講演は役に立った につながるネタ
 4)伝えたいメッセージを2)や3)から5分ネタに作り込む
 5)台本の構成をする(ツカミとシメが大事)
 6)プレゼンに磨きをかける(自己紹介動画、ホワイトボード利用など)

という流れである。

附録のDVDは、著者の実際の講演録であり、これが大変面白い。5000円
で講演に参加したくらいの価値がある。(となれば本書や破格に安いね)

講師デビューをされる方、すでに講師の方、将来は自分も・・と考えている方
ぜひ、読まれたい。

おすすめ度は?

   ★★★★★+台本が命

知りたい?

   ・業界ネタは新鮮なスキルであり、知識である!?
   ・体験談は何より説得力がある。たとえば?
   ・離陸の瞬間は物語がある。(入学、就職、離別・・などの転機)


■■今日のおまけ:( 地震お見舞い )

 11日午後2時46分、大変大きな地震でしたね。東北地方を中心に多くの
 犠牲がで、また都会では帰宅できない人も多くいました。
 亡くなられた方にはご冥福をお祈りいたします。また救助を待っている方は
 早期の無事救出をお祈りします。

 私はたまたま自宅にいましたが、船に揺られるような大きな揺れで、人生最
 大の危機感を感じました。M8.8の巨大地震、おそろしかったですね。
 余震が続き、眠れない夜でした。
 TwitteやFacebookなど、お役立ち情報が飛び交い、支援の輪
 が広がったのはよかったです。

 寝る前にCKリスト

  □ *風呂に水を貯めろ(トイレ対策)
  □ *寝るときはクツと上着をそばにおけ(逃げる対策)
  □ *携帯のでんち、車のガソリンは満タンに。
  □ *リュックに非常持ち出し品を入れて、つねにそばに置け。
    (マジック、薬、チョコ、帽子、手袋、ビニール袋、水、ライト、笛)
  □ *連絡先は、メモっておけ(携帯が壊れたとき用)


 ちなみに、今日の本の大谷さんは、11日まさにその瞬間、仙台市で講演
 中だったとか。「昨日は、今日を保障するものじゃない。今日は、明日を
 保障するもんじゃない。何があってもココロの元気にこだわることが大切」
 そんな話をされた後、地震が起きたそうです。その後24時間かけて東京へ。

 今、ここで生きていることに、メールが見えることに、布団でねられること
 に・・・すべてに感謝したくなります。

Posted by webook at 16:15 | Comments (0) | TrackBack

2008年09月29日

「上司」という仕事のつとめ方 ~ 松山 淳 + セカイカメラ

「上司」という仕事のつとめ方 ~ 松山 淳 + セカイカメラ

心がほっとゆるむ・・・深い思想の淵にて

書籍情報

上司という仕事のつとめ方
松山 淳
実務教育出版
売り上げランキング: 7177

本のひらめき

課長になりたての方も、部長職を張って長年の方も、社長も経営者も・・・人
を束ねる立場の人は、それぞれに悩みが多い。そして深い。

上司とは何か・・・
私はいったいどうすればいいのか・・・

そんな悩みに苛まれたことのない上司など、恐らくいないのではないだろうか。

本書は、上司の方、必読の書。読めば、きっと救われる思いを感じるはず。
僕は、本書を読みながら、「そう思えばよかったんだ・・」といういくつかの
気づきとともに、心がとても癒された。

自分のそばにいて、悩みをじっと聴いてくれる。
本書は、そんな深い香りをもっている。ですます調で書かれた本書は、そばに
寄り添って静かに語ってくれるような雰囲気で、とても心地よい。悩める時は
こんな人に話を聞いてもらえたら・・・と思う。

僕の心を深くとらえたのはこんなメッセージ:

 強さとは「固い」ことではなく、右に左に揺れる「しなやかさ」。
 しなやかでいることは「矛盾」を受け入れるということです。
 だから、上司は、少しぐらい矛盾する発言をしたっていいのです。
 部下から何を言われようと、ひるまないでください。
 合理的に、論理的に、という言葉が重宝がられる職場では
 「矛盾とは力である」ことが忘れ去られています。

 「矛盾」を引受け、大胆に生きることは、なんといっても「徳」を積む
 ことになります。

また、カリスマ性なんていらない、むしろ部下の力を解放することが大事であ
るというのも、多くの上司、マネジャーの心を元気にするのではないだろうか。

だれもが、カルロスゴーンにはなれないし、ジャックウエルチのマネはできな
いのである。しかし、上司として人を生かし、組織を前に進ませる必要がある
とき、この考えは、多くの上司の背中をおしてくれる。

 「どう見られるか」ではなく
 「どうあるか」です。

とは、上司の生き方を映す鏡のことではないだろうか。

また、

 嫌いな部下がいることは、普通です。

 リーダーシップとは、「人間的な魅力」で人を動かすこと
 マネジメントとは、会社の「ルール」に則って人を動かすこと

 部下に本心を伝えることは、二つの相反する結果をもたらします。
 部下のやる気を二倍にし、失敗への恐れを半分にします。

など、素敵なメッセージが、心を啓かせてくれる。

いつも負の要素をやっきになって消そうとしているマネジャーの人がいたなら
ぜひ、読んでほしい。
反発ばかりする部下に心をいためる上司の方がいるのなら、ぜひ本書に触れて
ほしい。

本書は、とても深いところから、上司としての思想を見つめる機会をあたえ、
そして静かに元気を与えてくれる。

出版記念パーティで、この本の著者、松山淳さんにお会いできたことに心から
感謝したい。


僕の思いつき

矛盾、孤独、トラブル、困った部下、心の闇・・・・職場には様々な問題がい
つでもたくさんある。それらから逃げるのではなく、それを引受け、受容した
とき、新たな展開ができる。

そのことに気が付くとき、悩み多い日々もがんばって職場に向かうことができ
るのではないだろうか。

今の僕によい言葉を発見した。孤独の力、孤独の効用だ。

  孤独からは「独創」が生まれます。
  一人になって、人に囲まれている感謝の念を回復させたとき
  孤独感は癒されるのです。

心を開き、人と向かい合うとき、次の展開がひらけてくる。

光があれば影があり、影の中で光は輝く。
陰陽を対立するのではなく、受け入れるときに、きっとよいことが待っている。

本書がかもしだす不思議な香りは、あなたの(私の)心をしなやかにしてくれ
るだろう。



オススメ度

★★★★★+静かなる応援

読んで欲しい方

・上司の立場に悩んでいる方
・部下を束ねる立場の方
・上司としての幸せを感じたい方

Posted by webook at 08:02 | Comments (0) | TrackBack

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