2004年03月31日
■リーダーシップの教科書(阪本啓一)
わくわくしたいねぇー!
【リーダーシップの教科書】
仕事でワクワクするための
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|著者:阪本啓一
|出版社:日本実業出版社|2004年 03月
|ISBN:4534037295|241P
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久々に阪本さんの本を読む。いいねぇー。
阪本さんの本は、マーケィングであれ、顧客満足であれ、どんなテーマで
あっても、独特の色(阪本さん色)で見せてくれる。同じことでも阪本さ
んが話すとストンと心に落ちるみたいなところがあるから不思議だ。だか
ら、楽しい。
今回は、リーダーシップ。
ビジネス環境が非連続であり、新しい価値創造が求められている現代のリ
ーダー像とはどんな姿なのか・・・。
本書ではそれを飛行機にたとえて展開する。
従来のリーダーシップを凧型にたとえる。たくさんの凧(部下)を引っ張
り無我夢中で走るリーダー像だ。リーダーが止まれば凧は落ちる。そんな
メタファーである。
新しいリーダーは、飛行機型。それぞれのメンバーが自力で飛べるエンジ
ンを持ち、機敏に方向転換ができる。そして全体がうまく編隊飛行ができ
るようにするための仕事がリーダーシップというわけだ。
「好きのオーラ」を揚力にする7つの飛行機型リーダーシップ力が展開さ
れる。
1)好きのオーラ:好きで仕方ないくらい仕事を愛しているか
2)思い描く力:ビジョン力みたいなやつだね
3)育成力:部下を育てる力
4)コミュニケーション力:仲間と共感のもてる対話をする力
5)戦略思考力:戦略を考え、
6)戦術実行力:それを実行する
7)倫理力:忘れてはいけないのは倫理的な観念
阪本さんはアナロジーがうまい。
時代の変化をかぎとる風を、幕末の島津斉彬の動きで説明している。非連
続の時代は、現代も幕末も同じというわけだ。ふむふむ。
本書から拾い上げたいフレーズを書きとめておこう。
*コミュニケーションとは「相手につたわったことが全部」
*育成計画の文書化は、とりもなおさず自分が現在やっている仕事を定義
する仕事である。
*戦略は「捨てる」、戦術は「実行する」
*人生は、一言で言えば習慣です。 日野原重明(聖路加病院理事長)
などなど、あの人に教えてあげたいなーと思えるヒントがいっぱいあった。
わくわくする仲間をたくさん作りたいリーダーの方にお薦め!
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★★★★★+飛行機型だ
・リーダーシップに興味ある方
・リーダーの心得を復習したい方
・飛行機が好きな方
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22:10
2004年03月30日
■あらすじで読む世界の名著(No.1)(小川義男)
一生あえなかったかもしれない・・・
【あらすじで読む世界の名著(No.1)】
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|著者:小川義男
|樂書舘/中経出版|2004年 03月
|ISBN:480611927X|1,000円 (税込:1,050円)
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あらすじで読む「日本の名著」シリーズはとてもよかった。あらすじとい
っても、その作品の雰囲気を残したスタイルで、あたかもその作品に触れ
たような気にさせてくれたからだ。全3巻ですでに50万部を超えている
というからベストセラー驀進中である。
第3巻の時、世界の名著版もあればいいなーと感想を述べたが、やはり、
やってくれた。それが、この本。
代表的な世界の小説をあらすじで紹介してある。
「風と共に去りぬ」「怒りの葡萄」「車輪の下」「レ・ミゼラブル」「罪
と罰」「リヤ王」など20編のダイジェストだ。
「風と共に去りぬ」は映画で見た。実は、あんまり印象がよくなかった。
なんじゃこの風見鶏みたいな女性は・・と思った。文字(あらすじ)で読
んでみるとたくましく生きた女性の物語が別の感覚でよみがえる。
「車輪の下」は、たしか小学校(中学?)の教科書に出ていたような・・
「レ・ミゼラブル」は、中学のころ感動して涙をながした物語だなぁ・・
などなど、なつかしい作品もある。
一方、ドストエフスキー、ツルゲーネフ、モーパッサンなど歴史の教科書
でしかなじみの無い作品は、おそらく一生読むことはなかっただろう。そ
れが、作品そのものではないにしろ、一遍のあらすじとして触れることが
できたのはラッキーとしか言いようが無い。
コンパクトなあらすじの中に作品の雰囲気を漂わせる。これは一つの技で
あろう。狭山ヶ丘高等学校の先生方に感謝!
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★★★★☆+ドストエフスキー
・世界文学に興味ある方
・名著なんて読んだことないよって方
・昔読んだ本をもう一度って方
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08:22
2004年03月29日
■自分で考える人が成功する(中谷彰宏)
学ぶとは、気付くこと。
【 自分で考える人が成功する】
“気づく”ための50の方法
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|著者:中谷彰宏
|PHP研究所|2000年 08月 |
|ISBN:4569574440|476円 (税込:500円)
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「教育は受けるもの、学習は自分でするもの。」
というのがこの本のキーメッセージ。そのためにどんな心構えで日々仕事に
立ち向かえばいいのか、どんな気持ちで過ごせばいいのかが書いてある。
学習とは何か?
それは覚えることではなく、気付くことだ、と中谷さんはいう。
学校でやってきた勉強の多くは、「学習」ではなく「教育」だった。会社で
いやいやしていることも「教育」だ。
会社でしているのは、仕事ではありません。
仕事を通じて、学習しているのです。
会社は、大きくなった子供が行く学校なのです。
こんなマインドセットは大事だね。もうすぐ新年度が始まる。2003年度
はどんな向上が僕にはあったのか?来年度はどうするか?
来年度目標を考えるマネジャーの方は、部下や自分自身がどうするかをまず
考えてみたい。会社のことはそれからでもいい。
会社は、学校なんだ。
仕事も生活も好奇心をもって「おや?」「どれどれ?」「なるほど」を楽し
めると5年後は、違った自分がいる。
楽しくやるのがいいねぇ。中谷さんはこう言う。
楽しんで本を読んでいる時、神様はあなたのそばにいます。
楽しんで書いているとき、神様はあなたのそばにいます。
楽しんで考えている時、神様はあなたのそばにいます。
ふと、IBMの大歳社長が2003年の入社式挨拶で引用した言葉が浮かぶ。
「知之者 不如好之者 好之者 不如楽之者」~ 論語より
(ものごとを知ってる人は、それを好きな人に叶わない。
それを好きな人も、それを楽しんでいる人には叶わない。)
ほ~れ、そこに神様がいらっしゃるようじゃぁ。
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★★★★+どれどれ?
・考えること自体に興味ある方
・本が大好きな方
・人が好きな方
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09:06
2004年03月28日
■めしのタネ発見地図(島田晴雄)
へぇー、そうだったのかぁー。
【めしのタネ発見地図】
ビジネスチャンスが変わった
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|著者:島田晴雄
|かんき出版|2004年 01月
|ISBN:476126151X|1,400円 (税込:1,470円)
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本書は、これから先10年、注目されるであろう市場が紹介されている。
ほんとはこういうのが欲しいんだけどというウォンツ(潜在的需要)と、
へぇーそんなのあるなら私も欲しいというニーズ(顕在需要)があり、そ
れに応える技術革新があり、国が、法律的にも制度的にも支援しようとい
う市場のことだ。
高齢化社会におけるサービス、住宅事情に関するサービス、医療健康教育
のサービスなどがある。xxサービスとつくものが多いのが特徴だ。
すでに民間で先行した成功事例などが紹介されており、単なる分析ではな
く、リアリティと生活感をともなったものがある。
国としてどのような産業認識をしているのか・・・を知るという楽しみ(
?)もある。
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★★★★+ウォンツ&ニーズ
・今後のサービス産業の変化に興味ある方
・日本が大好きな方
・起業するかって思ってる方
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11:11
2004年03月27日
■CDブック 声に出して読みたい方言(斎藤孝)
お国はどちらで?
【CDブック 声に出して読みたい方言】
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|著者:斎藤孝
|草思社|2004年 02月
|ISBN:479421281X|1,500円 (税込:1,575円)
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「方言は、文化遺産である。」
たしかにそんな気がする。今ではTVの影響なのか、教育のせいなのか、
あるいは、東京中心の経済のせいなのか、方言は密かに日本語の奥深くに
潜んでしまったような気がする。しかし、方言は味がある。たとえば東京
で聞く自分の田舎の言葉はなつかしいし、それ以外の人にもなんとなく不
思議な魅力がある。
僕はこの本を吉田さんという方に紹介された。即、本屋へ走った。
僕は岐阜出身だから名古屋弁は親しみがある。
本書には日本の著名な文学作品などを9つの方言で表現してある。
たとえば、川端康成「雪国」を名古屋弁でアレンジしてある。ノーベル賞
や文学に対する冒涜では・・・と思うかもしれないが、CDを聞くとなん
とも味わいのある別の作品になっている。
くにざきゃあのなげぁトンネルをくぐるとよ・・・
源氏物語は京都弁で収録してある・・・・これはハマリである。
どの天子さんの御代のことでござりましたやろか・・・
この本、どえりゃぁ、面白いもんで、かなわへんわ。
いっぺん、読んでみてちょうでぇ。聞いてみてちょうでぇ。
飛行機も方言のアナウンスをもっとやってくれたら楽しい。たとえば、名
古屋ーホノルル線なら、機長さんが名古屋弁でアナウンスする・・・。
「当機は、いまよぉ、たぁちそくど900キロで順調に飛んどるで、
安心してちょうでぇ。ホノルルは晴れとるだがね」
JRも地方地方でアナウンスを変えたら楽しいねぇ。
「次は広島じゃけん、忘れもんせんようにお願いします」とか・・・。
うー、頭が爆発しそうになってきた。
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★★★★★+たまらねんだば(津軽弁)
・方言に興味ある方
・地方から都会にでてきた方
・方言を話してみたい方
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11:35
2004年03月26日
■凡才でも成功する!≪和田式≫「人間力」(和田秀樹)
凡才=ほとんどの日本人 ← あたってる!
【凡才でも成功する!≪和田式≫「人間力」】
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|著者:和田秀樹
|三笠書房|2003年 12月
|ISBN:4837920519|1,300円 (税込:1,365円)
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自分のことを天才だとか、超エリートだとか思い込んでいる人はほとんど
いない。まして口になど出してはいわない。
和田秀樹さんも久恒啓一さんも、自らを「凡才」だと称しておられる。し
かし、僕らとは違うよなぁ、どこが凡才だよ・・・って思う。
その「ちょっと違うところ」は何だろう? という点を本書は解き明かす。
凡才が成功するには3つの理由があるという。
◎ヘッドワーク力(自分の能力、情報を磨く力)
◎ネットワーク力(他人の能力、情報を理解し、利用する力)
◎チームワーク力(他人の能力、情報を結びつける力)
だ。総じて「人間関係力」と名づけている。ふむふむ。
土居健朗の「甘えの構造」という本のことが紹介されている。人は他人に
甘えていてはいけない・・・という内容ではない。逆に甘えを勧める本だ
という。人は一人では生きていけないし、パワーも限られる。どれだけ人
の力を味方につけられるかで成功の度合いは異なってくる。そんな文脈の
中に登場する本だ。(読んでみるか・・)
著者は30代のころ米国のカール・メニンガー精神医学校に留学している。
その時の体験は和田さんの人生に決定的な影響を及ぼしたという。本書にも
多くの精神分析的な内容が登場する。(コフートの精神分析など)
そうした異次元の面白さに加え、小柴名誉教授、マリリンモンロー、田中角
栄などなじみの事例が引用され、なにより自身の経験が多く語られているの
で読みやすい。
思うに、人間力とは、人とのかかわりのなかで、どれだけ成果を生み出せる
かということのようだ。
自分の強みは何か、人と違う特徴は何かを考え、面白いアイデアを出し(ヘ
ッドワーク)、友達に助けてもらい(ネットワーク)、同僚の共感(チーム
ワーク)を得ながら何かをやっていく。そんなプロセスに欠かせないのが人
間力というわけだ。そして、それを意識的にやることが大事なようだ。
それを「意識」するかしないかのの差が、できる凡才か、本当の凡才かを分
けるらしい。
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★★★★+日本人のほとんどは凡才だ
・人間力に興味ある方
・友達が大好きな方
・人とのつきあいをよくしてみたい方
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08:41
2004年03月25日
■飲んで死にますかやめて生きますか(三輪修太郎)
1行読んだらとまらない?!(モジ中)
【飲んで死にますかやめて生きますか】
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|著者:三輪修太郎
|星和書店|2003年 10月| 328P
|ISBN:4791105176|1,900円 (税込:1,995円)
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世の中にアル中の人はずいぶんいるらしい。
好きでアル中になったわけではない。もっと根の深い原因があるのだ。
僕はお酒がそれほど強くはない。ましてアル中などとは縁がない・・・と
思っていたが、もしかしたらそうでもないかも・・・と思ってしまった。
それは、心の問題だからだ。
アルコール依存症から立ち直った著者が、自らの体験を語りながら、アル
コール依存症の真の正体(根っこの部分)を解き明かす。
「僕は、酒を飲み過ぎてアルコール依存症になったのではない。
依存症になるほど飲まなければ、生きられなかった。」
と著者が告白するように、心の不安定をアルコールで紛らわすうちに中毒
になってしまうことが多いようだ。これは、アル中だけに限らない。著者
が後書きで指摘しているように、「アル中」と「ひきこもり」は共通点が
多いという。ギャンブル、拒食症なども同様に・・。
酒をやめる(登校する)というみかけの事象に一喜一憂するところが同じ
だし、自分も周囲もその根っこには触れたがらないところは特に似ている
という。
本書では、アル中から立ち直るきっかけとなる「断酒会」での模様、アル
中にいたる自身の生い立ちなどが、たんたんと語られる。
まるで、目の前にいて話をきくような感じだ。
「一杯飲んだらとまらない、一行読んだらやめられない」という帯の言葉
は、あながち誇張ではない。ほんとに吸い込まれるように読んでいる自分
がいた。
今、著者はアルコール依存症のためのグループホーム「学び舎」を開き、
ふたつめの人生を切り開いているところ・・・
以前、紹介した「天国にいちばん近い魚」の著者さとう俊さんも、アルコ
ール依存症に悩んだ方だったなぁ・・
http://webook.hp.infoseek.co.jp/2002.05/2002.05.08.htm
顔にも杯にも見える「ルビンの杯」のように、どこに光を当てるかで、も
のごとは(そして人生は)大いに違ったものになるようだ。アルコール依
存症の真実を語るこの本は、まるでルビンの杯を見るようだ。
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★★★★☆+ルビンの杯
・知り合いがアル中でお悩みの方
・お酒が大好きな方
・人生リセットしてみたい方
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★★★★☆+ルビンの杯
・知り合いがアル中でお悩みの方
・お酒が大好きな方
・人生リセットしてみたい方
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20:06
2004年03月24日
■トヨタ流「改善力」の鍛え方(若松義人)
徹底的に・・・?
【トヨタ流「改善力」の鍛え方】
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|著者:若松義人
|成美堂出版|2004年 03月 |254P
|ISBN:4415070574|524円 (税込:550円)
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著者は、トヨタ生産方式の生みの親であるの大野耐一氏のもとで、日々改
善の現場を生で見てきた方である。田坂広志さんのいう暗黙知を肌で感じ
取った方といえる。うらやましい限り・・・。
さて、本書は、トヨタ生産方式をとても分りやすく、かつ、より人間的な
面から解説した本である。おそらく読んだ方は強い共感を覚えるに違いな
い。僕もいくつかの気づきを与えられ、脳みそがグルグル動くのを感じた。
「トヨタ生産方式の特徴は、なにより人間の知恵を信じるところにある」
という。知恵の数だけ組織や企業や人は強くなる・・というわけだ。
今ではトヨタ生産方式は、さまざまな分野で活用されている。日本発の体
系化されたマネジメント手法といえる。しかし、うまくいっているところ
とそうでないところがある。
何が違うのか・・・
その秘訣を著者はこう表現する。
徹底的にやりつづけるかどうか・・それがポイントだという。
ことばで言うのは簡単だが、やるのはなかなか難しい。「あたり前のこと
をあたり前にやる」これがトヨタ流だという。
「あたり前」のこととは、たとえば・・
大切なのは、まず自分で考えて行動してみることだ。行動すれば、考え
たことが正しいかどうか分るし、何が問題かも見えてくる。
「できた」は「次の課題ができた」ことである。
いらないモノを処分することが整理であり、ほしいモノがいつでも取り
出せることを整頓という。
これらのことを徹底的にできるかどうか・・・途中で緩まず継続できるか
そんな愚直さがトヨタの強さの秘密のようだ。
本書には、横浜市長の話、昭文社の地図「リンクリンク」など様々な事例
が引用されとても面白くトヨタ流に触れることができる。
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★★★★★+智慧は無限に
・トヨタ生産方式に興味ある方
・変化が大好きな方
・組織と人に変化をもたらしたい方
Posted by webook at
22:13
2004年03月23日
■トヨタのキャッシュフロー戦略(丸山弘昭)
やるなら徹底的に・・・
【トヨタのキャッシュフロー戦略】
トヨタ式カネの生み方・使い方の秘密
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|著者:丸山弘昭
|中経出版|2004年 03月
|ISBN:4806119628|1,500円 |191P
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トヨタ経営の要諦を一言で表現すれば、「高い志を持ち続けることとそろ
ばん勘定を合わせること」だという。
高い志を持ち続けるというのは、だれでもそうだよなと同意する。しかし
トヨタが2兆円もの手元資金を有し、超優良経営を続けている背景には、
二つ目の「そろばん勘定をあわせる」という点がみのがせない。はやりの
言葉で言い換えればキャッシュフロー経営を行なうということである。
トヨタは上記2つの基本を「愚直なまでに徹底し続けてきた」ところがえ
りゃところだわね。あのトヨタも、戦後は金策に奔走するような苦しい時
代があった。それをを乗り越え、現在のトヨタ銀行とまで呼ばれるように
なるプロセスを「そろばん勘定=キャッシュフロー」という視点から分析
したのが本書である。さらに、将来への先行投資戦略のしたたかさも見せ
てくれる。
トヨタ生産方式などトヨタの強さを分析した本は最近たくさん出ているが
そろばん勘定の点から書かれた本はめずらしい。本書は、そういう意味で
ユニークだ。
ムダなカネはいっさい使わず、必要な先行投資にはドンと使う・・・そん
な戦略的なお金の使い方はマネしてみたいところだ。
ムダなカネを使わないことは、地味であるがゆえになかなか継続するのが
難しい。景気がよくなればつい緩めたくなってしまうからだ。そこをしっ
かり締めて危機感を継続しているところがトヨタの強みの一つだ。
そして、必要な先行投資にはドンと使う。トヨタが元町工場を作った昭和
34年、誰もがその投資に首をかしげたが、ネライはあたりその後のトヨ
タ躍進の原動力になっている。自動車学校の経営やサービスセンターの設
置なども同じだ。10年20年先を見た先行投資はトヨタのお家芸のよう
だ。最近では、バイオプラスティックのためのサツマイモの栽培、移動空
間を創造するためのGAZOO事業などがある。
「カネを産むカネの使い方」を戦略として見事に進めているトヨタの秘密
を覗いてみよう。
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★★★★★+愚直と先見
・トヨタに興味ある方
・かろーらが大好きな方
・キャッシュフローが大切だって方
Posted by webook at
08:56
2004年03月22日
■企画力(田坂広志)
企画とは推理小説である?
【企画力】
「共感の物語」を伝える技術と心得
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|著者:田坂広志
|ダイヤモンド社|2004年 03月
|ISBN:4478732809|1,400円 (税込:1,470円)
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「企画とは?」という問いに、田坂さんは「人間と組織を動かす力」と答
えている。分析とかロジカルシンキングとかそいういうステージではなく
動かす力というところがポイントである。
田坂さんは昔、バッテル研究所というアメリカのシンクタンクに勤務して
いた。そこではいくらよい企画でも採用されなければ「ガベッジ=garbage」
だと言われていたそうだ。採用されない企画は紙くずに過ぎないというわ
けだ。プロとして持つべき覚悟を学んだと、その時の模様が紹介されてい
る。つまり、実現に繋がらなければ何の意味ももたないのが企画である。
企画力とは「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」
である・・・これが本書の最も重要なメッセージだ。
では、人や組織を動かし、走り出す企画書を書くにはどうしたらいいか・
・・それが本書のテーマだ。
企画書は、行動に駆り立てられるような共感の物語になっていなければな
らない。だから、企画とは物語のアートである、という。
また、最高の企画書は、最高の推理小説であるともいう。
こういう企画に対する深いレベルの「覚悟」のほか、タイトルで「企み」
を語る掴みの技、「何を行なうか」より「なぜ行なうか」が大切、自問自
答のスタイルがよいなど、なるほどぉーというノウハウもうれしい。
企画書の第一ページでは、ビジョンを語れという。
ビジョンとは未来像とか未来の姿といった静的なものではなく、「これか
ら何が起きるか」という動的なイメージを込めて語るのが良いのだ。
その次になすべきことは、企みを「構造化された目標」として語ることだ。
これらの具体的ノウハウが、IT革命の事例をサンプルにして解説されて
ている。具体例があってとてもイメージしやすい。
ビジネスパースン、必読の書。
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★★★★★+実現する力
・企画関連部署にいる方
・企画するのが大好きな方
・僕の企画が実現したっていってみたい方
Posted by webook at
17:31
2004年03月21日
■ブランド価値評価手法がよ~くわかる本(廣川州伸)
あなたの頭の中にあるもの・・?
【ブランド価値評価手法がよ~くわかる本】
ベンチャー・中小企業のためのブランド戦略
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|著者:廣川州伸
|秀和システム|2003年 11月
|ISBN:4798006106|1,600円 (税込:1,680円)
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ブランドが、企業の見えない価値として注目を浴びてきた。
しばらく前、花王がカネボウを買収しようとしたとき、そのブランとに対
する評価額を2000億円くらいと見積もった。P/S、B/Lには表れな
い企業の価値がそのくらいあったというわけだ。
企業によっては、ブランドマネージメント部など自社のブランドを積極的
に管理しようという動きがある。大量生産大量消費のモノ社会からコトや
感動などのコト社会においては、競争ステージが変化しており、時代にマ
ッチした動きなのだろう。
「ブランドとは消費者の頭の中に生まれた意識の総称である」という。企
業がヒト・モノ・カネ・情報について第五の経営資源としてコントロール
したいという“それ”は、消費者の頭のなかにあるのだ。
本書は、ブランドとは何かといった基本から、ブランド価値を高めるマー
ケティング、価値評価の方法などブランド価値についての全貌がわかる。
ソニー、ホンダなどのパワーブランドだけではなく、中小企業、ベンチャ
ー企業もブランド戦略が大事になってきた中、本書は読む価値ありの内容
がある。 非常に分りやすく、実際的なところがうれしい。
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★★★★☆+頭ん中に
・ブランドに興味ある方
・ブランドものが大好きな方
・ジランドを作りたい方
Posted by webook at
19:42
2004年03月20日
■バカ売れオンラインショップの作り方(山田雅彦)
やはり成功テクニックが・・・
【バカ売れオンラインショップの作り方】
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|著者:山田雅彦 http://www.surv.co.jp
|翔泳社|2004年 02月
|ISBN:4798105864|1,400円 |222P
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なんでも先駆者の人の声は聞く価値がある。
ネットショップはいろんなものがあって百花繚乱、失敗も成功もいっぱい
ある。本書は、ネットショップの成功法を、具体的なノウハウとともに解
説した本だ。
リアルもネットも基本はお客様にどのように対応するかが決め手。
本書では、お客様との関係を深めていく8つのステップが解説されている。
メルマガにしろ、ホームページの作成更新にしろ手間がかかる。その手間
に対して、時間コストを意識することが大事だという点、大いに賛成!
顔写真だけではショップの「顔」が見えない、代金回収のリスクなどの他
「店長日記をかくなら楽天広場で」「アフィリエイトやふるさとメールを
有効活用」など具体的な指南がうれしい。
すでにネットショップを営んでいる方も、これから始める方も一度読んで
おいて損はない。
バカ売れシナリオを描く、参考にしたい。
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★★★☆+先駆者の試行錯誤
・オンラインショップ始める方
・ネットビジネスを考えている方
・ネットのビジネスに関心ある方
Posted by webook at
22:44
2004年03月19日
■働き方働かせ方(宮内健)
しなやかな関係?
【働き方働かせ方】
社員と会社の新しい関係
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|著者:宮内健
|旬報社|2003年 12月
|ISBN:4845108305|1,400円|205P
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今ほど会社と個人の関係が、問い直されている時代はないのではないだろう
か。かつての大企業ももはや社員を一生(といっても60までだが)面倒み
るような余裕はない。
いまだに企業の名前だけで就職を希望する学生が多いなか、インターン制度
などを利用して就社ではなく就職する学生も増えてきている。
企業も個人もいろんな意味で見直しを迫られているのが今日の仕事事情とい
える。
本書には、様々な企業における個人と会社の関係がルポされている。
宮内さんの目を通した分析は、へぇーという驚きとともに、なにか新しい胎
動を感じさせてくれる。
登場する企業は、イトーヨーカドー、イーディーコントライブ、トヨタビス
タ高知、グローバルダイニング、希望社、リクルートなどだ。
最後に登場するリクルートにおける社員と会社のしなやかな関係は、すでに
多くの本が出されているが、本書でもクリア・カットな解説がある。
会社は社員にある程度の自由な環境を与えるかわり、きっちり成果は求め、
社員も会社に依存する甘えの構造をやめて、自立した自分を作っていく・・
そんな時代がやってきたいようだ。
それを抽象的な言葉ではなく、現場のナマの様子で紹介しているところが、
本書の素晴らしいところだ。
これまで1000社以上取材したという宮内さんの人と組織を見る眼力が光
っている。
うーむ・・とうなり、さて自分は・・・と考えるヒントがある。
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★★★★☆+しなやかな関係
・働き甲斐を考えてる方
・転職を考えている方
・仕事が好きという方
Posted by webook at
19:20
2004年03月18日
■早朝会議革命(大久保隆弘)
会議は経営そのものだ!?
【早朝会議革命】
元気企業トリンプの「即断即決」経営
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|著者:大久保隆弘
|日経BP社|2003年 11月
|ISBN:4822243516|1,400円| 211P
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会議は経営そのものである・・・と言うと不思議な気がするが、まさにそ
んな会社がある。
本書の取り上げた、トリンプ・インターナショナル・ジャパンである。
ワコールについで国内第二位の女性下着メーカー・トリンプは、16年間
増収増益を続ける躍進を続けてきたすばらしい会社だ。その経営を支える
異色の会議手法をリアルに紹介しているのが本書だ。
冒頭にある日の早朝会議が再現されている。まるまる・・そのまんま!
そんなこと公開していいの?って思えるほど、リアリティのあるドキュメ
ントである。
吉越社長以下幹部が集まってひらかれるMS会議は、驚きがいっぱいだ。
MSとはMarketing & Sales の略。毎朝1時間半ほど開かれるその会議では
事業運営に必要なことがバンバン決められていく。あいまいさは無い。
xx君、それはあさってまでに、計画と目標値をお願いね。あさってだよ
、頼んだね・・みたいなノリなのだ。
会議は、OHPを使い(手書きで進めるところがミソなのだが)てきぱきと
進められていく。会議はTV会議にもなっており、全国の支店や工場ともつ
ながっているので全社がいっせいに情報と方針を共有し、そして午前中に
はその方針にもとづいて仕事が進む。早い。
会議とは何か、経営とはなにか、社長はどんなリーダーシップがいるのか
そういうものをぎゅっと押し込んだ内容がある。
会議時間が長いからなんとか効率化しよう・・・なんていう会社があれば
そのまえに本書を読んだほうがいいだろう。
朝は、やっぱり黄金タイムである。早朝会議革命とは、みごとなタイトル
である。明日も会議があるという方、是非!
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★★★★☆+即断即決!毎朝
・会議の品質向上に興味ある方
・痛快なリーダーが大好きな方
・朝の時間を有効に使ってみたい方
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23:59
2004年03月17日
■売り場マーケティングの教科書(新山勝利)
つい買ってしまう売り場には・・・
【売り場マーケティングの教科書】
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|著者:新山勝利
|出版社:アスカ・エフ・プロダクツ/明日香出版社
|発行年月:2004年 03月
|ISBN:4756907407|1,500円 |177P
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マーケティングの本はいろいろあるが、売り場にフォーカスした本書は
なかなか面白い内容がある。
日本の小売業界では、過去2度ほど大きなエポックがあった。
1972年(昭和47年):江戸時代から300年もの長い歴史をもつ百貨店
三越が、創業わずか15年のダイエー(流通革命の総合スーパー)に売上
日本一を奪われた。
2001年(平成13年):そのダイエーもコンビニのセブンイレブンに王者
の地位を譲り渡した。29年の王座だった。
さらにユニクロや100エンショップの登場などさまざまな出来事が起き
ている小売の世界だが、モノやサービスが売れるときの本質的なことは、
基本的には変わっていないようだ。(なにせ、相手が人間だから・・)
著者は、売り場マーケティングという視点で、売れる要素を3つに分解し
ている。「商品パワー」「陳列パワー」「接客パワー」の3つだという。
商品が同じでも、お店によって売れ方が違うのは、後者の2つが主に影響
している。
本書は、「陳列パワー」について、分析とアドバイスを行なっている。
ビジュアルマーチャンダイジング、棚割の基本、POPの工夫、カラー・
マーケティングなど、顧客の感覚に訴える「売れる売り場」のノウハウが
提示されている。
著者は、小売業を中心に、お客様満足をあげる売り場つくりなどのセミナ
ーやコンサルなどを行なっている。 → http://www.ureru.jp/
そんな経験が本書に散りばめられている。
店長さん、必見でありましょう。
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★★★★+レイアウト戦略
・店舗経営に興味ある方
・コンビにが大好きな方
・気持ちいいお店が好きな方
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13:46
2004年03月16日
■本調子(清水克衛/読書普及協会)
読書道。みぃーつけた!
【本調子】
強運の持ち主になる読書道
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|著者:清水克衛/読書普及協会
|総合法令出版|2004年 01月
|ISBN:4893468278|1,500円 |291P
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この本を読むと、ほんとに(心の)調子がよくなる。
NPO法で「読書普及協会」というのがある。江戸川区にある。2003年
11月、本書の著者らが作った組織である。読書の楽しさ、大切さを全国
規模で普及しようというものだ。
本を読むことは素晴らしい人生の智慧を得る機会だし、そして行動を起こ
すきっかけにもなる。だからこの素晴らしい活動には大拍手を送りたい。
著者の清水さんは、とても面白い方で、本の虫。本屋さんの鏡でもある。
なにしろ、本好きが講じて、会社員をやめ、本屋さん「読書のすすめ」を
開いてしまったのである。
「感動」のある本屋さんだ。
ヤンキーのにいさんに勧めた本が、ピタっとはまり、翌日頭をさげてお礼
にきた話。立ち読みで涙をながしている女性のお客さんに「失礼ですが、
お客さん、いい感性してなさるねぇ」と声をかけ、これまた感動物語がで
きた話などなど・・・。
本書は、宝地図の望月さん、七田真さん、本田健さんほかが登場し、本を
読むことの素晴らしさや、人生に生かす本の読み方などを語っている。
「本は夢をかなえてくれるツール」だと語るのは望月さん。
そのための7つのポイントがいい。(◎は僕のお気に入り)
1)テーマを持って読む <=◎
2)アウトプットを前提にして読む <=◎!!
3)重要な20%をすばやく見つける <=◎
4)積極的な読書をする
5)繰り返し読む
6)思考パターンを変えるための読書
7)モデルとする人に自分を重ねて読む <=◎
読んで、行動できたら、最高だ。
この本を読んで、読書の素晴らしさを、僕もまた改めて認識できた。
本調~子!
斎藤一人さんご贔屓の「読書のすすめ」(本屋さん)は、日々感動を生み
だすための場としてうごめいている。本と人との素敵な出会いを演出する
書籍プロデューサーをめざすという清水さん。素敵な生き方だ。
会いに行かねば・・。
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★★★★★+絶好調
・調子いい人に興味ある方
・本が大好きな方
・本を読んで人生変えたい方
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08:42
2004年03月15日
■For leaders(ウェス・ロバーツ)
言葉が力を持つときがある。
【For leaders】
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|著者:ウェス・ロバーツ
|祥伝社|2004年 03月
|ISBN:4396650264|本体価格:1,300円 |
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監修者である和田秀樹さんの言葉がまず正鵠を射抜いている。
日本のマネジメントにおいては、強いリーダーシップより根回しや
合議による全体の総意のほうが重視されていたため、リーダーには
老練が求められ、若いリーダーの抜擢は少なく、リーダーはかなら
ずしも思い通りの意思決定ができなかった。また、諸外国と比べて
リーダーの報酬が少なかったが、その代わりリーダーの責任もそう
重いものではなかった。
今は、だいぶ様相が違ってきている。リーリスクローリターンのリーダ
-ではなく、ハイリスク・ハイリターン型のリーダー像に移っていると
いうのが和田氏の分析。
さて、それを是とするか否とするかは別として、これからのリーダーに
必要な洞察や先見をインスパイアする言葉が古今東西には存在する。
本書の中は、それらを集め、リーダーのための言葉としてまとめられて
いる。
いくつかメモっておこう。
中途半端な取組みからは、可も不可もない結果しか生まれない。
Ambiguous commitment produces mediorce result.
(ハーベイ・マッケイ)
問題とは、チャンスが仕事着を着ているにすぎない。
Ploblems are only opportunities in work clothes.
(ヘンリー・J・カイザー)
さあ、紳士諸君。のちに世界中が語ることになるかもしれない何かを
今日しようではないか。
(カズバード・コリングウッド)英海軍提督が
トラファルガーの戦いの前に言った言葉。
人生における間違いの半分は、感じるべきときに考え、考えるべき
ときに感じることから起きる。
(ジョン・チャートン・コリンズ)英作家
あまり有能でないマネジャーは、「はっきりイエスと言ってもらえなけ
ればできない」と考える。しかし有能な人物は「はっきりノーと言われ
なければできる」と思うものだ。これら二つの見解の間には、違った世
界がある。 (コリン・パウエル) 米国国務長官
うーん、鋭い洞察。なんかの折に使ってみよう。
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★★★★+言葉の力
・格言に興味ある方
・格言が大好きな方
・格言を使ってみたい方
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08:51
2004年03月14日
■ぼくの見た戦争(高橋邦典)
動く映像よりも・・・
【ぼくの見た戦争】
2003年イラク 写真集
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|著者:高橋邦典
|ポプラ社|2003年 12月
|ISBN:4591079651|1,300円
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こども向けの写真集である。文章にはふりがなが丁寧にうってある。
しかし、中には衝撃的な写真がある。
イラク戦争は、つい最近の出来事なのに、もはや遠い出来事のような気が
するのは僕だけだろうか・・・。
あのイラク戦争の裏には、アメリカの石油利権争いが隠されていたとか、
経済のために軍事が利用されたとか・・・そんなことが、ぶっとんでしま
う戦争の悲惨な現実が、写真と文章で迫ってくる。
著者は約1ヶ月の間、米軍(海兵隊)といっしょに寝食をともにし、この
本にあるような場面をカメラに収めた。攻撃する側のアメリカ軍のほうか
らみた写真ではあるが、これもまた戦争の一端を表している。従軍した兵
士たちはほとんどが18か23歳くらいの若者であったようだ。
砂漠で訓練をする兵士、装甲車の中で眠る兵士、死んだ兵士をかかえ涙を
ぬぐう兵士、肉片のころがる戦場、クロこげになった死体・・・・
戦争とは・・・
著者自身の目を通した戦争が、この本の中にある。
残るものは深い沈黙。
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★★★★☆+砂漠の愚行
・イラクに興味ある方
・戦争が大嫌いな方
・報道カメラマンになりたい方
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20:01
2004年03月13日
■飛騨の空(立花光)
岐阜県の方+他県の方、読んでね!
【飛騨の空】
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|著者:立花光
|文芸社|2003年 11月
|ISBN:4835566351|1,100円 |209P
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岐阜県の北部、飛騨高山は、匠の里として有名だ。この本は、高山を中
心に奥飛騨を舞台にした小説である。立花氏の処女作品。
五十嵐愛子という25歳の女性。医院に勤務しているとき、患者として
訪れた橘雄介と親しくなる。やがて恋に落ち、結婚を意識するようにな
った矢先、愛する恋人は交通事故で死んでしまう。そして死の間際で知
った彼の裏切りに茫然自失する。
高山線の特急ワイドビューひだ号に乗って高山に向かう愛子の一人旅は
、憎悪と失望が渦まく死への旅路だった。
高山で乗ったタクシーの運転手、吉田は、乗客のただならぬ雰囲気を察
し、愛子に様々な話を語る。この物語をささえる重要人物だ。
生と死を見つめて旅する愛子の心の動きを追いかけながら、旅の旅情も
味わえる。野麦峠、高山、白川郷などが登場する。
最後の意外な展開は、しっとりとした落ち着きをこの小説に持たせてあ
る。
高山旅行をする人は、旅の楽しみにちょっと異質なトッピングをカバン
に忍ばせていってもいいね。
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★★★★+飛騨路
・飛騨高山に興味ある方
・小説をもって旅にでたい方
・岐阜にいる方
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09:09
2004年03月12日
■いい質問は、人を動かす。(中谷彰宏)
信じないと「尋問」になる。信じると「質問」になる。
【いい質問は、人を動かす。】
「質問力」を高める56の具体例
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|著者:中谷彰宏
|ダイヤモンド社|2004年 03月
|ISBN:4478702950|1,400円 |187P
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コーチングは、今年、僕のメインテーマだ。少しずつではあるけれど、そ
の秘密の扉を開けつつある。
コーチングでよく言われることは、質問力である。
「どうしてそんなことするのよー」という詰問ではなく、「どこに問題が
あったんだろう」「どうしたらよくなるだろう」という前に進む質問がい
いらしい。
本書は、中谷さん流のコーチングの本だ。
「質問力とは、感受性であり、吸収力です。」
「質問が、最大の愛情表現になる。」
「対話の基本は、どのように答えるか、ではなくどのように聞くか」だ。
「ベストセラーのタイトルは質問になっている。」
あ、確かに。<なぜあの人は成功するのか>、<なぜ会社は変
われないのか>など、そういえばそうだ。
など、ナルホドの内容がある。
行動は、考えた後に起きる。考えるとは自問自答することだという。自問
するきっかけになる質問がサイコウだといえよう。
「一日一回は部下に声をかけよう」より
「今日、部下に声をかけましたか?」のほうが、あ、そうだ・・・という
自問(自省)と行動につながる。
質問は、触媒(Catalyst)である。←これは僕のコピー。
気づきを与える対話こそ、コーチングの極意ではないか・・と勝手に思っ
ている。
最近、僕は組織変革のための「台本シナリオ」に凝っている。実際にいく
つか「試した」こともあり、面白いドラマが生まれた。(将来は本にした
いね)某銀行でもそんな取組みが密かに進行するらしい・・・うふふ、面
白くなってきた。
わきからそっと差し出した質問や台本シナリオで、相手が「そっかぁ」と
思うとき、気づきという精神行動の「真実の瞬間」が生まれる。
今日の中谷さんの本、インスパイアさせてくれましたぞい。
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★★★★☆+質問キャタリスト
・コーチングに興味ある方
・人に閃きを与えるのが大好きな方
・気づく楽しみを知っている方
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23:23
2004年03月11日
■イヤな客には売るな!(石原明)
いやほんと、そうしたいんですよねぇ・・
【イヤな客には売るな!】
石原式「顧客化戦略」の全ノウハウ
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|著者:石原明
|PHPエディターズ・グループ/PHP研究所
|2004年 01月
|ISBN:4569632130|1,200円 |194P
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またまた、石原さんが過激なタイトルの本を書いてくれた。イヤな客には
売るな!ときた・・・。「営業マンは断ることを・・」に続き、常識破り
のタイトルには、目からウロコの楽しい秘密が隠されている。
「お客さんが会社を選ぶのではない、会社がお客さんを選ぶのだ!」こん
な常識外れのようなマーケティング戦略をすすめるユニークな本である。
イヤなお客様には売るな!とは、一見、おたかくとまった不遜な態度のよ
うにも思えるが、決してそうではない。
お客様が商品やサービスの価値を最終判断するという点では、なんら矛盾
はない。しかし、どんなお客さんに売るかというのは、提供側(営業マン)
に選択権があるということだ。
クレーマーや問題児顧客に時間やコストを取られていてはたまらない。
本来のお客様によいサービスを提供できなくなってしまうからだ。
この自信作(商品、サービス)を気に入り感動してくださる顧客を大事に
し、そうでないお客様にはやんわりお断りをする。あくまで、お客様が主
体的にあきらめられるように。そんなしくみややり方を具体的に解説して
いる。
顧客化・・というのが本書の目的地だ。
「この方はうちの会社の顧客としてふさわしい」と思った人にだけ商品や
サービスを販売し、そして「顧客化」する。会社の商品やサービスに対す
るファンをたくさん作れば、リピート率が高くなり、新規のお客さまも増
加する。やがて会社は儲かる会社に変身する。おおまかに言えば3年計画
である。
読みやすく、多くの人に読んで欲しい一冊。
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★★★★☆+顧客化
・やなお客さん対応に悩んでる方
・お客様対応がが大好きな方
・儲かってみたい方
Posted by webook at
13:55
2004年03月10日
■モリー・ムーンが時間を止める(ジョージア・ビング/三好一美)
もしかして宇宙と融合できるかもしれない・・・!
【モリー・ムーンが時間を止める】
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|著者:ジョージア・ビング/三好一美
|早川書房|2004年 01月
|ISBN:4152500166|1,800円|482P
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本書は『モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語』の続編である。
前作では、孤児院の前に捨てられていたみなしごモリーが、あるとき自分
には催眠術の力があることに気付き、様々な冒険をする。孤児院で一緒だ
ったロッキーは大事な友達だ。息もつかせぬ展開で、正直、子供だけに楽
しませるのは、まったくもってもったいない!と思った作品だった。
そして、第二弾。
あの「ワクワク光線ぎらりモード」の第一弾でさえ、前座に過ぎなかった
のかと思わせるほど、さらにパワーアップした物語だ。いやーまいった。
綿矢りさ&金原ひとみの芥川賞もかすんでしまうほどのすばらしい作品だ
と思う。
さて、ストーリーだが・・・
催眠術の力をさらにパワーアップさせたモリーが、今度はアメリカを舞台
に大活躍をする。なんとモリーには、時間をとめる力がそなわったのだ。
アメリカ大統領選挙やアカデミー賞授賞式など舞台設定も素晴らしい。プ
リモ・セルという悪者をやっつけるというストーリーなのだが、宇宙の摂
理や人間の優しさなど深遠なテーマも感じさせる。
時間を重ねて止めるスリリングなシーンは、映画マトリクスより刺激的な
展開がある。また、モリーの出生の秘密は、読者をモリーの心のなかに誘
いこんでくれるだろう。
さて、今日は特別編として、ある小学生の感想文をご紹介したい。
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モリーは、催眠術を使って世の中の支配をたくらんでいるプリモ・
セルという人がアメリカにいることを知る。そして、モリーとロッ
キーは、そのプリモ・セルをやっつけるためにアメリカへ行く。
そこでモリーは、自分には時間をとめる力があることに気付く。
ロッキーはなかなか信じてくれないので、わざと時間を止め、ロッ
キーにイタズラをするところがおもしろい。
この話で一番ドキドキする所は、モリーとxxxが時間を何度も重
ねて止めて戦う所。まるで自分もその場所にいるような気分になっ
てとてもワクワクする。
一番好きなところは、モリーがモリーの・・・(ここは言えない)
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自分が感じたワクワク感をうまく表現しているねぇ・・。分かる分かる。
この小学生とほとんど同じようにモリー・ムーンの世界に雄飛していた自
分を発見し、なんだかうれしくなった。
僕は、この本は、今年の最高傑作だと思う。
大部な本にもかかわらず、時間と場所を忘れて読みふけってしまうちょっ
と危険な本だ。僕は1週間をかけじっくりと味わって読んだ。
先日講演に行った田舎の中学にも何冊か寄贈することにしよう。
この本、ぜひ親子で読んで欲しい。ちょ、超~~~おすすめの本だから。
(あ、前作を先に読んでおくと最高だね)
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★★★★★+読まずにいられない光線(☆.☆)彡
・宇宙と時間と心に興味ある方
・ハリーポッターに夢中だった方
・子供のころの純真な心のカケラが残っている方
Posted by webook at
10:16
2004年03月09日
■ かなり不揃いの起業家たち(2)(中尾吉宏)
不揃いってことは、ユニークってことだ。
【 かなり不揃いの起業家たち(2)】
「起業」その無限大の夢と可能性を信じて
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|著者:中尾吉宏
|アリーフ一葉舎|2003年 12月
|ISBN:4899920059|1,525円 |193P
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世の中には、こんなに元気な若者がいるんだ!・・と頼もしくなる。
この本は、関西起業家サークル来夢の中尾さんが中心になり、起業家たち
( http://www1.ocn.ne.jp/~laimu/kk1.htm )
の思いと軌跡をまとめた本である。本書は、第二弾。かなり不揃いの起業
家30人と、未来の起業家4人が登場する。
タイトルどおり、かなり不揃いである。
それがまたいい。
社労士、カウンセラー、ソフト会社、企画屋さん、足マッサージ、事務支
援など様々な起業家が登場する。へぇー、こんなこともあるのかぁ・・・
と感心したり、驚いたり。
→ http://www.kyoto=venture.net/miyako/?no=659
ちょっと目をひいた林檎じゃなくって、事業は、学会の事務サービスを提
供している乾泰子さんの(有)セクレタリー・オフィスサービス。
子育て続行中の乾さん「自分も楽しみ、他の人も助けられる仕事をしよう」
とはじめたのが大学や研究所の先生方の事務作業のアシスト。たとえば学
会雑務の支援だ。( http://www.s=off.com/ )
会員の住所管理、学会誌の発行、文部科学省への申請書、会費の徴収、会議
の設定と召集・・・これじゃ、研究どころではない。
実は、最近、僕も航○宇○学会の幹事とやらを仰せつかり「・・・ったく」
なんてボヤきながら一年過ごした。まさに乾さんにお願いしたいことがい
っぱいあった!
乾さんのサービスを見て、町内会のサービスも欲しいなぁと思った。理由
は、学会って、基本的に町内会(自治会)とおんなじ構造だから・・笑
世の中には、いろんな仕事やサービスがある。
まだ存在しないものもある。(ん? 笑)
この本を見て、へぇーと面白がったあとには、僕ならこんなことを・・と
いう次の「不揃いな起業家」を夢見たい。
====================================================================
★★★★+可能性
・起業に興味ある方
・楽しいことが大好きな方
・いつか社長になってみたい方
Posted by webook at
08:07
2004年03月08日
■自分マーケティング!(野口吉昭/HR Institute)
こだわり、とんがり、ジブンつくり。
【自分マーケティング!】
売れるジブンづくりの仕組みと仕掛け
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|著者:野口吉昭/HR Institute
|日本能率協会マネジメントセンター|2003年 12月
|ISBN:4820741969|1,500円 |
=========================================
このところ、パーソナルアイデンティティや、セルフブランド、個人ブラ
ンドなど、個人の自立や夢の実現にフォーカスした本やセミナーが目につ
くようになった。いい傾向だ。
さて、そんな中で本書は、独特の色を放つ良書といえる。「自分を見つめ
自分を評価し、自分ビジョンを作る」そんな自分学のススメを具体的かつ
実践的に展開した本である。
自分マーケティングとは、自分のやりたいこと・ビジョンの実現のために
自分を買ってもらえる仕組みと仕掛けを作ることだ。いろんなマネジメン
ト手法も経営の方法論も、かみくだいていくと個人の夢実現にも応用でき
る。マーケティングもしかり。売れる自分をつくるために、会社でやって
ることを応用するのは楽しいことだ。
本書では、ポジショニング、SWOT,4P,AIDMA、フォーカス&
ディープなど、HRIの本( Know How Do how) で、よく登場した考え方
が個人に応用されている。
イチロー、川井昌弘(送りバント日本1)、ラグビーの伏見工業高校、さ
んま・・・などなじみの「個性派ロールモデル」が登場し、へぇーといっ
しょに元気がもらえる。
この本を読んで気に入ったら、原宿にあるHRIの「ビジョンハウス」に
行くことをおすすめする。(いくぞぉー!)
木造のセミナーハウスで何かを啓いてみよう。
====================================================================
★★★★★+ジブンプロジェクト
・就職、転職、起業、副業に興味ある方
・自分の売り込み方法を考えている方
・自分の価値を見直してみたい方
Posted by webook at
19:25
2004年03月07日
■すでに始まっている未来(江坂彰)
それは未来だったんだ。
【すでに始まっている未来】
会社は、サラリーマンは変われるか
=========================================
|著者:江坂彰
|NTT出版|2003年 12月
|ISBN:4757121237|1,600円 |261P
=========================================
今自分が生きている時代などんな時代なのか・・・時間の流れを宇宙的な
視点から眺めることができたら面白い。しかし、それは難しい。たとえば
明治維新を生きた人たちが自分たちの歴史的役目を意識することは難しい
ことだったはず。「俺が時代を変えるんだ」と時代の風を切った人も、自
分のポジションをはっきりと意識することは困難だったに違いない。
今、この時代に生きている私たちも同じだ。なんとなく時代の変化を感じ
るが、それを明確に絵にしたり文章にするのは難しい。
この本は、そんな要請に応えてくれている。もちろん先のことは分らない。
しかし、きっとこんな流れの中にいるはずだという分析は、そっかーと思
える説得性があり、今、そこにもある「未来」への取組みを意識させてく
れる。
時代は、工業化社会から情報化社会へ大きく変わってきた。それを、いろ
んな人がユニークな言葉で表現している。
ドラッカーは「知識社会、知識労働者の時代」、界屋太一は「知価社会」
岩井克人は「ポスト産業資本主義社会」と表現した。トフラーは第三の波
で「情報革命」という言葉を使った。
本書の著者江坂さんは「ソフト化社会」と呼んでいる。
本書は、歴史、文化、世の中のサービス・製品、経営など様々な要素を鳥
瞰できる楽しい本だ。
ちょっと面白いフレーム分析を書いておこう。
日本的工業化社会の構図 = 重厚長大型企業+銀行+官僚
工業化社会の情報トライアングル= 大手町(丸の内)+霞ヶ関+永田町
ソフト化社会で売れる商品3要素= 実質的価値+意味的価値+感覚的価値
ソフト化社会の企業価値 = 顧客価値+株主価値+社員価値
このほかにもたくさんの気付きを与えてくれる具体的なエピソードやヒン
トがある。(このメルマガの内容のほかにもいくつかメモをした)
すでに始まっている未来を、眺めてみよう!
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★★★★★+そこにある未来
・近未来に興味ある方
・鳥瞰するのが大好きな方
・自分の位置をはかってみたい方
Posted by webook at
13:25
2004年03月06日
■21世紀を勝ち抜くIT戦略 (上村孝樹)
アドバンテージのおまけ?
【21世紀を勝ち抜くIT戦略】
=========================================
|著者:上村孝樹
|2003年 02月
|日経アドバンテージ|121P
=========================================
この小冊子は、日経アドバンテージ購読者がもらえるオマケである。しか
し、オマケにしておくのはもったいないほどの鋭い洞察と先見がある。
IT戦略でも人事戦略でもなんでもいいのだが、とどのつまりは経営をい
かに洗練していくかということである。だから、企業経営全体の目線があ
って、その上でITだ、マーケティングだ、人事だという展開が必要であ
る。この小冊子は、IT戦略となっているが、そうした企業経営全体から
の視点があるところが特徴だ。お客様とのかかわり、社内の情報共有、マ
-ケットをどう捕らえるかなど、ズームアウトした視点があるところがう
れしい。
時代は、大量生産大量消費のプロダクトアウト型「供給充足型経済」から
ユーザー主役型の「成熟型経済」に変化してきた。情報の視点から見ると
それは「平均値」の世界から「個別値」の世界に変わってきたといえる。
同時並行的にIT技術の広がりとコストダウンは、中小企業に大きなチャ
ンスを与えることになるという。
また、虎屋の羊羹、メリーズチョコレート、アスクル、カブドットコム、
空想生活など固有名詞の企業事例で、ビジネスの本筋を浮き立たせている
点も価値がある。
この小冊子欲しさに日経アドバンテージを購読した人はラッキーかも。
日経アドバンテージには、この小冊子にあるようなニッチな市場で協力な
個性を発揮している企業の秘密などが分析、紹介されているから・・。
====================================================================
★★★★☆+時代を見る目
・中小企業に身をおく方
・次の戦略を考えている方
・事例大好きという方
Posted by webook at
20:11
2004年03月04日
■なぜ松下は変われたか(片山修)
改革の成否は「○○○」次第だ。
【なぜ松下は変われたか】
=========================================
|著者:片山修
|祥伝社|2004年 02月
|ISBN:4396612052|1,600円 |275P
=========================================
松下電器は、かつて「変われない日本の象徴ではないか」と言われた。
その松下が、中村社長のもとで大きく変化をしている。世間は、変化する
対象には注目する。その変化が急激でかっこいいほど注目度は高い。
2002年の松下の連結決算は、早期退職者(1.3万人)の特別退職加
算金などで4310億円の大赤字を出した。
開闢以来の大赤字に浮沈意識に染まった社員もさすがに目を覚ましたとい
う。危機意識を持つことは大事なことだ。
本書は、創生21計画に取り組んだ松下社員の現在進行形プロジェクトX
である。
九州松下菊水工場から始まった多能工化の生産改善、事業部解体で「供給
者理論」から「買い手理論」への脱皮、社内ベンチャー制度による人材育
成など様々な取組みが固有名詞を使いながら紹介されている。
「松下電器は何を創っていますか?」という質問に対し松下幸之助は、こ
う答えなさいと言ったという。
「我社は、人を創っております。
しかる後に、電気製品も作っております」
そんな雰囲気がリアルに伝わってくる中村改革のドキュメントである。
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★★★★+破壊と創造
・松下はどうなってるんだと心配だった方
・組織変革を考えている方
・松下が大好きな方
Posted by webook at
15:14
2004年03月03日
■起業人(夏目房之介)
ヒトを見る技術・・・か。
【起業人】
成功するには理由がある!
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|著者:夏目房之介
|メディアセレクト|2003年 12月
|ISBN:4861470013|1,400円 |287P
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著者は、夏目漱石のお孫さん。だからというわけではないのだが、さすが
文章が面白い。
この本は、起業家(IT系)を取材して、その人となりを紹介した本だ。
著者は、どちらかといえばIT系には強くないというが、どんな分野であ
れ、肝心なのはヒト。
著者は、ヒトに肉薄する取材をしている。
そして、とても楽しくそれを文章にしている。面白いのだ。
登場するのは、ディーエヌエーの南場智子さん、フューチャーコンサルテ
ィングの金丸恭文さん、サイボウズの高須賀宣さん、有線ブロードネット
ワークスの宇野康秀さん、オフィスノアの加治木紀子さんなどだ。
ベンチャー創業者23人が登場する。
インタビュー記事は、既に知っていることやとおりいっぺんの内容で案外
つまらなかったりするのだが、この本は、とっても面白い!
なぜか。
著者が類稀な「ヒトの面白さを見る技術」を持っているからだろう。
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★★★★☆+起業人の人間学
・ITベンチャーに興味ある方
・起業家が大好きな方
・起業したいと思ってる方
Posted by webook at
21:19
2004年03月02日
■四千万歩の男忠敬(ちゅうけい)の生き方(井上ひさし)
したたかな愚直が地図を残した。
【四千万歩の男忠敬(ちゅうけい)の生き方】
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|著者:井上ひさし
|講談社|2003年 12月
|ISBN:4062739054|533円|278P
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伊能忠敬は、江戸時代に生きた下総の名家の旦那様。50歳で隠居後、7
2歳まで生きた。そして、忠敬のすごさは、隠居後の活躍である。今で言
うなら定年後に、歴史的な大事業を成し遂げるようなものだ。52歳でケ
ンタッキーを始めたおじさんみたいなもんだ。(ちょっと違うか)
著者の井上ひさし氏も「一身にして二生を経る」というライフスタイルに
注目する。隠居後に星学暦学の勉強をはじめ、56歳から72歳までの1
7年間で三万五千キロ、約四千万歩を歩き日本地図を完成させたその愚直
な生き方は、高齢者社会に突入した現代に刺激を与えてくれる。
伊能忠敬は精密な日本地図を始めて作った人として有名だが、地球の円周
を実測・計算した人でもある。井戸1度の長さを28里二分(110.75Km)
として歩測し、これから地球の円周約4万キロをはじき出している。
現代の測定と約1000分の1しか違わないというから驚き!。
また、伊能家の資産を3億円から70億円程度まで増やしたビジネスマン
だったことも注目に値する。
そんなエピソードがふんだんに登場するが、面白いのは、時空を超えて、
著者と忠孝が対談したりする空想的な展開だ。
忠敬先生: 君は、小説のなかで何人もの女性を登場させるが
一回もわしにいい思いをさせてくれなかったぞ。
わしは、君の小説から降りたい。
著者: それは困ります。続編ではうんと気をきかせます。・・
などといった会話だ。ひょっこりひょうたん島の作者らしくて楽しい。
本書は、井上ひさしの「四千万歩の男(全五巻)」の導入的な本のようだ
が、これだけでも非常に面白い。
歴史を思いっきり堪能できる本だ。
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★★★★☆+人生二山説の元祖
・伊能忠敬に興味ある方
・地図が大好きな方
・地球の大きさをはかってみたい方
Posted by webook at
23:56
2004年03月01日
■大学は学生に何ができるか(増田晶文)
できたら褒める、できなければ励ます。
【大学は学生に何ができるか】
「学生を元気にさせる」大学改革とは
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|著者:増田晶文
|プレジデント社|2003年 12月
|ISBN:4833490978|1,500円|
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4月から国立大学は法人化され大きな転換期を迎える。また、2009年
には、大学の定員と受験者数がほぼ同じになるというこれまた大きな転換
期がくる。そうした中、大学とはなんだろう・・・ということを考えさせ
てくれる大学が金沢にある。
金沢工業大学。半年くらい前までは、僕は名前も知らなかった地方の単科
大学である。この大学は不思議なところで偏差値は低い(40前後。ちな
みに東大工学部73、京大工学部70)が、大学改革や教育改革というモ
ノサシでは、非常に優秀な評価を得ているのである。朝日新聞が年一回発
行している大学ランキングの「教育分野の大学改革で注目する大学」で、
有名私立を退け、第5位(2002年)など、地方の一工業大学が「なぜ
?」と思える現象があるのだ。
本書は、この金沢工業大学の教育改革の取組みをドキュメントした本であ
る。大学の特長は、「夢工房」と「工学基礎教育センター」。
もちろん、ハコが素晴らしいということではない。そこにある教育の哲学
こそが注目されているのだ。
夢工房は、ロボットコンテストや、ソーラーカーなど学生たちがやりたい
ことをかなり自由にやらせてくれる環境だ。そこには、ただの仲良しクラ
ブとは違う、ベンチャー的な要素や、人間力を養う環境がある。
また、工学基礎教育センターは、そのモットーが「出来たら褒める、出来
なければ励ます」というだけあって、学生の能力を引き出す努力が非常に
よくできているらしい。
そういえば、「あんどんくん」がロボコン大賞に輝いたロボットコンテス
トはTVでみた記憶があるなぁ・・。
本書では、金沢工業大学で学ぶ学生(芹澤くんや東上くんなど)との対話
や、著者自身の学生体験などを織り交ぜながら、大学の本来のあり方を浮
き立たせている。
学生に対するCSを推進する石川学長や、無力を知るところから工学はス
タートするという飯野教授の言葉も印象的だ。(詳しくは本書で)
何かが始まっている・・・そんなワクワク感を味わえる本だ。
不思議なご縁で、実は、僕もこの大学(院)に関係することになりそうだ。
今、熱い注目をあびている大学だ。
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★★★★☆+燃えろ学生諸君!
・大学のあり方を考える立場の方
・大学受験を考えている方(とその親)
・人を育てる必要性を感じた方
Posted by webook at
08:34
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