2006年02月28日

上司の すごいしかけ ~ 白潟敏朗 + 形(菊池寛)

かんたん、ばつぐん、らくらく

書籍情報

上司の すごいしかけ
上司の すごいしかけ
posted with amazlet on 06.03.04
白潟 敏朗
中経出版 (2006/03/01)


本のひらめき

本書を読んでまず感じること、それは「あ、これならやってみようかな~」という試してみたい気分である。気楽で楽しいノリがある。

なんだか皆が乗ってくれ、それでいて案外効果がある。さらに続けられそうでもある。こんなモチベーションアップの方法があったのか!と驚く。(何々それ・・・と聞きたくなる。でしょ?。)

実は、案外簡単な話なのだ。例えば、

 やりたいことアンケート ~ やりたいことを正直に書いてもらう。
 みんなの前でパチパチ表彰 ~ 頑張った社員を朝礼などで「パチパチ表彰」
 お笑い円卓会議 ~ 男女混合、はじはじマン、まんざいしなどを配置
 あなたはどう思うの?~ この一言だけでコーチングができる
 ありがとう袋 ~渡す人も渡されるほうも両方うれしい

などなど。社員を認めてほめる、成長させる、やりたいことができる、尊敬される上司がいる、社内が活性化する・・・、こういう職場の雰囲気を作るための具体的で、かつ、簡単な方法20が紹介されている。これらは、すべて多くの会社で実践されたものであり、説得力がある。

いずれもシンプルなしかけで、実行が難しくない。そして、ばつぐん効果!、らくらく継続!というのがミソである。

これらの底流に流れる思いは、「楽しくないといけない」というところ。

社員を燃えさせモチベーションをあげるのは、目標をかかげて尻をたたくことでは決してない。面白く、わくわくするところに「やる気」はあっても「苦労」はないからだ。
 
MBOとかBSCとか考えるときに、この本のような「ノリ」が実はとても重要になる。


僕の思いつき

僕も、最近ノリノリになれる雰囲気づくりをどうやったら出せるか・・に苦心(じゃなくて“楽心”)している。
本書にあるようなシンプルしかけは、ぜひ試してみよう。

まじめに目標をセット(という裏には、ちょっとな~という心の叫びを飲み込んだり、無理やり納得したりすることもある)しても、そこから真のモチベーションを生み出すのは、なかなか難しい。ワクワクできるかどうか・・それが一番のポイントになるのではないだろうか。だから「やりたい人募集中!」とか「両思い異動」などの仕組みは面白いダイナミズムを生み出すのだろう。

もう一つ、アイデアや企画をつくるときは、「気楽でまじめな会議」もまだ硬い。そこは、思いっきりハメを外してMoso(妄想)する環境がいるのではないかと思う。
Mosoの仮説(ハメハズ会議でイノベーションが生まれる)は、MosoがGENJITSUした時にはじめて意味を持つが、面白い!というのは、やはり、Moso的な発想から生まれ、自然に転がるような動きになると思う。

Moso会議を、21番目のシンプルしかけとしてお勧めしておこう。
(やり方など、出前いたします。)



オススメ度

★★★★★+シンプル!

読んで欲しい方

・社内のモチベーションを上げたい方
・やる気のモトに興味ある方
・仲間といっしょにワクワクしたい方

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2006年02月27日

投資ソフト(GCハロー)で見つける儲かる株! ~ 奥村 研 + 堀先生メルマガ

強い味方になるか!

書籍情報

投資ソフトで見つける 儲かる株!
奥村 研
実業之日本社 (2006/01/19)


本のひらめき

インターネットの普及とネット証券会社の進出で、多くの個人がネットで株式売買をするようになった。ネット株で資産を増やそう・・・などといった書籍もたくさん出ている。

本書は、こうした個人投資家むけにお薦めのソフト「CGハロー」を解説した本である。楽天証券とかEトレードとかネット証券会社も、それぞれにウエブ上でソフト(検索やチャート機能など)を提供したりしているが、もっといいのがありますよ・・・というのが、本書の提案。

個人投資家に望まれる投資ソフトの機能は、「高いチャート機能」「検索機能」「売買タイミングの表示機能」だという。ふむふむ。
株式投資で重要な3つのファクター(銘柄、株価、タイミング)を判断するのに必要な機能というわけだ。

本格的に株式投資をしよう・・・なんて方にお薦めの本だ。

面白い機能があって、そのひとつが「オートモード」。トレードを始めるきっかけを教えてくれる機能だ。投資資金や市場やスタンス(短期で決戦か、気長に待つかなど)を決めて検索すると、銘柄一覧が表示されるもの。その時、横軸に勝率、縦軸に利益率のマトリクスになって表示されるのが斬新だ。

めあての銘柄の下値(絶好の買い場)、上値(売り場)なども教えてくれる。このバックではフィボナッチ数列が利用されているという。
シミュレーション機能、検索機能、トレンドラインなど、面白い機能を見ていると、使ってみたい気持ちがウズウズしてくる。

GCハローを株取引の実践で使うには、費用がかかる。
 http://opticast.co.jp/hello_demo/demo_41.htm

本書でどんなものかをつかんでおくといい。


僕の思いつき

もし、ネットで株取引を始めたばかりとか、これから始めようかという方は、基本的なことを理解しておく必要がある。

こんなサイトが参考になるかもしれない。
 http://kabu.waku-doki.com/blog/

例えば「ゴールデンクロス」とは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上にクロスすることで、その株の短期的な上昇速度が長期的な上昇速度を上回るということだ。つまり買い!っていうシグナルだ。
反対に、短期が長期の移動平均線を上から下にクロスするのがデッドクロス。これは売りのシグナル。これらの2つは、移動平均線を分析するうえで最も基本のセオリーだ。

株で金儲けだ・・と目をギラギラさせるのは品がないが、世の中の動きを見る目を養うひとつの活動だとすれば本気でこういうソフトを使ってみるのもいいかもね。



オススメ度

★★★★+GCハロー

読んで欲しい方

・株式投資を始めたい方
・ネット株投資を始めた方
・ソフトを探している方

<欲しくなっちゃった方は>

・アマゾン  http://tinyurl.com/zqqrv      34705
・楽天Books http://item.rakuten.co.jp/book/3722767/
・富士山コム http://tinyurl.com/g4qd

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2006年02月26日

「アメリカ抜き」で世界を考える ~ 堀武昭 +手作り切手

そんなことできるの?

書籍情報

「アメリカ抜き」で世界を考える
堀 武昭
新潮社 (2005/01/24)


本のひらめき

世界の動きをどういう視点で眺めるか・・というのは、モノゴトの判断をする上で大事なことだ。
今、ここでアメリカという存在を抜きに、あるいはアメリカ的思想を抜きに考えるとすれば、それはあまりにも無謀なことのように思える。

しかし、2001年の9.11テロ以後、パックス・アメリカーナ(米国覇権)は揺らいできた。これは「アメリカの正気を怒りで失わせ、アフガニスタン、イラクと続いて狂気の戦争の引き金となる出来事であった」という。世界秩序のパラダイムを壊し、新たな混迷の到来を暗示した。

著者は、戦後民主主義の落とし子として横浜で育っだ。民主主義と人権主義こそ正義の源泉であると信じてきた著者は、東西冷戦構想の崩壊後、その価値観に疑問をいだく。アメリカの覇権が、様々なものを押し込め、飲み込み、横暴な行為をするのを目にした著者は、「非覇権主義」という考えを模索するよう
になる。

ハワイの合併、イラン・コントラゲート事件、イラク戦争などを紐解きながら米の覇権拡大の様子を解説する。また、ヨルダンのハッサン王子、南アのデ・クラーク元大統領、チェコのハヴェル前大統領など、非覇権主義の人たちの言動をルポしている。

覇権主義と非覇権主義を二項対立的に論じているというよりは、むしろそれらの相互作用や中庸的なものを模索しているようにも見える。

世界を一色に塗り替えるという覇権主義ではなく、いろんな色が理解しあい、協調できる多文化主義や非覇権を是とする「もうひとつの世界」にむけた胎動が感じられる本である。

世界で起きるニュースを目にするとき、その裏側に流れる潮流に目をむけるきっかけになる本かも・・・。


僕の思いつき

世界の人口が65億人を超えた・・・とニュースが報じた。この地球に住む人類がそれぞれの独自性を保ちつつ平和に暮らすにはどうしたらいいか・・・そんなことを考えるきっかけとなるニュースではないだろうか。

日々起こる様々な出来事に触れ、その深層や真実を見出すのはなかなか難しい。ライブドア事件にしても、永田議員のメール騒動にしても、メディアの情報をそのまま鵜呑みにしていると本質を外すことにもなりかねない。ニュースの裏側を見る目を、そして考える頭を養っておきたい。



オススメ度

★★★★+非覇権という考え

読んで欲しい方

・世界情勢に関心がある方
・歴史がすきな方
・よのなかを見る目を養いたい方

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2006年02月25日

ことばのたしざん ~ こやま峰子 + はがき

つたわることば・・・

書籍情報

ことばのたしざん―こやま峰子詩集
こやま 峰子 沢野 ひとし
朔北社 (2003/10)
売り上げランキング: 819,609


本のひらめき

こやま峰子さんの詩集である。こころにすーっととけこんで来た一編の詩は、これである。


    じかん

  たけのこは
  ひとふし ひとふし 
  じかんをつめて
  のびていく

  あかちゃん
  ねむりながら
  じかんをたべて
  おおきく そだつ

  花のつぼみ
  やわらかな にぎりこぶしで
  じかんの とびらをたたき
  はるをよぶ

素敵だねぇ。他に、かぎあな、たしざん、ひきざん、うずまきなど20編の詩がある。


僕の思いつき

この本は、会社の中にある本屋さん「ブックON」で買った本だ。100円。実は、ぼくはこの本屋さんのオーナー、店長はジェイカレッジの副校長さんのOさん。なかなか売れ行きのいいお店である。収益は、職場に還元される。オーナーの僕もたまには購入する。セルフレジ。

本は、きっと誰かに読まれているときが一番うれしいに違いない。ブックオンは、「ご縁」をつなぐお店をめざしている。

あなたの職場にもこんな本屋さんや図書館を開いてみてはいかがだろう・・。



オススメ度

★★★☆+たしざんひきざん

読んで欲しい方

・詩を書いてみたい方
・ことばがすきな方
・自然を感じてみたい方

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2006年02月24日

人は見た目が9割 ~ 竹内一郎

やっぱ、見た目なのか・・・

書籍情報

人は見た目が9割
人は見た目が9割
posted with amazlet on 06.02.26
竹内 一郎
新潮社 (2005/10)

本のひらめき

たいしたことがない内容でも「あの人が話すと納得できる」みたいなことはたまにある。コミュニケーションは、そのコンテンツだけでなく、伝える人、シチュエーション、媒体、場の雰囲気など多くの要素で伝わり方が変わる。

本書はものごとを伝える時の伝達力を、ノンバーバルなもの(=「見た目」)という視点から考察したものだ。

米の心理学者マレービアンの実験が紹介されている。他人から受け取る情報の割合はこうだという。
  顔の表情:             55%
  声の質(高低)、大きさ、テンポ : 38%
  話す言葉の内容:           7%

話した内容は7%に過ぎないというのは、ビックリ。確かに、いくら素晴しい計画も情熱や気迫のない説明では、いまいち心に響かない。

本書で、面白いのは、マンガの効果のところ。
日本の出版物の約3分の1は、マンガだとか。これはマンガの伝達力のすごさを物語る数値だ。最近、ビジネスの世界でもマンガをつかったプロモーションや研修も多くなってきた。

また制服やハチマキといった「外見」も結構内面に影響を与える。

見た目・・・というと軽く流されるい表現だけれど、案外大事だ。


僕の思いつき

ずっと昔、国語の教科書(高校?)に「形」という短編が載っていた。たしか武士が緋縅の鎧ををまとったとたんに人格が変わって大いに戦果をあげた・といった内容だった。うーん、あれってどんなんだっけなー。
どなたか記憶ありませんか?

フレームワークを使って喜んでいるだけではいけないが、何もないより何かのフレームワークを使うのはいい結果に繋がることもある。

イチローのようにひとつのルーチーン的な型を作って試合に臨むのもいい。

形だけでは寂しいが、形を作るのは悪くないかもね。



オススメ度

★★★☆+非言語コミュニケーション

読んで欲しい方

・格好つけるのが好きな方
・形にこだわる方
・見かけから元気をつけたい方

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2006年02月23日

モチベーション ~ 林恭弘 + HRIのトップページ

体と頭と心

書籍情報

本のひらめき

企業は人である。人のやる気こそが企業活力の原点である。いくらすばらしい人事制度ができてもやる気がなければただの箱である。・・・など、人材ややる気についてはいろいろと言われている。

組織の中で一人一人がやる気を出して、モチベーションがいっぱい溢れているような雰囲気の会社は、どんな事業でも伸びるような気がする。モチベーションというのは、すごい!(インビジブル)資産ではなかろうか。

さて、本書はこのモチベーションを高めるための分かりやすいガイダンスである。働く人が「やりがいを感じ」「イキイキと仕事に臨み」「自分の成長を喜び」「仕事が楽しい」といえるためにどうしたらいいか・・・そんな全体像を小気味よくまとめてある。

モチベーションの全体像というのがある。

 やる気は、やらねばならぬ・・という外的要因ではなく、やりたい!という
 内的動機付けによりもたらされる。
  ↑
  内的動機は、「3つの要素」と、誰かのためにという「関係性」からくる。
   ↑
   3つの要素というのは、欲求、認知、情動である。
   関係性は、誰からのために役にたち感謝されるという関係である。

欲求というのは、ええかっこしたい・・といった原始欲的なもの
認知というのは、これをするといい効果がある・・というロジカル頭的なもの情動というのは、とにかく快感・・といったハマル世界、感情的なものこういうところから突き動かされるとき、行動は早くなり、心地もよい。

モチベーションを高める12の要因など、なるほどという解説がいい。


僕の思いつき

モチベーションを上げるためには、何がキモか・・・なんてのは、自らの経験やいくつか本を読めば、なんととなくボワ~ンとしたイメージや自分なりの考え方が浮かんでくる。
そういうものを一度まとめて(図解)してみるといいね。

古くからの尊敬する友人、松林博文さんが「言葉には『頭言葉』『心言葉』『体言葉』の3つがある」 なんて言ってたのを思い出す。モチベーションを上げる言葉には、そんな3つがあるのかもしれないね。

  やる気が出たときはどんなときだったか。
  あんなに夢中になってしまったのは、なぜか。
  些細なことなのに、すごく感動したのは、どうしてか。
  どうしてあの人といると楽しいのか。

などなど、そういう事象をもとに「マイ・モチベーション・ブック」を創ってみたい。うーん、がぜん「やる気」が沸いてきたかも。



オススメ度

★★★★☆+非言語コミュニケーション

読んで欲しい方

・やるき満マンになりたいと考えてる方
・動機付けに興味ある方
・組織を元気にしたい方

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2006年02月22日

イチロー思考 ~ 児玉光雄 + SHC

クールに、ホットに

書籍情報

イチロー思考―孤高を貫き、成功をつかむ77の工夫
児玉 光雄
東邦出版 (2004/12)
売り上げランキング: 11,508


本のひらめき

『50歳のシーズンを終えたときにね、こういいたいんですよ。
 まだまだ発展途上でうからって』

メジャー1年目を終えたときのインタビューコメントだそうだ。イチローは、クールで謙虚。

『学校の授業が終わったらすぐに帰ってくるから、
 お父さん、僕に野球を教えてちょうだい。』

これは小学3年のとき。それ以後7年間、バッティングセンターに通うことになるきっかけになったという言葉だという。

どちらも、それほどたいした言葉ではない。(というと語弊があるけれど)誰でもそういう言葉を吐くときがあった(ある)ような気がするからだ。

目の前にある一見つまらないように思える小さな仕事を根気よく積み重ねること・・・と著者の児玉さんはいう。

孤高をつらぬくイチローの姿に学ぶことは多い。


僕の思いつき

『パワーはいらないと思いますね。それより大事なのは自分の「型」をもって いないといけないということです。』

イチローが、しばらく前にTVドラマ(古畑任三郎の犯人役)に出ていた。TV向けの演技もあったであろうけれど、イチローはやっぱりイチローだったような気もする。なんともいえない「型」があった。

さて、僕の型はなんだろう・・・

  なんでも融かす自然体
  人畜無害な霞み流
  ごくごくフツウーのおじさん
  気楽なノリの楽天思考
  元気のでるMoso家

うーん、なんかパリっとしないね。笑 でも、それもいいかな。笑

自分の型をちょっと表現してみない?



オススメ度

★★★★+ICHIRO

読んで欲しい方

・孤独がすきな方
・イチローに興味ある方
・自分を元気にしたい方

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2006年02月21日

99・9%は仮説 ~ 竹内薫 + シンガポール

おもい~こんだぁら・・・

書籍情報


本のひらめき

飛行機がなぜ飛ぶのかと子どもに聞かれたら、多少知識のある人は、ベルヌーイの定理をもちだして、こんな説明をする。
あのね、翼はこんなふうになっていてね、上を流れる空気と下を流れる空気では速さが違ってくるんだわ・・・それでね・・・なんてね。

ところが・・・この仮説、翼の上と下を流れる空気が最後に同時に合流するという前提の上に成り立っている。でも、まてよ、なんで同時に合流しなくちゃいけないの・・という疑問の前に、うぐぐとなる。この問題、航空力学の専門家がマジめにギロンしているのだとか・・。

ほかにも麻酔はなぜ効くのか、地震の原因はほんとにプレートなのか・・・など、なんだか脳みそがぐにゃぐにゃになる。

地動説のコペルニクスは、当時の常識(仮説)に挑んだ人だ。多くの新しい仮説は、そのときの常識に虐待されている。ガリレオも同じ。

現在、科学が発展しいろんなことがわかっていると思われているが、それらの常識はすべて仮説である・・というのが本書のツボ。

お金は価値がある・・・というのも、そういう取り決めで成り立っているだけで、いわば仮説のひとつ。いきなりアフリカの奥地へつれていかれたら千円札はティッシュペーパーほどの価値もなくなる。

常識は無視してはいけないけれど、常識が仮説の上になりたっているという柔らかい見方もできるといいね。


僕の思いつき

科学的に物事を考える・・ということは、学校で習った『科学的』とされる数式や考え方を正しくつかって考えることではなく、今人間がそうだと信じていることは、仮説の上に成り立っている・・という謙虚な姿勢でものごとをみるということ・・・かもしれない。

人類がわかったことなんて、まだまだちっぽけなものなのかもねー。

今日はどんな常識を疑ってみようか・・・



オススメ度

★★★★+仮説でできている

読んで欲しい方

・柔らか頭になりたいと考えてる方
・仮説に興味ある方
・科学的な考察がすきな方

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2006年02月20日

「はぐらかし」の技術 ~ 梅森浩一 + Jカレ9・ブログ

はぐらかされるかも・・

書籍情報

「はぐらかし」の技術
梅森 浩一
日本経済新聞社 (2006/01)

本のひらめき

はぐらかす・・・というと聞こえが悪い。すっきりした答えが返ってこないため、はぐらかされた・・・みたいな文脈に使われることが多いからだ。

本書は、この「はぐらかす」ということをよい方に積極的に使うことを考えるヒントが書かれている。

世の中には、AかBか、YesかNoかはっきりできないことも多い。小学生の子どもから「赤ちゃんはどこからでてくるの?」と真顔で聞かれたらモゴモゴしてしまうように、なかなかスッキリと応えにくいことも世の中にはある。

ビジネスや政治の雑誌ネタにみる「はぐらかし」の実態分析や、官公庁にお勤めの方むけ「はぐらかし講座」、あるいははぐらかしへの「切り返し法」などが書かれている。

悪いはぐらかしは、相手を怒らせてしまったり、不利益を与えたりするもの。一方、よいはぐらかしは、場の雰囲気を和らげたり、人間関係を円滑にしたりするものだという。

あえて決めない・・・中庸というか第3の選択肢というか、そういうものをやんわりと表現できるのがいいね。人間がやってることだから、1,0の世界のようなワケにはいかないのだ。

本書の読後感は、ずばり「ちょっとはぐらかされたかな・・」である。笑


僕の思いつき

ビジネスにも日常の生活にも、なーんかへんだとか、ちょっとおかしいね・・みたいなことはけっこうある。

そういうものを観察して、自分なりに考えをめぐらせてみるのもいい。

例えば携帯のカメラは、カシャっとわざわざ音がでるようになっている。デジカメはそんな音はしない。なんで、こういうことになってるんだろうね。とか、もっと違う音がでたらいいのに・・とか。

最近、携帯で「プッシュ・ツー・トーク」なるものが出た。どこが面白いのかとも思ったが、あれを、会社の電話とかでやったら面白い。

 『xx会社の○○と申します。▽▽さんはお見えでしょうか。どうぞ。』
 『うちには、そういうものはおりませんが・・、どうぞ』
 『失礼しました。どうぞ』

あ、いかんいかん、月曜日から頭がハグレ返っている。


オススメ度

★★★☆+ハグラー

読んで欲しい方

・ハグラーになりたいと考えてる方
・はぐらかしに興味ある方
・良い加減が好きな方

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2006年02月19日

東大生が書いた頭が良くなる算数の教科書 ~ 東京大学TNKプロジェクト東大先生

ごく些細な違いなんだってさ・・・

書籍情報

東大生が書いた頭が良くなる算数の教科書
東京大学起業サークルT.N.K
インデックス・コミュニケーションズ (2006/01/05)


本のひらめき

東大生や東大卒の人は確かに頭がいい。このときの「頭がいい」というのは、どういうことだろうか。本書では、普通の人と東大の人のその差はごく些細なものだという。その紙一重の差を「東大脳」とよぶ。

ではその東大脳とは何か。それは、パターン認識。この一点だと断言する。

過去のに起こった状況や一度やった問題を記憶して、新たに起こる事態にそれを利用して迅速、正確に対応するということ、つまりこれがパターン認識だ。そのとき大切なのが、「直観力」「論理力」「探求力」の3つ。単に記憶力がいいというだけではなく、この3つの使い方が問題なのだという。

本書は、算数の世界でそれを鍛える問題集だ。
小学生の親御さんで中学受験を控えていらっしゃる方は、子どもが解いている問題が意外に難しいことに驚かれると思う。(塾の先生に聞いといで・・と逃げたくなる問題がけっこうある)そんな方、ちょっとこの本みとくのもいいね。

第1章は、数字に慣れよう。たとえばこんな問題がある。

 ○+○+○ー○=7  ○にはすべて一桁の整数が入る。さて、○は何か?

四則演算を正しく行う論理力、回答までにいくつものパターンを試す探求力がためされるんだそうな。ほかに、図形問題、つるかめ算などが登場する。
角丸セン太、数野トリコ、積木マスミなどのキャラクターが会話する形式で展開する。


僕の思いつき

学ぶとき一番効果的なのが、「教える」という行為。
学校でも会社でも、この教える機会を絶対に逃してはいけない。

教えるというのは、教室や研修の先生だけでなく、なにかの手順書を作るとか課題を整理して伝えるとか、いろんな場面で登場する。セミナー講師なんてのは、まさにそれ。

どんなに不慣れでも、はじめてでも・・・絶対に引き受けたほうがいい。

さて、来週は何がありますかねぇ・・・



オススメ度

★★★+頭を使おう

読んで欲しい方

・先生になりたいと考えてる方
・東大に興味ある方
・子どもを元気にしたい方

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2006年02月17日

プレスリリースのつくり方・使い方 ~ 蓮香尚文 + ジェイカレッジNo9

思わず取り上げたい・・・

書籍情報

本のひらめき

蓮香(はすか)さんは、プレスリリース一筋・・といってもいいでしょう。プレスリリースをこれほど真剣に取組まれている方もいないのではないか・・と思う。この道30年、プレスリリース道を極めた方かもしれない。

そんな蓮香さんが、いよいよ本を出版。待っていた一冊である。

本書は、リリースの書き方、配信後ノフォロー、そしてメディアに取り上げてもらいやすい仕掛け方など、蓮香さんのノウハウが惜しみなく公開されている。

すぐ使えるプレスリリース文例が80もある。

マスコミが思わず取り上げたくなる・・・そんな記事を書くのは、巨額の広告費用をかけたPRよりずっと価値がある。なにしろ、第三者に認めてもらって無料で告知ができるのだから・・。

プレスリリース作りの7大原則というのがある。

  は:拝啓となぜを謳え。会社はどう変わるのか。
  す:素(す)を開発せよ。情報素材は、リリースの原点。
  か:過大表現は避けよ。事実を簡潔に短くかけ。
  ひ:独り善がりになるな。他人に見せ徹底推敲。
  さ:削除せよ。長文・御託は避け、「ワンベスト」(A41枚)に徹する。
  ふ:ふるい話は捨てよ。ニュースとは新しい事柄。
  み:みやすくせよ。タイトルと小見出しがキモ。

なるほどーである。
その他、小見出し作りのポイントや、べからず集など、参考にしたいツボがかかれている。


僕の思いつき

自分の部署が商品やサービスを売る部門でない人は、プレスリリースなんて関係ないね・・と思いがちだ。しかし、そうでもない。総務部なら総務部で、いかに自分たちの仕事がお役にたつもので、こんなお知らせにぜひ注目してほしいなんていうときがある。そんな時、プレスリリースの心得が役にたつ。

日ごろから、社外や関係ない部署向けに自分達の仕事をアピールするリリース文やパンフを作ってみるのもいいね。

遊び感覚でやってみると、意外な展開があるかもしれない。
Mosoモードは、思いもよらぬすごいことを引き起こすから・・・。



オススメ度

★★★★★+ニュース性

読んで欲しい方

・伝説の広報マンになりたい方
・プレスリリースに興味ある方
・会社を元気にしたい方

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2006年02月16日

図解!ビジネスメソッド25 ~ 西村克己 + サクラ屋

サクっと知りたいとき便利

書籍情報

本のひらめき

ビジネスシーンで使える方法や考え方を図解で簡潔に解説してくれたムック本である。

マンダラート、ピラミッドストラクチャ、KJ法、SWOT分析など25の方法が示されている。

発想を広げる、体系的に物事を捉える、分析力を上げる、経営革新、品質革新の5つの分野に分かれている。解説とサンプルがあって、サクっと読めるのがいい。

会議などで、とつぜん知らない横文字や方法論がでてきたら、この本を開いて「そういうことだったのか!」と思ったらいいね。

いずれもそれほど難しくはないので、とにかく自分で使ってみるのがいい。年度末のこの時期、来年度のプランや中期計画などを検討しているチームがあると思うけど、ここにあるようなやり方を試してみるのもいいね。


僕の思いつき

方法論や、手法は、ここにある25のやり方以外にもまだまだある。それからオリジナルな方法を考えてもいいね。

そういうのを、自分なりにまとめておくと、いつかセミナー講師ができる。

やってみてよかった!という経験は、何より大きい。

知る→試す→語る・・・そんなところに成長があるかもね。



オススメ度

★★★☆+クイックに

読んで欲しい方

・メソッド大好きな方
・いろんな方法論に興味ある方
・会社を元気にしたい方

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2006年02月15日

ズッコケ中年三人組 ~ 那須正幹 + 知研セミナー

さわやかに・・・

書籍情報

ズッコケ中年三人組
ズッコケ中年三人組
posted with amazlet on 06.02.18
那須 正幹
ポプラ社 (2005/12)

本のひらめき

今朝は、一駅乗り越してしまった。この本のせいで。最後の佳境にさしかかり読みふけってしまったのがいけなかった。(でも、よかった!)

ズッコケ3人組シリーズのファンは多い。那須さんが78年から書き続けてきたこのシリーズは、2005年12月に完結したという。「ズコッケ3人組の卒業式」という作品らしい。(よまねば)

50巻完結のニュースに多くの読者(大人も子どもも)からたくさんの便りが届いたという。20代、30代の方は、ズッコケを読んで育ったなんて方も多いはず。

そこで、那須さんは、感謝の気持ちでこの作品を追加したという。6年生だった3人組が、不惑の40代を迎えた・・という設定だ。モーちゃんは、ビデオ屋さんでアルバイト、ハチベエはコンビニをやっている。そしてハカセは、ちょっと冴えない中学の先生だ。

それぞれに、40代の悩みを抱えながらも、懸命に生きている。
ハチベエが浮気の現場を奥さんに見つかったり、ハカセが担任するクラスの悪がきにすごまれて縮み上がったり、モーちゃんが妻と娘に家出されそうになったり・・。

そんな3人の前に、怪盗Xが再び現われる。再びというのは、子どものころにも彼らとXが対峙したことがあったのだ。次々と起こる不思議な現象に、3人は、この挑戦を受けて立つことになる。
今回は、怪盗Xが絵画を盗むという挑戦状を送りつけてきた。

この顛末は読んでの楽しみとして、この物語、読後が実にさわやかである。すべてのことがつながり、意味があり、そして価値がある・・・・そんな気分にさせてくれるからだ。
今朝は、この本で一日の英気をいただいたような気分になった。


僕の思いつき

著者は、あとがきにこう記している。

 もしかなうならば、10年後に50歳になった3人組を主人公にした作品を
 書きたいものだ。2015年発行の「スッコケ熟年3人組」で再びお会いし
 ましょう。

なんて素敵な未来形!

10年先にこんな楽しみをとっておくのも悪くない。著者も読者も。

こういう長いレンジの楽しみっていいなー。小学校でよくやるタイムカプセルとか、子どもが大人になってからプレゼントする本とか、10年後に妻にプレゼントする宝物とか・・・・

年をとると時間は加速する。そして時間が足りなくもなる。そんな中で、楽しい時間の演出をするのもいいね~。

あ、そういうタイムプレゼントのビジネスもいいね。(はじめるか!?)

今日、なんか考えてみない?



オススメ度

★★★★★+再びの

読んで欲しい方

・素敵な中年になりたいと考えてる方
・ズッコケ3人組のファンの方
・未来を楽しく元気にしたい方

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2006年02月14日

受注率が90%に跳ねあがる経営法 ~ 岩崎清美 + すごい!会議4

世界にたった一つのおもてなし

書籍情報

受注率が90%に跳ねあがる経営法
岩崎 清美
ハギジン出版 (2005/11/05)


本のひらめき

お客様は、実は「満足」だけでは満足しない。満足レベルでは、そのサービスや商品や営業マンのことを人に言いふらしたりはしない。そこに「感動」という満足を超えたものがあれば、すごい!ことになる・・・。

これまで僕の聞いた「感動物語」は、リッツカールトンだったり、ディズニーランドだったり、福島さん(&つるちゃん)に聞いた岩手中央タクシーの早川さん(感動タクシー)だったりする。これらは、行ったこともないのにセミナーで話たりするから、バイラルマーケティングだなんだというレベルを超えているような気がする。

本書もそうした「感動」を生み出す営業、経営とはどういうものかを分かりやすく解説してくれる。ただし・・・「あ、これなら私もやってみたい!」と思う具体的でかつ感動的なヒントがいっぱいあるところが、特徴的だ。

お客様の琴線を揺るがす感動ノウハウには・・・

 大事なお客様の名前を刷り込んだうちわをプレゼントする
 お客様の名前を文章に埋め込んだポエムや書中見舞いを書く
   (これは現物をみると、すごく感動する!)
  

 感動事例はこちら→ http://www.rdi.ne.jp/kando/html/jissen_jirei.html

お金をかけずに手作りで相手によろこんでもらう工夫がとてもいい。

営業マンは、まず自分を売るのがいいという。あの人なら・・・といってもらえたら最高だ。そのための感動グッズやイベントを考えるとっても素晴らしいヒントがいっぱいある。(ジェイカレッジの池本教授~実は営業マン~には、個人的に薦めておこう)


僕の思いつき

実は、この感動のストーリーのことは、先日、まちみらい千代田のイノベーション・カレッジでお会いしたハギジンさんからも聞かせていただいた。
 http://www.hagizine.co.jp/index.htm

感動を生み出すきっかけ、グッズ・・・など考えてみればいっぱいできる。
そういうのをMosoしてみよう。

あーーー・Mosoバクハツしそうだ・・・。


オススメ度

★★★★★+でも君から買うよ

読んで欲しい方

・感動営業をしたい方
・感動物語に興味ある方
・お客様を元気にしたい方

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2006年02月13日

後悔しない一戸建ての秘密 ~ 平秀信 + リッツ@2/17

知らなきゃソンソン・・・

書籍情報

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本のひらめき

今日の本は、行列のできるスーパー工務店、エルハウスの創業者、平(ひら)さんが、現場の生々しい声をもとに後悔しない一戸建てを建てるコツを指南する本である。

アネハ・・といえば小学生でも知っている耐震構造偽造問題。誰もが想像するのは、アネハだけじゃない、ヒューザーだけじゃない・・といった構造的な問題である。すでにその綻びが報道されていたりする。

マンションもそうだが、家つくりも同じように、リフォーム詐欺やアスベスト問題など、消費者の無知に付け込んだひどい話がある。

こうした現場もみてきた著者が、消費者の立場にたって「後悔しないコツ」を教えてくれる。

抽選会や無料セミナーでカモになりやすい人、大手メーカーのブランド料を知らずに払っている人、契約後にトラブルに見舞われる人、とどまらない欲望が求めるものを歪めてしまう人・・・などなど、失敗事例はたくさんある。そういうものの背後にあるものをよくわきまえて、人生の一大プロジェクトに臨みたいものである。

平さんは、「ローコストでいい家を」という信念のもと、エルハウスを創業し顧客に喜ばれる工務店経営をしている方である。
エルハウス:→ http://www.lhouse.co.jp/

信念のある人とプロジェクトを進めたいねぇ。


僕の思いつき

営業マンが、家つくりのキーマンだという。住宅に関する知識や情報をもち、誠意のある人がいい。

僕もかつて家を建てたとき、けっこうシビアな問題に直面した。設計図どおりに建てられていないことを発見し、いろいろあって、棟上をやり直してもらったことがある。そのときの営業マンの方は、なかなか誠実な対応をしてくれた。

家つくりは、楽しいし大きな人生プロジェクトでもある。

藤原和博さんの本も読み、今日の本も読み、かしこい顧客になってから取組むのがいいかもしれない。

大事なことは
 * かしこいお客さんになる
 * よいパートナーを選ぶ
 * 顧客としてのプロジェクトマネジメントする
といったところだろうか。

またお家をたててみたいなぁー。せめて小さな書斎のある家を。笑



オススメ度

★★★★☆+かしこいお客さん

読んで欲しい方

・一戸建てを建てたい方
・建築に興味ある方
・長野県出身の方

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2006年02月12日

大人のしくみ ~ ビル・バーナード/曽根原美保 + au

人生の現実を考えてみる

書籍情報

大人のしくみ 10代のための哲学
ビル・バーナード 曽根原 美保
光文社 (2005/11/22)

本のひらめき

本書は、ティンエイジャーとその親御さんがいっしょに読むといい本だ。

世の中は不公平である・・・なんてのは、大人はとっくに当たり前だと思っているし、ティーンエイジャーも経験的に知っている。それに対して、どのように考えたらいいか・・を考えるのが本書だ。
不公平さといった「ホンモノ」のルールを理解しておくと、将来手にするお金と幸せと楽しみを増やすことができるというわけだ。

もちろん不公平だけを扱うわけではなく、人生のいろんなフェイズを考える問いかけがある。

 ただでありつけるランチはない
 誰かが必ずきみより大きなボートを持っている
 人格とは誰もみていないときの、きみ
 時間は加速する
 きみは相手が喜んで支払う額の価値しかない
 最もよく考えるものが、最も人生を活用できる

など、「人生の現実」について思索するきっかけがいっぱいある。

僕の思いつき

子どもと同じ本を読んで、何かを話し合う・・・そんな場面がPTAとか学級会議とかであったら楽しい。そういうのを企画してみたいね。

今日、norimo先生から「バブルほうかいってなぁに?」とか「円高ってどういうこと?」とかいろんな質問がでた。うれしくもあり、驚きでもあり。これはうまく説明せんといかんな・・・と一生懸命考えて説明をした。

親子で、質問をする時間をつくるってのもいいねー。


オススメ度

★★★★☆+対話のきっかけ

読んで欲しい方

・素敵な大人になりたい方
・大人のルールに興味ある方
・世の中を理解したい方

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2006年02月11日

凡人でも上場できる!起業の黄金ルール ~ 浜口直太 + ブログ

見てきたまんま・・・

書籍情報

凡人でも上場できる! 起業の黄金ルール
浜口 直太
日本実業出版社 (2006/02/09)


本のひらめき

著者も起業した一人である。そのときのエピソードがとてもシビレる。
大学を卒業して10年後に起業しようと決めていた著者は、当時勤めていたコンサル会社の上司に相談する。怖くてなかなか起業に踏み切れなかったときのことだ。

「実をいうと、失敗したことを考えたら怖くてなかなか起業に踏み切れません」 
「それでは、私が背中を押してあげよう。君をクビにする! その代わり、君
 を今の倍の報酬で顧問に受け入れる。だから、独立しなさい。」

著者は、このとき涙がとまならかったと述懐している。

起業には、時の運と人の縁が必要だと思う。浜口さんも、独立する前に「売り先」を決めておこうとか、ベンチャー成功のカギは人脈経営だ、ともいっている。

本書には、凡人でも起業できるという黄金ルールがとてもわかりやすく解説されている。まだ起業を迷っている人も、すでに起業した人も、本書に書かれた黄金ルールは、とても役立つのではないだろうか。

僕的に非常に心に響いたのは・・

  勤務先を批判するくらいら、自分で理想の会社を創ってしまおう。

  夢や志がなくても、好きなことで起業していい。

  最初は、営業がで来る人しか雇ってはいけない。

  起業家はクレイジーなくらいでちょうどいい。

などである。

著者は、サム・ウォルトン(ウォルマート)、マイケル・デル(デル)、ハーブ・ケレハー(サウスウエスト航空)、渡邉美樹(ワタミ)、千本倖生(イーアクセス)、宋文洲(ソフトブレーン)など数多くの起業家に会い、そのクレイジーさに触れてきたという。

また多くの企業の上場を支援してきた経験から抽出された「黄金のルール」は納得がいくものばかりである。

僕の思いつき

起業するのに理由は必要ない、という。起業の理由が、たとえどんなに自己中心的なものでも、だという。なぜなら、当初利己的であっても、真剣に社長業をまっとうしようとすればだんだん他利的になってくるからだという。
なるほど。

起業を考えている方は、背中を押してもらえるね、きっと。
とやかく悩まず、勇気をしぼって「行動」あるのみ・・と説く。

さて、本書には、ちょっとした楽しい企画がある。
         ↓ ↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
出版元の日本実業出版社が、2月15日(水)~2月17日(金)までキャンペーンを
実施します。その間にamazon.co.jpから『凡人でも上場できる! 起業の黄金
ルール』をご購入された方に限り、著者浜口直太氏秘蔵のコンテンツ「ベンチ
ャーラッシュ時代を生き残るために」がもらえます。
詳しくは、下記のサイトにアクセスしてください。
       http://www.njg.co.jp/c/4026.htm
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

どうせ本を買うなら、楽しみもいっしょに手に入れるのも悪くない。
Mosoを広げるきっかけにお薦めの本である。


オススメ度

★★★★★+勇気ある行動

読んで欲しい方

・起業家をめざしている方
・ベンチャーに興味ある方
・これからの人生を自分らしく生きたい方

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2006年02月10日

ハピ婚! ~ 大安吉日 + キックオフ会議

自分と向き合う

書籍情報


本のひらめき

著者は、本書の中でも自分がバツイチであることをカミングアウトしている。明石家さんまも自らのバツイチをあっけらかんと公言しているし(しなくても分るか)、このごろは、別にどうってことない・・・という風もある。

しかし、できればバツイチ、バツニとかならずに幸せなハッピーな結婚(ハピ婚)が望ましい。

本書は、「自分に本当にあった相手選びと、相手のことを受け入れていく心のもちかた、そしてつきあっていく家庭での信頼関係のつくりかたなど、さまざまな努力」について語っている。

バツイチの経験も活かし、どうしたら「あなたがあなたらしくいられて、本当の自分でいても違和感をおぼえない」・・そんな結婚生活をするためのヒントが書かれている。

 ビビビと来る人より、ほんわかした人がいい・・とか
 「してくれないこと」より「してくれること」・・とか
 相手をたてれば自分がらくちん・・・とか

幸せの隠し味を教えてくれる。


僕の思いつき

なんでもそうだけれど、やみくもにいくよりもそれなりの心構えがあるとよい結果がえられる確率は高まる。

これから結婚される女性(バツイチもふくめ)にも、そして男性にも、なかなかよいヒントがある。

うーん、独身のときに読んどきゃよかった・・・・などといってはいけませんな。既婚のあなた・・・。笑



オススメ度

★★★★+ハピ婚

読んで欲しい方

・3年後に結婚してたい方
・結婚生活に興味ある方
・素敵な夫婦になりたい方

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2006年02月09日

イノベーション・パラドックス ~ ジョルジュ・アウー + セミナー

外向き発想がいいみたいだね。

書籍情報

イノベーション・パラドックス
ジョルジュ・アウー
ファーストプレス (2006/01/31)


本のひらめき

R&D(リサーチ&ディベロップメント)投資をガボっと行い、よい製品や技術を生み出し、企業利益につなげる・・・。メーカー系企業は、こうしたイノベーションの取り組み如何で将来の様子が変わってくる。

本書は、こうしたテクノロジー企業にたいし、イノベーションの新しいあり方を提言している。

それは、一言でいえば「分散型イノベーション」。
要するに、社内ですべてを囲い込まずに社外の協力者をもっと積極的に関与させていこう・・という発想だ。

従来は、社内の部門横断型プロジェクト、ポートフォリオ・マネジメント、S字カーブなどの考え方があったが、それではなかなか実効が生まれていないという。
それに代わって、もっと外に働きかけようというのが「分散型イノベーション」だという。ライセンス活動、イノベーション・プロダクトの売却、様々なチャンネルの活用などなど。

僕はメーカー系の会社にいないので、あまりピンとはこなかったが、方向性はあってるような気がする。

ノキア、インテル、サムスン、ジェネリックスなどの事例がある。また日本企業では、日立、キャノンなども登場する。

少々、学術的な雰囲気あり。


僕の思いつき

外へ意識を向ける・・・というのは、イノベーションに限らず大切だ。
異業種交流・・・なんてのが以前はやったが、どちらかというと「何がゲットできるものはないか」モードになると実につまらないものになる。

意識を向ける=何か貢献できることはないか、というGIVEモードがいいね。

すごい!会議も外に出てみることにしよう・・・。
品川あたりの会社さんにいってみよっかな・・。



オススメ度

★★★☆+パラドックス

読んで欲しい方

・技術経営に関心ある方
・イノベーションが大事だぁって方
・会社を元気にしたい方

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2006年02月08日

ロウアーミドルの衝撃 ~ 大前研一 + 癒し系

M字型の二極分化

書籍情報

ロウアーミドルの衝撃
大前 研一
講談社 (2006/01/26)


本のひらめき

所得階層が二極化し、ビジネスや経済、政治はどう変わるのか。大前さんのズバっと切り込んだ分析と提言が書かれている。毎度のことながら、読みやすく分り易い。

失われた10年と嘆かれた不景気の後、最近は回復基調になってきているといわれているが、大前さんはこれを「バイアグラ景気」と呼ぶ。理由は、ほとんどが中国関連特需によるものだからだ。
ここしばらく、日本で起きた変化の本質は、「長期衰退の中で所得階層が二極化しM字型社会へ移行したこと」だという。年収600万円以下のローワーミドル以下の人たちが8割を占めるというわけだ。

こうした中で、政治は、企業は、なにをすべきかを論じているところが、この本のすごさである。

M字型の所得分布になるとき、企業はどんな戦略をとるべきか・・・。

「なんちゃって自由が丘」がいいという。ひぇー、大前さんにしてはすごく軽いノリの表現(笑)。これは、何かといえば・・・「価格はロウアーミドル、センスはアッパーミドル」つまり、「価格は安いが、センスは自由が丘」というわけだ。
たとえば、ナチュラルキッチン(100円ショップだけれど、扱っているのはお洒落な人気輸入雑貨など)、ZARD(衣料品)などがそれにあたるという。

政治の世界では、道州制、付加価値税などのユニークな提案が再登場する。これまで大前さんが主張してきた平成維新のたくさんの具体的アイデアだ。政治は、バカらしくてもうやらん!という大前さんだけれど、この方の提言を実現できる世の中にぜひなってほしいものだ。(なんか、できるような気がするんだけど・・・Moso)

本質を見ながら、鋭い提言をする本書は、じっくり読んでおきたい。


僕の思いつき

「古いものを壊すだけでは、新しいものは生まれない」と大前さん。
たしかに、いろんなところで、それは真理だと思う。

会社の中にもそういうものがあるかもね。

新しいものを発想する頭の使い方・・・そういうのをぜひ、見習いたい。
今、ぼくはそれは Moso することだと思っている。
(今年は、Moso力 っていう本を書くぞ、と)
       ↑
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オススメ度

★★★★★+8割

読んで欲しい方

・アッパーになりたいと考えてる方
・下流に興味ある方
・人生を元気にしたい方

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2006年02月07日

日本を創った12人 ~ 堺屋太一 + 知研でお話

歴史を今風に学ぶ

書籍情報

日本を創った12人
日本を創った12人
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堺屋 太一
PHP研究所 (2006/02)

本のひらめき

堺屋太一さんの歴史分析はいつも面白い。現代にワープして、たとえるから、とても身近に感じて理解できる。たとえば、日本型プロジェクトの創造をしたという石田三成の項目では、徳川家康副社長に対抗して、創業社長秀吉の親友であった前田利家専務しかいない・・・といった表現が登場する。なんだかリアルにイメージできるのがいい。

12人の登場人物のうち、一番バッターは、聖徳太子。
なにを歴史に残したか・・・

それは「ええとこどり」の気風だという。

聖徳太子は、習合思想を発案した張本人だというのだ。新しい文化として伝来した仏教に対し、当時の日本は、「それまでの神道を捨て、仏教に帰依すべきか、はたまた仏教を排斥すべきか」・・・・当時の新しい文化と先祖伝来の信仰との間で揺れ動いていたという。そこに聖徳太子の教え「神道と仏教は両立する、さらに儒教も加えて3つが並存する」という思想が示され、人々は安心と心のよりどころを得たというのだ。

西欧の二者択一、勝ちか負けかの二元論ではなく、この柔軟さ(というかええかげんさ)が素晴しい。そして、それは今日まで続く。AかBかではなく、AでもBでもない状態もありうるという、謙虚な姿勢でもあるのだ。(西洋思想もだんだんこの東洋思想に近づきつつあるらしい)

二番手は光源氏。あれ、架空の人物じゃん・・?というのも無理はない。紫式部の描いた源氏物語の主人公だ。なのに、なぜ日本を創った12人の一人か?その意図はこういうことらしい。

 意思決定をしない高貴にして高位な人、いわば無能だが上品な人の伝統
 は、平安貴族、それも光源氏が生きた十世紀に始まった。

ということだ。確かに今でもそういう人は結構いたりする・・・オヨヨ。

その他、前例のないけったいな政権(つまり、律令制度を温存しつつ武家政治を展開、権力機構の二重構造)を創った源頼朝。中堅官僚プロジェクトの元祖、石田光成。手続きをちゃんとすることで責任のがれをする「ちゃんとイズム」の石門心学の石田梅岩。「財界」という欧米にはないカタマリを創った渋沢栄一。そして、池田隼人、マッカーサーなど12人が登場する。

僕の思いつき

本書の結びには、「いくつかの点で、日本を創った12人を超えなければならない」としている。

自分を作った12人は誰か・・・親に始まり、いろんな人のどんな影響をうけてきたのか書き出してみるのもいいね。感謝を込めて。

過去、現在、未来は、ずっとつながっているし、すべてのことに意味があり、これからも意味がありつづける。多分、感謝という気持ちがあらゆることを価値あるものにしてくれる触媒となるような気がする。


オススメ度

★★★★★+歴史を引きよせる

読んで欲しい方

・歴史が好きな方
・時代を動かした人物に興味ある方
・ユニークな視点が心地よい方

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2006年02月06日

自分を磨く方法 ~ アレクサンダー・ロックハート

できるはずがない・・・

書籍情報

自分を磨く方法
自分を磨く方法
posted with amazlet on 06.02.11
アレクサンダー・ロックハート 弓場 隆
ディスカヴァートゥエンティワン (2005/08/18)
売り上げランキング: 43,100


本のひらめき

「そんなことはできるはずがない」と「やってみなければわからない」という二つの石が落ちていたら、どちらを拾うだろうか。

きっと、だれも後者を拾うに違いない。

しかし、現実には、「できるはずがない」という石で心は埋め尽くされている。

本書は、そんな心の持ちようを変え、行動する勇気、失敗を恐れない気持ち、逆境に立ち向かう忍耐などを、とてもやさしい言葉で語りかける。

人生を豊かに生きるため、自分を磨く方法を教えてくれる。

たとえば:

 心を庭にたとえるならば、心の姿勢は種だ。
 種の種類によって、異なる実がなる。
 ネガティブな種を植えれば、ネガティブな結果を得ることになる。

 多くの人は最初の障害に出会うと引き返してしまう。

 自分にはたいした力はない・・・と思い込んでいる

普段の生活やビジネスにおいても、そうそうと思えるシーンがある。

繰り返し読んで、元気をもらいたい本である。 
 

僕の思いつき

ギリシア神話によると、オリンポスの山に住む神々が会議を開き、幸せの秘訣をどこに隠せば、人間がそれを見つけたときにもっとも感謝するかを話したという。

「高い山の上がいい」「地中深くに隠そう」「深い海のそこに隠すべき」など様々な意見がでて、ある神が「人間の心の奥深くに隠すのが一番いい」と提案し。そのようになったらしい。

すべては心の持ちようで、私たちは幸せな人生を送るか、ねたみや嫉妬や嘆きの人生になるか・・・微妙な線で変わるようだ。

どうせなら・・・


オススメ度

★★★★☆+やってみるかい

読んで欲しい方

・わくわくする人生を送りたい方
・夢実現に興味ある方
・失敗して落ち込んでいる方

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2006年02月05日

ローカルヒーロー大図鑑 ~ ブルー・オレンジ・スタジアム+すごい会議議事録

ヒーローはここにいる

書籍情報

ローカルヒーロー大図鑑―地元を守る正義の味方、77組大集結!
ブルー・オレンジ・スタジアム
水曜社 (2006/02)


本のひらめき

またまた石黒さんの楽しい企画だ。こういうのに僕は弱い!笑

本書は、全国47都道府県でがんばるローカルヒーロー、77組を紹介した本である。例えば、

 みかん戦隊オレンジャー(和歌山)
 郡上踊り普及戦隊オドルンジャー(岐阜)
 さくがき戦隊ケセルンジャー(岡山)

などご当地ならではのヒーローがいる。地域の商工会の会員だったり、お役所の職員だったり学生だったり・・・ヒーローの「中の人」はいろいろらしい。

「地域の活性化」や「地域の環境美化」など、いたって真面目。(なことが多い)とカッコつきの注がつづくのが、笑える。

富士急ハイランド(富士吉田市)には、世界一ヤルキのないヒーローがいるという。徘徊戦隊ハイランダーで、2002年から活躍(?)している。ゲストにからんだり、寝ていたり、ヒーローらしくないところがいいらしい。

楽しみながら閃いてみたい。


僕の思いつき

会社でも、こういうのを企画して、わが社のヒーロー、お仕事戦隊サボルンジャーとか、よその部署にいってお手伝いをするオセッカイダーマンとかがいたら楽しいねぇ。

そういうことができる心の広い社長さんや会社の雰囲気があるといい。

年休を毎年捨てている社員は、きっと多い。一日お休みをとり、会社でちょっとフザけてみるのもいいかもね。Moso力が必要だね。

どんなヒーローがいたらいいかを考えたい方、Moso会議のヒーロー、モーソージャーが駆けつけるので、ご連絡を。笑


オススメ度

★★★★☆+ローカルはすごい!

読んで欲しい方

・地元のヒーローになりたい方
・正義の戦隊を作りたい方
・雰囲気を変えてみたい方

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2006年02月04日

這い上がれない未来 ~ 藤井厳喜

格差社会に流されず・・・

書籍情報

這い上がれない未来  Never-Climbing Society
藤井 厳喜
光文社 (2005/12/14)


本のひらめき

本書は、国家破産( national bankruptcy) を契機に「超・格差社会」が訪れ今以上に「金持ち」と「貧乏人」がはっきりすると予測する。

日本だけでなく、欧米における生活格差の事情を解説し、これからの格差社会を展望している。

ちょっと興味深いと思ったのは、米欧の学歴事情。
アメリカでは、高校卒業時にトップ10%だと、ブッシュ大統領から直接賞状が届くという。また大学も私立はべらぼうに高く(年間500万前後)、中流でも名門一流大学にいくには大変だという。ただし、奨学金制度が相当充実しているため機会均等社会を保てているのだという。

這い上がる人になるために、若者にはこうアドバイスする。

 1.海外の名門一流大学に留学せよ
 2.公務員になってはいけない
 3.就職するならグルーバル展開している企業にいけ
 4.最低、英語は話せるようにしろ
 5.金融・経済の知識を身につけよ

など10項目がある。

だから、「どうしよう・・」ではなく、だから「いろんなことを考えよう」
というのが本書である。


僕の思いつき

三浦展さんの「下流社会」が売れている。危機感を煽られるとついつい反応してしまうのは世の常。しかし、いつの時代にも豊かな人もそうでない人もいるわけで、その要因が何にしろ右か左かといった二元論的な思考をするのは、いかがなものか・・・と思う。

人を羨ましく思ったり、自分を自慢してみたりしても仕方がない。どんな価値を世の中に残せるか・・そういう思考のほうがいいのではないかと思う。

本書にも、若い頃からずっと寄付を続けてきたアメリカ人の話が登場する。その人の暮らしは決して豊かではない。しかし、明らかにこの地上にすばらしい何かを残している。

上か下かといった二極分化の流れが仮にあるとして、そのなかで自分は下流にいきたくない・・という利己的な発想は、心が貧しくなるかもしれない。


オススメ度

★★★★+格差

読んで欲しい方

・中流を維持したい方
・未来を考えるのがすきな方
・子どもを留学させたい方

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2006年02月03日

ケースで鍛える人間力リーダーシップ ~ 保田健治 + 節分

臨場感あり!

書籍情報

ケースで鍛える 人間力リーダーシップ
保田 健治
ダイヤモンド社 (2006/01/27)

本のひらめき

企業、会社、組織、チーム・・・細かくしていくと最後は、個人と個人の集まりになる。個人一人一人が活き活きと仕事をしないとチームはうまくいかない。そこにリーダーという存在価値が生まれる。影響力の大きいことを期待され、そして、また適切な機能も期待されている。

リーダーシップとは、よく口にされる言葉でありながら、なかなかそれは難しい「技」でもある。スケートや体操でいえばD難度。3回転ジャンプくらいの難しさがあるだろうか・・・

さて、本書は、職場での様々な場面で、リーダーシップをどう発揮するとよいかをケースで解説した本である。

医療系やIT系、営業系などのケースは、具体的な場面設定と会話があり、ななかか臨場感がある。

 リーダーの「第一番目の顧客」はメンバーだ

 チーム目標は、個人の目標の単なる積み上げではない

 ナレッジを共有できないチームは強くなれない

など、ビジネスシーンの広い範囲をカバーしているのがうれしい。
リーダーの位置にいる方にお勧めの本。


僕の思いつき

ビジネスシーンの対話(ダイヤログ)は、いざ、考えてみようと思ってもなかなか浮かばない。一方、今日の会議であの発言はないよな・・・といった強烈な印象の場面もある。

ひごろのビジネスシーンをいろんな形でキャプチャーしておくのも面白い。
たとえば 会話で
たとえば 漫画で
たとえば 動物の寓話にして

ネタが10個くらい集まると、その次の何かがイメージできたりする。
さらに10個たまると、次にどこかで発信したくなる。
やがて・・・・
あー、いかんいかん、妄想が炸裂してきた。笑



オススメ度

★★★★+リーダーの価値

読んで欲しい方

・リーダーシップの達人になりたいと考えてる方
・すごい上司に興味ある方
・職場を元気にしたい方

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2006年02月02日

超バカの壁 ~ 養老孟司 + 卵知喜会議

ものの見方、考え方の問題である。

書籍情報

超バカの壁
超バカの壁
posted with amazlet on 06.02.11
養老 孟司
新潮社 (2006/01/14)

本のひらめき

バカの壁シリーズの第3弾である。反日の問題、靖国の問題など時事的なものから、男女、子ども、老人など身の回りのことまでさまざまなことについて、養老さんの思索を語ったものである。

中でも印象的なことは、仕事に対する姿勢の話。
天職とかライフワークとか、そうたやすく見つかるものではない。また、目の前の仕事が些細でつまらぬことに見えることもある。しかし、仕事とはあちこちにあいた穴を埋めるようなもので、それを「本気で」やっていくうちにモノになり、経験になり、やがて何かがみえてくるものだという。

秀吉が出世できたのも、草履取りを「雑用」と思っていい加減にすますのではなく「本気」で取り組んだからこそではないか・・という。著者も助教授時代、「死体の引き取り」をしていたという。“そんなこと助教授んも仕事じゃないよ”と言われても、いやこれも重要な仕事の内だと思って真剣にやったという。そしてそれは大いによい経験になったと。

もう一つは、世の中のことはわからないことも多い。たかが人間が思いついた概念で、それが全てだなどと思い上がるのはよくないというところ。科学的客観性や一元的現実などといった考えを金科玉条にするな・・ということだ。
「わからないことを」知るということもとても意義があるという。そういう、謙虚な思考についていろんな出来事で語られている。

もうひとつ。なぜ女は強いかという「男女の問題」について生物学的な論考が面白い。
身体的には人間は、女が基本形で、Y染色体の働きでホルモンが作用し、男性は女性をいじって作り上げたものだという。
免疫学者、多田富雄さんは『女は実体だが、男は現象である』と言ったそうである。竹内久美子女史とも通じるものがあって面白い。


僕の思いつき

ものの見方にはいろいろある。養老さんも自分の考えが正しくて、それを理解しないのはバカだという思考回路ではない。考えが異なるのは仕方のないことだ・・・というゆるい考え方がある。AかBかの二元論ではなく、その中間もありえるのだという鷹揚さや、今人間が認識していることが決して全てではないという謙虚さが、かえって思考の骨をもっているような気がする。日本的だ。

こういう思考回路は、年をとるにつれてできるような気もする。
年をとるのも悪くない・・・なんて思った。



オススメ度

★★★★☆+鷹揚と謙虚

読んで欲しい方

・ゆるい思考が好きな方
・バカに興味ある方
・世の中の疑問を考えてみたい方

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2006年02月01日

入門マイクロファイナンス ~ フェルダー直子

こんな貢献もあったのか・・・

書籍情報

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本のひらめき

マイクロファイナンス・・・・耳慣れない言葉に興味を持った。

1970年代から80年代にかけバングラデシュや南米の数カ国で、貧困層の女性グループに対して所得創出活動のために小口ローンを提供する実験的な試みが、マイクロファイナンスの起源らしい。
政府や国際的な援助資金がもとになったという。

貧困層への金融サービスである。わずか2ドルのために口座を開き、無担保のローンを組む・・・そんなサービスを銀行はやらない。まして巷の高利のファイナンスは問題外だ。

そんな超小口のファイナンスをしているのが、マイクロファイナンス金融機関(MFI)と呼ばれる。なんと世界にはそういうものが6000から1万ものMFIがあるというから驚く。

ぼろもうけしてヒルズ族のお仲間になどという貧困な精神ではない。地球規模で社会をよくしようという崇高な志に根ざしている。そんな世界があることを、そしてそういうことを目指して活動している人がいることを本書で知った。

これは、すごいことだ。と思う。

マイクロファイナンスのおかげで、生活レベルをあげ、子供を学校に行かせることができた・・・といった事例が紹介されている。そして、驚くべきことにこのマイクロファイナンスの利用者の95-99%はきちんと返済していると
いう。

金融といえば、なにやら幸せの片寄せ、富の片寄せみたいなイメージがあり、そこに貧困層を救う社会貢献の余地があるとは思いもよらなかった。
大事なところは、それが「慈善活動」から「ビジネス」の領域にまたがってきていることだ。どうらやそれが現実にできるらしいのだ。すごい!
利潤追求と社会貢献を同時にできる、そういうことだ。

人間の善なる心根にもとづいたMFIの活動をもっと知りたくなった。


僕の思いつき

著者とMFIの出逢いは99年に読んだ小さな記事だったという。バングラデシュのグラミン銀行に関する小さな記事だったらしい。

世の中のお役にたちたい・・・・そんな志の人に、しかるべきときにしかるべき情報がとびこんできたということだ。

よのなかには、ほかにもいろんな社会貢献の仕方がある。そんな情報は、ぜひ共有したい。

著者のフェルダー直子さんは、スイス在住。いつか日本にお招きして、この話を直接聞く機会をもつことにしよう。



オススメ度

★★★★★+人類規模の志

読んで欲しい方

・世界のことを考えている方
・貧困を解決したい方
・ファイナンスの新しい姿をみたい方

Posted by webook at 23:54 | TrackBack

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