2006年03月31日ぱじ(1) ~ 村上たかし + 一新塾ホロリと笑える・・・・ 書籍情報ぱじ―Momo‐chan’s grandfather“Paji” (1) posted with amazlet on 06.04.01 村上 たかし 集英社 (2000/01) 売り上げランキング: 77,883 本のひらめきお父さんがコロリと死んで 75歳のおじいちゃんと4さいのももちゃんの物語。 小さな孫をひとり残して死ねないと、おじいちゃんは気丈にも、いろいろとがんばるのだった。そしてふとした出来事がクスリと笑え、ジンと心の中を潤してくれる。 例えばこんなエピソードがある。 ももちゃんが幼稚園で歌を習ってくる。おふろで、ももちゃんが「ぱじ」に習ってきた歌を歌う。 もも: この指パパ、太っちょパパ、ヤァヤァヤァヤァ♪ ぱじ: (ももちゃん 何気なく歌っとるがつらい歌じゃのー) 涙をながすおじいちゃんに ももちゃんはこういう。 もも: どうしたの? でも、大丈夫だよ!お湯につけてこうしてると・・・・ この指 ぱじ なんだかほのぼのとしながら、ジンとくる。
僕の思いつきこの本は、きょうひらいた「すごい!ランチ会議」(テーマは、おすすめの本)で、紹介いただいたもの。参加したみなさんがお薦めの一冊を紹介し、その本と紹介した人の心を感じる素敵なランチ会議となった。 菅さんという心優しい方から紹介されたのがこの本。 僕は、菅さんに借りた本を電車でよんで、ジンジンきてしまった。 親もおばあちゃんおじいちゃんも、子どもや孫には何かしら「与えたがる」のがふつう。お金はあるか、お米はあるか、困ったことはないか・・・・と。 ときにはうっとおしく感じることもあるが、こういう場合は、すべて喜んでいただいたほうがいい・・・と、この本を読んで思った。 与えるという素敵な行為。いただくというありがたい行為。その間に、人間は存在しているような気がした。 オススメ度★★★★★+ガメ 読んで欲しい方・誰かのためにがんばっている方 2006年03月30日キヤノンとカネボウ ~ 横田好太郎対照的なふたつの会社 書籍情報
本のひらめき一時期、隆盛を極めたカネボウは凋落してしまった。地道に技術立国を進めてきたキヤノンは、御手洗さんが経団連会長まで出すほどの優良企業になった。 前者は文系、後者は理系。(という対比はふさわしくないかもしれないが) この対照的なふたつの企業で、仕事をしてきた著者が、その両社の社風や経営を社内からの目線で書いた本である。 あ、うちもあるある・・・そういうところ・・という官僚的なところ(カネボウ)、わが社の経営陣もまねしてほしいよなと思えるキヤノンの社風、そういうものがリアルに伝わってくる。 全国に鐘紡という名前の町が3つもあるとか、皇室のご訪問をたびたびうけたとかいうかつての名門カネボウは、みるかげもなくなってしまった。それは、経営者の責任でもあるが、微妙な空気や場の雰囲気が違っただけで結果は大きく違ったのではなかろうか。 カネボウは「人事」株式会社と社内ではよく言われたそうだ。これは、人事労務畑の出身者でないと出世できないという意味。露骨な慶応閥、官僚的な風土・・・どこかで聞いたような・・というビジネスパーソンもいるかもしれない。 著者は、そんなカネボウの栄枯盛衰のなかで、繊維部門や化粧品部門でマーケティングに力を発揮するが、95年の大量リストラを契機に見切りをつけ退職する。そして仕事でつながりのあったキャノンから入社の要請をうけて新天地へいく。 後半は、堅実なキヤノンの社風、毎朝8時半からの役員朝会、社長も社員食堂で列に並ぶ・・などキヤノンの雰囲気が活写されている。
僕の思いつき団塊の世代の方は、社歴20数年という方が多い。ほとんどは転職なんて考えなかった時代だから、当然である。そんな中で、自分と会社の歴史を書いておくのも面白いね。自分史で終わるか、そこから何かの知見を見出し、本になるか・・・それは、未知数だがやってみる価値はありそうだ。 対照的なふたつの企業で働くというのもなかなかできない経験。
オススメ度★★★★+明暗を分けるもの 読んで欲しい方・会社をやめたいと考えてる方 2006年03月29日一新力 ~ 一新塾一新=オール・クリア 書籍情報本のひらめき「あなたは、お金もうけとお金儲けをする人の手伝いばかりしてきて、社会に対して何をやってきたのですか? あなたの人生に社会性はありますか?」 これは、マッキンゼーで輝く実績と名声を残した偉大なコンサルタント、大前研一さんが、奥さんのジニーさんから言われた言葉だという。 この一言が大前さんの人生を「アールリセット」させた言葉だという。プライドも財産もすべて投げ打って「平成維新の会」を立ち上げる。92年のことだ。そのころの大前さんの著作は、「新富国論」「世界の見方、考え方」「平成維新」などがあり、世直しの政策提言が数多く書かれている。最近ようやく盛り上がってきた道州制もこれらの中に入っている。 しかし、その後の結果は、うまくいかなかった。本を書いてもダメ、人を選挙に送り出してもダメ、自ら飛び込んでダメ・・としがらみで身動きのとれないこの国で、世界的なコンサルタントは大きな蹉跌を踏むことになる。そこで、気付いたことは「急がば回れ」ということだったという。 で、できたのが、一新塾という市民活動の母体である。94年に大前研一さんを創設者とする次世代リーダーの養成学校が誕生。ビジネスマン、主婦、経営者、サムライ業の人などが集まり、「政策提言」「社会企業」「市民プロジェクト」などを草の根的に議論し、実行する集まりである。 本書は、その11年の記録である。市井の人が、真剣に議論し、実行し、成果と影響を与え続けてきた熱い記録である。決して「大前塾」ではなく、そこに集まる人達が主役だというところが何よりすごい。 投票率をあげるため「投票すると商店街の買い物がお徳になる」企画を進めた吉金大輔さん、 ( http://www.senkyosale.com/ )年間7千万の赤字に苦しむグリーンピア土佐横浪を民間受託で黒字再生させた深田智之さん、サラリーマンから地域社会に転進して「つなぎ屋」になった真保俊治さんなど、多くの一新塾卒塾者の活躍が紹介されている。 僕の思いつき本書に登場する人は、大前研一さんのような世界的に有名な人は一人もいない。市井の人、となりの席にいるサラリーマンの仲間・・・そんな人たちである。それが、連携し、議論しあい、いい国を作ろうという意気に燃えて社会起業家として活動している。この活動が世の中を大きく創造変革するには、さらに発展が必要だが、その動きは大いに注目したい。 熟年、団塊世代といった人たちが、こういうところにも目を向け、世の中を変えるムーブメントになることを期待したいね。 これもまた、ロングテールの法則っぽい。大前さんは、恐竜の頭、ずずーっとながい(1億人)のシッポのほうは、これまであまり力を持たなかったが、つながり主張し活動することでパワーを持ち始めてきた。つながるためのツール(ネット)が格安で常時接続になってきたことも一つの要因。草の根が草の根のまま終わるのではなく、気が付いてみたら、日本中にきれいな花が咲いていた・・・みたいなことが起きそうな気がする・・。 一新塾はこちら: http://www.isshinjuku.com/
オススメ度★★★★★+ALLクリア! 読んで欲しい方・社会に役立つことを始めたいと考えてる方 2006年03月28日仕事心の育て方 ~ 渋井真帆魔法使いがやってきた・・・ 書籍情報仕事心の育て方 ビジネスで人生でひと花咲かせたいあなたへ posted with amazlet on 06.04.01 渋井 真帆 小学館 (2006/03/16) 本のひらめきこのごろ「15%対85%」の法則というのをよく耳にする。成功の要因は、15%がスキルや知識で、85%は、モチベーション、意欲、志によるというものだ。つまり、心の持ちようが、非常に大きいということだ。 本書は、この85%のところ、「仕事心(しごとごころ)」のお話。 社会人数年めのケンは、残業後のあとかたづけをしながら「こんなハズじゃなかった」とつぶやく。そこへ、白いローブをまとった小さな仕事の神様が現れる。本書は、ケンが、仕事の神様から「仕事心」について学ぶストーリだ。 いくつか神様の声を紹介しておこう。 仕事について考えるということは
神様の言葉に託し、渋井さんのメッセージが伝わってくる。 今日の本は、渋井さんの熱烈ファンの方にご紹介していただいた。感謝!
僕の思いつき本書のフレーズで一番のお気に入りは 言葉は話すための道具ではなく、 というもの。そう、人は、相手に想いを伝えたいのである。だから、この前のWBCの野球の試合をみて、ずいぶんだつけれど、想いを伝える言葉がつぎつぎと「よせがき」されるんだなぁ・・と思う。 想いは、言葉に出したとき、伝わる力を持つ。
オススメ度★★★★★+仕事ごころ 読んで欲しい方・わくわくして仕事をしたいと考えてる方 2006年03月27日上司に「仕事させる」技術 ~ 大久保幸 + チャングムの誓コーチングアップと似ているなぁ・・・ 書籍情報上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント! posted with amazlet on 06.04.01 大久保 幸夫 PHP研究所 (2006/03)
本のひらめき上司に仕事をさせる・・・? 上司を「キライなヤツ」「リスクになる人」と考え、いかに回避しようかと考えるか、上司を「使えるツール」として積極的に利用していこうとするかでは、大いに仕事のやりがいが違ってくる。 本書では、上司を使える「フリーウエァ」と考えようという新鮮な驚きと気付きを与えてくれる。 ではどんなそのフリーウェアにはどんな機能があるか・・・7つある。 1.キャリア・コーチ ~「こうなりたい」を実現するための相談相手 こういう機能を上司から引き出すには、それなりの戦略と態度が必要。それは「上司を知り」「自分を知らせ」「信頼関係を築く」そして「上司に慣れる」ことだという。具体的には、 上司とは仕事そのものだと思う。上司はクライアントだと考える。 上司を自分の使えるフリーウエアと考える、ここが最も大切で新鮮な主張だ。
僕の思いつき先日、ジェイカレッジ客員教授の河合由紀さんのコーチングセミナーに参加し 本日の本は、まさにそのコーチングアップの世界。 上司は、フリーウエアというコンセプトが新鮮である。 世の中に使えないものはない・・・って素晴らしい。きょうは、どうやって、上司にガンバッテもらいましょうか・・・なんて考えるだけでも楽しいねぇ。 オススメ度★★★★☆+フリーウェア 読んで欲しい方・使える上司に仕えたいと考えてる方 2006年03月26日宇宙旅行ハンドブック ~ エリック・アンダーソン/ジョシュア・ペイビン宇宙旅行のはじめの一歩 書籍情報本のひらめきこのごろの僕は、Moso、Mosoと何かあれば口にしている。あいつは、ついに妄想にとりつかれたか・・・といわれそうなくらい。笑 しかし、考えてみれば1960年代、月に人類を送りこむなんてのは、かなりなMosoと言えたのではないだろうか。そして、それは実現してしまう。 映画「2001年宇宙の旅」は、人類がはじめて月に降りたつ1969年の前年、1968年に公開されている。やがて宇宙開発がどんどん進み、NASAなどの国家プロジェクトレベルの話は、ついに民間の宇宙旅行ビジネスへと発展した。2001年、スペースアドベンチャーズ社の最初の顧客、チトー氏が宇宙旅行者第一号となった。お代は22億円(2000マンドル)。 本書は、これからひろがる宇宙旅行のガイド本である。 宇宙のどこへ、どうやっていくのか? などなど、僕たちが知りたいことがいろいろ書かれている。 22億円も出せない人には、無重力体験飛行(イリューシンやボーイング727で100万円未満)とか宇宙の入り口までのフライト(ミグ戦闘機で、500万円未満)など少し手軽(?)なプランも紹介されている。ミグ戦闘機のプランでは操縦桿を握らせてくれるとか、コクピットの窓は摩擦熱で暖かいとかが紹介されている。またスペースシップワン( http://tinyurl.com/rpgjd ) 日本人では、今年9月に民間宇宙旅行客として元ライブドア取締役で投資家の榎本さんが宇宙へ出発する。世界でも4人目のお客さんだ。 何億ものお金は出せないとしても、そろそろ宇宙旅行の夢が身近になってきたかもね。かなりワクワクできるガイドブックだよ。
僕の思いつき2,3年前、月の土地を売るビジネスの話があった。夢があった。 宇宙旅行も僕にはムリだ・・・お金だってないし・・・などと簡単にあきらめる必要はない。Moso力を発揮して、壮大な夢を膨らませておこう。それがなければ、ソフトバンクもなし、ホンダもソニーもなかった。 はじめの思いを口にし、言葉にしないかぎりMosoにもならない。 Moso,Koso,Kodo さらに、具体的なTodoまでいったらいよいよ実現に一歩近づく。 Mosoを広げるきっかけにスペースフライト倶楽部なんてのがある。
オススメ度★★★★+宇宙観光旅行時代 読んで欲しい方・生きている間に宇宙へ一度はいってみたい方 2006年03月25日子どもの格言 ~ しんどうこうすけ + 100万人プロジェク子どもは素直。 書籍情報本のひらめき子どもの格言、とは、子どもが日常の中で口にする面白い言葉や発言を大人の視点からまとめたものだ。 2歳や6歳といった年齢では、ものごとにとても純粋に反応するから面白い。 たとえば いろんな動物が出てくる絵本を読んでもらった時に発した格言 「おばあちゃんも人間?」(2歳) ママが「大きな家に住みたいな~」といっているのを聞いて発した格言。 「こうたろか?」 (3歳) トイレでお父さんのオシッコの後をみて発した格言。 「お父さんのおしっこビールになってる!」(5歳) などなど。 僕の思いつき小さいころの子どもの言葉はとても楽しい。音声や文章で記録しておくといいね。 うちんちの子は、幼稚園のころの口癖で「実は~」というのをよく使っていた。
オススメ度★★★★+意外な反応 読んで欲しい方・子どものころを思い出した方 2006年03月24日はれ、ことば ~ 中島未月 + みっちゃんの母さん見えないものを見せてくれる 書籍情報
本のひらめきこの本を手にする前に、著者のブログを拝見し、あー、この方は心にとっても暖かい風を運んで下さる方だ・・と確信した。心が晴れる・・まさにその言葉とおり、この本からは、清々しさや、爽やかさ、暖かさといったものが自然に流れ込んでくる。 めぐり合えてよかった・・・と心から思える。 素敵な5行詩と、メッセージの組み合わせが、とても素敵ないろどりを演出している。お気に入りはこれ・・・・ ぱたぱたと 著者は4人のお子さんがいる。そして犬も飼っている。犬はうれしいことがあるとしっぽをパタパタとふって合図する。人間も同じ。末っ子のお子さんが、うれしそうに走り去るとき、うしろにしっぽが見えるようで、なんだか可愛いと中島さんは言う。素敵だ。 「こどものしっぽがはっきりとよくみえるのは、10年にも満たないわずかな期間。大きくなると、少しずつしっぽが短くなって。うれしいことも、悲しいことも見た目にはわからなくなって。そうして子どもは大人になっていくのでしょう」 そして、たまには私たち大人もうれしいの気持ちをぱたぱたと相手に伝えられる大人でいたいもの・・・と結ばれている。 僕は、このページがたまらなく好きだ。
僕の思いつき子供が大人になったとき、親から贈る素敵な言葉のプレゼント。そういうものを書き留めておきたい。 ふと、そんな気になった。 M社にお勤めのある方は、娘さんへのメッセージをせっせとブログに書き込んでいらっしゃる。これも素敵なことだ。 5行詩+メッセージ。こんなスタイルもいいね。
▼発売記念キャンペーンページ 3.25にアマゾンで購入して、花のたねと幸せのたねをもらっちゃおう。 最後にひとつ、いいこと。 今日あった 著者は、その日あったいいことを3つ、単語だけで書きとめているという。たとえば、お皿、ないしょ、メール。ずっとほしかった白い大皿を買ったこと、「ないしょね」と子供の口にキャンディを放り込んだときの顔がかわいかったこと、友人からあたたかなメールがとどいたこと。これを3つの単語にしてメモにしたものだ。いいね、これ。子供もさそってマネしてみよう・・・。
オススメ度★★★★★+見えないものが見えるとき 読んで欲しい方・小さい幸せの種をみつけたい方 2006年03月23日まずは小さな世界で1番になる ~ 江村林香 + 河合由紀さんセミナー書籍情報まずは小さな世界で1番になる―そこから人生は変わりはじめる posted with amazlet on 06.03.25 江村 林香 かんき出版 (2006/03) 本のひらめき著者の江村さんは、2003年にお会いしたことがある。僕の出版記念セミナーにおいでいただいた時だった。とても元気のある活発な方だなーというのが印象だった。飛行機会社をやりたい・・・とおっしゃっていて、いろいろお話したのを覚えている。当時はタクシー会社の社長さんだった。 そして、ふと本屋でみた本になんと江村さんのお写真が。おっ!これは!と即購入。あの江村さんが何を考え、どんなふうに事業を起してこられたのか・・じっくり拝読することができた。 なるほど。江村さんの成功と成長のヒミツはこれだったのか! というのがこの本に書かれている。とても元気がでる内容だ。 鶏口となるも牛後となるなかれ お父さんから教えられた人生の格言だという。高校の時、それを実感。偏差値をワンランク落とした学校に入り、そこでトップになる。それまでオール3だった少女は「鶏口」のポジションを得たわけである。 社会に出てからの江村さんは、まさにこの格言どおりの戦略で勝ち続ける。 自分が一番になれる場所を探す。 ことが大事。そしてまた 自分を必要としてくれる場所を探す。 ことも重要だという。ふむふむ。 音楽派遣業のエルパ。 すごいなぁーと感心するその経歴を支えたノウハウは、じつは、すぐにもマネできそうなシンプルなことが多い。 思いは口にして書く など・・・うーん、これイタダキ!みたいなのがいっぱい。
僕の思いつき江村さんに会いに、函館にいこう! オススメ度★★★★★+鶏あたまの学校 読んで欲しい方・事業をはじめたいと考えてる方 2006年03月22日熱狂する社員 ~ デビッド・シロタ/ルイス・A.ミスキンド + お前のお陰だ!熱狂した国民・・・もいました。 書籍情報熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 posted with amazlet on 06.03.25 デビッド・シロタ スカイライトコンサルティング 英治出版 (2006/02/02)
本のひらめきサウスウエスト航空の創業者、ハーブ・ケレハーの言葉がある。 好況、不況を問わず、高い収益性と安定性につながる王道がある。 フェデックスの基本理念は 社員、サービス、利益(People, Service, Profit ) 社員が最初にあるのは、よいビジネスはまず社員から生まれると考えられていからだという。 いずれにしても、社員の意識、モチベーションが重要だというのが根底にある。誰も異論はない。 本書は、世界各国、総計250万人もにおよぶビジネスパーソンへの取材と考察で得られた、モチベーションをあげる工夫の話である。 モチベーションが企業の業績や成果に大きな影響を与えることはよく分る。しかし、それをうまくマネージすることはなかなか難しい。本書では、モチベーションの「三要素理論」を展開する。大切なことは「公平感」「達成感」「連帯感」の3つだという。欧米の事例が多いが、なかなか参考になるものがある。 一番心に響いたのは、パートナーシップのことろ。 上下関係や部門の壁を越え、共通の目標に向かってともに働く関係、それを本書では「パートナーシップ」と呼んでいる。 こういうのがある組織がいいねー。
僕の思いつきドラッカーの言葉も意味深だ。 我々がマネジメントと呼んでいるもののほとんどは 社員が活き活きとして熱狂的に働くためには、事細かなルールや制度や仕組みより、なにかもっと別な種類なもの(どうやら、それはモヤっとしたもの)が大切であるような気が、最近している。 雰囲気、場のイメージ、なんとなく感じるもの・・・そういうものをうまく作りだせる工夫こそ、必要なものではないかと。 その工夫。 それがMosoであり、すごい!会議であり、楽しい企画だったり・・するのではないか・・・そんな思い(仮説)で、いろいろ試すこのごろ。 さて、どうなりますことやら・・・ オススメ度★★★★+熱狂的に 読んで欲しい方・冷めた社員を燃えさせたい方 2006年03月21日実践儲かる会計・儲からない会計 ~ 造事務所/田中靖浩 + 野球世界一はまる面白さ・・・ 書籍情報実践 儲かる会計・儲からない会計 posted with amazlet on 06.03.21 造事務所 田中 靖浩 PHP研究所 (2005/08/02) 売り上げランキング: 15,967 本のひらめき管理会計の本である。しかし、めちゃくちゃ面白い。 ドラマ仕立てで展開するこの本は、ふたつの架空会社で二人の若き営業マンが管理会計を学んでいく物語だ。各所に管理会計の基本がスカっと解説されている。これが、目からウロコのすばらしい解説で気持ちいいい。こういう説明が欲しかったんだ・・という明快な解説がある。 二つの企業は、どこかできいたような会社。 レンボウの山中とG-ONの広野が、それぞれの新製品プロジェクトを任されて奮戦する。その過程で「管理会計」を学んでいく。登場する人物も親しみがわく。 貸借対照表、損益計算書などの財務会計。これは、人のための会計(外部報告用の会計で、過去志向。一方、管理会計は、自分ための会計(内部報告用会計)で、未来志向だ。 会社とは何か、人はコストなのか、企業の目的は何か・・といった「思想」の一端がにじんでいるところがとっても好感だ。これは、監修の田中さんのテイストである。 笑いながら学べ、しかも深いものを感じられる。お薦めだ。
僕の思いつき限界利益。僕はこの言葉を聞いて、ずっと違和感を覚えていた。本書でもこの言葉のネーミングの幻惑を指摘している。(なんだかうれしくなった) 限界利益は、断じてギリギリの利益を意味しているわけではない。 ふむふむ。そして 損益分岐点(ブレークイーブン)=限界利益が固定費と等しくなる点(売上) なるほど、である。これまで、こんなふうに分り易く解説をしてくれたことは一度もなかった・・・。 監修の田中さんに新春講演でうかがった話によれば、借方、貸方というネーミングも実は、混乱を招くミスネーミングだという。(これもよくわかる) 管理会計についても、管理、会計・・というふたつの「暗い」イメージの言葉があってふさわしくないのではないかという。賛成! ネーミングは大事だね。
オススメ度★★★★★+ドラマ仕立て 読んで欲しい方・管理会計をしりたいと考えてる方 2006年03月20日小さくても長続きする逆バリ商売のすすめ ~ 朝霧幸嘉/吉村克己さいたまに、すごい!方がいる。 書籍情報小さくても長続きする逆バリ商売のすすめ―手づくり・ローテクにこそ勝機がある! posted with amazlet on 06.03.21 朝霧 幸嘉 吉村 克己 ダイヤモンド社 (2006/02) 本のひらめき埼玉県川越市に株式会社協同商事というすばらしい会社がある。今日紹介する本の著者、朝霧さんが創業した会社だ。「農家が自立できるように有機野菜を消費者に直販する流通事業」の草分けである。 http://entre.yahoo.co.jp/shinki/hirameki/008.html そもそもは、農業の自立を・・・という思想のもとで事業を始めた朝霧さん、農業に対する独自の考えや深い造詣がある。あるとき、連作障害を防ぐためにニンジンの裏作として麦を植えることを農家に薦める。しかし、農家はのってこない。麦など作っても儲からないからだ。そこで、麦をつかって地ビールの製造を始める。麦作が意味をもち、価値を生 農家への深い思いやりと、食と農への貢献というすばらしい志に根ざした朝霧さんの事業の進め方は、常識では超えられそうにない壁をどんどん越えてしまう。 朝霧さんの生き方に、さわやかな元気とチャレンジする勇気をもらえる、そんな本だ。日本にはまだまだすごい方がいっぱいいる・・ということがわかり、日々わきあがるMosoをKodoに変えるエネルギーをいただいた。
僕の思いつきこの本は、シニアマネジメントの著者、村田裕之さんに教えていただいた。 サツマイモラガーがおいしかったとそのメールには書かれていた。村田さんが賞賛する朝霧さんの本は、私たちがどこかに忘れてきた大切なものを思い起こさせてくれ、前に進める勇気を鼓舞してくれる。 村田さんが言うように「ビジネスは非合理の中に商機あり」という朝霧さんのチャレンジ精神は、ビジネス元気をもらえるのではないだろうか。逆バリというのは、まさにそのこと。世の中に役にたつ、誰かのためになる、そんな志にスタートするものは、非合理、非効率の分野にもすごい宝があるのかもしれない。 僕も、越谷の朝霧さんを一度訪問したくなってしまった。サツマイモラガーを飲みながら、朝霧さんの生の声を聞いてみたい。 行こう!、さいたま。
オススメ度★★★★★+サツマイモラガー 読んで欲しい方・農業をはじめめたいと考えてる方 2006年03月19日企業病に効く!ビジネスコーチング ~ 泉一也 + 高萩さんセミナーそこにある病気・・・ 書籍情報本のひらめきコーチングという言葉は、すでにビジネス用語として定着している。僕もコーチの駆け出しとして活動を始めた。 コーチングといえば、コーチと個人。一対一の関係というのが普通。著者も長年にわたるコーチや研修の経験から少なからぬ自信がある。しかし、あるとき「コーチングじゃ組織は変わらん!」という経営者の声に悩み、その後「コーチングは、個人と会社の両方が幸せになるためにある」というコンセプトで、新しいコーチングの分野を開拓したという。それが、ビジネスコーチングだ。 どんな会社に効果があるか・・・ 個人は優秀なのに、組織になるとパフォーマンスが悪い。 いわゆる集団の病気、企業病にかかっている会社である。(それ、うちのことだ!なんて方は実は多い) 病気を分析すると「ないない病」「裸の王様病」「レッテル病」「傍観者病」「正当化病」に分かれる。 これらを解決するのは、「15%対85%の法則」「パレートの法則」「波及の法則」の3つだ。15%:85%は、ちょっと説明がいる。成功している組織のエネルギーは、15%がスキルや知識から生まれ、85%は、モチベーション、意欲、志から生まれる、というものだ。日本電産の永守重信さんのことばが引用されている。 というもの。実感である。 5つの企業病の対処法や、10のクスリは、これ使いたい!というヒントがいっぱいある。 また、損保会社や食品会社などでの「実録」は、リアリティがあってとても参考になる。 企業病の兆候のある会社の方、とってもお勧め。 僕の思いつき本書は、読みながらマインドマップを書いた。マップがさくさくかける心地よさがよかった。 集団になると生まれる思考パターン=集団意識・・というのは、不思議な影響力をもつ。場の雰囲気ともいう。 それが、互いに尊重しあい、自分の組織エゴや枠組みを超え、誰か(お客様や仲間)のためになることを・・・というベクトルが共有されたら、場の雰囲気はとてもよくなる。 そういうものを意識して生み出す活動こそ、この本で言われているビジネス・コーチングの目指すものかもしれない。 レッテルは、ネガティブに使うとまったくいただけない結果になるが、意図的にポジティブなレッテルと使うと、不思議にいいことが連鎖する。Moso活動も、レッテルをうまく使ってみよう。(ピグマリオン効果) コーチングはガチンコだ、という。教育も子育ても同じだ。ガチンコとは、正面から体で真摯にぶつかることだ。そして、そこから何かが生まれる。本書にも著者の体験したいくつかの事例シーンが紹介されているが、ガチンコのダイアログが印象的だ。 ガチンコを、コーチング的にやるのが・・・実はキモのところだね。
オススメ度★★★★★+組織の雰囲気 読んで欲しい方・組織のエネルギーを高めたいと考えてる方 2006年03月18日プレイング・マネジャー ~ 本間正人 + なぞなぞの答え現場と管理職を兼任する人のためのコーチング術 書籍情報プレイング・マネジャー―現場と管理職を兼任する人のためのコーチング術 posted with amazlet on 06.03.21 本間 正人 PHP研究所 (2006/03) 本のひらめき日本企業の課長クラスの方は、プレイヤーとマネジャーの2役を担っていることが多い。いわゆるプレイング・マネジャーである。2005年10月、ヤクルトの古田敦也さんが選手&監督になった。古田選手の役はまさにプレイング・マネジャーだ。著者の本間さんは、このニュースを契機に本書の構想を抱いたという。 冒頭に、「ある営業マン、山口智夫の奮戦記」というビジネスストーリーが登場する。バリバリの営業マンがある日、君ならできると・・プレイング・マネジャー(課長職)を言い渡される。しかし・・・という物語が対話形式で展開される。 いったんは挫折する山口が、上司のコーチングを契機に復活し、さらにチームのマネジメントにコーチングを活かしていくというストーリーだ。短い中に、コーチングのエッセンスが盛り込まれ、さわやかな気持ちになる。 つかってみたいセリフなんかがいくつかあった。 僕の期待、3つあるんだけど、 鋭い君のことだから想像がつくんじゃないかな。 失敗という言葉ではなく、思うようにいかなかったこと・・という なんて、いつか使ってみよう・・・笑 コーチングの肝、チーム・マネジメントへの応用、組織としてプレイング・ママネジャーを支援すべきこと・・・など、小気味よく展開する内容は、心にすっと収まるヒントがいっぱいだ。 プレイングマネジャーに共通する悩みは、「時間がない」。確かに、ふたつの重要なことを一人でやってるんだから、当然である。しかし、資源は24時間しかないのだから、そこに工夫が登場する。たとえば、「一日のスケジュールをストーリー化する」「4分メニューを作る」などなど、いいねこれ!というヒントがうれしい。 中間マネジメントにいるあなたにピッタリの本。私のことだ・・・という方はぜひ!
僕の思いつき本間さんは、かれこれ5年くらいのお付き合い。微妙なタイミングと軌道で接近する僕にとってはあこがれの星のような方である。このところ何冊かの本を読み、僕はすっかり弟子入りモードに・・・。 学び(Learnology )、引き出し(コーチング)、成長するためのすごい影響力をもたれた方だ。 本間さんに「言葉の魔術師」。そんな言葉も送りたい。 カウンセリングが「過去に向かってWHY」を突き詰めていくのに対し 速水君の目標設定、大参謀への道(一日の目標にタイトルをの例) 部長との交渉、うっちゃりで粘り勝ち(一日の目標にタイトルをの例) などなど、まいりました・・・という表現は、すごいなーと思う。 あー、本間さんには絶対、ジェイカレッジに来ていただかなくっちゃ。
オススメ度★★★★★+魔法使いのおじさん 読んで欲しい方・かっこいい中間管理職になりたいと考えてる方 2006年03月17日千円札は拾うな。 ~ 安田佳生 + ランチ会議議事録常識の外がわに・・ 書籍情報本のひらめきちょっと目を引くタイトルだ。普通、え?なんで?と思うから。千円札が落ちていたら・・・僕は拾うな、きっと。(笑) 本書は、それは、心の中の常識(大切なもの)のレベルが千円札程度であり、もっと価値あるものを目指していこうと主張する。 大きな目で世の中を見渡し、自分の目線を億単位まで高められれば 千円札などは視界から消えてなくなってしまうのです。 こんなくらいになりたいものだ・・・。 さて、単純に落ちている千円札を無視すればいいというものでは、もちろんない。そういう風になるためにどうするか・・がポイントだ。人生や仕事に対する考え方で、とても心に響くものがある。例えば: 優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のよい戦略はない。 「仕儀とのやり方を劇的に変える方法」を見つけることが成長である。 いやな顧客は断る、一方で、優良すぎる顧客を作らない。 2500万円の予算と1億円の予算では選択できる戦略の数に10倍以上の 人生において最も大きなリスク。それは周囲の人の常識に流されて、 などなど、経営、人生、仕事・・・さまざまな至言と考え方がいっぱいある。
僕の思いつきこの本で一番気に入ったフレーズはこれ: 考える前に「不可能」だと決めてしまっては何も思いつかない。 普段の生活や仕事の中で、AかBか、○か×かという選択が示されると、どちらにするかとうーんと悩む。しかし、第3のオプションもある。足して二で割中間もあるが、それ以外・・というすばらしい可能性もある。 会社や組織には、ルールや常識、あるいは暗黙の了解(規範)があって、仲間はそれに従うことが正解ということになっている。それに従っていればそれで十分となってしまったときが、実は怖い。ルールや規定や協定をはみだしてもそれがお役様の役にたち、喜ばれるなら「やってしまう」エリアが、実にたくさんある。 それを考えたり(Moso)、やったり(Boso)する夢と矜持が・・・・今、ほしいなあ・・・。本書からMosoエネルギーをもらったかも。
オススメ度★★★★★+常識外 読んで欲しい方・数段上を目指したい方 2006年03月16日「へんな会社」のつくり方 ~ 近藤淳也 + ロングテールの続き常識には→はてな? 書籍情報
本のひらめき近藤さんに会ったのは、たしか3年ほどまえ。ソフト化経済センターでその年のいかがわしい会社大賞?(ソフト化賞)を受賞されたときのこと。二回目は昨年、百式の田口さんの会議でのこと。 はてなというサービスが立ち上がり、みんなが「?」って「!」だよねって思いはじめたころだ。 本書は、はてなの創業者、近藤さんがご自身の情報や常識に対する考え方や、株式会社はてなの経営の模様などを語った本である。 「ウェブ進化論」の梅田望夫さんのあとがきも読み応えがある。 情報共有とは「私のこと」を「あなたと私のこと」に変えること・・という考えで、事業も社内の運営もとてもユニークなものがある。 例えば、会議はたって行ったり、プログラミングはペアで行う(ペアプログラミング)、開発合宿(山荘など)、他の会社とオフィスを交換するなどなど。 ITの先端企業だから、さぞやすごいデジデジしているかと思えば、とても人間チックなのだ。 進行管理も「あしか」と呼ばれるメモ紙ベースのやり方だ。これは写真もありへぇーこんな風に・・・と、はてなの雰囲気が良く分かる。 オープンというのがキーワードだ。開発の完成度50%くらいで公開し、ユーザーとコラボで精度を高めるやり方など、なかなか面白い。 梅田氏が言っているように『不特定多数無限大を信頼する心』を過剰に有している会社・・それが、「はてな」である。
僕の思いつき近藤さんは、どうやら子どものころから、『常識』を疑い、いつものやり方に疑問をもつ少年だったようだ。「権力」と「情報隠蔽」に敏感になるようになった・・・と述懐している。 「ルールなんていうのは、たくさんある可能性の中の単なる一つに過ぎない」というのはなかなか至言。 近藤さんに、仕事のやり方や、仕事に対する考え方などを伺う機会をぜひつくりたいねー。ジェイカレッジ、呼んじゃおかなー。 オススメ度★★★★★+常識を超えて 読んで欲しい方・常識の壁を破りたいと考えてる方 2006年03月15日お仕事のマナーとコツ ~ 伊藤美樹/西出博子仕事人すべてに贈る 書籍情報本のひらめき4月になって、職場に新入社員が入ってきたら、ぜひこの本を贈りたい。仕事や職場のコミュニケーションを明るく、楽しくするお作法が、イラストと解説(手書き文字)で書かれている。 親しみのある雰囲気は、伊藤さんの味のあるイラストと、手書き文字からきていると思う。 あいさつの仕方、ビジネス文書、メールの書き方、職場の人たちとの飲み会、会議、クレーム対応、葬儀への参列、職場結婚・・・など、さまざまなシーンの対処法が書かれている。マンガやイラストは、こういう解説本にはとてもフィットする。 お仕事十か条がある、 思いやりとは想像力 家を出たときから仕事は始まる 締切がないものは、仕事ではなく趣味 などなかなかグッドなものがある。 なぜかかわいいカエルがよく登場する伊藤さんのイラストと、マナーの達人、西出さんの監修でできたこの本、ちょっとした贈り物にいいねー。
僕の思いつきいつも思うのだけど、タクシーに複数で乗る時、運転手の後ろの席(つまり一番奥の席)が最上席に位置づけられている。 自動ドアのタクシーの場合、その最上席にいくには、結構しんどい。乗るときも下りるときもよっこらしょと席をまたいで移動する必要がある。 だから、いつも上の方といっしょに乗るときは、その場で、聞いて、奥の席に自分が乗ることが多い。立場が上なら、そのほうが快適だから・・・ マナーを考えるときは、いつも相手の気持ちになって考えるといいようだ。そうすると常識もたまには破るほうがいいこともあるから・・・。 ちなみに自家用車の場合の最上席は、運転手の隣である。なるほど。
オススメ度★★★★+新人さんへプレゼント 読んで欲しい方・新人になにかあげたいと考えてる方 2006年03月14日ネットショップで月収100万 ~ 近藤美緒 + 祝!下川さん!売って、人に喜んでもらえうことだったんだねぇ 書籍情報
本のひらめきネットショップといえば、楽天市場が有名。ただしショバ代を取られる。自分で独自にサーバーを借り、ホームページを作成するのもいい。結構手間がかかるが、今はいろんなツールがあって「やろうと思えばできる!」時代。 ネット通販でもはじめたいなー・・でも・・・と思ってる方は、この本が背中をおしてくれるかも。 月収100万円。普通のサラリーマンだったら、おいおいちょっと待てよ・・といいたくなる額である。しかし、現実にこれをやっちゃった方がいて、その経験とノウハウを開示してくれたのが今日の本だ。 扱うものは、「アタ製品」。 アタ製品というのは、バリ島のツル材で作る伝統工芸品である。ニッチな分野でダントツ(No1)になるのが戦略だ。近藤さんも家族での旅行経験やネットでの調査などを通じてこのアタ製品に特化したのが成功の第一ポイント。 商売の予定は、高利潤商材の発掘である。 という。なるほど。 また、それだけではなく、お客さんに喜んで(感激して)もらえる工夫を様々凝らしているのが成長の要因だ。例えば、モノに物語を添える、商品にこっそりバリ島定番おお土産「木彫り動物」をしのばせる(原価30円程度にもかかわらず効果抜群)、アップセリング、クロスセリングを素敵に演出する、など・・・手作り感のあるネットショップを運営している。 SEM(検索エンジン対策)とか、ホームページにのせる写真の撮り方などの工夫もあるが、やはりポイントは、商材の選択(と集中)と、手作り感ではないだろうか・・・。 本書には、ネットショップの成功事例紹介という面だけでなく、ビジネスの要諦や戦略、商売の心得的なところもある。読みやすい展開が好感。 すでにショップを持っている人も、これからの人も大変参考になるヒントが満載である。
僕の思いつき東南アジアとかエスニックなどの商材を売る、あるいは逆に日本のものを海外に輸出する。旅行に出かけるときは、「なんかそういうのないかなー」なんて思いながらいくと楽しいかも。 とにかくやってみる!のがいいね。そのプロセスでいろんなことを学びはじめそして繋がり、楽しくなるから。 僕もこれまでモノを売ったことが何度かある。 幕張フリーマーケットで子どもの洋服や絵本 (家族で楽しかった!) でも、やっぱり、ニッチなものでお気に入りを売るのがきっと楽しい。本書でも、やってて楽しくてしょうがない・・・といった雰囲気がとても伝わってくる。
オススメ度★★★★☆+こだわりショップ
読んで欲しい方・ネットショップをはじめたいと考えてる方 2006年03月13日コスト削減の教科書 ~ 村井哲之 + 感謝状企画コスト削減だって楽しくなくっちゃ・・・ 書籍情報
本のひらめきBSC(バランススコアカード)には4つの視点がある。その一つに財務の視点がある。そこには次のような単純なロジックが定番で登場する。 企業利益向上 = 売上拡大 + コスト削減 売上拡大は、マーケティングの世界だから放っておいてもワクワクする要素がある。一方、コスト削減は、そうはいかない。その言葉を聞いただけで暗くて面白くな~いというイメージがつきまとう。 本書はそこの感覚が180度異なる。「コスト削減は楽しい!」というのだ。 目からウロコとはこのことで、「社員のヤル気に火をつけるコスト削減」のやり方が、実に面白く解説されている。まさに教科書。 コツは: 電気代、ガス.水道代、コピー代など「稟議なしで日々動いているお金」に注目している。 パチンコ店等での電力削減プロジェクトの様子が紹介されていて、現場から生まれた様々なアイデアがとてもすばらしく、コスト削減=暗いという“常識”がすっかり覆ってしまった。 電気使用量が社員に「見える」だけで年間700万円の削減 コピー会社との契約方法などを見直すだけで年間1400万円削減 などなど、へぇーな事例がたくさんある。
僕の思いつき多くのオフィスでは、「コピーは裏紙を使いましょう」などというオキテがある。著者は、これは間違いである!と言い切る。むしろ裏紙として使わざるを得ない紙自体を出さないことだという。理由は本書を読んでもらうとして、代わりにいくつか具体策をご紹介しておこう。 コピー大のコスト構造を理解して、使い分ける。 などなど。 既成概念やお決まりの方法に沿ってコスト削減を進めると、やるほうも面白くないし、効果も少ない。 コスト削減プロジェクト・・・なんてのがスタートしたら、思いっきり面白くする方法を考えるといいね。(そこで役にたつのがMoso力だね)
オススメ度★★★★★+面白く楽しく 読んで欲しい方・職場のコスト削減をしたい方 2006年03月12日日本をロハスに変える30の方法 ~ ローハスクラブ + 木村W書籍情報日本をロハスに変える30の方法 ― BUSINESS LOHAS posted with amazlet on 06.03.21 ローハスクラブ 講談社 (2006/01/20) 本のひらめきロハスという言葉が少しずつ浸透している。ロハス、LOHAS=LifestyleOf Health And Sustainability とは、健康と地球環境の持続可能性を志向するライフスタイルといった意味合い。 アメリカで90年代の終わりに生まれたコンセプトである。日本では2002年ころからメディアでも少しづつ注目されてきた。 本書は、こうしたトレンドの背景や意味合いを考察し、実際のビジネスの様子を紹介したLOHAS入門の本である。全体の様子が分ってたいへんよい。 人が健康で、しかもこの星の環境に配慮し持続可能にする生き方をめざす・・そんな方向性が注目されてきたことは喜ばしいことである。 地球や社会や環境に望ましいことを進めるとき、そこに若干のビジネス的な色合いと価値があると、人は真面目に取り組みだす。LOHASは、この2つがほどよくミックスされて進んでいるいるように思う。 LOHASをマーケット的に見ると 持続可能な経済(サステイナブル・エコノミー) に分けられるようだ。これらのLOHAS市場を試算すると約28兆円規模になるという。全く新しいマーケットという分けではなく、LOHAS的に見たらこういう規模になるということだ。 社会や会社をLOHASに変える30のポイントがあるが、なかなか共感できるものが多い。また企業事例をみると、あなるほどねというのがある。 環境経営、星野リゾート 100年使える家具、オークヴィレッジ エコからエコノミー、フェアトレードカンパニー 風で織るタオル、池内タオル株式会社 などなど。
僕の思いつきLOHAS的な発想は、じつはよく考えてみると昔もあった。江戸の長屋では助け合いの雰囲気があってお互いに融通しあっていたし、田舎ではなんでも再利用したり、あまったものを分け合ったり・・・LOHASなものがあった。 都市化の波や大量消費の時代をぬけて、昔からあるものや自然を大切にする雰囲気がまた出てきた。そこにネットで情報が広まったり、つながったり、経済が発展して豊かになったという環境が作用し、一段高いレベルに進化したものが現在のロハスということかもしれない。田坂さんの本にあった螺旋的発展の世界だねぇ。 LOHASの動きがあるからといって、マクドナルドやコンビニが無くなることはないだろうし、コモディティ商品の価値がなくなるわけでもない。その中で一段レベルの高い意識と商品・サビスがLOHASの世界かもね。
オススメ度★★★★☆+LOHAS 読んで欲しい方・地球にやさしくありたいと考えてる方 2006年03月11日日はまた昇る ~ ビル・エモット + 車椅子バスケットの試合沈んだら昇る 書籍情報
本のひらめき「日はまた沈む」という本があった。90年に出た本である。 さて、本書は、同じ著者による「また昇る」という逆の分析。よのなかのことは波のように繰り返し変化するから当然といえば当然の現象でもある。そろそろ景気が上向いて生活が潤うようになってほしいという期待もあって、キャッチーなタイトルである。 内容は、このところの日本経済の状況、政治の動向、アジアの目線などを外国人ジャーナリストの目で分析し、ちょっと先の未来を予測する内容だ。 「飛ぶ鳥を落とす勢いで何をやってもうまくいく国」ではないが、「どうにもダメなくに」でもない・・・二冊の著書からそんなことが浮かんでくる。 少々読みづらい文章ではあるが、外国人の目線がどんなところに向いているのか知るのにいいかも。
僕の思いつき変化は「徐々に」、しかし振り返ってみれば大きな山谷がった・・・というのはよくある話。 どうしようのない会社・状況もずっとそのままではなく(時にはほんとにドボンすることもあるが)、また絶好調だからといってずっとそのままでいけるワケもない。 落ちたら上向き努力を心がけ、上がっても常に危機感をもってことにあたる・・そういう単純なことが、実は結構むつかしい。 わが身を振り返って考えてみよう。 オススメ度★★★+上下運動 読んで欲しい方・日本を眺めてみたいと考えてる方 2006年03月10日80対20の法則を覆すロングテールの法則 ~ 菅谷義博新しい常識の始まり・・ 書籍情報
本のひらめき「売れない本の売上が、売れる本の売上を上回ってしまった!」 これは何のことかというと、アマゾンでの売上は、上位の売れ筋より、ほんの少ししか売れない本の合計のほうが多いということだ。 マーケティングの世界では「80対20の法則」という常識がある。売上の8割は2割の優良顧客が生み出す・・というものだ。ところが、つながりっぱなしのブロードバンド時代には、売れないほうの大多数のほう(ロングテール)が売れ筋の2割を超えてしまう。こんな逆転の状況をロングテールの法則という。 このロングテールの法則が注目されたのは、2004年の12月にクリス・アンダーサン氏の発信がもとになっている。(米Wired誌) 先日の「ウェブ進化論」でも登場し、ほほぉーと思った、あれである。 これまで「切り捨て」られていた部分に光があたったわけである。 理由は、本書でも言われているように、サプライ側と顧客の間のコミュニケーションコストが限りなくゼロに近づき、ちっぽけなものでも世界中でつながりやすくなったことが大きい。チリも積もればすごいことになるというのが現実のものになってきた。こういうことがこれからいろんな場面で起きてきそうだ。 本書では、Googleやデジタルアーカイブ、エン・ジャパンなどを事例に 本書は、ロングテールの話とマーケティングの話があわせて書かれている。
僕の思いつきちっぽけなものをつなぐとすごい!ことなる・・・というのは、ほかにもいろいろあるかもしれない。ひょっとすると大昔にもあったのかもしれない。 田坂さんの「使える弁証法」にもあったように、螺旋的進化の一つの現象かもしれない。 なんかそういうのあったかなぁー・・・
オススメ度★★★★+新しい常識 読んで欲しい方・ロングテールについて知りたい方 2006年03月09日くまのこうちょうせんせい ~ こんのひとみ/いもとようこ + ヴァイオリン ひとり立場を変えると見えるもの 書籍情報くまのこうちょうせんせい posted with amazlet on 06.03.11 こんの ひとみ いもと ようこ 金の星社 (2004/06) 売り上げランキング: 4,270
本のひらめき だれもいないおおきなへやで 知らない子ともが僕のことを見たら、こんなふうに作文するに違いない。今朝会社に来て「くまのこうちょうせんせい」を読んだ僕は涙がとまらなかった。 この絵本は、茅ヶ崎市立浜之郷小学校の大瀬敏昭先生をモデルにして、シンガーソングライターのこんのひとみさんと、絵本作家いもとようこさんのコラボでできた作品である。 「おはようー!!」おおきなこえの くまのこうちょうせんせい。 あるひ、こうちょうせんせいはちいさなこえしか というストーリー。 大瀬校長が余命3ヶ月をいわれながらがんと闘った最後の1年、こんのさんは何度か学校を訪れ、ライブの授業をしている。「君の笑顔が見たいから」という歌をいっしょにつくったり・・・ 「いのちの授業」のことを思い出しながら、この絵本を読んだせいか、うるうる度は100%を超えた。 相手の気持ちになってよりそったり、さしのべたり・・・心のなかに爽やかな風をふかせてくれる素敵な絵本だ。
僕の思いつききのうは茅ヶ崎市にある浜之郷小学校の大瀬校長のことをルポタージュした本をご紹介した。その「いのちの授業」の中に、この絵本の著者、こんのさんのことが登場する。 実はこの絵本は、大瀬校長のことを書いた絵本だとメーリングリストの仲間に教えていただいた。 「すごい!100冊倶楽部」メーリングリストのお仲間でもあるひげうさぎさんからも今朝、こんな情報をいただいた。 > 今日の Webook に松山さんがお書きになるはずのこの絵本、 絵は、いもとようこさんが描いている。その暖かい作風に僕も子どもも大ファンである。 本と絵本とメーリングリスト。素敵なつながりに感謝! YURIKOさん、YAMAさん、ひげうさぎさん、ほんとにありがとうございました!!(と、おさるのしんのすけくんは、おおきなこえでいいました)
オススメ度★★★★★+小さな声に 読んで欲しい方・素敵な絵本を読みたい方 2006年03月08日いのちの授業 ~ 神奈川新聞社 + 田中靖浩さん第二弾真摯に向き合う生き方 書籍情報本のひらめき今日の本は「すごい!100冊倶楽部」のメンバーの方から教えていただいた本である。もう一つ、絵本「くまのこうちょうせんせい」も紹介いただいた。 神奈川県茅ヶ崎市立浜之郷小学校の校長先生、大瀬さんの感動的な物語である。相当にウルウルきた。 前半は学校改革のすばらしい物語。 浜之郷小学校は、茅ヶ崎市が進めていた教育改革のパイロット校として98年に開校した。初代校長が本書の主人公、大瀬先生だ。創学の理念が素敵だ。 私は あなたといます 目指したものは、演出された「すばらしい授業」ではない。組み立てやヤマ場があるような「うまい授業」でもない。生徒一人一人の学びを励ましかかわりあう関係を築く場をつくるような授業をめざして、浜之郷小学校は創学された。 学校には3つの壁がある。地域との壁、教室の壁、カリキュラムという時間の壁である・・という。それを乗り越えるすばらしい試みがこの学校で行われた。何人かの先生は、自分のキャリアとや自信とこの理念の間で悩む。そして気付き変わっていく。手を差し伸べ、寄り添いながら子どもと向き合う・・・そんな感動物語がある。 後半は、生と死を考える「いのちの授業」だ。 明日は、「くまのこうちょうせんせい」に会ってみよう。
僕の思いつき僕の尊敬する本間正人さんは、教えるのではなく学びを支援するという学習学(Learnology)というコンセプトを広めている。北欧のスウェーデンなんかでもそういう考え方が広く浸透している。 上にたつもの、先輩として仕事や業務をよく知っている者は、こういう姿勢が必要なのかもしれない。 野球で言えばバレンタイン監督みたいな感じだろうか。 教師(先生)もマネジャーもちょっと似通ったところがあるように思えた。 この本を読んでたら、あー、なんだか「爽やかな風になりたいな~」って思った。会社や職場やよのなかに、ちょっとした風を吹かせることができたらたら楽しいねー。(ただし、風は見えない!)
オススメ度★★★★★+学びの共同体 読んで欲しい方・学校を変えたい考えてる先生 2006年03月07日「みんなの意見」は案外正しい ~ J・スロウィ ッキー + 自分ブランド出版塾烏合の集か叡智の輪か 書籍情報「みんなの意見」は案外正しい posted with amazlet on 06.03.11 ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子 角川書店 (2006/01/31)
本のひらめきクイズ番組、株式市場、選挙予測、グーグルなど一見するとバラバラだけど、実は根本的に似通っている様々な事象を取り上げ、「この世界のありのままの姿」を描こうという本だ。 ありのまま・・というのは、つまり、この世の問題や事象は、ごく少数の専門家やリーダーが答えを導き、その後に大多数が付従って行くというものではなく、集団はけっこう正しい答えを導き出すということだ。 「適切な状況の下では、人々の集団は、その中で最も優れた個人よりも 優れた判断を下すことができる」というのが本書の主張だ。ただし条件があって、意見の多様性、各メンバーの 独立性などが必要だというものだ。 なんとなくそんな気もする・・が、本書に登場する様々な事象から、うんナルホドとまではいかなかった。登場する事例がちょっと縁遠いせいだったかも。 タイトル「“みんなの意見”は案外正しい」というのが、きのうのGoogleの本ともあいまって妙に興味をそそられた。 残念ながら期待値ほどではなかったが、こういうことを考えるアメリカ人がいるという点で面白いかも。 僕の思いつき選挙の結果、企業ブランドの乱高下、売れ筋の動向・・・などの背後には「集団の智恵」といったものがあるらしい。(本書によれば) 一方で、烏合の集とか、思考停止の集団とかいう面もある。 本書にはないのだが、たぶん、「集団の雰囲気」(知的、気楽、興味本位、くそまじめ、先鋭的・・・)などが、その集団を「知的」なものにするのか、あるいは「バカの集り」にするのかを決めるような気もする。ほかにもカリスマリーダーの存在とか、定着しているシステムの問題とか、文化的背景(農耕民族か狩猟民族か)などもあるかもしれない。 うーん、集団の研究・・・って面白いかも。 日々の会議、意思決定の仕方、会社の仕組み・・・などをこういう目線で眺めていくと面白いかもね。
オススメ度★★★+案外 読んで欲しい方・衆智を集めたいと考えてる方 2006年03月06日ウェブ進化論 ~ 梅田望夫 + ジェイカレッジ登壇?考えたこともない秩序ができつつあるらしい・・・ 書籍情報
本のひらめきWEB2.0とかロングテールとか最近気になっていた。また何か新しい考え方が生まれたのか・・・そんな思いでアンテナを張っていたところ、まさにピッタシの本があった。今日紹介する梅田さんの本は、今起きている事象を分析して紹介するだけではない。人類の未来とか、人が本来もっている可能性とか・・・かなり哲学的な領域へ読者を誘なってくれるところがすごい!と思う。 クリック&モルタル、繋がりっぱなしの世界、オープンソース・・さまざまな言葉が生まれた。そしてその時々のウエブの進化を理解してきたように感じていた。しかし、今、Googleを中心にして起きている変化は、あるとき気がつくととんでもない変化だったと気付くことになりそうだ。 最近、GoogleEarthに驚き、Googleローカルに感激したりしていた。まったくすごいことをやってくれる企業である。 Googleといえば、検索エンジンというのがもっぱらの理解。しかし、その奥には「知の世界の秩序再編」というとんでもないMosoがあるらしい。 それと呼応するかのようにロングテールの法則やWEB2.0といった表現が出てきた。 ロングテールとは、こういうことらしい。例えば、本の売れ筋はトップ10くらいがめちゃ売れていて、それ以後は急激に小さくなり長い尻尾のようなカーブを描く。そのシッポは超長い。(10m高の首に1Kmのシッポくらい)ここまでは、ほぉなるほど、である。しかしこのあとに衝撃の事実がある。 バーンズアンドノーブル(米国のリアル書店)の在庫は13万タイトルだという。一方アマゾンでは、売上の半分以上が、その13万タイトル「以降」の本から得られているというのだ(後でちょっと訂正が入るが本質は変らない)つまりロングテールのシッポのほうにすごい価値が生まれてしまったのだ。さらにこの上をいくのがGoogleのAdsenseという広告事業。 ブログ、Linux、オープンソース、ウィキペディアなど、ネットで進められてきた不思議な動きが、何なのか、どんな意味をもつのか、それはナゼなのか・・・そんなことを考えさせてくれる素晴らしい本である。 「インターネットは巨大な混沌、善よりも悪が猛威を振るう。だから気をつけないといけない」そんな印象を私達は潜在的にもっている。しかし、アメリカでは玉石混交のネットの海で「開放性」を前提とし、「善」の部分、「清」の部分の可能性を直視した取り組みが進んでいるという。なんだかすごいことが進められているのだ。(詳しくは本書を読んでいただこう) 今回、僕の失敗は、この本を図書館で借りて読んだことである。読んでいる途中でアマゾンに注文を出した(5冊)。もう一度じっくり読みたいのと、人に薦めたいからだ。そのくらいすごい本である。超おすすめ!
僕の思いつきネット世界の3大法則があるという。 1)神の視点からの世界理解 1)は、GoogleEarthのように膨大なミクロの「動き」を「全体」として把握できるようになったこと。従来、不特定多数とか無限大といった表現でごまかしていたものが、細くかつ全体として掌握できるようになってしまったということだ。 複雑系の世界では、アマゾンの蝶のはばたきがNYCで洪水を起こす的な比喩をされてきた。ここにきて、マイクロマネーとかロングテールとか、従来はゴミのように思われてきた部分にちゃんと光があたり、そして、それが慈善とか施しといったレベルではなくビジネス的に機能することが実証されてきた。私達が、複雑系の中にいることをなんとなく感じる事象ではないだろうか。 ブログがすごい!ということになっているが、本当の意味でナゼすごいのかが本書を読んでやっと分かった気がする。 自分は小さな存在にすぎない・・・と(潜在的)に思う私達だけれど、世界を動かせる一人の存在に変われる可能性を強く感じた。 危機的状況にある企業、どうしようもない苦境にある組織、しがらみで身動きがとれない状況・・・そいういうものを変えられる存在としての「自分」を発見する機会を、本書から得られるかもねー。 うーん、わくわくしてきた。
オススメ度★★★★★+不特定多数無限大! 読んで欲しい方・ロングテールってなに?という方 2006年03月05日売上げがぐんぐん伸びる「笑顔」の法則 ~ 門川義彦 +HINAMIやっぱ、笑顔はいい! 書籍情報売上げがぐんぐん伸びる「笑顔」の法則 「笑顔コンサルタント」が教える儲かるお店の秘密 posted with amazlet on 06.03.05 門川 義彦 ダイヤモンド社 (2004/07/16) 売り上げランキング: 4,876
本のひらめきメラビアンの法則が本書にも登場する。 顔の表情 55% というものだ。さらに相手の表情の中で「喜びや楽しさ」は伝わりにくいが、「怒りや悲しみ」の伝達は早いという。 だからこそ笑顔には価値がある。 本書は笑顔コンサルタントの著者が、小売の現場600社以上で実践してきた笑顔のマジックが披露されている。 いい笑顔を評価する仕組みは、ディズニーランドなどではしっかりと組み込まれていたりする。会社がその理念のところで、徹底しているところがいい。 大いに刺激を受けた本である。
僕の思いつきいくつかの具体的アイデアが紹介されているが、すぐにやってみたいのが、「名札の写真を笑顔バージョンにする」こと。 ほとんどの会社では、ID写真にまじめな(見ようによっては手配写真のような・・・)顔写真がはってある。履歴書もそうだ。 ちょっとしたことなのに、なぜできないのだろう・・・ やっちゃいましょうね、これ。
オススメ度★★★★★+笑顔は習慣だ 読んで欲しい方・笑顔になりたいと考えてる方 2006年03月04日どうして? ~ ジム・ウィリス/石黒謙吾 + Googoleローカル愛すべき存在だったのに・・・・ 書籍情報どうして? 犬を愛するすべての人へ posted with amazlet on 06.03.04 石黒 謙吾 木内 達朗 ジム・ウィリス アスペクト (2006/02/27)
本のひらめきはやり泣けました。どうしようもなく。 生まれたときから人間にすべてを委ね、従順に生きている犬。 この本は、そんなプロセスを犬の目線で追った切ない物語。ジム・ウィリスの原作「犬から届いた手紙」をもとに石黒さんと木内さんが心を込めて生み出してくれた作品である。 「どうして?」 これはこの本に登場する犬が、飼い主や私たちに問いかける言葉だ。切ない。 けっして責める言葉ではない。 日本では一年間に約20万頭もの犬が「処分」されているという。そんな事実の裏側に、人間の悲しいエゴの実態が見え隠れする。 本書は、著者の石黒さんが言っているように「かわいそうな犬の話」ではない。この地球に生まれた奇跡に感謝しながら、素敵にいきていくためのちょっとした「ふりかえり」のヒントをくれる本だと思う。 書評を書きながらまた涙が出てきた・・・・
僕の思いつき2/10に開催した「すごい!100冊倶楽部キックオフ」では、著者の石黒謙吾さんをゲストにお招きした。その折、この本の束見本(つかみほん)やゲラを拝見する栄誉に浴した。その時の石黒さんのお話からも、本書への気持ちの入れ様の違いが伝わってきた。 「相手が人であれ犬であれ 手をさしのべたい気持ちは同じ」と石黒さん。 「久しぶりに仕事の意識など超えて、 とあった。犬を飼ったことがない僕だけど、多くの方に読んでほしい。 近所でダルメシアンを飼っている家族がある。その家の方から聞いた素敵な話は、この本にある物語のちょうど逆バージョン。保健所から救い出されたその犬は、不遇な人生(犬生)から一転、すばらしいドッグライフを送っている。保健所から救い出されたときの物語は、次回のオフカイでお話しましょう。 この本では、EYEマークのことや「録音図書」についても知る機会、考える機会をいただいた。 http://eyemark.net/ 石黒さん、ありがとう!
オススメ度★★★★★+愛するということ 読んで欲しい方・犬が好きな方 2006年03月03日ビジネス・コールドリーディング ~ 石井裕之 + セミナー3!潜在意識のレベルから・・・ 書籍情報
相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング posted with amazlet on 06.03.04 石井 裕之 日本実業出版社 (2006/02/28)
本のひらめき「なぜ、占い師は信用されるのか?」を以前、ご紹介した。そこで登場したのがコールドリーディングという詐欺師やニセ占い師が使うテクニック。会話的・心理的なトリックを使って「信頼関係」を即席で築いてしまうコミュニケーションテクニックだ。何事もよく使えば素晴しいことになるし、悪意をもって使えばひどいことになる。 本書は、このコールドリーディングの世界をビジネスで効果的に使おうというものだ。営業、社内ネゴ、部下の指導などで効果的という。なるほどというスキルがいくつかある。たとえば 対話のときは、相手がMeタイプかWeタイプかを見極めるのがよいという。Meタイプは、「私」を大切にする論理型、Weタイプは「私たち」を大切にするフィーリングタイプ。具体例がとても理解し易い。 このほか、イエスセット(肯定的な反応を連続的にしかけること)、分離法(問題やクレームがあったとき、内容を分解して相手の心を開いていく方法)、ダブルバインド(こちらの意図するものに最初から前提を置いて話を進める方法)など、なるほど~というノウハウがたくさんある。 いずれも、心理的に相手の反応を先取りし、潜在意識に働きかけるようなものばかり。だから、知らす知らずにこちらのペースにのせてしまう・・というやり方である。 ここまでは、なるほどそういうテクニックもあるなぁと思う。 しかし本書の最もすごい!ところは、「自分の中でカリスマ性を呼び覚ます1ヶ月プログラム」だ。これは特筆に価する。 これは自分自身の潜在意識をほんの少しシフトさせることで、すばらしい可能性と相手の心に響く何かを得られるというものだ。 この本、このところだけでも超お薦めである。
僕の思いつきさて、一ヶ月プログラムとは何か・・・。 第一週 ゆっくり食べる なーんだそんなことか・・であるが、これが実に奥深い。 人は、潜在意識的に自分よりゆっくり動くものには敵わないと思っている。どうでもいい不必要な議論に躍起になると本来のカリスマ性を腐らせる黙っていては伝わらない。だから人間には言葉が与えられている。こういう考え方が元になっている。 この部分は、相手のというより自分の潜在意識にゆらぎを起す取組だね。3月はひとつこれを試みてみよう。(来週、3月6日からスタートだ) 言葉たくみに相手の心を読み取って・・・という詐欺師的スキルより、あの人がいうことは、何か違っている・・・というカリスマ的存在をめざしてみたいね~。(誰でもできそうだから)
オススメ度★★★★★+潜在意識 読んで欲しい方・すごい!営業マンになりたいと考えてる方 2006年03月02日お墓に入りたくない人 入れない人のために ~ 徳留佳之 + ROHOあの世から考える・・・ 書籍情報お墓に入りたくない人 入れない人のために―散骨・樹木葬・手元供養ほか「お墓」以外の全ガイド posted with amazlet on 06.03.04 徳留 佳之 はまの出版 (2006/02) 本のひらめき人生最後の願い。残された家族へ託したいこと、仕事への思い、その他いろいろと遺言に残したいことがあるかもしれない。お墓はどうするか・・なんてのそのひとつかも。 まだお墓に入る年じゃない・・・? うん、それはわかるけど、人生の長期プランを描くならこういうこともちょっと考えておこう。 さて、本書は、お墓のガイドではない。お墓に入りたくない人、入れない人のための「お墓以外」のガイドである。 実はお寺や霊園にあるようなお墓や墓石以外にも、ずいぶんといろんなやり方があるという。一番よく聞くのは、「散骨」(自然葬)である。火葬後骨をひろって細かく砕き海や森に散骨するものだ。ほかにも樹木葬(骨を埋めたところに樹木を植える)、手元供養(家の中やデスクの上における小さなオブジェやペンダントに遺骨の一部を納める)などもある。さらには宇宙葬、月面葬、インターネットのお墓・・などもある。 本書は、こうした世の中の動きを具体的に解説し、従来の葬式、お墓、お寺、儀式・・といったものにとらわれない動きをルポしている。お墓といってもななか奥が深いですなぁ。 核家族化や家族の個人化が進み、血縁に対する考え方もずいぶん昔と違ったものになってきた。都市に移り住んだ家族は田舎のお墓に関心が薄れたりして、従来のお墓との関り方を変えざるをえない状況もある。 著者は、お墓を否定しているわけではなくひとつの文化と認めつつ、葬送の自由がひろがり新しい葬送文化ができることを期待している。 親や自分のお墓のことがふと気になった方、ちょっと読んでおくといい本。
僕の思いつき意外に知らないことが多いことにビックリ。たとえば・・ 従来のお墓を用意する費用だが、東京ではなんと400万円くらいかかったりするとか。(ひぇー) 四角い柱のお墓は、実は神道式だったとか。 世界の中で火葬の比率は日本がダントツ(ほぼ100%)。イギリスが71%、アメリカが25%、トリノ五輪のあったイタリアは5%だという。 いろんなことを知る機会を利用して、自分はどうしたいか・・・なんてことを家族と話し合ってみるのもいいね。 (著者の徳留さんとは、1/19の100冊の本記念交流会でお目にかかることができました。感謝。) オススメ度★★★★+文化としての葬送 読んで欲しい方・お墓について考えたい方 2006年03月01日コーチング入門 ~ 本間正人/松瀬理保 + Moso感激賞部長、定番です。 書籍情報
本のひらめき僕は今、駆け出しコーチ。クライアントの方にコーチのトレーニングをしていただいているようなもの。汗; コミュニケーションの基本スキル、マネジメントの基本スキルとして、いまや定番となっているのがコーチング。多くの企業で管理職研修の一環としてコーチングが取り入れられている。「マネジメントの中心は人である」そして「そのマネジメントの中でコーチングは重要な要素である」という。なるほど! 本書は、注目のコーチングについて、歴史や概要、そして最もキモとなる3つのスキル(傾聴、質問、承認)についてエッセンスを解説してくれる入門書である。 本間さんらしいユニークな言葉の定義や、リアリティに富んだ事例がとても心地よく心に入ってくる。僕の感性に恐ろしいほどフィットした本だった。 三つの重要スキルは、「傾聴」「質問」「承認」の順に重要だという。 聴く・・というのはなかなか難しい。上司はとかく「だったらこうすべきじゃないか!」「なんでこうしないんだ?」とソリューション・モードに入る傾向がある。部下の話を聴くときは結論は急がないのがよい。 また心を込めて聴くとは、どういうことか。ついつい「自分はどうは思わないけどなー」と心の中でつぶやいてしまうことがあるが、聴き上手は、「会話の中で相手との小さな共通点を探しながら心をこめて聴く」ことだという。 すでに知っていることでも、とても素直に心にはいる解説があって、お勧めの入門書である。学校、子育て、地域振興、ビジネス・・・さまざまなところで期待されているコーチングのスキル。本書は、必須の一冊である。 Learnology(学習学)という言葉を創り、独自の活動を展開している本間さんが、コーチングと出会ったのも必然の理だったのかもしれない。
僕の思いつき本間さん&松瀬さんの言葉の定義がとっても楽しい。例えば 質問力=状況に合わせて多彩な質問を発することができること 承認のスキルにはインプットとアウトプットの2つの側面がある。 「聴く」とは、話す相手の呼吸やタイミングを推し量り、自然と コーチングとは、人間の可能性を信じ、それぞれの個性を尊重しながら 目標管理の文脈では、「上からの割り算の目標」と「下からの足し算の 物事を再定義するのは楽しい。ランチ会議で、こういうのもやってみよう。 オススメ度★★★★★+マネジメントの定番 読んで欲しい方・コーチになりたいと考えてる方 |
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