そして、市場は戦場ではなくなった。
ウエブ2.0の時代は、みんなの知識が積み重なり、みんなとコミュニケーションをとりながらネットワークができる。そして、相互作用しながら問題を解決する助け合いの仕組みが、心地よく機能する・・・そんな時代である。このことを著者は「みんな力」と名づけた。
この力は、その昔、小さな集団・集落で機能していたもので、どこかなつかしさを感じさせてくれる。
経済というお金ワールドの発展とともに、助け合いの場は、いつしかシェアや利益を奪い合う「戦場」としてのマーケットに変貌した。
そして、今また、その場は、「奪い合う場」から「助け合う場」に一段階段を登ろうとしている。田坂さんの螺旋的階段を登るステップである。
本書は、世の中の変化を
市場はもう戦う場ではなく、説得する場ではなく
みんなで力をあわせる場なのだ
という言葉に凝縮し、新しい時代を洞察している。
どうやらWeb2.0の時代は、「相反することが同時に違和感なく両立してしまう世界」らしい。下心を隠したPRはすぐに分かってしまうし、いいたくないことも隠すと内部からバレてしまう・・・、人間や企業の本性がかんたんに透けてしまう、そんな時代になったようだ。
評判(レピュテーション)を大事にし、みんなの力を味方につける・・・そんな考え方をこの本から感じ取りたい。
企業戦略も、これからおおいに変わっていくことだろう。もっと人間的に。
時代は、「臨機応援」の時代になった!
誰かを助ける応援することで、自分が輝ける、喜べる・・・そういうことが、ネットの力を利用して容易にできる時代だ。
あげることはもらうこと。もらうことはあげること。
メビウスの環のように、表裏一体となる理(ことわり)の中に、私たちの現実はある。応援していたのは、実は応援されていた・・・みたいに。
ドクター佐藤の、「人はあなたと私の区別がつかない」という原理が、ここにも現れている。
ウエブ2.0は、臨機応援の時代でもある。
★★★★★+みんなの力だ
・ウエブ時代の風の心を感じたい方
・臨機応援・団に入りたい方
・みんな力を感じたい方