2007年09月04日

リタイア・モラトリアム ~ 村田裕之 + BSCのキャプランン教授来日!

脱・リタイアという流れ・・・

書籍情報

リタイア・モラトリアム―すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか
村田 裕之
日本経済新聞出版社 (2007/08)
売り上げランキング: 32983


本のひらめき

2007年問題・・・という言葉があった。団塊の世代が一斉に退職して、労働者不足や技術の継承ができずに大きな社会問題になる・・というのが2007年問題だった。

そして今、その2007年になって、誰もそんな言葉(2007年問題)を口にする人はいない。ふと不思議に思う。

村田さんは、その答えを「一斉には労働市場から姿を消さなかった」からと喝破する。そのことは村田さんは以前の著書や様々な場での発信でおっしゃっていたことだった。定年者の半数以上が企業から再雇用されていたのだった。

かわりに、何が起きたか・・・。

それを、「リタイア・モラトリアム」という問題として本書は展開する。モラトリアムとは猶予期間。つまり、定年退職でリタイアするはずの人が、しばらくリタイアしないためにおきる問題、である。

再雇用ということは、元部下が自分の上司になるのである。気まずい雰囲気がただよっても不思議ではない。

さらに、それで社会問題になるかといえばそんなことはなく、新たな団塊世代のライフスタイルが登場する・・と村田さんは予測する。それが「脱・リタイア」というライフスタイルだ。

団塊世代の心理的な変化(開放段階へ)、スポーツクラブに60歳男性が殺到、時間ゼイタク型の消費、自己表現型消費への変化、個人資産の拡充より個人カンパニーへなど・・・、団塊世代の様々な変化を、経験者の声などをまじえてそこにある未来がリアルに描かれる。

そして、それに応じ製品やサービスの内容も変化する。退職者問題でも先をいくアメリカの最新事情などを紹介しながら、あらたなビジネスの予兆を探る。「消費者から語り部へ」、「使い手から担い手へ」など発想転換のヒントがいっぱいある。

高齢社会の大きな流れを、本書から読み取り、脱・リタイアという新たな地平を考えてみよう。
団塊世代の方も、若い世代の方も、個人も企業人にも、ひろがるヒントがいっぱいの本。超オススメ!


僕の思いつき

本書でも、いくつかのワクワクするヒントがあった。

 遊び心をくすぐる「ブラックボックス開放型商品」がうける
 
 贅沢時間型消費→自己表現型消費
 情報収集型消費→文化体験型消費→人脈拡大型消費

 アメリカの60代に増える「HOHO(ホーホー)」
 (His Office Her Office)
 
ジェイカレッジ in Viena の企画が最終段階になってきた。そのツアーの元になった「国境なき合唱団」( http://www.jalbrand.co.jp/dai9/ )というチャリティーツアー企画は、まさに本書にあるような団塊世代の脱・リタイアメントの時代にふさわしい内容がある。
「時間を楽しむ、文化を楽しむ、お役立ちを楽しむ」という素敵な内容だ。

団塊世代を親にもつ若い方は、今日の本といっしょにぜひオススメいただきたい・・・。(ちょっとPRモード)笑



オススメ度

★★★★★+脱・リタイア

読んで欲しい方

・定年後の暮らしを考えたい方
・団塊世代の消費行動を知りたい方
・リタイア・モラトリアムの深層を知りたい方

Posted by webook at 2007年09月04日 02:47 | TrackBack
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