肩ひじはらず、自然体でいく・・・太極拳モードもいいね!
サイボウズ、って知ってる? 企業内のスケジュール管理やドキュメント共有などイントラネットの定番。おそらく日本で一番使われてるんじゃないかなと思うソフトウエアを作ってる会社。元松下電工の社員が独立して作ったベンチャー企業だ。僕は、この会社の創生期のころからのファン。
本書は、そのサイボウズの社長、青野さんが自身の仕事術や処世術を語った本だ。肩肘を張らないしなやかな語りは、ふだんの青野さんそのもの。とっても読みやすく、そして目からウロコの「ちょいデキ」ヒントがいっぱいある。
その方法を、青野さんは「北斗神剣」のような達人技ではなく、「太極拳」のようなしなやかでゆるやかな仕事術と表現している。
青野さんを知る僕としては、まったくうまい表現だなぁーと思う。
前半、青野さんの経歴が面白く語られている。中学からプログラムに熱中し、大学を卒業後入った松下電工での「ひとりプロジェクト」の逸話、そして起業と・・・青野さんの人となりが伝わってくる。
後半は、仕事、生活などでつかえる「ちょいデキ」る社員のヒントがいっぱい。
たとえば・・・
大きな目標を立てていませんか? では
大きな目標でがんばるのもひとつの手ですが、あんまり壮大なイメージは
遠すぎてよくわからない。だから、むちゃくちゃ短期の目標を設定します。
たとえば、「五分後の自分をイメージする」とか「明日の朝の自分をイメ
ージする」とか。大きな目標より、小さな目標。ちょいデキのためのちょ
い目標です。
とか
部下を自由に働かせていませんか? では
上司の「自由に」という指示は、部下にやりにくさを生みます。例えば
資料作りでも「300人の前でプレゼンする資料なんだ。聞いた人をこ
ういう気持ちにさせたいんだ。そのために君の工夫を混ぜてほしいんだ」
と強く要望を伝えたほうが、指示をうけた側も、具体的なゴールイメー
ジを描けるので、意欲がわきます。
など、ちょっとしたヒントが、なるほど・・・と、読者の気持ちに響く。
読書、株、テレビ、日記、集中、体力・・・さまざまなヒントは、ビジネスパーソンに役にたつ。
ゆるりと読んで、ちょっと試す。ちょいデキ社員になってみよう。
ワタミの渡邉美樹社長は、夢を実現する手帳で有名。かなり猛烈だ。
トリンプの元社長、吉越浩一郎さんも同じような猛烈社長さんだった。
しかし、世の中いろんなスタイルがあって、青野さんのような太極拳派も実は多い。
小田真嘉さんの言葉でいえば、前者がゴール型、後者はテーマ型。ゆるやかでしなやかでもいいんだねぇ。
ありがたいことに、本の読み方についてのヒントのところで、Webookのことを取り上げていただいている。何も知らせないで、こっそりこういうサプライズをするのも青野さんらしい。ありがたいことです。
アメリカにきても、サイボウズを使っている。多国籍版は Share 360(シェア・スリーシックスティー)という。なかなか便利。
http://cybozu.com/lc/jp/
太極拳でいってみましょ。
★★★★★+太極拳モード
・しなやかに仕事をしたい方
・上司の方
・仕事を楽しくやりたい方