マイナスイオンを浴びてみよう!
本書は、かつて著者が携帯電話のTUKAのメルマガに寄せたエッセイ750通(5年間)程の中から80篇を厳選して集めた脱力系「のはなし」である。
著者の日常の中から、失敗談とか恥ずかしい話が披露されている。元落語家らしく、ちょっとした落ちがあるのが楽しい。タイトルの「のはなし」というのは、読者から寄せられた7文字以内のお題につけた下の句、xx「のはなし」というところからきている。
母親についた小さなウソがとんでもないことになって「万引き」の誤解を生んだ話とか、タクシーの運転手さんと盛り上がり、最後にサインをねだられたんだけど、どうやら石塚くんと勘違いだったとわかり、気まずい雰囲気が流れた話題とか・・・「あ」行から「ん」まで楽しい話題がいっぱい。くくくと笑えて脱力できる。(∴ 電車の中で読むのはオススメできない)
か行の話に「結婚式の話」がある。これは落語家の副業の話題なんだけれど、とっても楽しい。落語家にとって結婚式の司会というのは、美味しいバイトのようだ。中でもなぞ賭けが披露宴の定番としてウケルらしい。なぞ賭けというのはxxと掛けて○○と解く、その心は△△、っていうもの。例えば
「お弔い」と掛けて、「うぐいす」と解く。その心は・・
「泣く泣く埋めにいく」(鳴く鳴く梅にいく)
結婚式用の定番は
「夫婦喧嘩」と掛けて、「おっぱい」と解く。その心は
「すったもんだで大きくなる。」(吸った揉んだで大きくなる)
「○○家xx家、ご両家」と掛けて、
「松井の二打席連続満塁ホームラン」と解く。その心は、
「8点マチガイナシ。」(発展マチガイナシ)
など。
どの話も、クスリと笑えて、元気になれる。
さて著者の伊集院光さん、どんな人だっけこの人?とグーグルで調べてみた。あー、あの人かーと思い出した。笑 こんな方「のはなし」であーる。
http://www.horipro.co.jp/talent/PM011/
この本を読んでてふと思い出したのは、藤原和博さんがいっていた「マイナスイオンの法則」。何かっていうと・・・
「自分のプラス面や自慢話を機関銃のようにしゃべるより、過去の失敗や
挫折経験を披露したほうが、聞く人は一生懸命きいてくれるし、逆に
プラスエネルギーを注いでくれる。」
っていうもの。確かに、自慢話をする人より、失敗談を面白ろおかしく語る人のほうが親近感をもったりするよね。
この本もまさにマイナスイオンのいっぱいある本だ。
ってことは、マイナスイオンを出しそうな話は、いいネタってこと。
つまり、失敗したり、怒られたり、ミスったり・・・そんなときは、そっと喜んでみたらいいね。(上司、先輩には悟られないように・・・笑)
マイナスイオンを放つ素晴らしい宝物がたまっていく。
だから人生は楽しい。
★★★★★+マイナスイオン「のはなし」
・ちょっと脱力してみたい方
・なんだかピンチの方
・肩の力を抜きたい方