おっほーっ、そうだったのか!
普段何気なく眺めているものを、深く観察してみると意外な発見があったりすする。深く眺めるといっても、ただじっと見ているだけでは何も起きない。そこには視点というレンズが必要であり、ときには既存のレンズをはずすことも必要になる。
本書は、ものが見えるようになるヒントが、ものすごく面白く紹介されている。コンサルタントとして活躍する著者が、斬新な視点から物事の本質を喝破し、適切な提言ができるのは、なぜか・・その秘密の一端がわかる。
「物事が見える」ためには、「関心」を持つこと、そして、「仮説」を立てて眺めることが重要だという。
たとえば、セブンイレブンの事例が登場する。僕も含め多くの人は、生活の中で何千回と目にしているセブンイレブン。そのロゴの最後のNが小文字だったなんて! 7 ELEVEn が正式がロゴである。そういわれてお店の看板をじっくり眺めたら確かに最後のNは小文字の「n」だった!気にしていれば(関心があれば)見えてくる、そんな事例である。
JR新幹線の切符が自動改札のところでどのように出てくるか・・・という話も、驚きの事実があった。(JT東海とJR東日本では違っていたらしい)
どれも関心がなければ、「見えてこない」ことばかり。関心を持つことが第一。
次に重要なのが、「仮説」。仮説とは判断基準。これが私たちの見える力を決定的に左右しているという。
どうしたらいいか・・
分解してポイントを絞る。(若い女性の間で何が流行っているか、ではなく、→どんな色が流行っているか、のように絞る)
また「消えていったものに注目」したり、「全体を推測しうる一点」を見つけたり・・など、なるほどというヒントがある。
新幹線のグリーン車で景気を見たり、サラダバーのトマトのへたで一流ホテルかどうかを見分けたり、旭山動物園の人気の秘密を考えたり、日経新聞の数字の見方があったり・・・普段の日常の中の事象を縦横無尽に行き来する軽快な展開は、読者に時間を忘れさせてくれるだろう。
最後に、見えるということの先に、ものごとの本質だけではなく、人の喜びや悲しみが見えることのほうが大事だという結びは、爽やかな余韻を残してくれる。
たくさんのビジネスマンに読んでほしい一冊。
関心の幅x関心の深さ、によって、事象の関連性が見えてくるという。いろんなものに関心をもて・・といっても、むやみやたらに関心を持つのは苦痛である。だから、自分の興味の範囲で、最初はいろいろ考えたり、記録したり、仮説を考えたりしてみてもいいね。
著者は、3年日記というのを続けていて、すでに5冊になるという。(15年)こうして続けていくことも、あるときから物事の見え方が変わってきたりする。
今まで見えなかったもの、気付かなかったものに気がつく瞬間、僕たちは、とてもわくわくする。なんとなく分かっていたけどをそれを明確に示すものを発見するのも楽しい。
年をとればとるほど、そういうものが増えてくる(はずだけど・・)。
人生は、死ぬまでずっと楽しいことが続くらしい。
★★★★★+関心と仮説
・視点を変えてものごとを見たい方
・見えないものを見る立場の方
・目からウロコが落ちるのを感じたい方