思わず涙。こんな会社で働きたい。
世の中には、不思議な会社がいくつもある。一部上場とか、フォーチュン誌にのるようなビッグネームではない。おそらく初めて名前を聞くような地方の小さな中小企業だったりする。だから、世の中面白い。
三島市にある従業員80人のある企業には入社希望の若者が年間1万人もやってくる。
(南富士産業) http://www.mfsg.co.jp/profile/rinen.htm
お客様が世界中から殺到する島根県の片田舎にある義肢、装具の会社がある。
(中村ブレイス) http://www.nakamura-brace.co.jp/index.html
社員50人、そのうち70%が障害をもった方達で、50年も毎年採用を続けているチョークメーカーの会社もある
(日本理化学工業)http://www.rikagaku.co.jp/
「企業は社員の幸せを通じて社会に貢献すること」という理念で地域を含め多くの人たちに愛されている寒天の会社は、けっこう有名。
(伊奈食品工業)http://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/profile/gaiyo.html
地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営をつらぬいている北海道のお菓子屋さん。
(柳月)http://www.ryugetsu.co.jp/
素晴らしい会社がこんなにもいっぱいあったことに、改めて驚く。
著者は、これまで6000社を超える企業を調査してきた。その中で、人が感動の涙を流すような企業が本書では紹介されている。涙なしには読めない本だと思う。
特に、日本理化学工業のお話は、50年の歴史の重みに育まれた素敵な感動がなんともいえず素晴らしく・・・。
本書の生まれも、すばらしい。著者の講演会で、日本理化学工業の話をきき、感動したあさ出版の佐藤社長が、「この話を一人でも多くの人に伝えるのが出版社の使命・・」と、出版の要請を電話でされたという。
さまざまな感動と人の縁が織りなした素敵な本。人にすすめずにはおれない感動が、ここに、ある。
冒頭に、会社経営とは5人に対する使命と責任を果たすためにある・・・という話が登場する。5人とは・・・
1.社員とその家族
2.外注先、下請け企業の社員
3.顧客
4.地域社会
5.株主
順番も大事である。多くの企業は、株主が第一の経営をしている。せざるをえない・・といってもいいかもしれない。堂々と、社員とその家族が一番ですといえる経営者はエライ。
本書に登場する会社は、いずれも上記の5人を大事にしている会社である。そしてその順番もほぼ、上記の順番。
日本でいちばん大切にしたい・・・という意味は、そこにある。
いろいろ考えさせられる本である。
★★★★★+いい会社に
・何のための仕事か考えたい方
・会社の存在意義を見直したい方
・仕事の価値を感じたい方