心の目で見る真実の世界・・・
私たちにとって真実を見る・・というのは、なかなか難しい。眼の前の現象だ
けや、ある人の言葉だけで心を揺らせ、思いこみ、しなくてもいい悩みをもっ
たりする。
野口さんはそのことを「肉眼に頼って生きているため、目に見える現象に振り
回されがちです」と表現している。真実はその奥に、裏に、そして目には見え
ないところにあるにもかかわらず・・・。
本書は、そのことに気づかせてくれる。そして、心の目で本来の姿(自分であ
ったり、伴侶であったり、子供であったり、仲間であったり・・)を見るため
の素敵な智恵を授けてくれる。
人生を自分らしく輝かせて生きる30の知恵は、どれも心に優しく届く素敵な
メッセージなっている。
僕の心に響いた言葉・・
まず、自分という存在が、かけがえのない尊い存在であることに意識を向け、
自分にしか果たせない役割を果たすために、ふさわしい自分を目指すこと。
すべての経験は、無駄ではない。
感謝の合意は、当り前のことを「ありがたい」と感謝すること。
あなたが生活の中で発する言葉を、ひとことも漏らさず聞いている人がいる。
それは、あなた自身。あなたが発する言葉は、あなたの潜在意識に浸透してい
って、あなたの考え方に大きく影響を与える。
人生はゲーム。そのゲームのルールは「鏡の法則」、自分の心のありようが、
人生という現実に映し出される。
人間性を高める上での重要な徳目は、「寛容さ」と「思いやり」。
こどもらは自らの生命力によって、自ら育っているのだ。私ができるのは、そ
のお手伝いだ。と、考えられたら子供を大らかに育てられる。
人間性を磨き、素敵な人生を生き切ること、それこそが後世へ残せる私たちの
最大の贈り物。
本書を読み、深いメッセージに浸りながら、自分を見つめる時間を持ってみた
いねぇ。
本書で、野口さんが紹介していた素敵な詩があった。これはぜひ、書きとめて
おきたい。相田みつをさんの詩である。。
「いのちの根」
なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりを抑えて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根が
ふかくなる。
もうひとつ、田坂さんの言葉も引用してある。これも深いメッセージとなって私
たちに訴えかける。
野心とは、己一代で何かを成し遂げようとする願望
志とは、己一代では成し遂げえぬほどの素晴らしき何かを次の世代に託す祈り
私たちが未来に残せるものは何か?
深き問と対峙してみるのもいいねー。心の目を澄ませるために・・。
本書は、そんなきっかけをいくつか与えてくれる。
★★★★★+心の目
・自分の存在を考えたい方
・いきる意味を感じたい方
・人生の価値を見つめたい方