受け入れてみる・・・
本書は、阪本さんのはじめての小説。とても面白く、さくっと読めて、なおか
つ、生き方、働き方などを感じさせてくれる素敵な物語である。
新幹線を乗り継ぎながら、恋愛のこと、仕事のこと、家族のこと、いろんな糸
が織りこまれている。
主人公のぼくは、トイ・ファクトリーというおもちゃ業界の会社に勤める27
歳の独身サラリーマン。ハロちゃん人形の売り出しのとき、上司の品川部長の
ミスである事件がおきる。
こともあろうに、ぼくはその濡れ衣を着せられるハメに・・・。
会社での理不尽に嫌気がさして、かってに会社を休み、旅にでたぼく。
新幹線の旅で出あうコテコテの大阪弁をしゃべる不思議なおばちゃんとのかけ
あいが面白い。
途中で出会うカリスマ添乗員の平田さんは実在の人(日本旅行の平田信也さん)
だ。そのエピソードも楽しい。
ビジネス、マーケティングなどのエッセンスや、人生の機微など、さまざまな
ものが織りなされている。
阪本さん自身や、お母さんの生き方が投影されている自伝的な小説。とっても
おすすめ!
阪本さんのお母さんをモデルにしたこの小説。楽しく読めて、そしてどこかほ
ろりとし、また勉強にもなる。
我が家の子供たちも、こっそりよんで気に入ったらしい。どこが気に入ったか
微妙なところだが、「大阪弁は可笑しい」というのが彼らの気に入り方だった。
まー、それはそれでよいことに・・・。
自分の人生だけだと、なかなか小説のようには面白くならないけれど、そこに
これまで見聞きしたり、本で読んだりした人物を登場させてみると、けっこう
面白い小説が書けるかもしれない・・・。
いつか、小説を書こう(ね)
★★★★★+おばちゃん
・仕事についてちょっと考えたい方
・人生の機微を感じたい方
・お世話になってる方を思いたい方