We cannot change the cards we are dealt, just how we play the hand.
2007年9月18日、カーネギーメロン大学(ペンシルベニア州)で、「最後の授
業」を行った若くハンサムは教授がいた。Randy Pausch(ランデ
ィ・パウシュ)、46歳。コンピューターサイエンスの教授でVR(ヴァーチ
ャル・リアリティ)の権威だった。だった、というのは、2008年7月25
日、妻と3人の幼い子供を残して他界しているからだ。
本書は、最後の授業をベースに書かれた本で、Youtubeの動画を見てか
ら読むと、さらに面白いと思う。(あー、言ってた言ってた・・っていう感じ
で読めるから)
最後の授業は、子供のころの夢を実現するために・・・というテーマで始まり
、夢を持ちそれを追求することの大切さや楽しさを、ユーモアとウィットを織
りまぜて語っている。
VTRの中に登場するスライドにも書かれているが、子供のころの夢は
・無重力を体験する
・NFLでプレイする
・百科事典の中の記事を執筆する
・カーク船長(スタートレックの)になる
・ぬいぐるみをとる
・ディズニーのイマジネーターになる
それらの実現プロセスが面白おかしく語られる。
後半の「他の人の夢の実現を助けること」や「人生の生き方」も素敵だ。
いくつか印象的な言葉は
That is what it is. We can't change it. We just have to decide
how we will respond.
現実(=ガンのこと)は変えられない。ただ受け止め方を変えるしかない。
Brick walls are there for a reason: they let us prove
how badly we want things.
(壁があるのは訳がある。もっといい方法を
見つけさせようとしているのだ)
Earnest is better than hip.
(実直に生きるほうが、小利口に生きるよりいい)
No Job is beneath you.
(意味のない仕事などない)
いくつかのひらめきを与える言葉は、魂の叫びのように聞こえる。
ちなみに日本語訳の本はこちらで:
最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版
http://tinyurl.com/lastlecture-j
字幕つきのDVDもあるので、お勧め。
原書とYoutube動画という気見合わせもまた、お勧め。
この本は、ある二人の知り合いを通じて僕の手にやってきた。最初にランディ
パウシュについて知ったのは、100冊倶楽部のMoso会議に参加されてい
た高橋さんのメールから。メールにあったYoutubeのリンクをたどると
すっかりハマってしまった。そして、この動画のことを紹介してあげたインタ
ーン生のM君も気に入り、次に彼とあったときにはもう原書を手にしていた。
さっそく借りて読んでみた。
誰かに紹介されて、それをきっかけに素敵な本を読むというのは、とても楽し
いことだ。100冊倶楽部の楽しい仲間は、それをシェアする素敵な人の集ま
りである。(いま、Vol.2が、密かにうごめきはじめている。♪)
この最後の授業(the last lecture)は、そのビデオも本も素晴らしい。
ランディ・パウシュが、講義の最後に締めくくる一言は、聞く人の心に、静か
な感動の余韻を与えてくれるだろう。
この講義の第二の隠れた意図(2nd head fake)が何かわかりますか?
しばしの沈黙のあと、ランディはこう続ける。
実は今日の講義は、みなさんのために行ったのではありません。
私の、子供たちのためだったのです。
死を前に、人生のすべてを凝縮し、著者はその思いを語った。その思いとは、
こどもたちへの遺言であり、作品でもある。
ユーモアとウィット、そして感動にあふれた、故ランディ・パウシュの最後の
講義に感謝を。そして、ご冥福を。
★★★★★+2nd Head fake
・人生の意味を考えたい方
・夢を実現したい方
・愛する人がいる方