すべては自分から始まる。
本書は、実話をもとにした感動の物語である。
ステージは、赤字が続く3つのカラオケ店。3人の若者がそれぞれの店の店長
として運営を任されます。武田、五十嵐、間宮の3人。
武田勝也(31歳)は、一流大学を卒業後、外資系コンサルタント会社に勤務
し、マーケティングに精通。自信家であり、緻密。失敗経験はゼロ。
五十嵐あかね(29歳)は、大学卒業後、メーカーに勤務、企画部に所属。性
格があかるく、常に前向き。発想豊か。
間宮幸人(34歳)は、高校を卒業後、総務一筋。こつこつ努力型。人とのつ
ながりを何よりも大切にしている。
こんな3人が、取り組むプロジェクトとは、「赤字続きで回復の見込みのなく、
取り潰す予定のカラオケ店を、1年間だけ経営する」というものだった。
著者福島さん自身が、起業家支援のメンター(柴田)として登場する。
柴田が30年以上にわたっておこなってきた経営者養成スクールを卒業した3
人は、このプロジェクトを聞いて手を挙げてきた。参加の条件は、今の会社を
辞めること。背水の陣、である。
本書は、この3人が様々な壁にぶちあたりながら成長していく感動物語。
赤字続きで腐った思いを抱くスタッフとの出会い、人を育てることの難しさ、
離れる部下の気持ち・・・、一筋縄ではいかない問題に、読者も共感しながら
読み進むことになる。えー、そんなことになっちゃうわけ?みたいなどん底の
壁が幾重にも押し寄せてくる。汗;
すばらしい気づき、そして感動・・・本書は、とてもたくさんのメッセージが
もらえる。
どんな企業にも通じる大事なものが、見えてくる素敵な本だ。
<僕の思いつき>
3人がそれぞれの場面で受けた柴田からの素敵なメッセージを書き留めておこう。
「上司が持っている権限とは、部下よりも先に困難に挑むことができる、
という権限だよ」
「君は今、試されてる。だからそんなときこそ、君自身をまず信じなさい。
自分を信じたとき、他人を信じることもできるようになるんだよ」
「あきらめない限り、人生には成功しかないんだよ」
「夢は、すべての過去に意味を与える」
「どんな仕事であっても、そこから得られる最高の報酬は、感動である」
「人は罰によって、行動するふりをし、信頼によって、自ら行動します」
「信頼とは、相手がどうかではなく、自分が相手をそのまま受け入れる
覚悟ができているかということです。別の表現をすれば、自分が相手と
一生涯付き合う覚悟をするということです。」
戦略とかシステムとか仕組みだけでは、組織は動かない。(動くふりをするだ
けである)そこに、何か、人の心のケミストリーを動かす何かがいる。
そのヒントが、この物語に隠されている。
本書を携えて、25日のジェイカレッジにいこう!
★★★★★+感動の共鳴箱
・仕事の意味を考えたい方
・人を動かす立場の方
・感動の本質を感じたい方