ニセモノがホンモノに変わる?・・・
成功の秘訣を、ちょっとコミカルなタッチで紹介する物語。
主人公は「オレ」と、パン屋さんをやりたいという無垢な少女「亜矢」ちゃん。
オレは、もと商社マンだったが、人間関係に耐えられず、人間嫌いになり、ひ
きにこもり状態に至る。退社し社会の脱落者になったオレは、校校の同級生に
紹介された別荘の管理人をやることに。そこは、ある成功企業のオーナーの別
荘だ。ベンツにマセラティ、さらにシトロエンまである豪華な別荘。リビング
の本棚にはビジネス書がびっしりあり、成功本だの、お金持ちになる本だの、
リーダーシップの本だのが鎮座している。
雑草の処理もなじんできたあるとき、そこに突然、素敵な少女が現れる。
オーナーが著した成功本を読んで、著者に会いにきたんだという。
オレは、天使のような素敵なその人をみて舞い上がり、自分はただの庭師でこ
の別荘の管理をしているだけの人間だとはいえず、オーナーを装ってしまう。
ここから、妙な偽物メンターとパン屋さんをめざす少女の付き合いが始まって
いく。
時折たずねてくる亜矢ちゃんに、オレは、宿題を出す。たとえば
・何かしてもらったら必ずお礼状を書くこと
・普段かかわっている人全員に、自分の長所、強みを聞くこと
・成功日記をつけること
・何かの感情が湧きおこったら、「私あこの感情を選んでいる」と口に出す
・人間には評価価値と本質価値があり、本質価値は変わらない
などなど。
素直な亜矢ちゃんは、オレの宿題をやりながら成長していく。オレは、オーナ
ーの本棚から仕入れたにわか知識で、アドバイスをしていく。甘酸っぱい気持
ちや、嘘をついていることの後ろめたさなどがあいまって、物語は展開する。
下心まるだしのオレの心情が、面白ろおかしく描かれているのが楽しい。
結末は、読んでのお楽しみとしておこう。
ワクワク、どきどきしながら、成功の秘訣をまなべる楽しい本だ。
<僕の思いつき>
折に触れ、琴線にふれる言葉や格言を書きためている人がいる。
とてもよい習慣だと思う。
僕もメール署名に使えそうなものを蓄積している。
たくさん集まったら、それらをならべて、なにかのストーリーを考えてみるの
も楽しい。何人かで集まって、明言や格言を持ち寄り、Mosoブレストして
みるのもいいね。
いい仲間とやると心のケミストリーが弾けて、思いもよらぬ奇想天外物語がで
きたりするかも・・・
そういうMosoワークを今度やってみよう。(100冊倶楽部がいいかな)
★★★★★+下心変換
・物語がすきな方
・人生の意味を見失いそうな方
・生きる力感じたい方