ここにもMoso族がいた!
静岡、エルサルバドル、ハワイ、レユニオン島(旧ブルボン島)と、著者は、
幻のブルボン・ポワントゥを訪ねて数奇の旅を続けてきた。
ブルボン・ポワントゥというのは、かつてマダガスカル島の東にある小さな島
レユニオン島で開発された品種だったが、いつの間にか忘れ去られてしまった
コービーの品種である。
なぜ、著者はそんなものを追い求めるようになったのか・・・。
著者は、留学先のエルサルバドルの研究所(ISIC)でコーヒーに関するあ
らゆる勉強をしていた。その折、「ブルボン」というコーヒーの代名詞の一つ
でもある品種から、実は突然変異種でもう一つの品種があったことを知る。
ブルボン・ポワントゥ(pointu - 尖った)
非常に香高く素晴らしい品種だが、あまりに生産性が低かったがために絶滅し
てしまった・・・というものだった。
数奇な出会いや、自分を信じて追い求めたポワントゥ種の発見、上司や地元の
人の応援、さらにはフランス政府からの援助・・・物語に必要な要素がいっぱ
いの中、スリリングな展開は、まるで小説のようだ。
ポワントゥ物語の後半、島の人たちとの独占販売権を契約していなかった著者
は、別のブローカーにこの幻のコーヒーをさらわれてしまう危機に直面する。
気が気でない著者だったが、ちゃんとレユニオン島の人たちは、信義を守って
くれたのだった。
「ホセ、お前のお蔭で、この島でブルボン・ポワントゥの復活プロジェクト
が始まったんだ。お前以外に売るわけがないだろう」
ブルボン島でのコーヒー産業の復活は、まさに川島さんのMoso(もうそう)
によって生まれたものだ。。
そして今、類稀なる品種からうまれる素晴らしいコーヒーは、独自の販路で手
に入る。 http://www.grand-cru-cafe.com/aboutus/
本書のコーヒーハンター物語は、僕たちに夢の後押しをするエネルギーを与え
てくれるだろう。
この幻のホーヒーを一度飲んでみたい。誰しも本書を読めばそんな気になる。
今度帰国したときは、ぜひミ・カフェート(http://www.mi-cafeto.com/)に
いかなくっちゃ・・・。
そんなことを考えていたら知り合いからこんな情報がとどいた。
なんとJALの国内線ファーストクラスで、このコーヒーが味わえるという。
9月1日から30日間だけの限定である。
http://www.mi-cafeto.com/archives/2009/08/jal.html
この時期に一時帰国しなさいということらしい。笑
経営難にあえぐJALだが、こういうホンモノとの連携は、やはりJALらし
い。どんな時もあきらめず、自分を信じて進んできた川島さんにならって、苦
境のJALも元気になってほしい。
Mosoのような思いも、純粋にそれを追い求める人の前には、様々な問題が
立ちはだかるが、それ以上に応援する人も現れるという不思議な循環がある。
世の中をよきものにしたいという思いがあれば、それは仮にMosoのような
もので大切にしたいものだ。この本のこと知ったのは、ロスで開いた100冊
倶楽部でのこと。MQ指数の高いNさんという方が熱く語ってくれた。
Nさん、ありがとう。
(MQ=Moso Quotient)
★★★★★+ブルボンポワントゥ
・苦しいときを乗りこえたい方
・世界をまたにかけ活躍したい方
・わくわくする仕事をしたい方