働き方の提案・・・・
本書は、会社の都合で振り回されない働き方の提案書である。普通の社員に安
住していては危ない、「稼げる社員」にならない限り、地位も報酬も地盤沈下
してしまう時代だというわけだ。
「稼げる社員」とは、営業職のように利益や売上に直結する社員だけでなく、
経理や総務、あるいは技術などどんな職種にもあてはまる「できる社員」のこ
とである。
面白い問いが冒頭に登場する。あなたが上司から次のような指示をされたらど
うするか?というもの。
「20代女性向けの新商品サンプルを宣伝のために街で2箱分配布してくれ」
それに対して2つの対応事例が登場する。
Aさん:通行者全員に配布を試みる→30分で終了
Bさん:20代女性だけに絞って配る→2時間かかった
Aさんは、単純作業として「こなした」だけ。
Bさんは、一見合格だがまだ不十分だという。稼げる人なら、配ることに加え
さらに「ひとひねり」加えるのだ。
*商品の魅力を伝えるチラシをつくって一緒に配る
*新商品がどこで買えるか配布するときに伝える
*配布時の街の声から今後の宣伝プランを提案する
このほんのわずかな差が、実は将来大きな差を生み出す。そこには、仕事に対
する姿勢の違いがある。
その差を生み出す心がけを様々な切り口で説いている本書は、若いビジネスマ
ンにぜひ読んでほしい。
上司は、指示通りやることを本当は期待していない。
だから、単にコピーをとるにしてもそこに何かを加える智恵がいる。その智恵
は、営業力だったり、想像力だったり、斬新力や再現力や削減力だったりする。
もう一つ面白い会社と社員の関係を拾っておこう。
会社は業績を報酬で返すが、仕事は期待値で配分する。
期待値(あいつならできるかも)は、様々な場面であげるのがいい。そのチャ
ンスは、宴会の手配でも、ボランティアを集めるときでも、挨拶にもある。
自分を磨くきっかけにおすすめの本である。
本書は、実は著者から送られてきた。それには一通の手紙が添えられていた。
筆文字で。しかも見事な達筆。よくある印刷ではない、直筆である。
まず、それに感動した。そうでなければ、もしかすると積読書にまぎれてしま
ったかもしれない。
その手紙には、僕を行動させる何かがあった。
芸は人を助ける・・・まさにその言葉通り、達筆の筆はすばらしい力があった。
こどものころからやってきた習い事がもしあるのなら(なければ今から始める
のもいい)、それはぜひ続けておきたいもの・・・。
いつかわが身を救ったり、素敵な機会に巡り合う宝物になるから・・・
★★★★★+ひとひねり
・社内での自分の価値を冷静に考えたい方
・評価される立場の方
・仕事のやりがいを感じたい方