2010年08月08日

もしドラ ~ 岩崎 夏海 + 良き会社研究所

ビジネス書は、頭で分るより心で感じるほうがいいねー。

書籍情報

本のきらめき

「もしドラ」と略称される本書は、高校野球の女子マネジャーの目を通じ、ド
ラッカーのマネジメント論を分かりやすく伝えてくれる本だ。

主人公は野球部の新人マネジャー、川島みなみ。(表紙のマンガで、ものすご
くキュートなみなみをイメージしてしまうのは、やられました!だねえ)
みなみの通っている高校ー都立程久保高校(通称、ほどこう)は、進学校。し
たがって野球部の実力もほどほど。甲子園なんて望めるレベルではなかった。

そんな野球部のマネジャーになったみなみには、ちょっとした事情と理由があ
った。その伏線が何かは読後のお楽しみ。

僕らもそうなのだが、部活のマネジャーと、企業のマネジャーは、同じマネジ
ャーなのに言葉から受けるイメージがまったく違うのではないだろうか。
本書は、マネジャーの本質をさぐるみなみのおかげで、それが同じだったこと
に気がつく。

みなみは、マネジャーとは何だろう?という自問から、本屋さんで偶然にも、
ドラッカーの本を手にする。
物語は、ドラッカーの文章を引用しながら、野球部の抱える問題に立ち向かう
みなみを中心に展開する。

経験と知識はあるのになぜかやる気の見えない監督、加地。
実力があるのにちっとも真面目に練習しないピッチャーの慶一郎。
野球がへたで補欠の二階正義、実はドラッカーを読んでいた。
そして、病院で療養中のみなみの仲良し、夕紀。などなど・・・
多彩な仲間が繰り広げる高校野球の舞台は、いつも意外な展開を見せてくれる。

野球部の使命は何か。お客さんは誰か。人の強みを生かすにはどうしたらいい
のか。・・・・などなど、本質的な問いと向き合うみなみは、ドラッカーの本
がバイブルになっていく。

心にしみる物語と、ドラッカーのマネジメントは何かを感じさせてくれる、と
てもオイシイ本だ。

多少強引な展開があるって? いいのいいの、そんなことは:笑
この本で、僕は結構刺激をいただいた。(これからの事業のお客さんは誰だ?
みたいに・・・)

リアルな本か、あるいは、ダウンロードでぜひ!


僕のつぶやき

実は、本書はiPhone の電子書籍で読んだ。本では、272ページだが、アプ
リ上は666P の設定だ。(フォントサイズによるが・・)

この初体験は、ものすごくワクワクする時間となった。
ページをめくるのがたまらない・・・そんな楽しさを味わうことができた。
気に入ったフレーズには、マーキングがつけられ、あとで、マーカーの箇所だ
け見たりもできる。(このあたりは iPhone ならでは?)
物語のワクワクする展開に加え、iPhoneアプリの心地よさが、面白さを倍加さ
せてくれたような・・・。

電子出版がこれから盛んになるけれど、その要素は
  1)早い。(本より安く、その場で15秒くらいで買える)
  2)安い。(本書なら1680円→800円 と半額以下)
  3)楽しい。(電子媒体ならではの使い方がある。マーカーなど。)
といったところだろうか。

しかし、そもそも大切なことは、コンテンツそのものが面白い、役に立つ、と
いうこと。基本は紙媒体も電子メディアも同じってことかな。

本書は、ドラッカーのマネジメント論を、高校野球の舞台で展開するユニーク
さと、物語が醸し出す共感で、読者をひきつける。

しかし、それにしても・・・ドラッカーのマネジメント論を高校野球の女子マ
ネジャーといっしょに学ぶことになろうとは・・・(笑)。

あぁー、僕も電子出版するぞ、っと。


オススメ度

★★★★★+物語でドラッカー

読んで欲しい方

・マネジメントについて学びたい方
・マネジャーの立場の方
・ドラッカーを感じたい方

Posted by webook at 2010年08月08日 21:07 | TrackBack
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