2011年04月12日

今すぐできる!ファシリテーション ~ 堀公俊 + 決断支援と共同支援

   次の会議で、使ってみよっ!・・・

書籍情報

今すぐできる! ファシリテーション (PHPビジネス新書)
堀 公俊
PHP研究所
売り上げランキング: 32620


この本のツボは?


本書は、会議やプロジェクトを効率的に効果的に進めるファシリテーションの
やり方を、35のフレーズを目印にして説明した本である。
とても、わかりやすく、かつ実践的なところがお勧めだ。

会議がうまく運ばないとき、「あいつがいたから・・」「メンバーのレベルが
低いから」「予算がなくて話にならない・・」など人や環境のせいにする場合
が多い。しかしそれでは進展がない。そこで「会議」について考えてみる。

会議の要素は、2つ。「コンテンツ」と「プロセス」。
コンテンツとは、会議にもち込む知識、情報、経験など議論にかかわる要素。
料理でいえば、素材にあたる。
プロセスは、やり方。つまり、会議の進め方、議論の手法、メンバーへの働き
かけ、場の雰囲気などである。料理の仕方にあたる。
ファシリテーターが関与できるのは、後者のプロセスである。

ファシリテーションには4つのスキルがあるという。
 1)場のデザインスキル (場をつくり、つなげる)
 2)対人関係スキル   (受け止め、引き出す)
 3)構造化のスキル   (かみ合わせ、整理する)
 4)合意形成のスキル  (まとめて、分かち合う)

言葉でいえば、なるほどであるが、実際に行ずるのは難しい。そこで、本書
は、「型から入る」という方法をとっている。それが、実践的な35のフレ
ーズ(いいまわし)である。

たとえば、

  「今日はどこまでやりましょうか?」(会議のゴールを共有)
  「今日は・・・を大切にして議論しませんか?」(ルールづくり)
  「なるほど・・・と言うのですね?」(傾聴、受け止め)

など、議論のフェーズに応じたセリフが35個用意されている。

なかでも気になったのは、論点を整理して絞り込むときのフレーズ:
  「ためしにこんな形で整理してみませんか?」(構造化)
  「ここに描いて整理してもよいですか?」
         (ファシリテーション・グラフィックス、図解)

特に図解のところに注目したい。議論は空中戦で行われることが多いが、そ
れを地上戦に落とし込むことは、さまざまなメリットがある。(それについ
ては別の本がある。著者も別の本を書いている)議論を発散させない、全体
を見ながら進められる・・など、いいことが多い。

議論の質を高める方法は、いくつかあるが、誰でも利用できる汎用スキルと
して、本書のファシリテーションのノウハウは、現場でこそ試してみたいも
のだ。

中堅といわれるビジネスパーソンに、とってもお勧め!


__《 ちょっと思いつきですが 》___________

おそらく、今日もあなたは会議に出席することだろう。この1年でどれだけ
たくさんの会議にでるだろうか。

そこで、毎回、会議の品質評価をチェックしておくといいかも。専用手帳が
あるといいね。

いい結果(コンテンツ)は出たか、いいプロセスだったか、キーになった人
のメッセージは何か、使えるフレーズはあるか、改善するとすれば・・など、
書き溜めていったら、面白いものが残る。
3年間続けたら、確実に本が書けるかもー。笑


おすすめ度は?

   ★★★★★+会議は○る!

知りたい?

   ・論点は必ず問いで書く! なぜだろう?
   ・議論が行き詰ったら?
   ・困ったチャンに対処するには?


■■今日のおまけ:( 決断支援と共同支援 )

 東北大震災のあと多くの企業は、すばやく義援金や物品支援に動いた。
 ユニクロは、14億円+7億の衣料を、
 サントリーは、3億円と100万本のペットボトル、
 東芝は、5億円・・・など、
 企業対応は素早かった。(3/13,14のころのニュース)
そのほか大手企業の多くが義援金を表明した。
 これらは経営者(会社)の素早い決断による。

 一方で、次のような衆意を集める取り組みもある。
 「サントリー 、缶1本1円義援金に」という記事だ。年間で40億円
 くらいの義援金がつみあがるという。(4/11)
    http://bit.ly/1can1yen 、 http://bit.ly/suntory1can
 少し前、クロネコは一個の荷物につき10円寄付を発表。年間取扱が
 130億個程度らしいので、総額130億円にものぼるとか。(4/8)
    http://bit.ly/kuroneko10
 大前さんはBBTのTVで、復興財源に消費税を2%、期間限定で、上げる
 あげることを提案していた。(2%で4兆円。被災地以外を対象)(3/27 )
http://bit.ly/ohmae327

 税金はなんとなく取られるという意識があるけれど、明確な使途と役に
 立てるという感じがもてるのなら、喜んで・・みたいなところはある。
 また、企業が消費者と一緒にという取組は、共感を得られるのでは
 ないだろうか。飲料を買うなら、義援金になるサントリーの伊右衛門
 にしよう・・みたいなのは、企業の知恵としていいかもしれない。

 前者を「決断支援」、後者を「共同支援」とか呼んだらいいだろうか。
 前者を「ねん出支援」、後者を「巻き込み支援」
 前者を「決算支援」、後者を「予算支援」
 前者を「ドッサリ支援」、後者を「ちょいため支援」
 てのもありかな。→ ネーミング募集!

 ついでに、レジェンドホテルのようにダブル購入とか
 もっと流行るといいね。
 レジにダブルキーというのが追加され、「お客様ダブルになさいます?」
 「OK、じゃコーラ、ダブルで」(125円のコーラは250円になり、
 一本が東北に寄付される。)っていう、レジスター、誰かつくらない?

 知恵は、これからが出しどころ!
 

Posted by webook at 2011年04月12日 13:15 | TrackBack
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