HOPE100という東日本震災の支援チャリティイベントで、はじめて今野
さんにお会いした。リクルートグループで総務や人事など重要な役回りをやっ
てこられただけに、元気印が二重丸な方である。
本書は、すぐやる力、すなわち着手力を上げるリーダーや組織の能力について
書かれている。リーダーにも、チームにも役立つ仕事術のヒントがいっぱい。
やはり、活きのいいチームは、すぐやるリーダーの率先垂範が重要である。
さて、質問。
「成功者」と「思いついただけの人」の違いは何か。
それは「すぐやるかどうか」つまり「実行するかしないか」だという。確かに。
仕事のできる人、フットワークのいい人がいると、チームも活気づく。今野さ
んは、これを「“すぐやる”は伝染する」と表現している。
では、「すぐやる」の逆は?
「やり過ごす」である。大小いっぱいあるやるべきことのいくつかは、やり過
ごししていると、どうでもよくなることもある。しかし、それがチームの活力
を削ぐこともある。やはり「すぐやる」というキーワードは重要なのだ。
すぐやるリーダーに必要な力は9つあり、「ビジョナリー度」「意思決定力」
「現場力」「行動力」などのほかに、「部下への要望性の高さ」というのがフ
ックした。
これは、部下とリーダーの関係で、プロジェクトや仕事進める上で、高い要望
を部下に伝え実行してもらえるか・・ということ。大前提として互いの信頼性
があるのはいうまでもない。
もうひとつは「上動性機能」。つまり、自分の意志や考えを上司にぶつけ、上
司を揺り動かす働きだ。上を動かす力があるというのは、部下にとってはとて
も信頼し尊敬できるところである。
また、具体的なすぐやるリーダーの仕事術がいくつか紹介されており、共感で
き試してみたいことがいっぱいある。
*伝言メモは丁寧に書くのが基本。細部に魂の宿る仕事をする文化が大事。
リーダーの伝言メモは丁寧な仕事ぶりの象徴でもある。
*アジェンダは会議の要。アジェンダと議事録は大事だね。
*グランドルールのすすめ。30ブロックというグランドルール、つまり
行動指針が決められている。(著者のマングローブという会社)
→ http://bit.ly/hRePnF
最後に、覚えておきたいのが「成形の功徳」(森信三氏の言葉)
「すべて物事は、形を成さないとその効果が十分に表れない」、逆にいえば、
「物事は形にまとめることで、真の効果がでてくる」
たとえば、生徒の感想や参加者のコメントを、ばらばらなまま講師に送るより
、ちゃんと製本して送ると価値がでるとか、講演メモも書きなぐりのものより
、きちんと清書して整理したもののほうが価値がでる、といったことだ。
参考 → http://www.bc-mgnet.com/blog/detail_1393.html
本書も、読んで「いいね!」ボタンだけにするか、「やってみる」スイッチを
押すかで、その功徳は変わってくる。
リーダーのあなたに、お勧め!の一冊。
★★★★★+Here & Now!
・会議、作業など時間の最少単位はどのくらいがいいか?
・アポイントの極意。候補日が3つあったらどうする?
・頼み上手の極意とは?
自衛隊幹部を輩出する防衛大学の一回目の卒業式、時の総理大臣吉田茂は
こんな訓示をしたそうです。
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昭和32年2月 防衛大学第1回卒業式にて
君たちは自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、
歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。
きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない。ご苦労だと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、
外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか
国民が困窮し、国家が混乱に直面している時だけなのだ。
言葉を換えれば、君たちが日陰者である時のほうが
国民や日本は幸せなのだ。
どうか、耐えてもらいたい。
内閣総理大臣 吉田茂
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東北で活躍している隊員の人たちは、まさにこの「国家が混乱に直面」して
いる時に体をはっている。活躍するときも、そうでないときも厳しい現実と
向き合わなくてはいけない人たちがいることを、改めて認識しておくのも
いいかもね。警察官や消防士も同じだねぇ。