【失楽園】上
渡部淳一
1933 北海道生まれ 北大医学部卒
「光と陰」で直木賞
講談社 1400円
97.2.21初版
久木 と言う中年の窓際おじさん(と言っても
世田谷にすむ裕福なおじさんですが) と書道をたしなむ
教授夫人の凛子との不倫のお話.
いかにもありそうな設定と、"俺もきっとそう思うなあ"
と思わせる心理描写、更に とてもエロスな描写が
リアルで、つい心身硬直状態(?)に陥ります.
箱根のホテルや 逗子のホテル等、具体的な場所が
現実感をまします.
ウウン、これは問題作です...
電車の中で身を堅くして読んでいると
まるで デジャブーに陥りそうな幻惑を覚えます.
"ウククっ" と言う笑いを堪えながら面白い本を読むのも
辛いですが、こういうのも辛い物があります.
一度 不倫をしてみたいとお考えのあなたにオススメ(入門)
もう一度不倫をしてみたいあなたにも上級編としてオススメ
不倫を本の中で virtual 体験したいあなたにオススメ(初心者用)
ううん、なんだかヘンになりそうだ...
配偶者には内証でどうぞ
(図書館のおばさんが ニヤ っとっして渡してくれた意味が
わかりました....てことは あのおばさんも読んでたのか..)
学生時代によんだ「光と陰」も 凄い衝撃を受けましたが
これも又 凄い衝撃作といえます. 表現もなかなか
文学的だと思いました.
お進めど
☆☆☆☆☆☆