1997年04月07日

【お役所の精神分析】...宮本政於97.4.7...☆☆☆☆☆

【お役所の精神分析】
--------------------------------------------------------------------------------
宮本政於
1948年 東京生まれ
日大医学部卒 エール大、コーネル大等を経て
NYC 医科大学で助教授.帰国後 厚生省に入省
95.2 神戸検疫課長時に"懲戒免職"
ベストセラーとなった お役所の掟、お役所の
御法度、在日日本人 に続く著作.
--------------------------------------------------------------------------------
講談社 1600円
97.3.10 初版
--------------------------------------------------------------------------------
もうなんだか熱がひいてしまったような感じのする
薬害エイズ事件 の話を 厚生省の内部にいた著者が
知り得た情報を元にかなり詳しく書いていいます.
この本は、エイズ問題をはじめ、いわゆる官僚体制
を批判しています.そして、その結果として
自分の懲戒免職というとばっちりを食う事になります.
そのへんの詳しい記述もあって、なかなか面白い
内容になっています. 厚生省で この著者に関係した
人は相当の 苦虫を噛み潰しているでしょうが....

著者の官僚体制批判は 日本語だけでなく 英語/フランス語
ドイツ語、そして イタリア語にも翻訳されているようです.
お役所だけでなく 、日本株式会社はおしなべてにたような
体制と文化になっていると指摘しています.
日本的ムラ社会は、”何もしない人間" が"労働する人間" を
管理しており、そうした人々の生活様式は " ヒマなし生活"
であると表現しています.

この著者は、厚生省という一つの官僚体制と真っ向から
戦った人で、 結果として 懲戒免職という "負け"
をおいましたが、代わりに"自由" と、内外からの賞賛
という"勝ち" を得たようです.

読んでいると、「全くそうなんだよなあ、お役所って...」
なんて思いつつ、よおく考えてみると、なんだか自分の
生活のかなりの部分も そういう文化に侵され、馴らされ
そして、子供にも伝搬させているような、そんな
気もしたりして....

面白おかしく読めます.

宮本政於の本をお読みになってないかたは
この本か、【お役所の掟】 がオススメ
イアン アーシーの"おえらがた 政財官の国語塾" と
合わせて読むと結構楽しめます.
--------------------------------------------------------------------------------
お薦め度
☆☆☆☆☆

真之助 メ

Posted by webook at 1997年04月07日 15:18