【考える力を付ける本】
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轡田隆史 (クツワダ タカシ)
1936年東京生まれ
早稲田政治経済卒
現 朝日新聞論説委員
朝日夕刊の素粒子 を88~96まで執筆
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三笠書房 1300円
97.1.25 1刷
97.2.26 9刷
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"考える"ということに対する哲学的な内容の本です.
哲学と言っても、堅苦しいことではなく この著者が
毎日 新聞にものを書くという仕事をするなかで体得
された知恵を紹介しているものです.
物事をつねに”ナゼ?”という疑問詞でみるようにし
ものごとを常に "書くように"見ることで、自分の知恵
を高め、生きる意味をみいだしてきた....そんな感じの
内容です.
本を買うときは、"この本買ってみようかな、でも 又
社の帰りにでも..."なんて思ったらもう一生その本とはあえない.
その時にすぐ買え! とか
いい問いかけのしかた、辞書の使い方、本の読み方、
メモの作法、オリジナルな発想の仕方など
非常に具体的(sample、推奨など多い) な事例を
のせており、"考える"人間になるためのノウハウ的な
活用もできる実用性もあります.
8年間 かかさず 朝日新聞夕刊 の素粒子 欄を執筆して
きただけあって、この人の読書量ははんぱではなく
情報獲得の術はプロです.そして やはり 行き詰まる
事もあり、その時は 中途半端でなく、全く頭を空に
できるような気分転換をするのだそうです.
興味深いことに、この種の物書きの人は 結構、"辞書"
というものを利用しているようです.著者が自宅に
配備している辞書は70冊以上もあり、お風呂とトイレ
以外のあちこちにおいてあるそうです.
そして、曰く
- 後で調べようの "あと"は永遠にやってこない
- 辞書は"引く"だけでなく"読む"楽しみもある
-当たり前の言葉も 辞書を引くと 新たな発見がある
んだそうです. 同感ですね.
そしてもう一つ興味深いのは 時間の使い方です.
『私たちは 、2つの時間を生きている.一つは人間と
しての自分の時間.もう一つは、仕事と言うものが
否応なしにおしつけてくる時間である.あさトイレの
中の時間は 自分の時間であるはずだが、電車の時間を
気にしなければならない"おしつけられる時間"でもある.
多くの人は、こんなふうに早朝から自分のものでない
時間を生きてきる.....』
そこでどうするか?
『会社につくまでの時間を自分に生かす.駅の手前に
広がる公園を横切りながら、ドングリの実から縄文人
の記憶を想う.---こんな余裕は早起きして ちょっと
時間の余裕をもたないと不可能ですね----
職場でも 頭の中で昼寝 !(仕事に息詰まったら、仕事と
全く違う世界の事を考える)をする....ナド』
結構、いいねえコレ なんてのが 豊富に散りばめられて
います.
素粒子 というコラムは ほんの僅かな紙面ですから、
それこそ いろんな物や視点を凝縮しなければならず
そんな仕事をしてきた著者の 含蓄があふれる本です.
自分の生き方を変えたいあなたに超 オススメ
この人はできれば 直接あって 話を伺いいたいと
想う人です.
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おすすめ度
☆☆☆☆☆+☆☆
実用性ある度 5/5
人生変わる度 5/5
真之助
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--- 昨日のゴメンナサイ ---
昨日のオマケ でkey がすべって
de facto を default なんて
書いてしまい、K様から丁寧なご指摘を頂きました.
いつも やっつけworkなので、誤字や つながりの
変な文章であいすみません.
ちなみに de facto は defact ではなく de facto である
ことも勉強になりました.
de のあとにスペ-スがあり、t のあとに o が付きます.
つまり ラテン語がそのまま英語になってるやつです.
この de というのは 通常は 取り去るとか 反対のとかの
意味をもちますが、この場合は entirely とかcompletely
の意味です.
さらにおまけで、de facto (事実上の) の反対語は
de jure (日本語発音では デジュアリでしょうか)、
意味は 、法律上の です.
ころんだお蔭で ちょっと賢くなれました.
K様 ありがとうございました.....
オワビの塩焼!
Posted by webook at 1997年04月25日 15:47