1997年05月15日

【本の運命】...井上さひし97.5.15...☆☆☆☆

【本の運命】
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井上さひし
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新潮社 952円
97.4.10 第1刷
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井上ひさしの生い立ちを、本との関わりを軸にして
書いたものです.
立花 隆も凄い量の本を読んでいましたが、この方も
負けていません.
基本的にごじ分で購入するらしく、一時 自宅に 13万冊
もあったそうです.みんな読んだのでしょうか!?
年に100冊読むとして ....あれっ...死ぬまでにまにあわないやあ.
この本達は現在 故郷の山形県米沢市の近くの町に寄贈されて
います.
井上ひさしが子供の頃あった 町の図書館には たった96冊
しかなかったそうで、凄い飛躍ですね?

本を得る為の古本屋とのつき合いの話など面白おかしく
書いています.ある 題材、例えば "狸と狐" について調べる
ために 知合いの古本屋さんに頼むと それこそ日本中の本が
集まってくるそうです.買うといっても半端ではなく、月に
100万円単位で購入しているそうです. スゲエ!
といっても、それは作家として売れてからの事で、子供や
学生の頃は結構苦労したようです.(闇米を売って本を買ったり
とか..)

又、子供を本好きにさせるためには、現在の学校での "感想文"
はやめるべし.と主張しています.むしろ 写実文を書く練習を
させた方がいいと...
米国の小学校では "阿片 についてまとめてきなさい" と言う
宿題で 、生徒達は一生懸命しらべてまとめる.その時に
資料はどこでどう調べればいいとか、データの関係付けとか
まとめ方とか、表現の仕方とか いろんなことを勉強して行く
はずで、ただよんだ本の感想をかけ なんていうのは バカげて
いる..... そんな気もしますね.

井上流読書法も紹介していて、* オッと思ったら線を引く
* 初めの10page くらいはじっくり読む、* 専門的な本は目次を
じっくり睨む、*栞は 1本では足りない など 独特な発想の
話がのっています.
そのなかに 本人のメモが掲載されており、これがまたなんと
かわいい 丸文字(しかし、とても丹精)なんですね!
一見に値します!?
昔読んだ "手鎖心中"とか"青葉繁れる"とか、痛快な物語は
井上ひさしの生い立ちそのもののをだぶらせたような気がします.

因みに 父は 小説家志望の雑貨屋さん、母も文学志向のある
肝っ玉かあちゃんだったようです.

井上ひさしの本が好きな方
おすすめです.
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お進めど
☆☆☆☆

真之助

Posted by webook at 1997年05月15日 15:53