1997年06月06日

【西暦2000年 コンピュ-タ-が反乱する】...武末 高裕97.6.6...☆☆☆☆

【西暦2000年 コンピュ-タ-が反乱する】
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武末 高裕

1950年 福岡研生まれ 日大芸術学部卒
フリージャ-ナリスト
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ダイヤモンド社 1300円
97.2.20 初版
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「1999年なら 「99」というようにコンピューターは
西暦年数を下2ケタで認識している.そのため2000年は
「00」年となり、コンピュイーターは日付の前後や
期間の大小等の判断を間違ってしまう.
当然と思われた日付管理法の思いがけない落し穴.
それが2000年問題....」

この本は 業界の取材を元に、ねぜこの問題が放置されて
きたか、メーカーの責任はないのか、後 2年ちょっとしか
ない時間の中で対処可能なのか、などを
インタビューの報道番組のような わかりやすさで
書いています.

なぜ この問題が起きたか?
昔の業務システム開発の主流だった COBOL は その
spec に年は yy とする..なんて指定していたこと、
hard 的な制約(昔のコンピュ-タ-は パンチカ-ドに
より動いていて、それは 2桁年数だったこと.
メモリーが貴重だった時代、少しでも節約する工夫が
優先されたこと.
西洋の文化('76年)が影響したこと.etc

日本に於けるこの問題対処の課題は、人不足!と
過去のprogram開発の不備(仕様書がもうないとか)

対応の為のマンパワーが大幅に不足するようです
(対応可能能力 120万人月
必要数 約180万人月 差: 60万人月)
COBOL 等の言語を使える技術者が少ないこと、さらに
後ろ向きの作業 (COBOL 等 過去の遺産の為の言語処理
であり ネットワーク等の前向きの作業でないので若い
エンジニアにはいやな作業)であることなどの問題も
ある.

JAL の整備システム担当の吉田正さんもでてきます.
JALは比較的 2000年対応がすすんでいる企業として登場
します.他に、JUKIや 大倉商事なども登場.
概して、日本では この問題の原因は メーカーuser 共に
認識があまく、”いたしかたなかった事”として受け止めている.
(著者はこの点が 気に入らない!)

米国では、この問題をあきらかな メーカー瑕疵としてとらえ
"BUG" という呼び名で対応している.
日本では、"当時 30年年も先の事を想定してシステムを設計
しないのだから、-しかたないこと- です" というような
逃げの姿勢はない.

業界の人の生の声をいれて改定るので結構面白く
読めます.

2000年問題を自分のパソコンで確かめた方
問題を先送りにしやすい方?
おすすめです
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おすすめ度
☆☆☆☆
真之助

Posted by webook at 1997年06月06日 16:31