2002年02月21日

【天使は森へ消えた】..ヨハンナ・シニサロ ★★★★☆+森の妖精

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★ Webook of the Day のテーマ = 本の中の不思議なパワーを探しだすこと★
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★ 【Webook #2002-027】 2002/02/21(木) ★
★ “いぬを飼う夢をみた”の木曜日  ★
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ξ  
▲▼▲   北欧でも春の蠢きがあるのでしょうか・・・
Web ◎◎ k  ムーミンが生まれたのはフィンランドの国。
| △ |    今日はそこにある幻想的で不思議な森へご招待。
\σ/_   迷子にならないように・・お気をつけてぇ
|Y)    
< \                 真之助@ここはどこ?
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= もくじ =

    ◎ 本日の一冊:【 天使は森へ消えた 】
    ◎ 編集者の声:【 サンマーク・佐藤理恵さんのお便り 】
    ◎ カラコラム:【 毎日1分!英字新聞 】

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■□ …‥・・ ・ ・ 本日のWeb●●k ・ ・ ・ ・ ‥… □■
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■著書名:【天使は森へ消えた】

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■ジャンル:小説
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■著者:ヨハンナ・シニサロ(Johanna Sinisalo)
1958年6月22日フィンランドのラップランド、ソダンキュラ市にて生まれ
  る。タンペレ大学文学部演劇科出身。30冊以上のSF小説を上梓する一方
  フリーランスの広告プランナー、テレビ・ラジオのシナリオライター等多
  彩な活躍をしている。フィンランド最高のSFとファンタジー小説に授与
  されるアトロックス賞を1985,1988,1990,1992,1993,1996年、そして
  2001年には本書で授賞した。趣味は天文学、料理、森林散策と登山、文学
  とマンガ。
 訳者:目莞ゆみ(めい・ゆみ)
  フィンランド語仏語英語翻訳。主なフィンランド語邦訳書は、エッシ・サ
  ルミ『妖精がいた夏』(近代文芸社)、セッセ・コイヴィスト『春は八月
  に来た』(彩流社)、フィンランド文学協会編『ロウヒのことば』
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■出版社:
 サンマーク出版/ISBN4-7631-9424-0/1700円/256P
2002/02 /20 第1刷
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■ <ワン・チョット>

「艶めかしく、ファンタジックで、ショッキングな、異次元の森。」

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■ <忙しい方はここだけ>

森の国フィンランドといえば、ムーミン。(あ、ムーミンって知らない人も多
いかもね・・こんなやつ→ http://www.finnair.co.jp/moomin/index.html )
北欧の自然と伝説が生み出し、ハリーポッターにもでてくるトロール(トーロ
ル)も、同類だ。そして本書に出てくるペイッコという不思議な動物も同じな
かまである。伝説の世界と現実の世界の狭間に生きるペイッコが、本書のナゾ
に満ちた幻想的な森へと導いていく。
ペイッコは、<妖怪>でもあり<妖精>でもあり<ネコザルみたいな動物>で
もある。

本書は、ある意味で画期的。
ひとつは、ストーリーが登場人物の一人称で語られて進行するところ。初めは
、登場人物がみんな「私」のポジションで進むから面くらうが、分れば納得。
そしてもうひとつは、ストーリーに関連があるような、ないような新聞記事や
本の一節などが随所に散りばめられるところ。物語と脈絡なく存在するのでは
なく、微妙に物語の展開を誘導したり、なぞを深めたり・・・読者を翻弄しな
がらも導くという実にニクイ構成をとっている。
神話と文明、自然と文化の遭遇物語は、動物や人間のフェロモンがぷんぷんす
るような展開をする。

主人公のエンケリは、グラフィックデザイナーで、美男子、ちょっとホモっけ
もあったりする危なげな存在だ。そして彼はふとしたことでペイッコという動
物を拾うことに・・。それは、人間に似た姿に進化した未発見動物!、妖精の
ような魔物のようなそして人間のようなトロッルの一種だ。

森に帰る天使とは、いったい誰だろう?・・と読み進むと、それはこのペイッ
コであるような、あるいは主人公のエンケリでもあるような・・・。
幻惑されるような妙な感覚が読後にずっと残る不思議な小説だ。

森は深い・・・!
どうぞ、迷わないように読んでください。

おすすめ度は、★★★★☆+森の妖精
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■ <お暇な方は、もう少し>

物語の雰囲気をちょっと・・・

主人公は、美男子でグラフィックデザイナーのエンケリ。彼は、ある夜、帰宅
の途中で赤く輝く目をした小さな生き物を拾う。何かネコ科の生き物、あるい
はか細い少年のようにも見えたそれは、フィンランドの森の奥深くにすむと言
われる伝説の魔物・ペイッコだった。

 ペイッコのイメージは、本を読む読者がそれぞれ想像したいところだが
 たとえば、こんな感じ・・・(ちょっと違うか?)
   http://www.kolumbus.fi/merja.nousiainen/mella.htm

エンケリは、ペイッコを自分の部屋に内緒で飼う(一緒に暮らす?)ことにな
る。獣医のスパイディ(女性)や、同じアパートに住むフィリピン娘・マロミ
タ、広告代理店のエリートのマステルなどとの関係がストーリーのメインスト
リームとなって描かれる。
人間のなりわいの中に迷い込んだペイッコは、しばし、エンケリと不思議な共
同生活をすることに・・・。
しかし、「ペイッコの赤く光る瞳が野生にきらめいた瞬間から」何かが崩れて
いくのだった。

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| | http://www.sunmark.co.jp/index-korekara.html
| ↓
|  編集担当・佐藤理恵さんのおたよりが Publisherコーナーにあるよ!
|   この本を読むんだったら、絶対みてね!
|
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|
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北欧の森の奥深くからやってきたペイッコ、それは悪魔、それとも天使?
著者の母国フィンランドでは大ベストセラーとなったサイエンス・ファンタジ
ー・ノベル、その不思議な魅力を堪能したい。

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■ <読んで欲しい方>
  大人の方
  北欧にあこがれてる方
  ペットを飼っている方、飼いたい方
  自然保護に関心のある方
おすすめです。
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■ <オススメ度>

★★★★☆+森の妖精

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■ <がまんできなくなった方はこちらへ>

●楽天Webook ( http://go.iclub.to/peikko/ ) 購入可
●BK1   ( http://go.iclub.to/peikko1/ ) 購入可
●Book Chase ( http://www.php.co.jp/book/ )
●富士山・コム ( http://www.fujisan.com/webook/book/index.html )

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■□ << 今週のwebook list >> ・ ・ ・ ・ ・・‥… □■

2002.02.22[金]:【】..

2002.02.21[木]:【天使は森へ消えた】..ヨハンナ・シニサロ
サンマーク出版/ISBN4-7631-9424-0/1700円/256P
★★★★☆+森の妖精
2002.02.20[水]:【[図解]コレならわかるシックスシグマ】..6σ研究会
 ダイヤモンド社/ISBN4-478-37281-0/1500円/167P
★★★★+日本生れ米国育ち
2002.02.19[火]:【40歳からの人を動かす「表現力」】..中島孝志
 講談社/ISBN4-06-264177-1/1300円/246P
★★★+泥かぶら
2002.02.18[月]:【一周おくれのトップランナー】..松原武久
 KTC中央出版社/ISBN4-87728-233-9/1200円/287P
★★★★+価値葛藤
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■□ < Web●○k from the Publisher > P#2002-03 ・ ・ ・ ‥… □■

 今日の本の訳者あとがきに、編集を担当した佐藤理恵さんのことが附言
 されています。
 その佐藤さんとのメールのやりとりが、きっと、本書を読むときとっても
 参考になるのでは・・・と思い、佐藤さんのご了解を得て掲載します。
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松山真之助様

それでも森から無事に抜けてこられて、よかったです(笑)。
なんたって訳者さんも迷うフィンランドの森。
フィンランド語は「彼」も「彼女」も同じ「Han」という単語なので、
  (a にはウムラウトがついています)
うっかりするとフィンランド人でさえも間違うのです。
訳者さんも最初 エンケリをてっきり女だと思って訳していた
らしいのですが(まあ、彼は原著の版元の担当が「とっても
フェミニン」というくらいですし…悪く言うと「女々しい」…文章に
天使のような美貌とかあって、しかも付き合っているのが男、
ときたら主人公は女だと思っても仕方ないですよね)、
あとで「ん? 何かがおかしい」と気づき、もう一度訳しなおした
らしいです。リーディングを手伝ってもらったフィンランド人も
最初エンケリを女だと思っていたそうですから(笑)。

  >  最初、登場する人物がみんな 「私」モードで
  >  話がすすむから、いったい誰が「私」なんだぁ? なんて
 >  思っちゃいました。(笑)
そーうなんですよねえ…。
なので、原著にはないのですが、登場人物紹介もこちらで
作って 入れてしまったのです。でないと本当にわからーん!
なのですよねえ。

  >  それと、挿入される記事やニュースや本が脈絡あるような
 >  ないような、いったい何なんだぁ? って思いました。
 >  はじめ・・。
私も思いました(笑)。
訳者さんには「長いところはなるべく短く 思いっきり意訳して
ください」とお願いし、少しだけカットもし、手を入れました。
物語を読み解くのに資料はある程度いるのですが、でも話が
展開する前にあんまりたくさんよけいなものがあると、読者は
「読むのめんどくさい、やーめた」ってなっちゃうと思ったので、
訳者さんに無理やりお願いしたのです。なるべく全部訳したい
訳者さんと、なるべくわかりやすくしてほしい私との間には、
実はけっこう深くて暗い河があったのでした(笑)。

真ん中ぐらいから だいぶ面白くなるんですけどね(笑)。
////// 略 /////

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 てなわけで、フィンランド語で書かれた原著を邦訳・出版するにあたって
 は、深~い森を抜けるような苦労があったんですねぇ。
「100万部売れるというよりは、1冊を100万人で回し読みしてくれてもいいか
 ら、この本を読むことで、フィンランドの人たちの考え方や文化や空気を少
 しでも感じ取ってもらえたらすごく幸せです。」という佐藤さんのオーラが
 含まれた本ですね。これ。
 書店には、そろそろ並んでいる頃のようですよ!。

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■□ < Web●○k from the Authers > A#2002-06 ・ ・ ・ ‥… □■
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■□ < Web●○k from the Readers> R#2002-02 ・ ・ ・ ‥… □■
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■□ <しんのすけのカラコラム>C#2002-027【毎日1分!英字新聞】‥…□■

 英語がうまくなりたーいって人は、実に多い。日本人の願望の中では
 多分ダントツではなかろうか・・・。
 ちなみに、まぐまぐの学校・教育関連ランキングのトップ10のうち9つ
 までが英語のメルマガである。しかもその登録者数は半端ではない。
そんな中で、僕はこのメルマガが気に入っている。登録しちゃった。

  ● 毎日1分!英字新聞  
      http://www.ka-net.com/magazine.html

 石田さんという方がやっている。毎日!かかさず!

 継続は力なりとはいえ、継続できる“気楽さ”“低いハードル”が見える
 とうれしい。毎日20分間英語をやれといわれるとムムムだけど、1分間
 なら・・と思う方は多いのではないだろうか。
 英字新聞(USA Today, NY Times, Wall Street Journal等)から記事を抜き
 だし、その意味や背後の事情などを解説。英語力のほかに国際情勢もゲット
 できるのがいい。
 みなさん、がんばりましょう!
             しんのすけ@TOEIC800-AG3
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 ★ 発行は 『まぐまぐ』( 969) と  Pubzine (14941) です。
 ★ 土日祝は、家庭内平和維持活動(FPK)のためお休みです。
 ★ 記事の転載/引用をされる場合は真之助までご一報ください。
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ξ  .   .    
▲▼▲   .         ポチ、森へいこう!
Web ◎◎ k          わん。   
| △ | ,_,       またあした。
\O/ ___(..)
<|ト---- ゝ____●
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Posted by webook at 2002年02月21日 20:19