2002年07月01日

【システム障害はなぜ起きたか】..日経コンピュータ編 ★★★★☆+みずほの教訓

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ Webook of the Day のテーマ = 本の中の不思議なパワーを探しだすこと★
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ へ へ ★
★ ━━ ★ WeB◎.◎K of the Day ★ ━━ ★
★ ★
★ 【Webook #2002-085】 2002/07/01(月) ★
★ “いよいよ7月”の月曜日   ★
★ http://listen.to/webook               ★
★ http://webook.plaza.gaiax.com/ ★
★ 解除は: http://webook.plaza.gaiax.com/touroku.htm ★
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 Web. . 。 o O 〇 K !
----------------------------------------------------------------------
   COOL! 新しい情報メディア誕生!
http://www.headlinetoday.co.jp/index.html
HOT!
----------------------------------------------------------------------
Web. . 。 o O 〇 K !
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ξ
▲▼▲ みずほファイナンシャルグループは、システム構築の
Web ◎◎ k  失敗事例として、社会に大きく"貢献"した。
| △ | 他山の石とすべき企業は、ほかにも多いはず。
\e/ 本書は、その学ぶべきポイントをまとめたものだ。
^□~ では、覗いてみましょう。
/>      真之助
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Web. . 。 o O 〇 K !
======================================================================
= もくじ =

  ◎ 本日の一冊:【 システム障害はなぜ起きたか 】みずほの教訓
  ◎ カラコラム:【 ブラジル優勝 】

======================================================================
■□ …‥・・ ・ ・ 本日のWeb●●k ・ ・ ・ ・ ‥… □■
----------------------------------------------------------------------

■著書名:【システム障害はなぜ起きたか 】みずほの教訓

----------------------------------------------------------------------
■ジャンル:ビジネス、システム
----------------------------------------------------------------------
■著者:日経コンピュータ編
----------------------------------------------------------------------
■出版社:
日経BP社/ISBN4-8222-0783-8/1400円/191P
2002/5/30 第1刷  6/20 第3刷
======================================================================
■ <ワン・チョット>

「失敗も成功も、要するに経営トップのマジさ加減で決まる。」

----------------------------------------------------------------------
■ <忙しい方はここだけ>

2000年4月に起きたみずほファイナンシャルグループのシステムトラブル
は、多くの人の関心を呼んだ。なにせ自分の銀行口座がひょっとしたら間違っ
てるかもしれない・・・なんて不安があったのだから・・。
僕も、旧第一勧銀の口座があったので記帳を確認したり、電話をしたりと多く
の不安な顧客の一人を演じた。(とりあえず、無事だったみたいだけど・・)

日本の場合、マスコミも監督官庁も悪いヤツをここぞとばかり叩きにたたく。
それは、非難することが自分の存在を主張できる唯一の手段みたいに思ってい
るからじゃないの?なんてうがった見方をしたいくらい・・・。

本書は、『みずほの悲劇』を教訓として生かすために、システム障害に関する
問題の構造を明らかにし、今後もたくさんあるであろうシステム統合を成功に
導くためのヒントを与える本である。

ひとことで言えば、みずほ問題は、「技術の問題ではなく、経営の問題」であ
ったという。なぜなら、システム統合は、単にコンピュータシステムを統合す
るものではなく、業務やサービスを統合することと直結していることであり、
まさに経営問題なのだから・・。

しかも、悪いことに(日本の多くの企業にも共通することだが)、システムが
肥大化し、老朽化してきていることも背景にある。全体は誰も分からないくら
いごちゃごちゃになっているのだ。(IT業界の人はこれをスパゲッティ状態
という)
そういうところへ、経営トップの(ITへの低い認識ゆえの)システムの価値
もリスクもわかっていない・・・という致命的な症状が加わることになる。

今回の悲劇は、3行(第一勧銀、興銀、富士銀)の頭取が「情報システム部門
に統合計画を策定させたところ」に諸悪の根源がある、と本書は分析する。
最も大事なことを、「よきにはからえ式に扱った」ところに、事件の根っこが
あったわけだ。

本書では、みずほケースの詳しい分析のほか、東京銀行と三菱銀行のシステム
統合の成功事例(畔柳常務が陣頭指揮)などもあり、システム統合における経
営トップのリーダーシップとプロジェクトマネジメントの大切さを浮き彫りに
する。

人のことは笑えない・・・そう思っている企業は多いはず。他山の石として自
省の機会をみずほは与えてくれたのだ。
みずほを他人事と思わず、自社の状況に生かすために経営者に読んでほしい一
冊である。

おすすめ度は、 ★★★★☆+みずほの教訓
----------------------------------------------------------------------
■ <お暇な方は、もう少し>

「システム統合は、ITの専門家でないと判断できないくらい複雑で専門的で
ある・・・」と、もし、経営者が口にしたらそれは経営者失格である。
どんなことも真剣に取り組めば自分の言葉で扱える「自分の課題」になるはず
である。ただ、やらなかっただけ。

多くの企業には情報システム部というのがあるが、その部署は意外にままこ扱
いだったり、日陰部署だったりする。そこには経営の姿勢の問題が潜む。
ITはただツールに過ぎないのだから・・などという認識をもっているなら、
その会社はヤバイ。お客様が即困ることにつながるのだから、それは経営が力
をいれて取り組むべきであろう。
日本企業でCEOとかCFOとかと同様にCIOを重責として<本気で>扱う
企業がどれだけあるだろうか・・・・

本書は、そんな経営姿勢に一石を投じている。

では、どうしたらいいだろうか・・。(本書から感じとったことをまとめ
てみると)

 *まず、直面するシステム統合を経営問題として認識することである。
  状況はどうか?部下にしつこく聞くことが経営問題としての認識では
  ない、方針や現場にまかせられない問題を自ら判断していくことが
  経営問題として認識するということである。

 *経営とシステム部門が太いパイプで結ばれている仕組みーたとえば
  システム部門担当役員は後のトップ候補・・とかの人事方針を導入。
  会社のエースをシステム部門のトップに配置する。(人事の問題)
  (東京三菱銀行は、この好例らしい)

 *トップは、システム統合に真剣だよ・・というのを態度で見せる。
  たとえば、社長や頭取は、システム統合の現場を訪問して激励する。
  (激励とは、どうですか、はいそうですか ではない)

 *プロジェクトオフィスを設置する。
  プロジェクトマネジメントは、プロジェクト成功の要諦であり、そ
  れは人材にかかっている。一番できるスーパーSEを配置し、その
  人と統括役員が一体になって進める。その組織体としてプロジェクト
  オフィスを設置する。


__________________________________
@ 戻る 教訓  表紙 購入 検索 || http://listen.to/webook/ □
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄↓ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | http://www.trc.co.jp/trc/book/book.idc?JLA=02027869
| ↓
|  関連記事:
|   http://itpro.nikkeibp.co.jp/special/mizuho/
|
|            => Back to 書籍
|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本書の執筆にかかわった戸川記者は、一度僕もインタビューを受けたことがあ
る。ひょうとした雰囲気に、どうしてあんな鋭い考察が生まれるのだろう?と
思ってしまう。そんなところが戸川記者の不思議なところだ。

動かないコンピューター撲滅の十か条というのがある。

 1)経営トップが先頭に立って、システム導入の指揮をとり、全社の理解を
   得ながら社員をプロジェクトに巻き込む。
 2)システム会社を下請け扱いにしたり、開発費をむやみに値切ったり
   しない。
 3)複数のシステム構築会社を比較し、最も自社の業務に精通している業者
   を選ぶ。
 4)自社のシステム構築に関する力を見極め、無理のない計画を立てる。
 5)システム構築会社とやり取りする社内の責任者を明確にする。
 6)要件定義や設計など上流工程に時間をかけ、要件の確定後はみだりに
   変更しない。
 7)開発の進み具合を自社で把握できる力を身につける。
 8)検収とテストに時間をかけ、安易に検収しない。
 9)システムが稼動するまであきらめず、あらゆる手段を講じる。
 10)システム構築会社と有償のアフターサービス契約を結び、
   保守体制を整える。

10か条あるが、1)だけ覚えておけばよいだろう。それが全てを決すること
になるから・・。
本書の一番いいたいところもこの一点にフォーカスされている。

みずほグループの方は、肩身が狭いかもしれないけれど、世の中にこうしたよ
い事例を提供したと思えば、落す肩もすこし元気がでる。

失敗に学ぶ姿勢が大切。なかなか、ないんです・・・そういう姿勢や仕組みが
・・世の中には。ここんとこは、日本国の問題ですなぁ・・。

----------------------------------------------------------------------
■ <読んで欲しい方>
  企業統合などの最中のかた
  会社のシステムを大きくかえる状況にある方
  経営者の方
おすすめです。
----------------------------------------------------------------------
■ <オススメ度>

★★★★☆+みずほの教訓

----------------------------------------------------------------------
■ <がまんできなくなった方はこちらへ>

●楽天Webook ( http://tinyurl.com/iy0 ) 直接購入可
●BK1   ( http://tinyurl.com/iy1 ) 直接購入可
●Book Chase ( http://www.php.co.jp/book/ )
●富士山・コム ( http://www.fujisan.com/webook/book/index.html )

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■□ << 今週のwebook list >>     ・ ・ ・ ・ ・・‥… □■

2002.07.05[金]:【】..
2002.07.04[木]:【】..
2002.07.03[水]:【】..
2002.07.02[火]:【】..
2002.07.01[月]:【システム障害はなぜ起きたか】..日経コンピュータ編
日経BP社/ISBN4-8222-0783-8/1400円/191P
★★★★☆+みずほの教訓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■□ < Web●○k from the Publisher > P#2002-06 ・ ・ ・ ‥… □■

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■□ < Web●○k from the Authers > A#2002-14 ・ ・ ・ ‥… □■

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■□ < Web●○k from the Readers> R#2002-02 ・ ・ ・ ‥… □■

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■□ <しんのすけのカラコラム>C#2002-085【ブラジル優勝】  ‥… □■

 熱狂のワールドカップも昨日で幕を閉じた。
 最終戦は、ブラジル対ドイツ。どちらを応援されたでしょうか・・?
 ロナウド・ちゃんはすごかったですねぇ。
ドイツのGKカーンもよく頑張りましたが、ブラジルがそれを上回っ
 たようですね。
 ブラジルのTV放送では、イングランドさんサッカーを発明してくれて
 ありがとうとか、審判さん味方してくれてありがとうとか
 明るいブラジルの国民性そのままのコメントをしていたようです。
 4年後はドイツでの大会。また楽しみですね。

           しんのすけ@俄かファン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼
----------------------------------------------------------------------
 ■ バランス・スコアカード メルマガNo3 : Pubzine 18104 □
 □ バランス・スコアカード MLスタート : BSC_Users@eGroup ■
----------------------------------------------------------------------
 ▼
  -------------------------------------------------------------
  ★ 発行は 『まぐまぐ』(969) と  Pubzine (14941) です。
  ★ 土日祝は、家庭内平和維持活動(FPK)のためお休みです。
  ★ 記事の転載/引用をされる場合は真之助までご一報ください。
  -------------------------------------------------------------
 ▼
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ξ (配信操作忘れ・・)
▲▼▲ ブラジルが優勝でしたね。
Web ◎◎ k ドイツもよくやりました。
| △ | 韓国も日本もよかったです。
\@/ またあした。
<|ト .. . O
> ̄ 真之助@Webook of the Day
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Web .. . . 。 o O 〇 Kuribako ・ ・ ・ ‥…★
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Posted by webook at 2002年07月01日 00:07