日本流
仕事はしあわせの種まき
著者:長谷川裕一
ダイヤモンド社|2003年 07月 |ISBN:4478321035|206P|1,400円
<てとてをあわせてしあわせー。なぁーむー>
と書けば、多くの日本人はあのリズムが頭に浮かぶ。そう、お仏壇のはせがわぁーである。
すっかり耳になじんだあのコマーシャル。もうすでに20年以上も続いており、現在、CMの女の子は3代目だという。おそらく広告訴求率はダントツにちがいない。
その株式会社はせがわの社長、長谷川祐一さんが書き下ろした軽快な生き方論の本である。長谷川社長のビジネス論でもあり、日本の文化論でもある。基本は仏教の教えに根ざしているが、なんとも心にしみることが書かれている。
たとえば・・・
レストランで無愛想なウエイトレスにあたっても、文句で返すよりさわやかな挨拶やほめ言葉で接したほうがよほどいい・・などなど。
驚くことに、社員1200名ちかくの優良企業になった今も、社長、専務ほか役員の方もトイレのお掃除をされるそうだ。(なんと!) お仏壇というモノを商売にしていては決していまの<はせがわ>はなかった。心をいかにこめるか・・そんな原点があちこちに書かれている。
長谷川さんは、この本のキモを八正道です・・とお話くださった。8つの正しい道のことである。
正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定。
人それぞれに何かを感じ取れる本だ。おすすめ!
先日、この会社のバランススコアカードの研修会でお邪魔させていただいた。
長谷川社長にお会いして、名刺交換の後、いきなり・・・
<なんてさわやかな方でしょう!>
と僕に素敵な言葉を投げかけてくださった。少々てれくさかったが、瞬間に心が開いた感じがした。ようこそ・・・という気持ちがものすごくストレートに伝わってきたからだ。ここへきてよかった・・そんなOpenな気持ちにいっぺんになってしまった。ただそのひとことだけで!(驚き!)
本をいただき、読み進めるうちに、現在の?はせがわの経営のすばらしさのわけがよくわかった。長谷川裕一さんの生き方そのものだとわかったからだ。
本書には高校のころ番長の態度が変わったエピソード、タクシーに乗ったときの挨拶・・・など
著者の原点がわかるお話が多くある。