小さな会社・社長のルール
ランチェスター経営成功への実践手法
著者:竹田陽一
フォレスト出版|2003年 07月|ISBN:4894511509|246P|1,400円
中小企業白書をみるとわかることだが、日本の企業の98%は、社員100人以下の中小企業である。本書は、そうした小さな企業に対して、大企業向けの強者の戦略ではなく、弱者の戦略で行こうと説く。武田さんはランチェスター理論に入れ込んでいる方だ。
イギリスのフレデリック・W・ランチェスターは1914年(第一次世界大戦がはじまった年)に二つの法則を発表しているらしい。もともとは戦争理論だったが、それを経営に応用するようになったのは日本だという。競争条件が有利な会社が使う<強者の戦略>と、競争条件が不利な会社が使う<弱者の戦略>である。
当然(?)、中小企業は弱者の理論だ。
著者は、公認会計士やコンサルタントが嫌いである。その理由は、彼らは大企業向けの強者の理論しか言わないこと、また1円の儲けも生まない会計が大事だと主張することである。
本書では、利益を生み出す源泉の<お客様>を起点に考えること、経営の全体像を捉えること、ウエイト付け、実行計画などを考えることなど、とても合理的な考え方を説いている。ある意味でBSC(バランススコアカード)的でもある。
「社長が業績の98%に影響する。」「営業関連+商品対策=お客づくり関連に経営力の80%を投入しよう。」など、なるほどと思わせることが光っている。
この方、入れ込み指数の高い面白いおじさんである。いいねぇ。
Posted by webook at 2003年08月19日 06:49