あぁー、あれはそういう話だったんだぁ!
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著者:小川義男
樂書舘/中経出版|2003年 07月
SBN:4806118206|1,000円|173P
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樋口一様=たけくらべ、金色夜叉=尾崎紅葉、浮雲=二葉亭四迷・・・
僕たちは入試勉強でこんな結び付けを覚えた。
浮雲ってどんなストーリーなんだろう?
たけくらべってどんなこどもがでてくるのかなぁ・・
なんて思ったが、それを実際に読むゆとりはまったくなかった。
ところがである。この本、それらのあらすじを現代文で、しかもとても
わかり易く読ませてくれるのだ。これはもう「福音」ですね。
そうだったんだぁー・・・がいっぱいである。
100年くらい前の作品が、こんな形で読めるというのは、ほんとうに
素晴らしいことである。この本の企画に(100ブラボー)。
さて、印象的な作品。
泉鏡花の「高野聖」・・・妖女の色香に負けた人間(男)がカエルや馬
にされて登場する。うーん、こういう内容だったのぉー!と正直驚いた。
なかなか面白い作品である。水木シゲル氏も読んでるだろうな・・。
もうひとつは「蟹工船」。時代背景を映した状況が非常によくわかる。
生きのこるためのエネルギーが雄叫びのように聞こえそうだ。
宮さんの金色夜叉も、菊池寛の恩讐の彼方にもおぼろげにしか知らなか
ったストーリーだが、あらすじがよ~くわかったねぇ。
『浮雲』二葉亭四迷/『金色夜叉』尾崎紅葉/『五重塔』幸田露伴/
『たけくらべ』樋口一葉/『高野聖』泉鏡花/『不如帰』徳富蘆花/
『高瀬舟』森鴎外/『彼岸過迄』夏目漱石/『蒲団』田山花袋/など
28の作品は、明治から昭和にかけてのどれも歴史的な文学作品。
はずかしながら僕は、一冊も読んだことがなかった。そして、こんな
風に味わえるとは思いもよらなかった・・・。
あらすじを纏められた山田君代、大坂豊子先生に心から感謝!。
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★★★★★+時を越えて甦る
・受験勉強がなつかしい方
・歴史的文学作品にふれてみたいとずっと思ってた方
・ポケットに教養をいれたい方