2003年09月30日

■まあ、そこへお坐り(山藤章二)

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   顔に関しては私は専門家である。
   ひと理屈こねさせて貰う。

まあ、そこへお坐り

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  |著者:山藤章二
  |岩波書店|2003年 08月
  |ISBN:4000021559|1,800円 |
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 当代一の「戯れ絵師」とは、山藤章二さん。週刊誌などでその似顔絵をみた
 ことのねえ人は、まずいねぇだろうな。なぁ、そこの・・・。
 このおやじ、気は弱いのに頑固でパソコン嫌いときた。みずから「ずれ爺」
 と呼んでるようだが、要するに早すぎる日本の変化に違和感(ズレ)を覚え
 てるってことだな。
 さて、そのずれ爺が、野球、政治、人情、流行語など世の中の「なんだかよ
 くわかんねぇが、ちょいとヘンだぞ」と感じていることを辛口のエッセーに
 まとめた本がこれだ。

 実におもしれぇ。ちょこっとさわりを教えてやっから、まぁ、そこへお座り。

 戯れ絵師の描く、似顔絵はとこどなくその人物を風刺していたり、ちゃかし
 たりする・・・その味付けがなんともうめぇ。文章も同じだ。なんとも言え
 ねぇデフォルメがあるんだなぁ、これが。
 本人は、東京芸大を目指したが生来の戯れ心が災いしたのか見事すべった。
 代わりに入ったのがタマビよぉ。しかし、それが返って幸いして今の戯れ爺
 につながるってんだから、世の中不思議なもんだってんだ。

 顔の専門家というだけあって、顔を表現する言葉もピカ一だ。歴代首相につ
 けたあだ名がおもしれぇ。たとえばよ・・
   鈴木善幸さん = 大工道具の墨つぼ
   竹下登さん  = 熊手についているセルロイドのお面
   海部俊樹さん = 上目遣いのキューピーさん
   羽田攻さん  = 町工場の半そで社長
   村山富市さん = リアルに作りすぎた翁の能面
 だはは・・・いい線いってるぜ。

 顔には<顔だち>と<顔つき>があるってんだな。顔立ちは、生まれつきの
 造作だ、顔つきは、当人の意志や努力、生き方といったものが加わったもの
 だというわけだ。顔つきがスポーツの話に飛ぶと、これまた面白い。
 松井、中田、イチロー、野茂・・・どうだい、彼らの毅然とした無愛想顔。
 そうなんだ、スポーツの真髄は「真剣さ」にあり、かれらの顔つきは何かを
 物語っているっていう気がするじゃねぇかい。

 戯れ爺の辛口世評は、なかなかいける。一本、あいや一冊いっとくかい?
 えぇ、そこのだんな。   (今日は戯れ爺のノリでお送りしました)
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   ★★★★★+戯れ爺

 
   ・世の中へんじゃぁという方
   ・人の顔つきが気になるという方
   ・人の顔をほっといてくれという方

Posted by webook at 11:28

2003年09月29日

■【「心理系の仕事」を見つける本(松本すみ子)

sinrikeinosigoto.jpg

同じ目線で聴く、聴く、聴く。そして応援する。

「心理系の仕事」を見つける本

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  |著者:松本すみ子|中経出版|2003年 09月
  |ISBN:4806118761|1,400円|
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 心理系の仕事・・・といわれて何を想像するだろう?
 カウンセラー・・・当り! でも、それだけじゃない。心がちょっとカゼ
 気味になるのは誰にでもあることで、それを脱する援助をするのがカウン
 セラーだが、職業としてはいろいろある。
 臨床心理士EAPカウンセラー、キャリアカウンセラー、産業カウンセ
 ラーなどなど。

 本書は、女性管理職やシニアなどへのカウンセリングを事業として立ち上
 げた(有)アリア代表の松本さんの本だ。自身の経験や、社会人からカウ
 ンセラーに転職した8人の体験談などを織り込み、カウンセラーの実態や
 それ を職業として志す人のためのガイドとなる本だ。

 人と真正面から向き合うことがこの仕事。
 大切なことは何だろう?
 資格? それも大事だが、もっと大切なことがある。
 「相談者の悩みや問題を同じ目線で共感的に聴き、その問題の根源にある
  ものが何かを相談者とともに探り出し、最終的にクライアントが自分自
  身で立ち上がり、問題を解決していけるように支援する」
 という心構えだ。言うは易し、行うは・・・である。

 聴ける人・・が適任だねぇ。
 人の話を聴いてる途中で、「だいたいそういう問題はだねー」とか、「要
 するに君のいいたいことはどういうことなんだぁ」・・・なんていっちゃ
 う方は、不向きかも・・。

 人事マンからカウンセラーになった浅川さん、フリースクールを伊豆大島
 で開設しメールカウンセラーも行っている鴻池さんなど8人の転職組みの
 ストーリーがとても参考になる。
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   ★★★★+聴いてくれる?

 
   ・カウンセラーを目指している方
   ・カウンセラーってどんなの?という方
   ・聴くのが得意な方

Posted by webook at 07:55

2003年09月28日

■脱カリスマ経営(吉田忠裕)

yoshida=tadaoYKK.jpg
あらゆるものは、脱○○を目指す。

脱カリスマの経営
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  |著者:吉田忠裕
  |東洋経済新報社|2003年 07月
  |ISBN:4492501096|1,500円|239P
   =========================================

 あなたが今着ている洋服のファスナー・・・YKK? でしょ!。

 YKKといえばファスナー、ファスナーといえばYKK。なんとそのシェ
 アは、世界で45%もあるという。日本じゃなくて世界で!である。
 YKKは富山で創業した日本のファスナー・メーカーである。
 現在は、その事業を多角化させ、グループ連結で、建材(3500億円)、フ
 ァスナー(1900億円)となっているが、やはりファスナーの会社である。
 
 知らなかったのだが、グッチ、ヴィトンといったブランド商品だけでなく、
 NASAの宇宙服や、人工芝の繋ぎにもYKKの製品が使われているとい
 う。(66へぇ)

 吉田忠雄さんが富山で創業したこの会社、現在は、二代目の吉田忠裕さん
(本書の著者)が経営している。ケロッグ・スクールでMBAを取得した2
 代目社長である。
 カリスマ創業者の跡を継ぐのは大変である。しかし、忠裕さんは、MBA
 知識も生かしながら、YKKを改革してきた。本書は、その企業変革の書
 である。

 「土地っ子になれ」「あと紙一枚の努力をくわえなさい」「YKKでは全
 従業員が労働者であり、経営者である」などの言葉に表されるように、創
 業者の忠雄さんは、カリスマとしてすばらしい経営をした人である。その
 カリスマ創業者のあまりにも偉大な成功体験を引き継いだ二代目社長はど
 うしたらいいのか・・・そんなヒントが本書にはある。

 ミッション経営大賞を受賞したYKKの経営の進化には学ぶものが多い。
 「善の循環」という社是をかかげて発展してきたYKKの経営の秘密をさ
 ぐりたい。カリスマからの変革を進める会社の役員の方にお勧め!。
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   ★★★★+継承と変革

 

   ・社長責任体制から脱却を図ろうとしている会社の方
   ・企業変革を進めている方
   ・YKKのファスナーを身に付けている方

Posted by webook at 08:31

2003年09月27日

■やれば、できる。(小柴昌俊)

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僕の本当の幸運はニュートリノではなく、人との出会いでした。  

やれば、できる。】

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  |著者:小柴昌俊
  |出版社:新潮社|2003年 01月
  |ISBN:4104581011|1,200円| 191P
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 今日もノーベル賞受賞者の本である。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌
 俊さんだ。
 ともすると田中耕一さんのニュースの影になってしまいそうな様相があっ
 たのだが、このおじさまもとっても面白い方である。

 本書は、小柴さんが逆境を乗り越え、人の縁に支えられながらやりたいこ
 とをやってきた道のりを語ったものである。

 子供のころ小児麻痺やジフテリアにかかり体の一部が不自由になってしま
 う。それでもよい師や仲間に恵まれ、そして持ち前の<がんばり力>で、
 チャンスをものにしてきた方だ。

 経歴をみるとまさにエリートコースなのだが、「東大物理をビリで出た」
 という逸話はどうも本当らしい。東大卒業式で披露された小柴さんの成績
 表(確かによくない:笑)が掲載されている。

 どことなく愛嬌のあるこの方、なんだか人好きのする小柴さんのメッセー
 ジはこれ:

   『自分の「卵」を大事にすると同時に、多くの人との触れ合いを
    大切にしてください。』

  『自分の「卵」を大事にすると同時に、多くの人との触れ合いを
   大切にしてください。』

 さて、ノーベル賞でも狙いますか!? やれば、できる・・から。
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   ★★★★+カミオカンデ

 
   ・自分の夢をふと思い出した方
   ・あのころの夢を忘れていない方
   ・カミオカンデの模型を見てきた方

Posted by webook at 16:18

2003年09月26日

■生涯最大の失敗(田中耕一)

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 なんで私が? 43歳主任の奇跡の軌跡

生涯最高の失敗
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  |著者:田中耕一
  |朝日新聞社|2003年 09月
  |ISBN:4022598360|1,200円 |228P
  =========================================

 ノーベル賞というのは凄いパワーがある。島津製作所の一人のサラリーマ
 ン技術者を一躍時代の寵児にしてしまった。
 田中耕一さん、43歳でノーベル賞を受賞した。若い。
 田中さんは、癒し系だとか、出世を拒否した変人だとか、ネクラだとか、
 いろいろ表現されてきた。それは一瞬の映像やマスコミが作り出したキャ
 ラかもしれない。いずれにしてもこれほど身近に感じたノーベル賞受賞者
 はこれまでいなかった。

 本書は、田中さん自身が語った「タナカコウイチ」である。
 田中さんの素顔がとても親しみをもって伝わってくる。
 
 「発言することで、日本のお役にたてることもあるとわかったのです。」
 とは冒頭の言葉。社会の役にたつ技術を根っこの部分で支えている地道な
 技術者に光があたればいいなという田中さんの気持ちが現れている。

 ノーベル賞受賞の時のエピソード(実は、島津製作所には3人のタナカコ
 ウイチさんがいたらしい)や、今回のノーベル賞の内容や経緯などが、ド
 ラマチックに紹介されている。

 今回のノーベル賞受賞は、会社での同僚、業績を世界に広めてくれたコッ
 ター教授、英語の論文を書くように進めてくれた松尾先生、自分達の業績
 を公正に評価してくれたヒーレカンプ教授ら多くの人のお陰だという。そ
 んな背景を田中さんらしい謙虚なタッチで紹介している。

 受賞のテーマとなった「ソフトレーザー脱離イオン化法」についても、か
 なりわかり易く解説されている。

 田中さんの受賞が多くの日本人を元気づけた理由は、「地道でふつうのサ
 ラリーマンでもノーベル賞もらえるんだぁ」という身近な喜びにあったの
 ではないだろうか。
 これからも技術者として生きていくという田中さん、日本の多くの技術者
 や縁の下の力持ちににエールを送る本である。
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   ★★★★☆+サラリーマン技術者

 
   ・縁の下で技術を支えている方
   ・ノーベル賞がほしい方
   ・田中コウイチさんに好感をもった方

Posted by webook at 07:27

2003年09月25日

■小富豪のためのタックスヘイブン入門(海外投資を楽しむ会)

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あなたもひょっとして小富豪?

小富豪のためのタックスヘイヴン入門

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  |著者:海外投資を楽しむ会
  |東洋経済新報社|2003年 08月
  |ISBN:4492731660|1,900円 |353P
  =========================================

 Tax Haven = 税金天国 というのは誤訳らしい。租税回避地が正解だ。
 しかし、どうみても誤訳のほうがすっきりくる。そんなことはさておき、
 タックス・ヘイブンというのは、ゴルゴ13かどこかの大富豪だけの話だ
 と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

 口座開設申込書とパスポートのコピーだけで口座開設ができ、しかも最低
 ラインが億単位ではなく、60万円から120万円程度のところがあると
 いう。(それでも敷居が高い・・っていう方は、今日はここまで・・笑)

 例えば、欧州のタックスヘイブンには、チャンネル諸島にあるアビー・ナ
 ショナル・オフショア銀行などがあり、著者は、そこに日本人として始め
 て口座開設をした人である。現在3000人くらいの日本人が利用してい
 るという。 http://www.anoffshore.com/

 本書には、タックス・ヘイブンに銀行口座をもつことが、どんなメリット
 があり、どんなリスクがあるのかなど、非常に分かりやすく解説している。
 ANO(アビーナショナル・オフショア)銀行を例に、口座の種類、口座
 開設の仕方、ネットバンキングの仕方などが丁寧に開設されている。
 さらにオフショアファンドの購入方法、ポートフォリオ管理などをS&P
 (スタンダードプアーズ)ファンドサービスを例に解説。資産運用の具体
 的なノウハウを説明している。

 本書の著作グループ「海外投資を楽しむ会」のサイトはこちら:
   http://www.alt=invest.com/index.html

 ちょっと小金持ちで、海外投資をしてみようか・・なんて方には、なかな
 かいい実践テキストになる。
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   ★★★☆+あなたも小富豪

 
   ・富豪なんて僕には関係ないと思っている方
   ・資産をなんとかしたいと思ってる方
   ・ゴルゴ13になりたい方

Posted by webook at 14:07

2003年09月24日

■自信力はどう育つか(河地和子)

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子供にとって、私たちは良くも悪くも「環境」である。

自信力はどう育つか
     思春期の子ども世界4都市調査からの提言
   =========================================
  |著者:河地和子(かわち・かずこ)
  |出版社:朝日新聞社|2003年 04月
  |ISBN:4022598263|1,200円 |286P
   =========================================

 思春期の子供(15歳)の自立や自信力に関する興味深い考察の本である。
 東京、ストックホルム、ニューヨーク、北京にいる約4000人のアンケー
 ト、200人あまりのインタビュー、そして数ヶ月にわたる教室観察をもと
 に、子供たちが自立し自信をもって生きていけるようにするためのヒントを
 探ろうという本である。親子関係、学校、子供たちが描く自我像、元気な女
 子とおとなしい男子の4つの章に分けて考察が進む。

 生の声は、子供が育っていく環境としての私たち大人に大いなる示唆を与え
 てくれる。例えば、理由なき反抗期・・・などといったある種、常識的な言
 葉があるが、彼らの生の声を読めば、「決して理由なく反抗しているわけで
 はない」ことがよくわかる。

 子供との会話で、「学校どうだった?」「別に/ふつう」というすれ違いの
 会話はありがちである。ちょっとした会話の工夫や親の気持ちのあり様で、
 すれちがいの表面的会話が「心の通う対話」に進化できる可能性がある。
 そんなヒントも具体的な<生の声>として取り上げられている。

 僕がこの本から受け取った最も大事なメッセージは、「対話」ということか
 もしれない。自分の子供にも、あるいはよその子にも、聞いてあげる耳をも
 ち、そしてこちらの真摯な態度を見せることの大切さを痛切に感じた。
 あなたのことを大切に思っているんだよ!をベースに、保護し、監督し、ア
 ドバイスする親・・・なかなか難しいんだなぁ、これが。

 子供たちが自信をもち、自立した人間に成長するために、親として教師とし
 て市民の一人として何ができるか、何をすべきか・・・そんなことを考えさ
 せてくれる良書といえる。 読んで、考えたい本だ。
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   ★★★★☆+対話から

 
   ・子供をもつ親御さん
   ・学校の先生
   ・むかし子供だった方

Posted by webook at 07:50

2003年09月23日

■21世紀のブライダル戦略(高塚猛)

21seiki=bridal.gif
こんなにノウハウ公開しちゃって
  いいんだろうか!
【21世紀のブライダル戦略】
   こうすれば「勝ち組」になれる
  =========================================
  |著者:高塚猛(こうつか・たけし)
  |オータパブリケイションズ|2002年 06月
  |ISBN:4900297747|1,800円| 204P
  =========================================

 このところ、高塚さんの本がたて続けに登場するのので、<??>と思わ
 れている読者がいるかもしれない。実は、ワケありなのだ。

 しばらく前から、高塚さんにものすごく惹かれ、いろんな意味で注目し
 ている。高塚さんをいろんな角度から知りたい!それが「そのわけ」だ。

 本書は、高塚さんの4冊目の本である。
 福岡ドーム専務の大西さんのお話によれば、この本のできたいきさつは、
 こうだった・・・・。
  
  盛岡グランドホテル、シーホークホテル&リゾートの“軌道修正”を見
  事果たし、“平成の再建請負人”として注目された著者。それを真似て
  みた会社(ホテル)があったのだが、なかなか思ったようにいかない。
  そんな声を耳にした高塚さん、それなら・・ということで、自分の経営
  ノウハウをすべてこの本に凝縮して公開した・・・

 というのがいきさつらしい。
 確かに、本書には、ホテルのブライダル事業(に限らずだが)をうまく経
 営するためのヒントが、ものすごく具体的に書かれている。

 例えば、披露宴に来たお客様の中で適齢期の5人くらに的を絞り、次の結
 婚式の営業をする・・、営業マンと結婚アドバイザーのバトンタッチの時
 はこれこれの説明で納得してもらう・・・・などなど、ほんとに具体的な
 ノウハウがある。お客様とのトークのセリフまで公開である。

 もちろん、ブライダル事業の経営はそんなノウハウだけではうまくいかな
 い。そもそも、なぜ披露宴をするのか・・、披露宴とはお客様にとってど
 んな意味があるのか・・という根源的なことを突き詰める姿勢こそ重要な
 のだ。お客様の立場にたったビジネスの心こそが、本書の魅力であり、メ
 ッセージである。

 ブライダル戦略といいつつ、さまざまな事業のヒントにつながる。高塚さ
 んの経営の心を読み取りたいねぇ。
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   ★★★★★+なぜやるの?

 
   ・ブライダル事業に関係する方
   ・結婚披露宴をこれから開く方(あ、ひよこさんにもオススメ)
   ・サービス事業をやってる方

 <欲しくなっちゃった方は>
   ・アマゾン  http://tinyurl.com/oak7
   ・楽天Books http://tinyurl.com/oak0
   ・Bk1   http://tinyurl.com/oakb
   ・富士山コム http://tinyurl.com/g4qd

Posted by webook at 09:17

2003年09月22日

■タダでウハウハ儲かるアイデアノート(インディアナじゅん)

indeiana=jun.jpg
楽しいこと、やりたいことを 仕事にしたい・・

タダでウハウハ儲かるアイデアノート
   =========================================
  |著者:インディアナじゅん
  |オーエス出版|2003年 08月
  |ISBN:4757301847|1,500円 |179P
   =========================================

 商売って、とことん考えれば面白いひらめきネタが出るもんだなぁー・・
 と、この本を読むとつくづく思う。

 福岡3点セットを再建した高塚猛氏のみんなが喜ぶビジネス戦略を連想さ
 せる。すんごく楽しいストーリーがある。
 インディー・ジョーンズをもじった装丁と著者の名前なのだが、商売の面
 白さや興奮を存分に楽しませてくれる。
 ただで場所を借り、ただで行列をつくり、ただでPRをし・・・そして、
 ウハウハ儲かるビジネスをする・・・なんだか胡散臭そうではあるが、こ
 れがまたとっても面白く展開する成功物語なのだ。

 著者の経験をもとに展開する占いビジネスのワクワクストーリーは、なん
 だか元気と勇気が沸いてくる。

 本書には、読者が著者とおなじようにアイデアをひらめかせ、ビジネスね
 たを書き込めるようなノートが二冊。プチビジネスひらめきネタ帳、とシ
 ナリオノートがついている。とってもユニークな構成になっている。

 著者は自分の経験をもとに夢をかなえる【宝地図】という夢実現ツールも
 推奨している。(みずからその作成ソフトを創っている)これも面白い!
   宝地図クリエーター
    http://www.spcourt.com/tm/
   宝地図の元祖望月俊孝さんのサイト
    http://www.takaramap.com

 自分の夢の実現したい・・・なんて思ってる方に、オススメ!
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   ★★★★☆+ひらめき

 
   ・商売って面白そうって思ってる方
   ・タダで?に惹かれた方
   ・週末起業家をめざす方

Posted by webook at 08:06

2003年09月21日

■思わず話したくなる社名&商品名の謎(田中ひろみ)

shameinoyurai.jpg  おぉー、トリビアのネタがいっぱい・・・

思わず話したくなる社名&商品名の謎
        なぜか気になる社名・商品名の由来760
  =========================================
|著者:田中ひろみ
  |日本文芸社|2003年 07月
|ISBN:4537251581|1,400円| 357P
  =========================================

 社名、商品名の中には聞いてみると「へぇー」というものが結構ある。
 本書は、そのへぇを集めた楽しい本だ。
 たとえば、こんなのはどうだろう・・。

 * ゲームメーカーの「コナミ」と「セガ」。
   創業に関係した人たちの頭文字でKONAMIとしたというのはウソ。
   市場の大波をうけても小波に変えてしまう安定経営を目指してつ
   けられたらしい。もう一つのメーカー「セガ」、これはサービス
   ゲームの頭 SE と GA をとったものだ。意外。

 * レストランの「すかいらーく」
   たまに家族でいくんだけど、この名前、なんと創業の地、東京都
   西東京市(旧保谷市)にあるひばりが丘団地にちなんでつけられ
   たらしい。創業は昭和37年。
   ひばり=Skylark=すかいらーく、というわけだ。へぇ。

 * 清掃用具の「?ダスキン」
   ダストクロス(英語で雑巾)+ぞうきんの合成語だという。
   創業者の鈴木清一さんは、昭和38年に会社を設立した時、社名
   を商品にちなんで「?ぞうきん」にしようとしたらしいが、そん
   な名前じゃはずかしい・・という社員の訴えが続出し、ダスキン
   に落ち着いたらしい。

 112業種、664社の社名由来辞典もついている。

 ちなみに著者の田中ひろみさんは、イラストレーターが本職。
    →  http://www004.upp.so=net.ne.jp/usagitv/
 この本では、社名研究家となっている。昔、ナースとしてもちょこっ
 と働いていたみたいだね。
 田中さんが社名や商品名の由来に興味を持って調べ始めたのは15年
 も前からだという。インターネットがない時代だから企業に電話など
 して問い合わせたという。調べたことは誰かに伝えたい(わかるねぇ
 その気持ち)。そこでウエブ、雑誌、本などで発表してきたという。
 結局、やりたいこと、楽しいことをお仕事にされた素敵な方である。
 うーん、今度会いに行こう!
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   ★★★☆+へぇな社名

 
   ・へぇーってよく言う方
   ・トリビアの泉(メルマガ)をとってる方
   ・→ http://webook.tv/trivia.htm
   ・→ http://webook.tv/e=trivia.htm (こちらもまもなく)

Posted by webook at 09:27

2003年09月20日

■経営の哲学(ピーター・F・ドラッカー

pdracker=keiei.jpg
この本も読む本ではない。ヒントをもらって考える本である。

経営の哲学
       いま何をなすべきか
   =========================================
  |著者:ピーター・ファーディナンド・ドラッカー/上田惇生
  |ダイヤモンド社|2003年 07月
  |ISBN:4478331022|1,400円| 221P
   =========================================

 ドラッカーの名言集の一つ。これも上田惇生さんが編集にあたっている。
 これから戦略計画を立てようとしている経営者や経営幹部の方は、そば
 においておきたい一冊。
 マネジメントの役割、事業の定義、顧客、意思決定、利益、人のマネジメ
 ントなど15の項目にわけて名言が集められている。

 これは・・という名言を少し・・

 ▼組織と個人を成長させる
   マネジメントとは、ニーズと機会の変化に応じて、組織とそこに
   働く者を成長させるべきものである。組織はすべて学習と教育の
   機関である。   <新しい現実>より

 ▼目標を達成したとき
   事業の定義は、組織が目標を達成したとき陳腐化する。目標を達成
   したときとは、お祝いをすべき時ではなく、事業の定義を見直すべ
   き時である。 <未来への決断>より

 ▼強みは内部から見えない
   知っている仕事はやさしい。そのため、自らの知識や能力には特別
   の意味はなく、誰もがもっているに違いないと錯覚する。逆に、自
   らに難しいもの、不得手なものが大きく見える。
            <創造する経営者>より

 ▼最大ではなく最適を
   市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。
              <マネジメント>より

 ▼利益が目的ではない
   事業体とは何かを問われると、たいての企業人は利益を得るための
   組織と答える。たいていの経済学者も同じように答える。この答え
   は間違いだけではない。的外れである。
              <現代の経営>より

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   ★★★★★+そばに

 
   ・経営者の方
   ・企画部長の方
   ・経営幹部の方

Posted by webook at 09:16

2003年09月19日

■超トヨタ式チェンジリーダー(金田秀治)

toyotasiki.jpg変わり「続ける」ところに秘密が・・・

超トヨタ式チェンジリーダー
         変わり続ける最強の経営
   =========================================
  |著者:金田秀治(かねだ・ひではる)
  |日本経済新聞社|2003年 07月
  |ISBN:4532310679|1,400円|
  =========================================

 トヨタの秘密を解説する本は、このところたくさん出ている。
 閉塞感をうちやぶる手立てはないものか・・・という期待感もあって、多
 くのビジネスパーソンに注目されているところだ。
 さて、トヨタの経営とは何だろう? カンバン方式、ジャストインタイム
 など聞きなれた(Kanbanはすでに英語にもなっている)言葉が浮かぶ。
 もちろん外れてはいないのだが、ほんとうのところはこういうことになる。
   変わり「続ける」経営
 ということだ。もうひとつのキーワードは、「徹底的に」という点である。
 トヨタのスゴイところは、徹底的にやるのである。行動するところに重心
 があるということでもある。

 変わり続けるという行動を徹底的に追求する姿勢が、トヨタの本質のよう
 な気がする。しくみとは、制度や組織だけでなく、職場の雰囲気(風土と
 もいうね)、経営の意気込みなど、微妙な風みたいなものも含まれる。

 その風を起こす人がチェンジリーダーである。トヨタから独立して起業し
 た著者は、チェンジリーダー養成がライフワークである。
 必要なことは、KKDだという。K(カン)、K(コダワリ)、D(ドキ
 ョウ)だ。 とくにコダワリとドキョウは、今の日本企業にないところで
 はないだろうか・・・。

 企業変革(変わり続ける変革)を3つのゾーンに別けている。経営戦略、
 部門戦略、現場戦略の3つだ。そして、本書がフォーカスするのがチェン
 ジリーダーが重要な役割を果たす部門戦略である。いわばミドルマネジャ
 ーの活躍する場面である。
 多くの人がトヨタ生産方式を、現場における「ムダの徹底的排除」という
 作業改善に注目しているが、本書は部門戦略という第3のゾーンに注目し
 ている。「超」トヨタ方式という所以は、そこにある。

 トヨタというモノツクリの現場で鍛えられた企業経営のヒントを拾ってみ
 たい本だ。

 ちょとメモしておきたいキーワード
   仕事=働き+動き  (動き=ムダ)
   仕事=業務+改善
   変化の仕組みを内臓する組織
   明日の準備を今日行なう
   ダメモト活動
 =============================================================== 

 
   ★★★★☆+明日の準備

 
   ・組織変革をやりたい方
   ・職場に新しい風をもちこみたい方
   ・トヨタ方式?なにそれ?って方

Posted by webook at 09:01

2003年09月18日

■アイデアのつくり方(ジェームズ・ウェッブ・ヤング)

aideanotukurikata.jpg

アイデアは、既存の要素の組み合わせである!

アイデアのつくり方

   =========================================
  |著者:ジェームズ・ウェッブ・ヤング/今井茂雄
  |TBSブリタニカ/阪急コミュニケーショ|1988年 04月
  |ISBN:4484881047|777円 |102P
   =========================================

 アイデアが豊富な人がいる。
 そりゃぁー才能だからなぁ・・・なんて思ったりしません?
 才能も少しはあるが、実はちゃんと「方法」があるのだ。

 本書は、アイデア、発想といったことを考えるとき、私たちにちょっと
 元気を与えてくれる古典的な本である。
 あの「考具」の加藤昌治さんもこの本を読んで元気を得ている。

 何が書いてあるか?・・・最も重要なメッセージは、

  「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

 ということである。

 そうなのだ、まったくの無からはアイデアは生まれない。何がしかの蓄積
 があり、そしてそれを消化し、組み合わせようとしたとき、ふとした拍子
 に面白いアイデアが浮かぶのだ。

 ヤングは、アイデアのつくり方を5つの段階に分ける。
  1)データ集め
  2)データの租借
  3)データの組み合わせ
  4)ユーレカ!(発見した!)
  5)アイデアのチェック
 というものだ。

 本書は、半分がヤングの内容。あと半分が、竹内均氏の解説である。
 広告界のヤングの主張を、物理学者の竹内氏が共感をもって解説している
 ところも面白い。竹内氏は、ウェゲナーの大陸移動説や、ダーウィンの進
 化論も同じことであると、ヤングの考えを裏書している。
 つまり、ウエゲナーも、ダーウィンもすでに指摘されていた事実をもとに
 新たなアイデアを考え出したのだという。なーるほど!

 何かと何かを組み合わせてみよう。結構面白いことが生まれるから・・。
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   ★★★★+組み合せ

 
   ・アイデアの出し方に苦労している方
   ・発想豊かにしたい方
   ・いつもぶっとんでる方

Posted by webook at 08:47

2003年09月17日

■なぜ企業はシェアで失敗するのか!(リチャード・ミニター)

sharedesippai.jpg

シェアではなく、利益を気にしよう。
 
なぜ企業はシェアで失敗するのか!
   経営を誤らせる占有率神話 The Myth of Market Share

   =========================================  
  |著者:リチャード・ミニター/吉川明希訳
  |日本経済新聞社|2003年 08月
  |ISBN:4532310695|1,600円| 237P
  =========================================

 「大きな市場シェアを握れば、利益は後からついてくる」という考え方は
 バブルにあおられたドットコム企業だけでなく、古くからの老舗企業にお
 いても広く浸透している。
 著者は、それをまっこうから否定する。市場シェアが利益に与える影響は
 ほとんどなく、むしろ利益を後回しにして市場シェアを優先する弊害のほ
 うがよほど大きいと指摘する。
 
 大切なのは「市場シェア首位をねらう戦略(市場シェアリーダー戦略)」
 ではなく「高い利益率をめざす利益リーダー戦略」であると強く主張する。

 市場シェア戦略で失敗した事例、利益率を目指す戦略で成功している企業
 などを、具体的に分析し紹介している。
 前者には、市場シェア拡大のワナにはまりブランド価値をさげジリ貧に陥
 ったラコステ(そういえばあったね、わにのマークのポロシャツ)、ブラ
 ンドを犠牲にしたシェア獲得戦略で苦戦のGMなどがある。
 後者の成功事例には、デル、GE、ライアンエアー(欧州のサウスウエス
 ト航空
)などが紹介されている。
 
 ただし何事にも例外があり、マイクロソフトやビザ(カード)などネット
 ワーク系などでは市場シェア拡大が意味を持つ場合もあるとしている。

 豊富な事例と分析は、おそらく今後の戦略を考えている企業には、大いに
 参考になる。要するに、徹底的に顧客のほうを向き、利益率を中心にした
 戦略がよい!ということだ。自社の将来戦略を考える上で、ヒントになる
 ことがたくさんありそうだ。

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   ★★★★★+シェアじゃない

 
   ・中期戦略を検討中の方
   ・自社のポジションを洗い直している方
   ・事業ドメインをリセットしようとしている方

Posted by webook at 12:24

2003年09月16日

■MBA定量分析と意思決定(GMI/嶋田毅)

MBA=GMS.jpg

 はかりごとには、ハカリゴトが必要である。

MBA定量分析と意思決定

  =========================================
  |著者:Globis Management Institute/嶋田毅
  |ダイヤモンド社|2003年 09月
  |ISBN:4478410321|2,800円 |233P
  =========================================

 全ては測れる。
 測れば変わる。
 変れば生き残る。
 生き残るには変わらなければならない。
 変わったかどうかは、測らないと分からない。

 なんだか、回文みたいになってきた。ともあれ、測ることは意味がある。
 これまで企業経営の定量分析は、ROAだの売上高利益率だの財務的なも
 のがメインだった。ところが最近は、顧客満足を測ろう、従業員満足も大
 切だ、クレーム率はどうだ・・と様々なことを定量分析することが必要に
 なってきた。まさにバランススコアカードの世界である。(本書にもBS
 Cについて少し紹介されている)

 本書は、そうした企業経営に係わる定量分析の意味合い、基礎知識、ケー
 ススタディなどで構成したMBAの教科書である。グロービスのMBAシ
 リーズ第11弾である。

 本書は、3部構成となっている。
 まず第一部では定量分析の必要性やつい陥りがちな落し穴、統計の基礎な
 どについて解説される。数字や統計はもっともらしいウソにもなるから、
 ここは大事だねぇ。
 第二部は、ハンドブック的な内容で、代表的な指標について解説されてい
 る。(たとえば顧客満足度、価格弾性力、EVAなど)
 第三部は、ケーススタディである。化粧品販売会社の若手社員が、社内ベ
 ンチャー制度を活かして、エステの新規事業を進めるという想定だ。

 第三部を先に読んで、第一部を読むといいかも。第二部は必要性が生じた
 時に見るといいね。 本書は、いわゆる教科書です。
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   ★★★+定量分析

 
   ・MBA修行中の方
   ・経営の意思決定に関与している方
   ・数字のウソを知りたい方

Posted by webook at 08:17

2003年09月15日

■組織はこうして変わった(高塚猛+北川正恭)

kigatawa=kotuka.gif二人とも組織のエネルギーを引き出す名人である。

組織はこうして変わった
         高塚猛と北川正恭の革命論
  =========================================
  |著者:高塚猛+北川正恭(きたがわ・まさやす)
  |致知出版社|2002年 05月
  |ISBN:4884746228|1,400円| 222P
   =========================================

 高塚猛さんと元三重県知事の北川正恭(まさやす)さんの改革論である。
 福岡3点セットを再建した高塚猛さんと、地方行政改革の第一人者北川正
 恭さんが「組織マネジメント」の思いと実践を熱く語りあっている。
 民間企業も自治体も組織という点では同じ。そして、リーダー次第で大い
 に変わるという点でも同じである。

 この本は、組織変革は、やり方の問題ではない、構造の問題でもない、大
 切なのは意識の問題だ!というのがテーマになっている。

 北川さんは生活者基点の行政への転換である。生活者基点というのは、こ
 ういうことだ。「県民を満足させる行政」ではなく、「県民が満足できる
 サービス」という発想である。『を』じゃなくて『が』である。
 (現在、北川さんは三重県知事を辞め早稲田大学教授となっている)

 高塚(こうつか)さんは、福岡3点セット(ホークス、福岡ドーム、シー
 ホークホテル)を再建した方でる。人のパワーを二倍三倍にするという発
 想は考え方のバブルだという。むしろ10の力の人が3とか5しか活かさ
 れていないのが普通だから、その原因を取り除いてあげるほうがいい、と
 いう。高塚さんは人のエネルギーを引き出すのがほんとにうまい。
 また、「大切なことのために正しいことを捨てる」という戦略の事例がいっ
 ぱいあり、高塚さんが語ると、それが実にすがすがしい。
 
 二人の対談のなかから、経営やマネジメントのヒントを拾ってみたい。
 もし、僕がハーバードの先生なら、この二人を、絶対、組織変革のケース
 にするねぇ。いやぁー、いいねぇ・・・
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   ★★★★★+こうするのだ!

 
   ・組織リーダーの方
   ・自ら変わりたい方
   ・官僚体質を変えたい方

Posted by webook at 09:34

2003年09月14日

■ならば私が黒字にしよう(高塚猛)

koutuka=naraba.jpg
このおじさんに惚れこんじゃいました。

ならば私が黒字にしよう
  =========================================
  |著者:高塚猛(こうつか・たけし)
  |ダイヤモンド社|2003年 08月
  |ISBN:4478321051|1,500円|217P
   =========================================

 高塚猛さんと出会ったのは、神戸のホテル。そのときは「自分と未来は変え
 られる」という本での出会いだった。以来、たくさんの感動や勇気や元気を
 もらっている。そして、ほんものにお会いしたのが2003年の7月。あるセミ
 ナー会場でのことだった。不思議なご縁でお会いできた。セミナーをお礼を
 メールすると携帯メールですぐお返事が・・そのあと何通かのチャットメー
 ルをしたのにはおどろかされた。

 今日の本は、福岡3点セット(ダイエーホークス、福岡ドーム、シーホーク
 ホテル&リゾート)の再建の舞台裏をとても人間的な感動ストーリーで紹介
 したものである。
 企業はマネジメント次第で元気にも、不調にもなる。そして、そのマネジメ
 ントに「心」がないとどうしようもない。
 高塚さんの経営の特徴は、まわりのみんながなんともいえない熱い思いを自
 然にもってしまうところだろう。

 「夢に数字を入れる」「商品を売るのではなく、幸せになっていただく思い
  を売るのである」「リピートとは、また来たいではなく、誰かを連れてき
  たくなることである」「学んだことのたったひとつの証、それは変わると
  いうことである」などなど、キラキラ光る言葉の<実感>がいっぱいある。

oonishi=san.jpg
 今回、福岡出張の折にお会いした大西専
 務(福岡ドーム)に、高塚さんのことをいろ
 いろ伺った。その折、高塚さんとゴーンさ
 んは似ているところがありますねと表現し
 たところ、決定的に違うことがありますと
 大西さん。
 むむ?なんだろう? 

 それは、人をいっさいカットしないところだという。たしかに、高塚さんの
 ポリシーに、 「ある社員がいて、10ある才能がたまたま4しか生かせてい
 ないのは、マネジメントの責任であり、それを活かす方法はかならず見つか
 る」というものがある。

 本書の中にも、一見どうしようもない状況を、ちょっと考え方をかえると、
 まるでマジックのように好転する事例がいくつも紹介されている。

 「とんでもない方ですねぇ」という僕の言葉に、大西さんも大きくうなずき
 「まったくその通りです。」とおっしゃった。

 高塚さん、つくづく素敵なおじさんである。
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   ★★★★★+実感

 
   ・元気がほしい方
   ・変わりたい方
   ・感動したい方

Posted by webook at 11:16

2003年09月13日

■久恒式図解思考成功を呼ぶ人生ノート(久恒啓一)

hisatune=note.jpg

  人生も、図解すると見えてくる!

久恒式図解思考成功を呼ぶ人生ノート
   =========================================
  |著者:久恒啓一
  |宝島社|2003年 09月
  |ISBN:4796635718|952円| 128P
   =========================================


 久恒さんパワー全開である。このところ図解関係の本がどんどん出る。
 この本は、人生も図解によって、見えなかったものが見えたりするよ・・・
 というものだ。人生テーマを発掘する書き込み式ノートになっている。

 図で考えるメリットの理解や図解作成トレーニングなどの準備運動をした後
 に、人生設計とキャリアデザインのワークシートで自分の人生ノートを創る
 という構成になっている。

 図解トレーニングでは、昔話「ももたろう」を図解してみる・・など楽しい
 練習も用意されている。
 この本は、読む本であり、書き込んで使う本でもある。

 先日、東京の丸ビルで、セミナーで久恒さんにお会いした。
 人生楽しくて寝る暇もない・・という雰囲気で、とても楽しそうなご様子で
 あった。(様子は、 webook.tv で )

 とにかく、やってみよう!
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   ★★★★+人生も図解

 
   ・人生計画でも作ろうか・・という方
   ・人生は長いという方
   ・人生は短いという方

Posted by webook at 19:45

2003年09月12日

■会社再建3つの戦略(高塚猛)

takatuka=3.jpg気持ちが変われば会社が変わる!。  

会社再建3つの戦略
  =========================================
  |著者:高塚猛
  |かんき出版|2000年 12月
  |ISBN:4761259019|1,400円|223P
  =========================================

 高塚さんの熱いメッセージを集めた本である。高塚さんがはじめて出した
 本でもある。
 
 高塚さんが社員に「経営のキーワード」として送り続けたメッセージから
 選りすぐりをあつめた本だ。高塚さんの日々の行動が経営そのものになっ
 ている。まわりの人がなぜか動きたくなってしまう高塚さん。その秘密が
 この本にある。

 ビジネスの成功要因は、お客様の本当の目的を大事にしてお客さまの満足
 とは何かを的確に知ること、そして、コスト意識を持つことだという。
 それって当たり前の・・・。そう、当たり前のことなんだが、これがまた
 難しい。それを実現するために、次の3つの戦略が基本だという。
  「固定費の変動費化」
  「リピートの仕組みをいかに作るか」
  「個へのアプローチ」
 である。
 読んだ人の心を動かすメッセージがある。高塚さんの言葉にふれられる、な
 かなか魅力的な本だ。

 ますます、好きになってきたぞ! このおじさん。
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   ★★★★★+メッセージ

 
   ・社員の意識を変えたい経営者
   ・モチベーションってなんとかならんかという方
   ・なんで変わらんのだ・・・という方

Posted by webook at 19:54

2003年09月11日

■変革の哲学(ピーター・F・ドラッカー)

dracker=henkaku.jpg

変化を日常化する!? うーっ。

変革の哲学
   =========================================
  |著者:ピーター・F・ドラッカー/上田惇生
  |ダイヤモンド社|2003年 08月
  |ISBN:4478331049|1,400円|221P
   =========================================
 ドラッカーの名言集、続編2部作、「変革の哲学」「歴史の哲学」のひとつ
 である。
 ドラッカーのほとんどの著作の翻訳を手がけている上田教授の編集によりで
 きた本である。ドラッカー氏と上田さんは親密な間柄にあり、本書の編集も
 上田氏に全面的に任せているようだ。

 変革の・・・というフレーズに思わず購入した本だ。
 今日も、いくつか印象的なものをご紹介。

 ▼未来学の問題点
   未来学者は、予測したことがどれだけ実現したかによって的中率を測る。
   彼らは、実現した重要なものの中で、自分が予測さえしなかったものが
   どれだけあるかを数えない。
   (すでに起こった未来)より

 ▼未来のための予算
   未来のための予算は、好不況にかかわらず一定に保つべきである。規模
   は全予算の10%から20%である。未来のための予算は、一定レベル
   を維持しなければ、いかなる成果もあげることはできない。
   (明日を支配するもの)より

 ▼自ら変化をつくりだせ
   組織が生き残りかつ成功するには、自らがチェンジ・エージェントすな
   わち変革機関とならなければならない。変化をメンジメントする最善の
   方法は、自ら変化をつくりだすことである。
   (ネクスト・ソサエティ)より

 ▼イノベーションの機会は7つある。
    1.予期せぬことの生起(成功、失敗、出来事)
    2.ギャップの存在
    3.ニーズの存在
    4.産業構造の変化
    5.人口構造の変化
    6.認識の変化(物の見方、感じ方、考え方)
    7.新しい知識の出現
   (イノベーションと起業家精神)より
 

 この本も、ドラッカーにふれることができるオイシイ本だね。
 ===============================================================
 
   ★★★★★+機会は7つ

 
   ・ドラッカーのファンの方
   ・ドラッカーの本を読んだことない方
   ・ススキをみながら考え事してみたい方

 <ほしくなった方>
   ・http://tinyurl.com/myb1 (楽天)
   ・http://tinyurl.com/myb3 (アマゾン)

Posted by webook at 13:11

2003年09月10日

■超右脳活用ノート(七田真)

hichida=unou.jpg

  意外な能力が眠っているかも!?

超右脳活用ノート
あなたの中に眠っている、97パーセントの能力が目覚
   =========================================
  |著者:七田真|
  |PHP研究所|2003年 07月
  |ISBN:4569628737|952円|95P
   =========================================

 七田式・・というのは、子供をもつ親御さんなら一度は聞いたことがある名
 前だね・・・。ちょっと飛んでる教育法、といった印象があるかもしれない。
 右脳は、創造力やアイデアに関係すると言われてるが、それを「鍛えよう」
 という発想自体が面白い。

 本書は、七田式の右脳開発トレーニングを解説するものだ。図解がふんだん
 に使われ、なかなか興味をそそる・・・

 円周率を200桁まで覚えてみよう・・
 など、まともな(常識的な)人ならあんまり考えない(笑)ことを、やりま
 しょう・・といったことがマジメにでてくる。
 それがなんだかできそうな気にもなるから、この本はエライ。

 七田さんというのは、こんな方。
  → http://www.h=sa.jp/shichida/index.html

 97%もの能力は眠っているという。その能力を覚醒させる秘密は、常識を
 超えたところにあるのかもしれない。ちょっとやってみるか、200ケタ。
 =================================================================
 
   ★★★☆+97%?

 
   ・常識はずれがすきな方
   ・常識人を自認する方
   ・レアもの好きな方

Posted by webook at 08:12

2003年09月09日

■仕事力を高める方法は「図」がすべて教えてくれる!(久恒啓一)

hitsune=sigotoryoku.jpg
 自分の仕事を図解しちゃおう!

仕事力を高める方法は「図」がすべて教えてくれる!

  =========================================
  |久恒啓一出版社
  |PHP研究所|2003年 09月
  |ISBN:4569628648|1,300円|221P
  =========================================

 これはもう文化大革命です!と言っていた久恒さん。この頃の図解の動き
 をみると、これはモンマモンだす・・という気がする。

 久恒さんの最新図解の本。
 この本は、仕事を図解してみよう・・というレッスンを通じ、図解の有効性
 や仕事を見つめなおすきっかけをくれる実践的な本である。

 久恒さんファンなら、すでに図解の本を何冊か読んでるはず。
 えっ、また出たの?という向きにも、この本は結構楽しい。4人のビジネス
 マンが実際に自分の仕事を図解してみるレッスンが紹介されている。それぞ
 れ3回にわたる改善の様子が、なかなか面白い。
 まさに「発見」と「疑問」と「驚き」の連続が再現されている。

 今度、僕も人事面接の頃になったら、メンバーの人に自分の仕事を図解して
 もらうことにしよう・・・。こりゃ楽しみだわ・・。 
 「人事異動にあたり、練りに練った仕事の図解は引継ぎ書としては最高であ
 る。」とは至言だなぁ。組織を、組織図と業務分掌で成り立っていると思っ
 ている人が僕のまわりにもいっぱいいるが、個人の仕事の地図(図解)を集
 めたほうがずっといい。よっしゃぁ、12月までの目標ができた!
 
 図解コミュニケーションを、「仕事」というシーンで使ってみる。これは、
 なかなかいい実験だ! ぜひ、あなたの職場でも・・・レッ図・トライ。
 ===================================================================
 
   ★★★★☆+レッスン図~

 
   ・図解を試してみようか・・という方
   ・図解がいいのはわかったけど・・という方
   ・図解?なんじゃそれ?って方

Posted by webook at 07:56

2003年09月08日

■仕事の哲学(ピーター・F・ドラッカー)

doracker=tetsugaku.jpg
この本を読むときの心得
「では、自分は何をなすべきか」を考えること
【仕事の哲学】
  ======================================================
  |著者:ピーター・F・ドラッカー/上田惇生訳
  |出版社:ダイヤモンド社|2003年 07月
  |ISBN:4478331030|本体価格:1,400円 |221P
   ======================================================

 ドラッカーの名言集2部作がる。「仕事の哲学」、「経営の哲学」だ。
 本書はその一つ。ドラッカーのほとんどの著作の翻訳を手がけている上田教
 授の編集によりできた本である。ドラッカー自身が上田さんのことを日本に
 おける分身だというくらいに、ドラッカーと上田さんの間には信頼関係があ
 る。なお、この後、「変革の哲学」「歴史の哲学」も発行される。

 恥ずかしながら、僕はドラッカーの本を一冊も読んだことがない。この本は
 分厚いドラッカーの本からおいしいところを拾い出してくれている。その言
 葉に何か自分のエネルギーを乗せられたらサイコウだね。その意味で、この
 本はたいへん意義深いと思う。
 いくつか印象的なものをご紹介。

 ▼アウトプットを中心に考える。
  仕事を生産的なものにするには、成果すなわち仕事のアウトプットを中心
  に考えなければならない。技能や知識などインプットからスタートしては
  ならない。技能、情報、知識は道具にすぎない。「マネジメント」より。

 ▼目標管理とコミュニケーション
  目標管理こそ、組織内のコミュニケーションの前提である。 目標管理に
  おいては、企業もしくは自らの部門に対し、いかなる貢献を行なうつもり
  かを明らかにしなければならない。「マネジメント」より

 ▼心地よくなったら変化を求めよ
  日常化した毎日が心地よくなったときこそ、違ったことを行うよう自らを
  駆り立てる必要がある。「非営利組織の経営」より

 ▼第二の人生に備えるたった一つの条件
  第二の人生をもつには、一つだけ条件がある。本格的に踏み切るかなり
  前から助走しなければならない。 「明日を支配するもの」より
 
 「あらすじで読む日本の名著」も、僕の目を開かせてくれたいい本だったが
 この本も、ドラッカーにふれる丁度いい道案内となる。
 ===============================================================
 
   ★★★★★+経営の哲学

 
   ・ドラッカーのファンの方
   ・ドラッカーの本を読んだことない方
   ・秋の夕べに沈思黙考してみたい方

Posted by webook at 07:55

2003年09月07日

■なぜあの人はお金持ちになるのか(中谷彰宏)

nakatani=okanemoti.jpg
  使ってもなくならない財産ってなぁに?

【なぜあの人はお金持ちになるのか】
        使ってもなくならない財産をつくる42の具体例
  =========================================
  |著者:中谷彰宏|
  |ダイヤモンド社|2003年 09月
  |ISBN:4478702829|1,400円 |171P|
  =========================================

 財産には二通りあるという。
 ひとつは、使ったらなくなる財産。(これはふつうだね)
 もうひとつは、使ってもなくならない財産。(これがポイント)

 本書は、ほんとうの財産とは何かを問う生き方の本である。
 財産はふつう使っちゃえばなくなるのだが、本当の財産は、使えば使うほど
 増える、価値を増す。そういうものが大切なのだという。

 なんなのそれ?

 例えば、人との繋がり、信頼、経験・・・いろいろある。そういうものが、
 お金を扱う場面で「使ってもなくならない財産になるか」「使ったとたんに
 消えていく財産になるか」を試される。
 
    『お金も情報も友達も、執着を捨てたときに手に入る。』
    『お金を使うことは、消費ではなく、循環。』

 など素敵なヒントがある。

 事業再建の匠、福岡ドーム社長の高塚猛さんのエピソードがいい。高塚さん
 はいつも2000札をもっているという。例えば、タクシーに乗って料金が
 1060円だったとき渡すのだ。そしてこういう。
 「いつも待っててもらっているからありがとう。おつりはいいです。」
 粋だねぇ。乗っている間、ダイエーホークスなどの話をするから、運転手さ
 んは自然にファンになったり関心をもつことになる。そして、降りるときに
 その粋な計らいがある。たまりませんなぁ。

 お金との付き合い方が、人の品性を決める。
 つい欲張ったり、ケチくさくなったり、カネやモノに縛られてしまうのが普
 通なんだけど、使ってもなくならない財産という意識があれば、自分の中の
 そうしたシバリが解ける。
 ===================================================================
 
   ★★★★+なくならない

 
   ・お金もちになりたい人
   ・お金になって尊敬されたい人
   ・お金持ちになって豊かになりたい人

Posted by webook at 09:52

2003年09月06日

■はじめてのリーダーズノート(石野誠一)

ishinoseiichi.jpg
なんか味のある方だなぁ~

【はじめてのリーダーズノート】
        これから人の上に立つ人へ
  =========================================
  著者:石野誠一
  明日香出版社|2003年 06月
  ISBN:4756906710|1,300円|222P
  =========================================

 石野誠一さん。(有)明日香出版社の社長さんである。出版社の社長でこ
 れだけたくさん本を書いている人は少ない。
  http://www.asuka=g.co.jp/

 本書には、石野社長の30年の経営経験から紡ぎだされたリーダーの要諦
 がまとめられている。

 印象的なメッセージはこれ:
  
    リーダーは、いかなる困難に直面しようと
    必ず万事好転するとの信念を持たねばならない。 

 そこには、小兵力士だった寺尾のエピソードが添えられている。
 怪我で負け越しがきまり、引退相談のつもりで自宅へ電話をかけたときの
 こと。寺尾関の奥さんいわく「また来場所頑張ればいいでしょ」。彼はそ
 の言葉に救われて、その後5年も頑張ったそうである。
 思いでモノゴトはいかようにも変わる・・らしい。

 この本は、高橋浩子さんの出版記念ライブで、手に入れたもの。
 こんなサインがしてある。

     『営々黙々 花が咲いても咲かぬでも』

 初対面だったけど、魅力的な人やったなぁ・・・。

Posted by webook at 09:14

2003年09月05日

■考える技術・書く技術(バーバラ・ミント)

kanngaerugijutu.jpg
モノゴトは構造的に言わんとあかんのや。
【考える技術・書く技術新版】
  問題解決力を伸ばすピラミッド原則
  ======================================================
  著者:バーバラ・ミント/山崎康司訳
     グロービス・マネジメント・インシュティチュート監修
  ダイヤモンド社|発行年月:1999年 03月
  ISBN:4478490279|2,800円|289P
  ======================================================
 本書から得るべきことは、「物事は、構造的に考えるのがいい・・・・」
 ということだ。箇条書き、時系列・・そういうものが大切なときもあるが
 ビジネス現場で<考えたり><生み出したり>するときには、ほぼまちが
 いなく構造的な思考が効果的だ。

 ブレストをやろう!なんてのを聞くけれど、ブレスト(ブレーンストーミ
 ング)も主催者がある程度構造的なイメージをもっていないと、まとまり
 のないものになったりする。
 やはりアウトプットのイメージをもっておくことは、mece(もれなく
 ダブリなく)にするためにも、人に(自分に)わかり易くするためにも必
 要なことだ。最近はフレームワーク(枠組み)という言葉がハバをきかせ
 ているが、そういう理由があるからだ。

 本書は、ものごとをピラミッドのように構造的にとらえようというものだ。
 トップにテーマを置き、下にいくにつれて、理由や対策などをピラミッド
 みたいに広げていこうというものだ。トップダウンで考えを広げてもいい
 し、ボトムアップで整理していってもいい。
 考える、書く、表現する・・様々なところでピラミッドのような構造を気
 にしながら進めようというの本書のポイント。
 ロジックツリーに雰囲気が似てるね。
 
 ちょっと回りくどい解説もあるが、雰囲気だけでも頭にいれておくと、何
 かのときに役に立つ。

 ちなみにこの著者のミントさん、ハーバード大、マッキンゼー、独立・・
 とかっこいいおばさんである。
 =============================================================

 
   ★★★☆+ピラミッド構造

 
   ・企画部の方
   ・プロジェクトマネジャーの方
   ・エジプトが好きな方(ちょっと違うか)

Posted by webook at 08:37

2003年09月04日

■蹴りたい背中(綿矢りさ)

wataya.jpg


不器用な恋 x 余りモノの友情 = ??

【蹴りたい背中】
  =========================================
  著者:綿矢りさ(わたや・りさ)
  河出書房新社|2003年 08月
  ISBN:4309015700|1,000円|140P
  =========================================

 2001年に出た「インストール」はすんごく印象的だった。史上最年少
 の17才で第38回文藝賞を受賞している。
 この本は、彼女の第二段。現在、著者の綿矢さんは大学生だ。

 高校1年の私(ハツ)とにな川の妙な人間模様の小説である。
 主人公の長谷川初美(ハツ)は、高校1年、陸上部に所属している。
 にな川(蜷川)は同級生だが、いつも一人が好きなヘンなやつ。ふたりに
 共通するのはクラスの中の余りモノという存在。高校に入って半年たつと
 いうのに、まだ友達らしい交友関係がないのだ。

 孤独が好きというか、群れるのが嫌いというか・・・そんな二人は、ある
 ファッション雑誌にのっていたオリチャンをめぐって妙な係わり合いがで
 きることになる。
 高校生の微妙な心理やアンニュイな状況の中に、不器用な恋というか、余
 りモノの友情というか奇妙な男女の関係を描いている。

 おぉーっというほどではないが、面白い作品。
 僕的には、前作(インストール)のほうがよかったかな・・・。
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   ★★★☆+背中
 
   ・考えているようで考えていない方
   ・高校生の親
   ・昔高校生だった方

Posted by webook at 08:33

2003年09月03日

■世界の仲間と旅する本。(中村伸一)

tikyutankentai.gif

地球はまだまだ奥深い。

【世界の仲間と旅する本。】
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  著者:中村伸一
  アイル/木楽舎|発行年月:2001年 06月
  ISBN:4907818076|934円| P
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 「地球探検隊」というのをご存知だろうか?
 中村伸一さんが主宰する旅の秘密基地である。世界各国の多国籍ツアー(い
 ろんな国の人がいっしょに旅をする)を扱って18年。その道のパイオニア
 的存在である。すでに5000人もの人が探検のドラマを創っている。
 
 中村伸一さんとは、高橋浩子さんのセミナーで「遭遇した」のが最初だ。
 10mくらいの距離をまさにかすめたって感じだったが、なぜか不思議につ
 ながってしまった。中村さんは、地球探検隊の隊長である。旅行会社のよう
 だが、ちょっと違う。「旅行会社とお客様という関係なら、送り出したらそ
 の関係はそこでおしまい。でも、ここでは途切れることのない人の輪がつな
 がっている」というのが探検隊と呼ぶ所以である。

 今は、インターネットで相当細かい情報でも手に入る。しかし、その場所、
 その瞬間、その時いた仲間、その場の空気は、実際に行かなければわからな
 い。地球は宇宙に浮かぶ小さな☆だけど、そこにはまだまだ素晴らしい自然
 や動物・人の営みがある。
 本書にある127人の体験談を読むと、どこかへ行って見たくなる。

   人は旅をすることで自分を発見する。
   人は旅をすることで人に優しくなる。
   人は旅をすることで地球を意識する。
   人は旅をすることで・・・・・・・。

 久々に旅の衝動をムクムクと湧き上がらせてくれるムック本である。

 そういえば、旅行会社の社長さんだった友人は今、世界一周の旅に出ている。
 先日は、ピラミッドからメールをくれた。スフィンクスの目線の先にあると
 いうケンタッキーにも寄ったのだろうか・・。

 地球に思いを馳せる・・・そんな時間がほしくなった・・。
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   ★★★★+地球が呼んでる
 
   ・ひさしぶりに旅にでようか・・という方
   ・自分を発見したい方
   ・地球に行って見たい宇宙人

Posted by webook at 08:51

2003年09月02日

■会議なんてやめちまえ!(スコット・スネア)

kaiginannte.jpg
あの会議、まったく時間の浪費だった!。

【会議なんてやめちまえ!】
  ひとつの会議も開かずに仕事を進める方法
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  著者:スコット・スネア/鬼澤忍
  早川書房|2003年 07月
  ISBN:4152085053|1,600円|P
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 管理職ともなれば会議のない日はない。逆に会議がないと手持ち無沙汰?
 会議、会議の日々である。
 しかし、参加している多くは、「こんな会議早く終わって欲しいな・・」
 なんて思っていたりする。特に定例化した、形式的な会議ではそういう嫌
 悪感が多い。僕も会議ではよく内職をしたものである。このごろは携帯で
 こっそりメールを読む人も多い。会議なんて・・と思うマネジャーに啓示
 を与えてくれる本だ。

 世の中に会議の質を高める方法や、会議のやり方の本は多いが、本書は、
 違う。そもそも会議なんて「やめてしまえ」というのだから、大胆だ。セ
 ンセーショナルなタイトルだけかと思いきや、マジで「やめよう」という
 内容だ。

 著者はもと米陸軍の砲小隊長としてイラク戦争に従軍している。その時の
 上官ステビンズ大尉のエピソードがすごい。6ヶ月の間、会議は一度だけ。
 あとは1対1の対話で部隊をリードし、すばらしい統率を見せていたとい
 うのだ。
 また、その10年後、今度は製紙会社で同じような場面を目にした著者は、
 これは何かある!とひらめいたようだ。

 会議に意味がない理由。(もちろん例外的に意義のある会議もある)
  1)そもそも会議に期待されていることがまったく実現されていない。
  2)会議には本質的な欠陥(集団思考によるまちがった判断)がある。

 で、会議をやめるのはいいが、どうするの?

 1対1の対話、強力なリーダーシップ、「組織的チャネリング」、メンタ
 リングなどの手法によって、会議を開かず、意思疎通や戦略の実行を行な
 うことが可能だという。その手法が書かれている。ちょっと閃くものを与
 えてくれる本だ。
 僕も、ひとつ試してみるか・・。今日の会議やーめた!
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   ★★★★☆+1対1

 
   ・今日会議を招集した方
   ・会議にでるのが嫌な方
   ・会議の時間が2時間以上ある方

Posted by webook at 08:08

2003年09月01日

■週末起業(藤井孝一)

shuumatsukigyou.jpg
好きなことxできることx乗ってること
=週末起業のタネ

週末起業
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  著者:藤井孝一
  筑摩書房|2003年 08月
  ISBN:4480061274|680円 |206P
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 週末起業。そろそろ現代用語辞典にも載りそうだ。
 元サラリーマン、元週末起業家、現在コンサルタントの藤井孝一さんが創
 った言葉だ。この本は、その週末起業のススメを説いた本。

 年金も怪しくなってきた、会社はボーナスや賃金カットがふつうになって
 きた・・・なんだかヤバイ・・・。そう思う人は多い。
 が、この先どうしたらいいか?を真剣に考え、行動しようとしている人は
 少ないのではないだろうか?

 その答えがこの本にある。週末起業である。これは、会社を辞めずに起業
 することだ。藤井さんが主宰する「週末起業フォーラム」には、すでに、
 1200人以上の人たちが集う。彼らは、会社を辞めずに自分のやりたい
 ことで複業をものにしている人たちだ。
 本書にも紹介されている先人達の事例は:ここ ↓
              http://shumatsu.net/meikan.html

 さて、それじゃぁ僕もと考える時、何が大切か。藤井さんはこういう。
 <やりたいこと>と<できること>と<時流に乗っていること>が重なる
 部分で、週末起業のタネを見つけるのがいいという。
 週末起業は、やりたいことをビジネスにするのだから、こんな面白いこと
 はない。それこそ「面白くて寝るヒマもない」状態になる。そんなワクワ
 ク人間が増える時こそ、日本の未来が明るくなるだろう。
 
 本書では、週末起業の魅力がたっぷり書かれているほか、「同僚には黙っ
 ていたほうがいい」などの実践的アドバイスや、税務、会社設立のコツな
 どお役立ち情報もある。この本を手にした時が「スタート」になるといい
 ねー。「こんな時代」を生き抜く「複」業生活のヒントを拾いたい。

 さぁ、次はあなた(僕)の番!。
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   ★★★★★+楽しくて寝るヒマがない!

 
   ・力をもてあましているサラリーマンの方
   ・先行き不安な方
   ・やりたいことがあるんだけど・・という方

Posted by webook at 06:39

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