【あの世心得。】
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|著者:永六輔
|出版社:文春ネスコ/文藝春秋|2003年 09月
|ISBN:4890361855|1,400円 |230P
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永六輔らしい生死観をにじませた人の死に関するエッセイだ。本書には、
『文芸春秋』連載20年のコラム「蓋棺録(がいかんろく)」から49本
が収録されている。
いろいろと面白い内容がある。
たとえば、お通夜。お通夜で近所の人たちがワイワイやるのは、生き返っ
てきたら「おぉお帰り」とそおまま宴会に突入するための準備だそうな。
だから、お通夜に喪服を着ていったり、香典を出すというのは本当は間違
いらしい。お通夜とは死んだと決め付けちゃいけないアヤフヤな夜だとい
う。
戒名。格によって値段が違うらしいのだが、あれは閻魔さまを欺くための
ものとか。閻魔さまも忙しいから、いちいち「お前はシャバで立派にいき
てきたか?」なんて聞くのも面倒だ。そこで名前で判断しちゃうというこ
とになり、名前が立派なら極楽行きのハンコをくれるというわけだ。
だから、普通に生きた人なら本名でいいと・・・。
ちなみに永さんは、本名で勝負するから戒名はいらないんだと・・。笑
新潟の十日町の隣にある「はち」という山間の集落がある。そこの花火
は、面白いらしい。打ち上げる前に、町内放送が流れるそうだ。
「次の花火は、xxの亡くなったおばあさんのために、お孫さん一同か
らです」とか・・・。粋だねぇ。
横井庄一(グアムに28年潜んでいた元日本兵)、三波春夫(演歌歌手)、
井深大(ソニー創業者)など多くの蓋棺録は、その人と時代を思い起こさ
せる。
そろそろ自分の葬式、お墓、遺言、そして蓋棺録でも準備しますか?
・・・まだ早い?・・・備えあれば・・・というじゃない。
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★★★★★+あのよぉ
・そろそろ呼んでるっていう方
・お墓に興味ある方
・人の生死観を考えたい方