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|著者:カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
|日本経済新聞社|2003年 09月
|ISBN:4532310857|1,600円|434P
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表紙には和服を着たカルロス・ゴーン。実に様になっている。日産の経営
をここまでドラスティックに回復させ、失われた10年などとのんきなこ
とを言っている日本にクールな刺激を与え続けているこの人。日本にとけ
こもうという経営姿勢があるからよけいに似合う。
本書の表紙につられて買った人も、その期待を裏切らない内容に満足した
人が多いことだろう。いろいろと考えたり気づいたりすることが多いから。
ゴーン自身の著作となる本書は、「ルネッサンス」「カルロス・ゴーンの
『答えは会社のなかにある』」に続く3作目だ。他にも多くの人がゴーン
をルポした本を書いており、重なる部分は多いが、本書は自身がインタビ
ューに答えて語った言葉が載っており、ゴーンの肉声が伝わるのがいい。
日産リバイバルプラン、CFTなど独特の言葉は、もはや賞賛の意を込め
て語られることが多いが、ゴーン着任当初は、コストカッターだの、きっ
と失敗するだろう・・などといわれていたものだ。
本書を読むと、ゴーンが、実にいい耳をもっていることに気づく。現場の
声をよく聞き届け、そして問題点をズバっと整理し、その解決に向けたビ
ジョンと戦略を示す。そしてもっとも大切な点は、それをコミットメント
としてガンガン実行するところだ。コミットも実行も縁遠いユデガエルな
企業にとっては実に颯爽として感じられる。
カルロス・ゴーンの経営に対する姿勢、考え方、さまざまなものが自らの
言葉で語られているところが魅力だね。ゴーンがどのようにしてゴーンと
なったのか、とくと分る本である。経営者必読の本だ。
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★★★★★+コミットメント
・ゴーンさんに興味ありという方
・うちにもゴーンに来てほしいという方
・おれがゴーンだという方