この本、歴史に残る一冊になるか!?
【日本列島快走論】
高速道路を無料にして日本再生へ
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|著者:山崎養世(やまざき・やすよ)
|日本放送出版協会|2003年 09月
|ISBN:4140808160|1,400円|249P
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「日本列島改造論」を著したのは、いまは亡き田中角栄。日本が経済的に
豊かになるグッドタイミングに出た本である。明暗さまざまなものを残し
た田中角栄だが、今もその行動力や功績を評価する人は多い。
さて本書。カイゾウロンから濁点をとっってカイソウロンとしゃれている
が、中身は目からうろこの日本再生論である。
ゴールドマン・サックスのトッププレイヤーとして活躍した金融マンが、
高速道路を無料にすることが停滞する日本をゲンキにする妙薬だと力説す
る。
東京湾横断道路、明石大橋など一見便利になったように見える高速道路の
インフラ整備は、高い利用料が災いして十分に生かしきれていない。
本来、無料にすることを目論んでいた高速道路(実は、法律にもそう書い
てある!へぇー)は、未来永劫・・タダにはなりそうもない。
そんな中、世界に目を転じれば、米国のフリーウエィ、英国、ドイツなど
の高速道路など基本的に無料であり、そのインフラ整備が経済や社会の発
展に生かされていることに気がつく。無料は世界の常識だったか・・・。
本書は、日本の高速道路整備のあり方を見直し、無料の高速道路実現が、
経済や生活スタイルに好影響を与えるはずだと主張する。そして、その実
現のための具体的施策を提示している。ポイントは、道路4公団が抱える
40兆円の借金を世直し国債で肩代わりすること、そして、出入り口を大
幅増設することだ。
今般の衆議院選挙では、高速道路を3年以内に無料にします!とマニフェ
ストに謳った政党がある(民主党)。この本はそのマニフェストの原点だ。
この本の著者は、自身のビジョンを実現するために、徳島県知事選挙に出
馬するなど、政策実現の具体的なアクションも起こしている。みずから体
を張って臨んでいる。その気概がスバラシイ。
ちょっと応援してみたいねぇ。
日本列島改造論とは別の意味で、日本の歴史に残る一冊になるかも・・
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★★★★★+高速無料
・高速道路は高いぜっていう方
・選挙マニフェストに興味ある方
・道路公団について一家言ある方