2003年10月27日

■本田宗一郎に学んだホンダのヒトづくり・モノづくり(亀山清隆)

honda=kameyama.jpgバイク、自動車、ロボット、ジェット機・・・

本田宗一郎に学んだホンダのヒトづくり・モノづくり

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   |著者:亀山清隆
   |出版社:実業之日本社|2003年 08月
   |ISBN:4408105481|1,600円 |
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 しかし、ホンダってほんまに面白い会社である。先月10日、長野県で開
 かれた飛行機シンポジウムでは、かなり衝撃的なプレゼンを目にした。
 ホンダはビジネスジェット機を開発中で、まもなくテストフライトを実施
 するという。現在進行形の開発物語をそのプロジェクトリーダーである藤
 野さんが発表したのである。すげぇー!というのが率直な感想。
 活き活きとそのプロジェクトに取り組んでいる人たちに、モノづくり、ヒ
 トづくりのホンダを見た思いがする。

 本書は、ホンダ元ホンダマンが語るホンダDNAの物語だ。
 創業者の本田宗一郎のエピソード、本田氏と二人三脚だった藤澤武夫のエ
 ピソードを中心に、ホンダという「情熱」企業の源をたどっている。

 破天荒で天真爛漫でそれでいて人間をとことん追及する技術屋を貫いた本
 田宗一郎という人間は、いまなおその魅力に陰りがない。
 この本は、そんな創業者に間接的に会える本である。

 「お客さんに迷惑をかけるようなものをつくるんじゃねぇ!」と怒鳴って
 いたという本田宗一郎は顧客満足などという言葉が流行るはるか以前から
 ユーザーに親切なモノヅクリを考えていたようだ。次の言葉は、宗一郎ら
 しい肉声か感じられる。

    モノをつくるときには、それといちばん長いことつきあわなきゃ
    ならねぇヒトのことを考えろ。いちばん長いのはお客さんだろ。
    その次は売った店の修理工だろ。その次はウチの工場の人間だ。
    作り出した本人のくせして、いちばん短いのは設計者だ、ずっと
    使う人のみになって、考えたら不親切なモノなぞ設計できねぇは
    ずだ!
 
 常にお客様と世界を目線の向こうにおいていた創業者。本田宗一郎という
 ヒトはすごいおっちゃんだった。そこに育った人たちもはやり原点は本田
 宗一郎という人間ということだ。

 「オレはオートバイやクルマをやったが、本当にやりたかったのは飛行機
 なんだよ」といった本人がかなえられなかった夢は、後継者達が着実にそ
 の夢の実現を推し進めている。
 この会社、「情熱」っていう言葉がほんとに似合う。

 バイク、自動車、ロボット、ジェット機・・・とモノづくりのメーカーは
 同時にヒトづくりの会社でもある。底流にあるものは、本田宗一郎の情熱
 =DNAだろうか。

 ちなみに僕は、ホンダCRVに乗っている。
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   ★★★★☆+ホンダらしさ

 
   ・ホンダが好きだっていう方
   ・アシモに興味ある方
   ・ホンダのジェット機に乗りたいという方

Posted by webook at 2003年10月27日 07:39