【サービス哲学】
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|著者:窪山哲雄
|オーエス出版|2003年 07月
|ISBN:4757301804|1,500円|247P
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石ノ森章太郎の漫画『ホテル』を読まれた方は、その中に登場する東堂マネ
ージャーをご存知のはず。テレビ(TBS)でもドラマ化された。
その東堂マネージャーのモデルとなったのが本書の著者、窪山哲雄さん。
東京ベイヒルトン、ハウステンボスホテル事業部などを経て、現在は、奇跡
の復活をとげているザ・ウィンザーホテル洞爺で活躍中だ。
日本のホテル業界で、この方の名前を知らない人はいない。そんな伝説のホ
テルマンが語るサービスの哲学である。
常にお客様と社員に視点を置いたサービスの極意は「愛情」だという。
どこまで、その人(お客様、従業員)の気持ちになりきれるか・・・それが
心のこもったサービスになるか、ならないか・・・を決める。
これまで著者が経験してきた、感動や苦労(それもやがて感動や共感に変化
するのだが)のエピソードがいい。
6名様ほどの高齢のグループ客が、レストランでの対応にクレームをつけ、
先の日程をキャンセルしたいと言い出した。それをエレベーターで聞きつけ
た窪山さん。さっそく「トップが腕をまくり」「事実を確認し」「心をこめ
」「組織で対応」したことが、そのお客様に感動を呼ぶことになった。
クレーマーがファンに変わる瞬間だ。そんな様子もビビッドに活写されてい
る。
お客様が「はっ」としたり「ほっ」としたりするサービスは、コトつくりの
時代には欠かせない要素。窪山さんは、このふたつが口癖だという。
窪山さんのサービスに対する考え方、人との係わり、そして生き方を纏めた
本である。知り合いの奥さんは、以前窪山さんと働いたことがあったといっ
ていた。やはり、存在感があったらしいねぇ。
サービス業の成功は99.9%人であるという。確かに。今は、人を育てる
ことで恩返しをしたいという窪山さん、ホテル学校まで作ってしまった。
「企業に愛された人は、お客様を愛することができる」というのは人を育て
る窪山さんの哲学だ。
まだまだ目がはなせない方である。
ウィンザーホテル洞爺に、この冬行ってみようか・・・。
東堂さんに会うために。
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★★★★+三福
・この冬どこへ行こうか迷っている方
・サービス業に興味ある方
・サービスの極意を覗いてみたい方