爽やかな風を感じたあなたは、きっと・・・
【これから働き方はどう変わるのか】
すべての人々が「社会起業家」となる時代
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|著者:田坂広志
|ダイヤモンド社|2003年 10月
|ISBN:4478732663|1,500円|221P
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田坂さんの最新刊である。僕は二度読み、二度感激した。
社会起業家というのは、比較的新しいコンセプトだ。英語で言えば、ソー
シャルアントレプレナー。社会の役にたつことを行なう活動家ということ
だ。しかし、安直にイメージするNPOとかボランティア活動だけを意味
するのではない。これは、新しい働き方、新しい生き方の提案なのだ。
これからの時代には「起業家」という言葉のイメージが変わるという。
「新しい事業を起こす人」という意味を超え
「事業に革新を起こす人」という意味、さらには
「社会に変革を起こす人」という意味に使われる
という。そして、起業家に「社会」がついた社会起業家は、会社や事業と
いったこれまでの概念にとらわれず、未来を見すえた活動をする人という
意味でもっと広い意味で使われる。
だから、社会起業家は、営利企業にいても可能であり、また、ベンチャー
のように新らしい事業を起こさなくても可能ということになる。あぁー、
そうなんだぁと気が楽になる。
あなたが好きで始めた小さな活動も、もしかしたら立派な社会起業家の活
動かもしれない。なんだか、うれしくなってきません?。
社会起業家の「報酬」とはなんだろう。
収入や地位といった「結果として得られるもの」ではない。
能力、仕事、成長という生き甲斐を生み出す「目に見えない報酬」だとい
う。(そうだそうだ!)
田坂さんは、よく「作品」という言葉を使う。僕はこれがとても気に入っ
ている。事業やサービスや商品といった「作品」のほかに、もうひとつ、
社会起業家の「歩み」そのものも素晴らしい作品だという。素敵だ。
未来の世代の「礎(いしずえ)」となる覚悟を、社会起業家はもっている
という。うーん、「はるか彼方を見つめる心」は、冒頭にある“石切職人
の話”を連想させ、爽やかな高揚を覚える。
本書を読むと、なぜか心が洗われる。静かな決意を促してくれる。
何のために働くのか、何を求めて働くのか・・・そんな仕事の思想が問わ
れる時代。競争社会の生き残りではなく、働く喜びをもとめる社会起業家
になってみませんか?
ちなみに、社会起業家フォーラムはこちら: http://www.jsef.jp/
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★★★★★+未来の礎
・新しい働き方をしてみたいっていう方
・社会起業家に興味ある方
・何か世の中に役に立ちたいと考えている方