【金融維新】 日本振興銀行の挑戦
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|著者:木村剛
|アスコム|2003年 09月
|ISBN:4776201194|1,700円|349P
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これは気概に満ちた男たちの現在進行形の物語である。日本復活のために
新しい流れを生み出そうという7人の男たちの命をかけた心意気が伝わる。
東京青年会議所の有志が中心になって設立される「日本振興銀行」。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_kimura50
その設立にまつわる男たちの物語だ。
本書の著者木村さんが、社外取締役になっている。そのため、マスコミは
うけねらいで「木村剛銀行」などと形容したりした。
この銀行設立プロジェクトの中心になっているのは、落合伸治、35歳。
オレガ株式会社という独立系のファイナンス・カンパニーの社長だ。そし
て彼の構想に共鳴した男たちが周りを固める。著者の木村さんは、社外取
締として参画し、むしろ厳しい眼でこの新銀行の経営を支援する立場だと
いう。
いつのころからか日本の銀行は土地や資産などに担保をとることで資金を
融資し、人を見る眼が鈍くなってしまったようだ。
そして、貸しはがしなど、安易な道に流れてしまう怠惰な構造が普通にな
ってしまったらしい。
そこで、本来の金融の道を目指そうというのが、日本振興銀行の趣旨には
ある。日本の企業の99%を占める中小企業に対し、まともな金融サービ
スを提供しようというものだ。
幕末から明治にかけ活躍した安田善次郎の生き方を標榜しながら、新しい
うねりを生み出そうとするこの人たちに注目してみたい。
熱い男の情熱にあふれる本だ。
へぇー銀行って、案外面白いじゃん!と思わせてくれる。
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★★★★★+心意気
・今勤めている銀行を変えてみたいっていう方
・木村剛に興味ある方
・中小企業に味方したいと考えている方