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|著者:西村ヤスロウ/村山涼一
|ソフトバンクパブリッシング|2003年 12月
|ISBN:4797324821|1,200円|157P
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会議の時腕組みをしたり、何か不快なことがあると「チッ」と舌打ちした
り、椅子が並んでいると隅に座ったり、ケンカ腰の時はあごが上がったり
・・・さまざまなシチュエーションでいろんなしぐさがある。
知らず知らずのうちにやっていることも多い。
「チっ」なんて舌打ちは誰でも身に覚えがあるよね。
本書は、そうしたしぐさを社会心理学的な視点から解読したものだ。と言
っても学術書ではない。エンターテインメントを意識して書かれているか
ら面白く読める。主張的自己呈示、防衛的自己呈示、ストップ法、ラポー
ル形成、波長同調などといった社会心理学的な専門用語をまともに学ぼう
なんて思ったら眠たくなる。しかし、この本みたいにエンターテインメン
ト的に構成してあれば楽しい。
たとえば、電車の長いすがぜんぶ空いていたら、ほとんどの人は隅っこの
席に座る。中ほどに座っていた人も、端が空いたらそこへわざわざ移動す
ることもあるよね。なぜ、スミに座りたくなるのだろう?
これは社会心理学的にいえばパーソナルスペースを侵されたくない気持ち
の現われということになる。たしかに。トイレでもそうだよね。
また、不愉快なことがあったとき舌打ちしたり咳払いしたりするのはなぜ
か?・・・これは、怒っている自分を必死で抑制している行為なんだとか。
舌打ちした人見て「なんだあいつ、人間ができてないな・・」なんて思っ
てはいけない。怒りを必死に抑えてるんだなーと思うべきなのだ。ふむ。
専門的には、認知行動変容技法のひとつで思考停止ということらしい。
こんな専門用語も気楽にスっとはいるところが、エンタテインメントの本
たるゆえんだ。
著者サイト → http://www5e.biglobe.ne.jp/~muraryo/
さて、回りの(あるいは自分の)しぐさに注目してみようか・・。
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★★★★+しぐさ
・気になるしぐさがある方
・あのしぐさはNGかなって方
・しぐさの意味を知りたい方