【あたりまえのアダムス】
人生で成功するために必要なこと
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|著者:ロバート・R.アップデグラフ/酒井泰介
|ダイヤモンド社|2003年 11月
|ISBN:4478760845|1,000円| 93P
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約80年以上前にアメリカで書かれた物語である。なかなかいいお話。
ニューイングランドの田舎で働いていた貧しい少年、オリバー・B・アダ
ムスは、NYCに行きある広告会社で働きはじめる。そこで、彼は「あた
りまえ」のことをして成功する・・・という物語。人から「あたりまえの
アダムス」と呼ばれる彼は、特段変わった雰囲気はないのだが・・・。
「あたりまえ」というのは、ケーキ屋さんや帽子屋さん、製紙会社などを
甦えらせたアイデアのことだ。いわれてみれば「あたりまえ」なんだけど
・・というものだ。サプライヤーにとってあたりまえだと考えられたこと
が、消費者にとっては、大いなる関心事だったりする。そんな点をうまく
PRやマーケティング企画に生かしたお話。
そんなの当たり前じゃん・・という中には、意外な落とし穴や、金の鉱脈
があったりする。
「当社のビールびんはすべて蒸気消毒されています」と訴えて(実はどん
なびん詰め食品もそんなのはあたりまえなのだが)、大成功を収めたシュ
リッツという会社も、あたりまえ主義で成功した例だ。
24時間が当たり前のコンビニもつい10年ほど前まではあたりまえでは
なかった。土日はお休みというお役所のあたりまえは、あたりまえじゃな
い。いろんなあたりまえが、私達のまわりにはいっぱいある。
仕事をしていて、それが当たり前・・と思っていることは、本当にあたり
まえなのか洗いなおしてみると面白い。実はとんでもない「あたりまえ」
だったりするから・・・。そんなの常識という「あたりまえ」には、ほん
ものとニセモノがありそうだ。
後半に「あたりまえのテスト」がある。
それは、単純か?
(問題は解決してしまえば単純であたりまえだ)
それは、人間の本性に反していないか?
(一般の人々の反応は、不思議なほどあたりまえなのだ)
それは、短く簡潔に書くことができるか?
(手の込んだ説明が必要なら、おそらく“あたりまえ”ではない)
それは、人の気持ちを動かすか?
(どうしてそれに気付かなかったんだろう?の反応があればOK)
それは、機が熟しているか?
(機を逸したアイデアは計画は、あたりまえになれない)
どこかで、使えそうだね、これ。当たり前のことがなかなかできない時
代に、あたりまえのお話をおひとつ、いかが?
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★★★★★+あたりまえ
・あたりまえになってる不合理を改めたい方
・あたりまえのことができる会社にしたいっていう方
・この本が何へぇか試してみたい方