【心臓外科医】
僕が医療現場をあえて世間にさらけ出す理由
=========================================
|著者:南淵明宏
|講談社|2003年 12月
|ISBN:4062118904|1,600円 |229P
=========================================
著者の南淵さんは、3年間に行った心臓手術の総数が422件にものぼる
バリバリの外科医だ。漫画『ブラックジャックによろしく』のモデルとし
ても知られる大和成和病院の心臓外科医である。
世の中には、心臓外科部長とか、心臓手術が専門の教授とかたくさんいる
らしい。だが、実はそんな人達の多くがよってたつものは、学位とか医局
の権威体質だったりするから、世の中恐ろしい。
そういう医学部の権威体質(まさに白い巨塔の構図)にいやけがさし、自
らオーストラリアやシンガポールのレベルの高い現場に身をおき、厳しい
試練に耐え、ホンモノの心臓外科医の道を歩んだ人だ。
そんな人だからこそ、「おまえの働ける病院は日本にひとつもなくなるぞ」
などといった脅しにも負けず、敢然と白い巨塔に挑戦できるのだ。
本書を読むと、医学界の実に隠然とした体質にヘドをはきたくなるのだが
そこにメスを入れようとする著者らの行動や情報発信に、痛快な風を感じ
ることができる。
組織や権威にしがみつく旧体質の医学部や医療体制に、まさにメスを入れ
ようという著者は、異端児である。しかし、患者にとってはまさにブラッ
ク・ジャック的な存在である。
メスだけでなく筆も振るう著者に、大いに注目!
====================================================================
★★★★★+医学界にメス!
・心臓手術をうけるかお悩みの方
・医学部に在籍中のたまごの方
・日本の医療をよくしたいと考えている方