こどもはいつも「どうして?」って聞く。
【池上彰の情報力】
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|著者:池上彰
|ダイヤモンド社|2004年 01月
|ISBN:4478740321|1,400円| 253P
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NHK週刊こどもニュースをごらんになった方、多いでしょう。
あの番組のお父さん役とキャスターを務めているのが本書の著者、池上さ
んだ。番組では一週間のニュースをこどもにも分りやすく解説する。
http://www.nhk.or.jp/kdns/
意外なことに(というか当然というか)見ている半数以上は大人だという。
それだけに大人も耐えうる番組だ。
大変失礼な話だが、僕は、あの子供ニュースにでてくるNHKのおじさん
(池上さんのこと)を窓際族の方かと思ったことがある。それは大間違い
であったことがあらためて本書で分った。(池上さん、ゴメンナサイ)
本書は、その池上さんが自身の経験をふんだんに盛り込み、情報収集や情
報の扱い方、情報整理、情報発信など「情報力」を高めるノウハウが書か
れている。
入っていくる情報にどういうスタンスで臨むかという点等、いくつか示唆
を受けた。たとえば・・
@ニュースの疑問ノートをつけてみよう
ノートの左側 道路公団の藤井治芳総裁解任問題
解任手続きと聴聞
ノートの右側 なぜ解任することにしたのか?
どうして聴聞という制度があるのか?
そもそも道路公団って何をするところ?
みたいに疑問と気づいたことを書いていくのだ。
このニュースを見聞きするために、気づいたことや考えたことを書き加え
ていけば、いつのまにかこの問題に極めて詳しい人になる・・ということ
だ。
TVでも新聞でも、情報をただ受け流すだけでなく、何かの処理を自分の
中で続けると不思議なことが起きるようだ。
読書術も楽しい。「通勤電車の中は理想的な図書館」「書店で時代を感じ
とろう」などなど。またメディア・リテラシー(メディアを読み解く力)
をつけるには健全な懐疑心が必要だとか、プリントアウトするだけで、自
分の文章を読者の立場で読めるなど情報解釈や情報発信の心得もある。
「なるほど」と「そうそう」が微妙にマッチするところがうれしいね。
情報をどのように受け止め、自ら発信するときはどういうことに注意した
らいいかなど、楽しい情報力強化術がある。
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★★★★☆+こどもニュース
・情報を活用したい方
・情報発信を考えている方
・大人とこどもの方