【ロジカル問題解決】 超MBA式
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|著者:津田久資
|PHP研究所|2003年 11月
|ISBN:4569628133|1,500円|285P
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私達のビジネスシーンでは、ときどき(ちょくちょくか)【思考停止】の
場面に行き当たる。それは、問題に直面して「分からないことがいっぱい
あるから」とか「不確定要素がありすぎるから」という理由で、とりあえ
ず様子を見ようとそのまま結論を先送りするような場面である。
本書では、まず「限られた情報と時間の中で、いかに事態を分析し、判断
を下すか」が重要であるという『マインド』の大切さを説く。
つまり「結論志向」というやつだ。
<モンゴルの人口はどのくらい?>という質問や、<新しいウィスキーの
値段はいくらがいいか?>など、なんだか当てのない問題にどう対処した
らいいかという具体例を示しながら、なるほど「結論志向」とはそういう
ことかを示してくれるのがいい。
その上で、問題解決のためのツールを紹介する。
MECE(ミッシー)やロジックツリーなどだ。これらは「拡散と収束の
思考」を進めるためのものである。
ロジカルシンキング(論理的な思考)をすれば望ましい解が出るかといえ
ばかならずしもそうではない。かといって、創造的に考えようとむやみに
ひらめきやアイデアを出していってもこれまた収集がつかない。
著者は、そのバランスを実にうまく表現する。僕はこのくだりが大好きだ。
仮説を得るためには、論理的思考と創造的発想が必要で、そのバランス
が大事。川の向こう岸にたどり着くために、完全な橋(論理思考)だけ
では届かないし、ジャンプ(創造的発想)だけでは確率が低い。
(ましてや川を前に、おろおろするだけでは話にならない)
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モノゴトを考え抜け・・なんていろんなところで言われているが、それは
実際どういうことなんですか?という点を説明するのはなかなか難しい。
本書の最後には、東京=大阪を走るスーパーエキスプレスで社内販売の業
績をどう上げるかというビジネスストーリーが紹介されている。著者が言
う「マインド」「ツール」「情報」が大切というのは、なるほどそういう
ことね・・と分かる。
中身が濃いけど、楽しい本だ。
さて、この本の著者津田さんのトークライブが予定されている。
詳しくは、●本日のおまけに。
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★★★★★+
・ロジカルシンキングをしたい方
・MBA的思考ってどんなんかなって考えている方
・思考停止に陥っている職場をもっとよくしたい方