【日経で鍛える「儲け」のチカラ】
朝15分の経営戦略考
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|著者:森英樹( http://www.mori=office.com/ )
|青春出版社|2004年 02月
|ISBN:4413034511|1,400円 |239P
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森さんは、「経営戦略考」というビジネス系メルマガを発行し、独自のポ
ジションを持つコンサルタントだ。僕も購読しているが、とても面白い発
見や発想が楽しめる。本書は、そのメルマガが本になったものだ。
森さんは、日経記事から「なぜ?」を拾い出し、そこにある企業の取組み
や創造的アイデアを原理原則化して、広く他の企業にも適用できるような
「発見」を毎日行なっているのだ。
本書は、その発見を改めて認識できる。ほぉーだったり、へぇーだったり
とても面白い。「さて、あなたの企業ではどうだろうか?」という教訓が
最後にあって、わが身に置き換えるきっかけも提供している。
たとえば、
「工場オフィスの蛍光灯、切れたら無料交換ー松下電器」
という日経新聞の記事は僕も記憶にある。面白いなーと思ってコラムにも
書いた。森さんは、その記事をさらに追求し、このビジネスは「顧客と売
り手の利害が一致するビジネスモデルの転換」であるというように一般化
している。医療ビジネスなどにも敷衍できる。こういう“考察”こそが、
頭をいつも柔く保てる。
また、「JTB 旅行積み立て金利を上乗せ~SARSでの自粛客取り込
み(日経新聞)」の記事は、顧客の買い控え対策の話だ。
これは、他業種による「代替品(消費)」を競争相手/脅威と認識したこ
とになる。旅行意外の代替品で消費者の欲求が満たされるのを防ぐ「手付
け戦略」である。なーるぅほどー!。
本書は、毎日あたりまえのように入ってくる情報や体験にどんなスタンス
で向かえばいいか・・という問いかけにもなっている。
日経新聞を読んでいる人は2百万人以上いるわけで、TVのニュースを見
ている人はさらに多い。ところが、そこから何かを考え、それを発信しよ
うとするか、しないか・・・それで、まったく異なる情況が生まれる。
鍛えるか、流すかの積み重ねの先にあるものだ。
つまり、知りえた情報をただ、「へぇ」とか「面白い」ですませるか、そ
の先を考えるかの違いは大きいということだ。
日経新聞を読んだ「その先」を、森さんは3つのポイントで表現する。
1)なぜ、そうなっているかを考える
2)次はどうなるかを考える
3)わが身に置き換えて考える
そして、もっと重要なことは、「さらにその次」。考えたことを外に出し
てみるという行為である。深く考えるために、それを続けるために、外へ
発信するということは非常に大きな意味をもつ。
その結果として、森さんのように、押しも押されぬカリスマ的存在になれ
るわけだ。4年間「経営戦略考」というメルマガを出し続けてきた森さん
が、情報発信によって得たものは計り知れないものがあると思う。
もちろん、コンサルタントの森さんと僕は違うし・・・という言い訳をし
たくなるが、本書を読よんで「そうそう!」という共感を得たのなら、そ
れは僕も(私も)できる・・という可能性の証だ。
森さんは、メルマガのことを「受け手ではなく送り手のニーズを満たす存
在である」と言っている。至言ではないだろうか。出すという行為を無料
でできるすばらしい環境が今はあるのだ。
日経の記事をただ読み過ごすだけで終わるのか、その先を掘ってみるかで
大いに違った世界がまっている。環境はすでに存在する。あとはやるだけ。
さて、どうしますか?
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★★★★★+発見!を自分のものに
・新聞の読み方を変えたい方
・メルマガ発行を考えている方
・ビジネスネタが欲しい方