2004年02月20日

■GE式ワークアウト(デーブ・ウルリヒ/スティーブ・カー)

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官僚主義は、まるで庭の雑草のようにいつでも戻ってくる。

GE式ワークアウト
        
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   |著者:デーブ・ウルリヒ/スティーブ・カー
   |出版社:日経BP社|2003年 04月
   |ISBN:4822243370|3,200円
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 GEは、おそらく世界の企業の中でもっとも強靭な企業パワーを持ってい
 る会社の一つだ。トヨタやIBMもそのひとつだろう。
 いずれも共通する要素があるとすれば、「変化・変革」というのが、日常
 的なことになっていることではないか。そのための仕組みが常識のように
 存在するところである。
 GEの場合は、シックスシグマであったり、本書で取り上げているワーク
 アウトであったりする。

 「GEが今日なお、官僚主義を排除し、社員に権限を与え、より効果的な
  ビジネスのやりかたを絶え間なく発見し続けることを可能しているもの」

 それがワークアウトだ。

 ワークアウトやタウンミーティングといった言葉を聞いた方もあるだろう。
 それが、実際にどのような仕組みで、どう運用されたらGEのような強靭
 な組織になれるか・・・そんなヒントが具体的に書かれている。

 ワークアウトとは、次のようなプロセスを踏む。

 1)デザイン段階
   組織(関連組織も含め)が抱える問題をピックアップし、何を解決し
   なければいけないかというテーマを決める。
   組織長がリーダーシップをもって行う仕事だ。日本企業でよくあるよ
   うに、下からあげてもらってコメントするのではない。
   そして、チーム(クロスファンクションチーム)を組織し、そこで、
   問題分析、アイデア創出、改善提案の策定を行う。

 2)ワークアウトセッションの実施段階
   ここでの一番のキモは、タウンミィーティングというものだ。
   スポンサー(役員など)に提案をプレゼンし、その場で「是か非か」
   を決断しなければならない。上にとってはものすごいプレッシャーの
   場面であるいいかげんな対応をすると、バカにされる・・・。
   (そういう緊張の場面は、日本企業ではあまりない)

 3)遂行段階
   承認された実行案を提案のオーナーが責任をもって実施する。12週
   間以内。終了時には、当然レビューを行う。


 組織は、いつでも問題や課題を抱えている。これは99%以上真実だと思
 う。そして、それを放置するか、なんとかするか・・でその後が分かれる。
 ワークアウトは、まさに「なんとかする」仕組みだ。
 ワークアウトは、実は日本のQCサークルにヒントを得ているという。違
 いは、トップダウンのベクトルがあるかないか・・のようだ。

 かなり大部な本だが、厚さと価格を裏切らない内容がある。
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   ★★★★★+壁を破る

 
   ・組織の壁を破りたい方
   ・GEのワークアウトを検討している方
   ・組織変革を進めたい方

Posted by webook at 2004年02月20日 14:11