2004年02月21日

■百万分の一の歯車!(松浦元男)

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世の中にはやっていい競争と、やってはいけない競争がある。

百万分の一の歯車!
世界一の超極小部品をつくる樹研工業の技と哲学         
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   |著者:松浦元男
   |出版社:中経出版|2003年 07月
   |ISBN:4806118419|1,400円|223P
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 まず扉を開けて見開きの写真に驚く!
 米粒の上にちらばった百万分の1、10万分の1、1万分の1の歯車の写真
 である。人間の感覚は、100万分の一と言われてもすぐにはイメージで
 きないが、こうして写真をみると「へぇ」である。しかも単にギザギザが
 ある歯車ではない。ちゃんとサイクロイドカーブを描いている歯車なのだ。
 そんな小さいものがどんな製品に利用されるか・・・・実はまだ用途がな
 い! なんと!。

 しかも、その開発に投入した2億円もかけたという。年商28億円の規模
 の会社にしては、大胆な投資である。では、なぜそんなことを・・・。
 そこには、ダントツ世界一になるという「先回り戦略」があったのだ。

 しかし、それだけで終わらないのがこの本のすごいところだ。
 世界一の技以上に感動的なストーリーがこの本にある。

 社員には元ヤンキーや元暴走族がいる。何しろ、採用は先着順なのだ。
 しかし、かれらは一流だ。ドイツ語だって話す。かれらに教えを請いにく
 るのは大学教授だったり工学博士だったりするのだ。彼らがなぜ能力を伸
 ばせたか・・その秘密がある。「動機と機会を与えれば数倍の能力を発揮
 する」というものだ。

 著者の経営理念がしびれる。「世の中にはやっていい競争とやってはいけ
 ない競争がある」・・・品質と技術と財務の競争はやるべきだが、価格、
 規模、品揃えでは競争してはいけないということだ。なるほど・・。
 
 涙がでるくらい感動するエピソードがいっぱいある。

 写真はこちら:
  http://j=net21.jasmec.go.jp/info/excellent/02list/02_13.html

 のりも先生のひとこと: 「うっそ!」
   (歯車が載っている白いものがお米だと分かったとき、あげた声)

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   ★★★★★+百万分の5じゃない!

 
   ・フレークスルーしたい方
   ・人を育てたいと考えている方
   ・世界一になるんだと思い直した方

Posted by webook at 2004年02月21日 21:01