【戦略「脳」を鍛える】
BCG流戦略発想の技術
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|著者:御立尚資(みたち・たかし)
|東洋経済新報社|2003年 11月
|ISBN:4492554955|1,600円|192P
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マイケル・ポーターの競争戦略論をいくら勉強したといっても、それだけで
勝てる戦略ができるわけではない。確かに!
じゃぁ、いったいどうすればいいの?という問いに見事に答えてくれる本だ。
何事も基本や定石は必須だ。それなしにイチローや羽生は生れていない。
一方で基本や定石を知っているだけでは勝てないということも事実。その先
にどうしたら行けるか・・
著者の御立さんは、それを「インサイト」と読んでいる。定石を超えたイノ
ベーションを生みだす発想法を、とても分かりやすく解説している。
加えて、いくつかの課題をいっしょに考えるケースもあるのもいい。
BCG(ボストンコンサルティンググループ)のノウハウを惜しげもなく開
示し、とても面白い展開になっている。そして、火星探査機パスファインダ
ーや大森焼きそばなど面白い事例も盛り込まれており、とても読みやすい。
戦略は人マネしていては、戦略にならない。「ユニーク」であることが必要
だ。そのためには・・・と本書は語りかける。
考える方法を構造的に展開しているのでとても分かりやすい。構造的という
のは、こういう具合に因数分解する方法である。
ユニークな戦略 = 定石+インサイト
= 定石+(スピード+レンズ)
= 戦略ノエッセンス+(パタン認識+グラフ発想)x
シャドウボクシング+ ・・・・
という具合である。
とくに、「拡散、フォーカス、ひねりというレンズの三要素」が僕はお気に
入りだ。いいねぇ。
ちなみに、御立さんは、もと同じ職場にいた仲間。超キレ頭(あ、これ怒り
っぽいという意味じゃないよ)だった彼ならではの味がある。
Insightをここまで噛み砕いて語ってくれたこの本は歴史的なポジシ
ョンを得るかもね・・。
(元同僚のよしみという要素を100%排除してもなお、すばらしい!。)
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★★★★★+インサイト
・ユニークな戦略を考えたい方
・考える方法論を考えている方
・人と違ったことをしたい方